群馬県太田市に行くのは家人の希望で、目的はそこにあるスバルの群馬本工場を見ることだという。いや多分違う。本工場前にある伊勢屋さんというお菓子屋さんで、スバル最中を買うことだと思う。伊勢屋さんが製造販売するスバル最中は、元々は富士重工業の健康保険組合の記念品としてオーダーされたことが始まりだ。それ以来、半ば公式菓子みたいな形で現在まで販売され続けている。店舗は群馬本工場の正門の真前にある。今では世界的大企業となったスバル。町の小さなお菓子屋さんの提携は、心温まるエピソードだと思う。
我が家には2台の車があるが、どちらもスバルの4WD(AWD)である。世の中では、スバルに乗るユーザーは、そのロイヤリティの高さから「スバリスト」と呼ばれる。でもはっきりしておきたいのは、僕はスバリストではない。あくまで北国(雪国)特有の事情も絡み、スバルのクルマに乗っているのである。もちろん自分のクルマは気に入っているが、自動車メーカーに対して盲目的な愛情は持っていない。これはカメラに対しても同様だ。ライカや富士フィルムのカメラを使っていて、メーカーの成り立ちに敬意を持っている。自分のカメラも大好きだ。だが盲目的な愛情までは持っていない。僕はそういうタイプの人間だ。ただし家人は事情が異なるようで、自分のことを「スバリスト」と呼んでいる。正直、最中が特別好きなわけでもないし、こんなことの為にわざわざ群馬まで行くのも躊躇われた。そこで折り合いをつけたのが、近くの太田駅の町並みが素晴らしいことだった(昨日掲載済み)。まあとにかく、お菓子もろもろを買ってきた。包装紙が渋いし、スバルのクルマの歴史を紹介する小冊子まで入っていた。家人も喜んでいたので、良しとしよう。