Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ふがいない僕は空を見た

2013-01-24 07:43:27 | 読書
窪 美澄,新潮文庫(2012/10).解説 重松清.

「ナニカアル」は女の小説と思ったが,これもまた女の小説.「女による女のための何とか文学大賞」受賞作だそうだ.陰湿で,その上 性描写満載で,桐野作品よりもえげつない.誰にでもある,どうしようもないが,可愛くもある部分を拡大して見せた小説と言うこともできそう.

道尾秀介「光媒の花」同様の連作小説で,山本周五郎賞というのはこの形態が好きなんだろうか.最初の2遍が暗くやり切れなかったので,放り出そうと思ったが,3編目で救われた.全体では,思ったより甘く終わってしまったという印象もある.

自分が高校生だったら喜び勇んで読んだと思うが,この歳ではモタレル本だった.

「BOOK」データベースより*****
これって性欲 ? でも、それだけじゃないはず。高校一年、斉藤卓巳。ずっと好きだったクラスメートに告白されても、頭の中はコミケで出会った主婦、あんずのことでいっぱい。団地で暮らす同級生、助産院をいとなむお母さん…16歳のやりきれない思いは周りの人たちに波紋を広げ、彼らの生きかたまでも変えていく。第8回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞受賞、嫉妬、感傷、愛着、僕らをゆさぶる衝動をまばゆくさらけだすデビュー作。*****

上のような梗概では,連作小説の場合は第 1 編だけしか対象にしないらしい.それにしても,斜め読みのせいか「ふがいない僕は...」の「僕」が誰のことだか分からない.
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg