はさみ屋のブログ

理・美容師の使うカットシザーのメンテナンス・アドバイザー(研ぎ・調整・販売)

ハサミネタ。

2006年12月21日 | はさみネタ

理・美容鋏の使用上の注意点や、長持ちする為のお手入れ法の説明します。

 

一般的な「お手入れ法は」下記の様な説明が殆どです。●印の部分の事です。
しかし、現実的には忙しさに流されて、それすら出来ない事もまま有るでしょう。
その下に※私の考えを添えて見ました。

●ご使用後はセーム皮、乾いた布、ティシュ等でパーマ液等を拭き取って下さい。

※でっ その都度拭けない場合には、その日の営業が終了後にでも可です。
また、ハサミの隙間に入り込んだ髪の毛は、その隙間にシャンプー液を挿し
4~5回ほど開閉を繰り返してからお湯で洗い流すとすっきりします。
水っ気は拭き取ってください。
熱めのお湯で洗うと鋏体が暖まって湿気が飛びやすく成ります。

●ハサミを使用した後は、刃先に返り刃が出ますから、セーム皮等で
 刃を拭き取って下さい。

※一理あります。 下記の空切りにも言えることですが、これは厳密には研ぎが
パーフェクトな仕上がりで無く、取り切れない程小さなバリが原因でも有り
私が研ぎ調整の処理をしたハサミに置いては、あまり気にしなくても構いません。

●理・美容鋏は、空切りは絶対ダメ!  ※と言う例の注意書きです。

理・美容鋏の刃を傷つける原因になります。 ←※そんな事は殆ど無いですね。

裏押しの部分に傷がつき、かみやすくなります。

※こんな ↑ 事も有りません。 これは、取り切れないバリが有った場合の事です。
但し、オイルの切れたハサミだと触点の負担はあるかも?ねっ

●理・美容鋏を置く時には、開けたまま置きますと、交差する所が傷つきやすい為
必ず閉じいた状態で、置いて下さい。 ←※これは、その通りです。

●長期間使用しない場合は、ミシン油等で軽く拭いて乾燥した場所での保管を
お勧めします。 

※長期間なら ↑ オイルも劣化するので上記のシャンプーとお湯洗いで
汚れを残さずに取り去ればOK、保管も特別「乾燥」した場所で無くても
構わないでしょう。カビが生える様な場所で無ければ・・・

●万が一さびた場合は、加工にも手間が掛かり、余分な出費になります。

※単なる大げさな脅しです。 ↑ 着鋼の時代のお話ですね。
少なくても、私の取り扱うカットシザーならひとつ前の※の洗って保管でも
錆びません。 また、少々の錆はメンテナンスで元通りに成ります。
余分な出費なんて掛かりません。 私ならですが・・・ 

おまけ
 
★理・美容鋏を使用する上でやってはいけない事!

★理容鋏・美容鋏の初切りは、厚切りするのは絶対ダメ!
新品や研ぎたてのハサミは鋭角な刃がついている為、柔らかい髪からカットして
少し馴染まして下さい。 ↑ ※私が研ぎ調整の処理をしたハサミに置いては
それ程、気にしなくても構いません。
 

★理容鋏・美容鋏は、親指を押しつけて切る押し切りは絶対ダメ!
刃の磨耗を早めます。 手・指にも負担が掛かり鋏の寿命を縮めます。

※ハサミの寿命を縮めます・・・よりも、指が疲れますね。
切れないハサミを使い続けて居ると押し切りのクセが付く様です。
良く切れるハサミを使っていれば、押し切りのクセもその内に直ります。

 
★理容鋏・美容鋏のネジの緩めすぎは絶対ダメ!
ガタつきが多いと刃と刃が当たり傷つけます。

※ハサミの交差角度の関係で、適正な締め付けは必要です。 ネジが緩いと
空切りよりも遙かにダメージが出やすいので、注意しましょう。

Q ネジの締め方はどの位が適正なの?
  私のはかなり ゆるゆる なんだけど・・・

A まず、親指を入れる側のハンドルを左手でつまみ、通常なら指掛けの
  付いている側のハンドルを右手でつまんで引き上げハサミを開いたら
  つまんでいた右手を放してハサミの重さで閉じる事を確認します。
   
  簡単にパチンと閉じてしまうと、ネジはゆるめすぎです。
  徐々にネジを締め込みながら、同じ方法で何度かハサミを閉じていると
  そのうち刃先から1~2cm開いたところで、フワッと止まるようになります。
  その位がネジの適正な締め具合と云えるでしょう。
  (締め込みがゆるいとガタ付き、刃と触点に負担が掛かります。)
     
  すでに触点などの変形してしまったものや、ティパーネジタイプの
  ハサミの中には、微調整の利かないものも有り、叩きなどの荒技が必要に成る。
  
  また、セニングはカットシザーよりネジを強めに締めて下さい。
  指が負担を感じないギリギリまで締めた方がセニングの為に良いのです。

その他の疑問はご質問下さい。


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