No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

駅前の光景~JR五能線・沢目駅

2023-06-23 | 駅前の光景











一日の利用者数が200万人を超える新宿駅から、殆ど利用者のいない無人駅まで、日本全国には様々な駅がある。どんな駅であれ、そこに駅がある限り必ず駅前が存在する。今回はJR五能線の沢目駅。秋田県八峰町にある駅で、当然ながら無人駅である。ちょっと?、無人駅にしては立派過ぎない?と思う方もいるだろう。東北地方には多いのだが、合築形式といってJR駅機能と公共機関とで共同利用する建物となっている。この駅の場合は「土地改良区」の事務所が入居している。他の駅でも観光組合だったり、地域のコミュニティセンターだったり、何かの記念館(博物館)だったり、色々な機関が入居しているケースがある。当然ながら合築の駅舎建設には相当な税金が投入されていると思う。それを都会の感覚では無駄というし、田舎の感覚ではそうしないと交通インフラを維持できないと考える。

さて、沢目駅前は静かな町だった。現役の商店があり、廃業した商店があり、住宅があり、駅前通りがある。田舎の小さな普通の町だ。ただ一つ異彩を放つのは、線路を跨ぐ「ふれあい橋」だろう。屋根付き通路になった歩行者用の跨線橋だ。なんとエレベーターまで着いていて、線路の反対側へと行き来することができる。普通であれば駅自体に通路が設けられていることが多い。沢目駅は駅から少し離れた所に設置されていた。渡った先に小学校があるので、安全面の配慮から造られたのかもしれない。試しに登ってみると、単線の線路が伸びている光景が見えた。静かで優しい気持ちと、少しだけ寂しい気持ちになる。


LEICA M10 MONOCHROME / Summicron M35mm ASPH 
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駅前の光景 JR北上線・黒沢駅

2021-10-01 | 駅前の光景










単発だけど。久々のシリーズ「駅前の光景」。日本で最も乗降客数の多い駅は新宿駅で、一日250万人以上の人が利用すると言う。僕が学生時代によく利用していた池袋駅は、約190万人で3位らしい。緊急事態宣言下で、それがどうなっているのかは知らない。知らないけれど、田舎に住む身からすると驚きの数字だ。秋田県でもっとも利用者数の多い駅は、秋田駅である。一日約2万人。秋田県では他に1万人以上利用する駅は存在せず、2位の土崎駅で約4千人。そもそも秋田県の人口は約96万人。仮に県民全員が秋田駅を利用してどこかに行き、また帰りに秋田駅に降り立ったとして、池袋駅と同等。渋谷駅の利用者数に及ばない。そんな非現実的な話はさておき、一日100万人を超える利用者がいる駅にも、無人駅で殆ど利用者がいない駅にも、等しく駅前が存在する。駅前というカテゴリーで括ることが不可能に思えるほど、激しい差異がそこにはあるだろう。されど駅前。

今回の駅はJR北上線の黒沢駅。北上線は秋田県横手市と岩手県北上市を結ぶ全長約60kmの路線である。奥羽山脈を東西に横断する形で東進する。山越えでは、和賀川につくられたダム湖の錦秋湖に沿って走り、車窓からは四季折々の美しい景色を眺めることができる。和賀川は終点の北上あたりで北上川に合流する。北上線はここで終わりである。その後の北上川はどうなるのだろうか。北上川は進路を南に取りつつ、やがて宮城県に入る。そして石巻市で太平洋にたどり着く。北上川の終点部分には、石巻市立大川小学校があった。あの東日本大震災の大津波で、全児童の7割にもあたる74名が亡くなった小学校だ。僕は和賀川を見ると、この川は北上川と合流し、やがて大川小学校まで流れていくんだなと、なんともいえない気持ちになる。

さて黒沢駅だけど、この駅は秋田県と岩手県の県境付近にある。住所的には秋田県横手市となる。駅周辺の黒沢地区は中心部から遠く離れた小さな集落である。岩手県境まで僅か2km。もしかすると岩手側との往来の方が盛んなのかもしれない。例えば、最寄りの食堂を利用するとして、同じ秋田県で一番近い食堂まで約8kmほどある。ところが岩手県側であれば、約2.5km先と遥かに近い。(その食堂は画期的な食堂で、驚きの仕掛けがある。いつか紹介したい)。駅周辺の集落には店も何もない。ただ民家以外には、少し離れた温泉への送迎待合所があるだけだ。そもそも鉄道だって、数少ない温泉利用者以外は、学生や高齢者だけだろう。駅前に佇むと、少し離れたバイパス道路を走る車の音が聞こえる。それ以外は風の音と鳥の声だけだ。豪雪地帯なので、冬になれば全ては雪に覆われる。真冬の駅は見たことはないが、それも良いかも知れない。何をどうしたって、密になることなんて不可能な場所もある。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR

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駅前の光景 JR奥羽本線・横堀駅 (少年時代の菅首相が歩いた町)

2020-09-21 | 駅前の光景









JR奥羽本線の横堀駅である。以前に「院内駅」の写真を掲載したことがあるが、その隣の駅である。両駅とも現在の住所は秋田県の湯沢市だが、平成の大合併前は「雄勝町」であった。雄勝町は昭和30年に横堀町、院内町、秋の宮村が合併して出来た町である。菅義偉首相は、旧・秋の宮村の出身であり、お父さんは雄勝町の町会議員をしていたこともあるという。首相も湯沢市内の高校にバスで通ったというので、乗り継ぎなどで横堀の駅周辺を歩いたこともあるかもしれない。秋の宮は温泉で有名な町で、僕も時々日帰り入浴をする。その田舎度は、かなりのレベルであり、雄勝の町は都会に見えたことだろう(本当です)。こういう名もなき町は日本全国に星の数ほどある。少しでも活性化する政策をと願う。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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駅前の光景 JR北上線・ゆだ錦秋湖駅

2020-06-27 | 駅前の光景








JR北上線は、岩手県北上市と秋田県横手市を結ぶ全長約60kmの路線である。秋田方面からいうと、黒沢駅が秋田県最後の駅で、その隣が岩手県の「ほっとゆだ駅」となる。ほっとゆだを過ぎると、ダム湖である「錦秋湖」沿いの山間部を列車は走る。錦秋湖のど真ん中にある駅が「ゆだ錦秋湖駅」となる。手前は「ほっとゆだ駅」、次の駅が「和賀仙人駅」となるが、もうこの辺りの「隣駅」という概念は都会のそれとは別次元のものだ。間違っても歩いていけるような「隣」ではない。

ゆだ錦秋湖駅(無人駅)は、ダム沿いの国道107号線から外れた湖の対岸にある。写真だけ見れば、意外と町っぽく見えるかもしれないが、わずか200mほどの区間しか生活圏は存在しない。興味本位で車で寄ってみる人はいるかもしれないが、鉄道でわざわざこの駅に来る人は殆どいないと思われる。4枚目の写真の奥に見える屋根の大きな建物は、「穴ゆっこ」という温泉施設である。ここが唯一の観光施設だろう。僕も数回行ったことがある。洞窟風呂に入れるというのが売りだけど、僕が行ったときは、いずれも洞窟風呂にお湯は張っていなかった。ちなみに駅前とは無関係だが、ここから車で15分くらいの所に、「砂ゆっこ」という風呂もある。こちらは巨大な砂場に寝転がると、オバちゃんがスコップで熱い砂をかけてくれて、天然サウナのような状態となる。汗を流し切ったら、お風呂で砂を流す楽しい施設だ。夏場は暑すぎて危険かもしれない。熱中症のようになる人もいるし(おばちゃんは大丈夫かと常に声を掛けてくれます。我慢しないこと)、家人は砂風呂に入ったあと、数日間寝込んだこともある。どちらかというと、真冬に行って汗をかくという贅沢を楽しんだ方がよいかもしれない。僕は身体が軽くなり、驚くほどスッキリした。手前の「ほっとゆだ駅」にも駅舎に温泉入浴施設(源泉掛け流し)が併設されている。浴場内には列車の信号機を模した待ち時間信号がついている。何もない駅だと思い込んでいたが、書いているうちに「楽しげ」な場所に思えてきた。地理的な要因と利便性から北上線を使う機会が殆どないことが残念である。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR

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駅前の光景 JR奥羽本線・・院内駅

2019-04-20 | 駅前の光景










一枚目の写真、随分と立派な駅舎に見えるかもしれない。これは「院内銀山記念館」と「JR院内駅」が併設されているからであり、駅自体は無人駅である。この院内(秋田県湯沢市院内)には、江戸時代に発見された「院内銀山」という鉱山があった。1800年代には日本一の銀山と呼ばれ、鉱山の中に15000人以上の人が住む町があったという。
今はその面影はなく、静かな町並みがひっそりと佇んでいる。近くには幹線道路である国道13号線と国道108号線が交差していて、車の通行量は多い。だが、駅は幹線道路から外れた場所にあり、車も人も往来は少ない。江戸時代には数千軒の家屋があったとは想像し難い。よほどのことがないと、降り立つことのない駅、院内駅周辺の写真を多めに掲載した。


X-PRO2 / XF23mm F1.4R

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駅前の光景 JR奥羽本線・舟形駅

2018-10-14 | 駅前の光景
















JR奥羽本線・舟形駅は、山形新幹線も停まる「新庄駅」から二つ目の駅だ。僕は新庄駅と縁が深く、新庄自体にも行くし、新庄を経由して山形市とか上山市とか米沢市方面にも行く。行くといっても新庄駅を過ぎ辺りで、東北中央道(無料区間なので)に入ってしまう。だからいくら近くても、舟形駅に行く機会はなかった。道路事情が良くなったことで、人が集まらなくなる町は多い。舟形駅のある舟形町もその典型だ。駅は面白い形式だ。駅舎にあたる部分が、観光物産センターとなっており、そこに観光協会らしき職員の方が常駐している。駅自体は無人駅だ。何か買って行こうとしたが、現地とは無関係な菓子類が多く、物産品を積極的に売ろうという様子はなかった。土曜日なのに営業していることだけで良しとしなければならないだろう。
「縄文の女神」なる土偶が出土した地というのをアピールしているものの、物産館にも特に関連したものもなく、そもそもそれが(レプリカだとしても)どこで見ることができるのか分からなかった。折角の売りなのに惜しい。通常、「女神ちゃん」とかそんな感じのゆるキャラがあったり、縄文の女神ミニチュアキーホルダーとかを発売していると想像する。あれば購入したと思うけど、どこにも見当たらない。町の寂しさよりも、ここは「行政、もっと頑張れよ」と言いたいのが正直なところだ、奮起を願う。

追伸:町中の一等地の大きな建物に、「教育委員会」が居を構えていた。それは役場の一室で良いから、「縄文の女神」の展示施設にしろよ。そう思った。



X-PRO2 / XF23mm F1.4R

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駅前の光景 JR五能線・八森駅

2018-08-02 | 駅前の光景








「駅前の光景」シリーズは、地方鉄道の駅前を撮影するもので、決まり事は次の通り。①駅を正面から撮る、②駅から正面の通りを撮る、③カラーで撮る、④35ミリレンズで撮る。それ以外は自由なのだが、今回は「カラー」ではなくモノクロで撮ってしまった。駅の正面写真も小さい。だからボツにしようと思っていたが、猛暑と所用で撮影にも出れていない。珍しくネタがないので、掲載と相成った。中途半端なことして、すいません。


LEICA M MONOCHROME(CCD) / SUMMICRON M35mm ASPH
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駅前の光景 JR米坂線・小国駅

2017-07-15 | 駅前の光景














JR米坂線で新潟側から山形に入ったところに小国町はある。山間の地だ。せっかく越後下関まで来たので、少しだけ小国町の様子を見に行った。失礼ながら、想像よりも大きな町で、想像よりも大きな駅だった。山形県という括りで見れば、辺境の町であり、県庁所在地から一番遠い場所ではないかと思う。でもここは新潟県との県境近くであり、古くから交易が行われた街道であることは想像がつく。
「せっかくだから〜少しだけ」という舐めた気持ちで来たので、町の懐に入ることができず、駅前の光景を捉えることすらできなかったように思う。でも、まだまだこういう町、こういう駅があるのかと思うと、生きていく希望が湧いてくる。中々来れる場所ではないけど、いつかまた来るその日に、また写真撮影に挑戦させてもらおう。その時に、クマ駅長と再会したいと思う。



X-PRO2 / XF23mm F1.4R
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駅前の光景 JR奥羽本線・飯詰駅

2017-04-08 | 駅前の光景












Wikipediaによると、横手盆地のほぼ中央に位置するそうである。羽州街道沿いの六郷町、そして雄物川の舟運交易の要所、角間川町という比較的な大きな二つの町の中間でもあろうとのことだが、二つの町はそもそも鉄道とは無関係に発展した町である。鉄道のある飯詰周辺は少し寂しいというのも面白い。駅前は地方駅の標準的なもので、タクシー会社があり、商店がある。まずまずの町並みだ。
事前の情報では、風情ある昔ながらの商店があるとのことだったが、解体されたのか、改装されたのか。若干没個性的なところは否めない。ただし、タクシー会社、この建物は味があり素敵だった。



X-PRO2 / XF23mm F1.4R
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駅前の光景 J津軽鉄道・津軽中里駅

2017-03-24 | 駅前の光景















津軽鉄道の終着駅である。津軽鉄道には何度も乗ったが、どうしても金木駅から先に行くことはない。今回竜飛方面に行く際に、駅舎カフェの芦野公園駅と終着駅の津軽中里駅に短時間立ち寄った。津軽中里駅は、想像以上に立派な駅舎であることに驚いた。駅前にはタクシー会社と閉店した商店。脇の路地には美容室があった。それなりに歩いて生活できる街並みで、東北の小さな駅としては珍しい。駅の半分はイベントスペースというか物産館のようになっていた。昼食を食べたあとだけど、「けの汁」、とても気になった。2枚も張り出しているからには旨いに違いない。真冬には全く違う姿を見せてくれそうな駅だった。


X-PRO2 / XF23mm F1.4R
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