いつも、行っていたお店がある。
学生の街で、予備校がある町。
「マリアクラブ」
ダンスホールがあった。そこでの青春は、もうないのだ。今は、なにが建っているのか。
閉店の知らせ。
本当の「ダンスホール」
クラブ、それも、フツーの時代の、ただ、踊る場所として。
ある天才すら、「マリアクラブ」の曲を書いている。
昔は、「社交ダンス」が、盛んで、おじいさんやおばあさんも、踊っていた。
そういうわけで、親は、ふつーに、踊りたいなら、ということで、まあ、たまに行くようになった。
まず、夕方に入る。
とにかく食事、軽食は、食べ放題で、スタッフから、まあ「しきたり」の説明がなんとなくある。
休憩もできるし、フツーのドリンクもある。
7時くらいから、曲が、かかりはじめ、「フツーの女性」がぽつぽつと。
そして、まあ、どんどん暗くなる。
というのも、踊りは、やはり、ヘタウマが、あるので、暗くするだけ。
男性は・・一割かな。
フツーの恰好や、セクシーのお姉さん。踊りがうまい、お姉さんたちが、入ると
DJが、どんどん、「盛り上げてゆく」あおるのではなくて。
わからないと、しぐさ、を「おねえさん」が、「お手本」を教えてくれる。
そして、だいたい、「この曲は、こう」というものができる。
そして、11(夜)このころから、「色っぽい」女性、そういう、曲。
チークダンス。
彼氏さんが登場、か、恋人。
学生は、あこがれるが、やはり、いつか、彼氏とか、恋人と踊りたい・・
普通に帰る。
帰宅は、11:30、くらい。親も寝ている。
まず、香水のにおいもせず、フツーの学生、だし、「予備校の町」にあるもので、安心している。
なぜか伝説の「マリアクラブ」。
そして、そういうところの方が、ダンサーの先生で、ダンサーを育てると聞く。
「マリアクラブ経験」で、通用すると聞く。
ただ、やはり、ナンパ劇場になると、「閉店」に追い込まれるという噂で。
やはり、「閉店」という知らせが、新聞に載る。
お立ち台もない。ただ、踊りたい。だって、ダンス部もない時代。
なぜか、「マリアクラブ」で、全国に広まり。
そして、あるクラブ?のうわさで、「元祖」が閉店の現実。
風評被害・・・だそうです。
あの時代、私は、ぼろぼろでも、救われる、踊るだけで、楽しい、唯一の場所だった。
そういう「ダンスホール」があるのだろうか。
普通に、友人と話していて「パラパラ」の話、すーっと「こーいうのとか、ある?」
すると「もしかして、」
わかるのかはしらないけど。やはり、「即興」「ライブ」でないと、鍛えられない。
あえて、何もいわない。でも、「いえない」・・あの「マリアクラブ」は、宝物だから。伝説だから。
絶対に話したくない。私の本当の「青春」だからこそ。誇りだからこそ。
私はフツーの主婦だけど。今もあのクラブが懐かしいこともある。
誰だって、踊りたい時期もあるし、それぞれ。今でもそうだろうし、そういうものがあるといいな。
尾崎豊さんのとある歌もあるけど、もっと健全で、でもある時間だけは「恋人の特別な時間」で。
そういう時代はもう終わるのかもしれない。
また、到来しても、やはり「その時代のもの」になるだろうし、それが時代というものだし。
「あの、マリアクラブをしってるかい?」
これも、私が、誰かに、話す人は、もういない。
どこにもいない。
主人が、ある街に出かけたそうで。
あの、店が、閉店で、あのコーヒーのお店もない・・・
「でも、あのお店はあったんだ。かばんがあってね、安くいいものを買ってね」
とてもうれしそうだった。
「まだ、あったの」
「うん。」
母が、ここで買うといいよだけ、教えてくれ、彼氏?のときではないか・・まあ、ダメ元。
主人を連れて行って、主人は、かばんを買い、主人は、そこでまた、買ったのだという。
わざわざ、出してくれたそうだ。覚えていたのかもしれないし。本当に親切なお店である。
とても、うれしそうなだんなさん。なぜか、気が向いたのかはわからないけれど、あたらしいかばん。
どこか「少年」にもどったような感じで、うれしそうで、私も本当にうれしかった。
その日は母の命日。
そういうお店があってほしいなあ、続けることは大変でも。
私も、いいお店で、いろいろと買った日だった。
「ほんもの」が、ある時代に生まれた、世代としては、本当によかったと思う。
「へえーすごいね。こんなに、安いなんてね、まだそういうお店もある」
「すごいでしょ、たぶん、100万といっても、通用するよね」
「そうだよ。うーん。こういうのわかる人はいるのかなあー「お金」で選ぶか、なあ」
そういうお店が「ださい」で、「うれない」で、「おしまい」に、ならないでほしいと願っている。