No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

秘境駅・JR羽越本線の女鹿駅

2023-08-13 | ローカル鉄道




秘境駅としても知られるJR羽越本線の女鹿駅。かつては信号場だった駅だ。この駅に停まる列車は一日に数本しかなく、最寄りの集落から通学に使う数人の学生しか利用客はいないと思う。その最寄りの集落まで歩くのにも10分以上は掛かる。駅舎は何年か前に建て替えられた。以前は「信号場」と書かれた文字を塗りつぶした業務感満載の駅舎で、不思議な趣を醸し出していた。僕は以前の駅舎が好きだった。駅舎の前には古い桜の木が一本立ち、満開になると美しかった。

夏休みになると、この駅舎には駅マニアや鉄道ファンが訪れる。駅ノートを見ると随分遠くから来る人もいる。青春18切符を使う人も多いだろう。もう僕は野宿も辞さないような旅をすることはない。遠い昔を想い、若者が羨ましくなった。

追伸:日差しに負けてモノクロが破綻した。カラーで撮るべきだった。


LEICA M10 MONOCHROME / APO-LANTHAR 35mm F2 VM



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残照

2023-07-29 | ローカル鉄道
暑かった一日。残照を浴びた鉄路は熱を持ち、そこから湯気が上がるような気がした。単線の鉄路はこれから行く道であり、同時にここまで来た道でもある。まるで人生のそのものだと思った。

(備忘録③)
今年の夏は、いつもの夏よりも一段と暑く感じる。結局、暑さというのは相対的なものなのだろう。

RICOH GRⅢ
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田園の駅にて〜お作法も覚えていこう

2023-07-17 | ローカル鉄道


いつもとは異なる方向から、曲沢駅を撮影した。僕は鉄道ファンであったことはない。そもそも鉄道車輌のことは何も知らない。時折、駅や列車の写真を撮ることはある。でもそれは単なるスナップ写真の一環であり、鉄道写真のお作法には従っていない。従うも何も、お作法自体を知らないのだからどうしようもない。そういう意味では門外漢で良いと思ってきた。今後は土俵に立つ以上、ある程度の作法は覚えようとも考えてもいる(ある程度ですよ)。これはカメラを変えた効果の一つだと思う。現在のところは様子見であり、自分で撮った写真を見ても違和感が拭えない。多分、鉄道写真の画を殆ど見たことがないからだと思う。上原師匠の鉄道写真は、参考というのには余りにレベルが高い(当たり前ですが)。一般的な鉄道写真を見ることから始めようと思う。


X-H2 /  XF16-80mmF4 R OIS WR


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曇天の水面に秘境駅

2023-05-16 | ローカル鉄道
由利高原鉄道の曲沢駅。HDR調モードで撮った。せめてRAWファイルを併用すべきだったと後で公開した。今回は15分ほど待てば列車が来ることが分かっていたのに、その15分を待つ辛抱がなかった。GW期間から5月14日の日曜日まで、我が家に客人が滞在していた。楽しい時間を過ごしたが、身体の方はクタクタである。まあそんな時もある。

GRⅢ(35mmクロップ、HDR調)
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雪霞みの向こうに駅がある

2023-01-24 | ローカル鉄道
由利高原鉄道の曲沢駅。冬は特に良い光景を見ることはできる。全国ニュースでは、北日本の日本海側は大雪であると繰り返し報じている。僕が知る限り、これまでは新潟の一部地域以外は、十年に一度の少雪だと思う。青森の酸ヶ湯とか、山形の肘折は、特例中の特例地域である。あそこを一般的な地域と同列に扱ってはいけない。静岡県の天気予報に富士山頂を含めないのと同じだ。

さて、毎年この時期は田んぼが一面の雪原になる曲沢駅。今年はまだ地面(田んぼ)が薄っすらと見えている。これが久しぶりの大雪報道の直後の映像だ。恐らく現地の映像も見ることなく、ただただ原稿をもとに大雪だと連呼するアナウンサーにため息をつく現地住民であった。それでも今週半ばに来るという寒波。今回は凄そうだ。この曲沢駅前の田んぼも雪に埋もれるだろう。

追伸:全国ニュースで北日本の寒波を(大げさに)報道する。備えという意味で一定の効果もある。特に非積雪地域からクルマで北日本に来る方、運送関係の業者さんへの抑止効果が期待できると思う。一方で、近年は「くるくる詐欺」みたいな状態が続き、逆に肝心のときに「またか。まあ大丈夫だろう」となってしまい、逆効果の心配をしている。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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旧き隧道の前で

2022-12-21 | ローカル鉄道




JR奥羽本線の旧・第一鶴形隧道である。いまは鉄道トンネルとしては役目を終え、酒造会社の貯蔵庫として使われているらしい。かつてのトンネル入り口には扉が造られ、その前には置き忘れたかのように車掌車両が置かれている。何年かに一度、ここに来たくなる。  


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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静寂~ISO64000の世界

2022-07-15 | ローカル鉄道
三脚がなかったので、手持ちで撮影した。辺りは想像以上に暗く、足下すら見えないほどだった。ISO64000。闇と静寂の中、ぼわっと駅が見えた。それは実在するものか、幻なのか、不確かな光景に思えた。時刻はまだ午後8時。都会では小学生だって歩いているかもしれない。ここでは真夜中のようで、人を寄せ付けない。もしかすると銀河鉄道の駅かもしれない。


LEICA M10 MONOCHROME  / SUMMICRON M35mm ASPH
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小さな駅を維持する努力

2022-07-08 | ローカル鉄道




由利高原鉄道の黒沢駅。当ブログによく掲載する曲沢駅(田圃の真ん中にある駅)の隣りである。線路は霞んだ山裾の田圃に伸びていた。冬になれば田圃はは、一面の大雪原となる。少し古いデータだが、この駅の利用者は2018年時点で一日10人ほど(ちなみに曲沢駅は2人)。その殆どは高校生か高齢者だと思う。由利高原鉄道は殆どの駅が無人駅で、有人駅は数えるほどしかない。黒沢駅も当然無人駅である。それでも駅前は綺麗に清掃され、駅舎やホームにはプランターに植えられた花が飾られている。鉄道会社はそこまで余裕がないので、近隣住民のボランティアだと思われる。「コスパ」とは無縁の世界がここにはある。

※ピンボケだったけど、花の写真掲載しました。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR

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愛すべき駅でやりたいこと

2022-06-28 | ローカル鉄道
愛すべき由利高原鉄道。そしてここは毎度お馴染みの曲沢駅。本来6月の秋田県といえば、雨でも降れば肌寒く、何かを上着を羽織らないといけない場面も多い。それがこのところ、毎日蒸し暑い日が続いている。僕がもし学生で、しかも東北から遠い地に住んでいたとしたら、この夏は由利高原鉄道の曲沢駅を目指すのも悪くないと思う。きっとその頃には乾いた太陽が照りつけ、山肌には入道雲が見えるだろう。やっとの思いで駅まで着いたら、小型の冷却袋でキンキンに冷やした缶ビールをグビっと一気に飲みたいものだ。・・・。今の学生は、そんなことしないか。学生だったらと言いつつ、やることだけはオッサンのままだ。

X-PRO3 / XF14mm F2.8R





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巨大土偶が鎮座する駅舎(かなり大きいです)

2022-06-12 | ローカル鉄道




青森県つがる市にあるJR五能線の「木造(きづくり)駅」である。「巨大な土偶が出迎える迫力ある駅舎」として、東北の駅百選に選定されている。ふるさと創生事業(1988年、昭和63年〜平成元年)で建築され、駅舎は「木造ふれ愛センター」も兼ねている。もう見た目そのもので、遠目に巨大な土偶が鎮座する駅舎は異彩を放っている。というか、駅前は寂しいことになっているので、ほぼ土偶しか眼に入らない。ちなみに「ふるさと創生事業」は各市町村に1億円を交付し、地域つくり事業を自治体が自由に出来るというものだった。平成の大合併前なので、かなり小さな自治体もあったが、すべてに格差なく1億円が交付された。かなりの「とんでもない企画」を行った自治体もあったと聞くが、木造町(きづくり町)の場合は成功例と言えるのではないか。ちなみに、土偶の眼は夜になると赤く光る仕様になっている。地域の子供が怯えるので、光らすことは止めているそうだ。

それにしても、今の令和の世の中で同じ企画を行えば、「税金の無駄使いだ!」と猛バッシングが起きて頓挫するかもしれない。それはそれで住民の選択だと思うが、そういうマインドが長らく続くデフレ社会の原因の一つであることは間違いない。この木造駅が僕の「青森一泊二日町歩きの旅」の起点となる。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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