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No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

築館ブルース

2025-04-17 | 街:宮城










登米の町からの帰路、旧・築館町(栗原市)に立ち寄った。築館は合併時点で人口が約1万5千人ほどの町だった。でも印象としてはもっと大きな町に思える。何がそう感じさせるのかは分からない。僕は「築館」と聞くと、反射的に「ブルース」と言葉を繋げたくなる。この場合のブルースは、本物の「Blues(ブルーズ)」ではなく、淡谷のり子とか青江三奈なんかの歌謡ブルースである。多分、伊勢佐木町ブルースみたいな感じで、「築館町ブルース」という語呂を楽しんでいるだけだが・・・。登米の後に築館。宮城県は楽しめる。


X-T5 /  XF23mm F1.4R LM WR
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登米町探訪(終)~私的ガイドブック 登米の歩き方

2025-04-16 | 街:宮城
ガイドブックには決して載ることのない、私的な「登米の歩き方」を掲載する。本当はガイド地図も作ろうと思ったが、歩いて探すことも楽しみの一つなので止めておいた。もっとも、これを見て実際に登米を歩く人はいないだろう。ガイドブック的な出版物は、どうしても「映える」スポットにばかり注目する。都会の喧騒から離れ東北独特の町並みを訪れた方が、わざわざお洒落なカフェに行く必要はない。そもそも登米町には、お洒落なカフェなど存在しない。それを補って余りある個性豊かなスポットが満載なのである。決してガイドブックが取り上げない(あぶら麩丼はギリ取り上げる)、登米の名所を歩いてみよう。




①天然もの看板
真っ茶色に染まったオロナミンC看板。廃業した店先に掛かっている。十年以上前も同じような姿だった。レトロを演出するツールではなく、本物だ。そしてこれがマツダランプとのコラポとなっている。マツダランプの看板は現存する中では一級品だと思う。文化財保護が必要なレベルである。これは登米の名所である。




②油扶丼
登米の名物「油扶丼」である。かつ丼の「かつ」の替わりに「油扶」を使ったものである。油扶は想像よりもボリュームがあり、適度な油感が肉の代用を超えた独特の味わいを醸し出している。これまた登米名物の「はっと汁」と合わせて食べると最高だ。はっと汁は「すいとん」のような汁物だ。ビーガンにもお勧めの料理だが、どちらも小麦粉の塊であり、フル・グルテンであることは言っておく。ちなみに両方を注文すると結構な量で、お腹がパンパンになる。育ち盛りでなければ「ハーフ」がお勧めである。写真は「大衆食堂つか勇」のあぶら扶丼。






③謎のスタンプ台
相当な年季が入ったスタンプ台が街中にある。もう十年以上前から同じような状態で、正直なところ放置案件である。謎の河童のイラストが描かれている。登米周辺には河童伝説があり、本来であればこのイラストは元祖ゆるキャラになってもおかしくなかった。だが登米のゆるキャラは「はっとン」という小麦のすいとんをモチーフにしたものになった。他にも何種類かのキャラが存在するが、河童は無視された。極めつけとしては登米市の水道マスコットキャラというものがある。ここは河童だろ?と誰しもが思う。でも「ジョーくん」という別のキャラが作られた。それだけにこの河童は涙なくして見られない。





④武者隠し
街中の民家のような建物に仕掛けられた「武者隠し」なるギミック。ハス向かいには「警察資料館」という施設があるものの、普通の街中である。良い齢をして恐縮だけど、武者隠しと言われると隠れたくなるのは人情だ。今回もそこに身を隠した。向かいの警察資料館から家族連れが出てきた。若い夫婦と4~5歳くらいの男の子だ。「ねぇー、あの人隠れているよ!。どうして隠れているのー?」とお父さんに聞く。お父さんは子供の手を引く。僕も一人で無ければ「拙者、敵から身を隠す武士にござる」とか気の利いたことを言っても良い。でも一人だとは流石に恥ずかしい。そういえばこのパターン、過去にも何回かある。年配の人に見つかり、懇切丁寧に説明を受けたこともある。貴方が隠れた場合、どんなことが起きるだろうか。




⑤廃屋
かつての登米城址の上、石垣が組まれた坂道を上ったところにある廃屋。これも十年以上前から廃屋である。何か気になって登米に来る度に見に行く。この奥はどんつきになっており、裁判所があるだけだ。裁判官の官邸だったのだろうか。何となく診療所っぽい雰囲気もある。何故解体されずにそのまま残っているのか。ここまで来たら答えは聞きたくない。想像の世界で楽しもう。

X-T5 /  XF23mm F1.4R LM WR
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登米町探訪②〜桜が咲く瞬間

2025-04-15 | 街:宮城






登米町では町並みの写真を撮ることが目的だった。レンズも23mm(35mm相当)を①本だけで、桜とか花を撮ることは想定していなかった。朝、家を出たときは陰鬱で薄暗く、山間の道には霧が立ち込めていた。登米の町に着いた時点でもまだ肌寒く、もう少し厚手の服を用意しておけば良かったと後悔したくらいだ。それがクルマから降りると、天候は急激に回復していく。靄は消えて眩い陽が差し、明るい青空が出現した。肌寒かったことが嘘のように暖かくなり、上着を脱いだ。嗚呼、春がやってきたと思った。そして驚いた。到着した時点では殆ど咲いていなかった桜が目の前でどんどんと花開いていく。わずか30分の間に満開に近い状態まで開花した。花が開く音が聞こえるようだった。でも頭は昨日掲載した写真の通り、「モノクロモード」だったので、桜を何枚も撮るという状態にはならなかった。

サービス停止を発表したからケチをつけるわけではないが、何故画像がここまで劣化するのか。不思議でならない。きっと何をどうしても画像容量を増やさせたくない思惑が強いのだろう。画像を編集用にアップロードする際、そして記事で投稿する際、これでもかこれでもかと小さな画像に誘導する仕掛け(解像度の選択とか画像サイズの大中小とか)も満載である。

X-T5 /  XF23mm F1.4R LM WR
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登米町探訪①〜好きな町を歩くだけの写真

2025-04-14 | 街:宮城









ここは登米市登米町という場所である。これで「とめし、とよままち」と読む。登米市は平成の大合併で9町が合併して出来た市である。その大部分が「登米郡」の町である。「とめぐん」と読む。つまり登米町は、「とめぐん、とよままち」から「とめし、とよままち」に変わったのである。何回聞いても複雑である。公共施設などに「登米」という名称が付いている場合、旧・登米町管内にあれば「とよま」と読み、それ以外では「とめ」と読むのだと思う。部外者には音読不能である。

さて、そんな登米町(とよままち)であるが、東北コンプリートを意識する前からお気に入りの場所だった。武家屋敷通りがある町である。宮城の明治村とも呼ばれ、明治大正期の建物も多く残る。そして商店街はディープな昭和と「てんこ盛り」の町である。何度も何度も周辺を通過するのに、未踏の町を目指す理由から素通りしていた。今回は久しぶりに登米町を歩いた。日帰りなので日程的にはきつかったけど、やはり楽しかった。

X-T5 /  XF23mm F1.4R LM WR

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僕からも言う、覚えろ!

2025-04-13 | 街:宮城


あるトイレで見つけた張り紙。平静を装い丁寧な言葉で語っている。でもこれはトイレ管理者の魂の叫びと見なければならない。ここに至るまでに一体どんなやり取りがあったのか、それは知らない。尋常ではないやり取りであることは疑いようがない。想像するに以下のようなやり取りだろう。

(ある日)
管理者「おいお前!一体なんで小便器でう◯こするんだ!」
客A「小便器でう◯こして何故悪い?」
管理者「駄目に決まっているだろ!常識だろ!」
客A「俺の常識では別にOKだ。そもそも駄目なんてどこにも書いてないじゃないか」
管理者「ここでは禁止だ!。今後禁止する!」
客A「「そこまで言うならわかったよ」

(数週間後)
管理者「またお前か!。小便器でう◯こしないと約束したじゃないか!」
客A「ああ約束したかもしれない。でも忘れてしまったんだ。仕方ないじゃないか」
管理者「忘れないでくれ。そのくらい覚えてくれ!」
客A「約束を覚えられない俺を差別するのか?。どうしろというんだ!」
管理者「今回は大目に見る。次はない。今後は張り紙をする。それを見ろ。そして小便器でう◯こは駄目だと覚えてくれ。頼むから覚えてくれ!」

小便器に鎮座するう◯こを片付ける管理者が不憫でならない。いいか客A!。僕からもいう「小便器は、う◯こをする場所ではない。いい加減覚えろ!」。・・・。こういうネタが嫌いな方が多いことは承知している。でもすいません。こんな張り紙を見つけたら我慢できませんでした。

GRⅢ
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魅惑の栗駒町(終)〜200分の1

2025-03-21 | 街:宮城











栗駒町は、平成の大合併で栗原市となった。近隣の10市町村が合併して新たな市を形成したのである。その面積は約805㎢であり、人口は約6万人である。ちなみに東京23区の面積は約627㎢であり、人口は約985万人である。宮城コンプリートの際は、栗原市、大崎氏、登米市、石巻市の4市だけで33もの旧市町村を抱えているので、大変苦労した。この周囲を何回も何回もグルグルした。だから心理的にお腹一杯で栗原市周辺には行きたくない気持ちもある。でも栗駒町は別である。そもそもあれだけグルグルしたのに、何故か栗駒町にだけは足を踏み入れていなかった。だからこそ宮城コンプリート終盤に栗駒町に入ったときは驚いたのである。

この町の中心商店街は六日町という。古典手的な昭和の商店街である。大型店というのは殆どない分、あらゆる分野の個人商店が集まっている。それが等しく古びてきている。この均質性は特筆すべき点かもしれない。ただし単なる古い昭和の街ではない。廃業した商店を居抜きで転換し、若い人たちが新たな店舗を展開している。他の地域でも見られる現象だけど、その場合は大抵がアクセサリーショップなど若者が若者だけを対象としたショップを開き、早晩その店も撤退していくケースが多い。栗駒町の場合は店主は若者であっても、対象客を広い層に向け、地に足を着いた取り組みをしているように見える。昭和の顔をした令和の商店街といえるのかもしれない。また訪れてみたい町である。終わり。


X-T5 / XF23mmF1.4 R LM WR
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魅惑の栗駒町①~究極のデジャビュ

2025-03-20 | 街:宮城












宮城県の栗駒町。初めて訪れたのは2023年の3月、丁度2年前のことだった。町並みに心躍ったことを昨日のことのように覚えている。その年の2月に僕は、心房細動の治療としてカテーテル・アブレーションという手術を受けたばかりだった。経過は順調だったけど、流石に無理は禁物だった。体調が万全になったらまた来ようと思っていた。

そして2025年3月。再び栗駒町を訪れたわけだ。今回撮った写真を家で見直したところ、コピーのように2年前と同じような写真を撮っていた。
これはデジャビュであり、2年前に戻ったのではないかとすら思った。栗駒町は周囲から独立した町並みであり、ここだけ異空間に存在しており、いまだに昭和が続いているのではないか。そんな錯覚を覚える。もう一回続きます。

X-T5 / XF23mmF1.4 R LM WR

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八百屋の寸景〜いちばん大事なこと

2025-03-17 | 街:宮城


写真を撮る時には、ピントや構図、更には露出など決めることは多い。でも僕の場合、とどのつまり「撮るべき瞬間」を何よりも優先するだけである。あとの諸々は努力義務に過ぎない。この「撮るべき瞬間」を阻害されることは何よりもストレスとなる。それがMFのレンジファインダー(ライカ)を寵愛していた理由でもある。
一方で最近のミラーレス一眼カメラでは、大抵のことをオートマチックに熟してくれる。あとはタイミングを見てシャッターを押すだけ。その世界に近づきつつある。其の為の技術なのである。ところが、いざシャッターを押そうとするとカメラはスリープモードに入っていたりする。シャッターを半押しすれば解除され、そのタイムラグもほんの一瞬である。ほんの一瞬だけど、その一瞬が気持ち悪いのである。どうしてもうまくいかない。その躊躇から「撮るべき瞬間」は掌から滑り落ちてしまう。スリープモードに入らないようにも設定できるが、その場合はカメラに掛かる負荷と電池の消耗も激しい。最適解を見つけたいものだ。

X-T5 / XF23mmF1.4 R LM WR
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いろは横丁~記憶の森で迷子になる

2024-12-11 | 街:宮城















仙台の壱弐参横丁。久しぶりに来た。最後に来たのが何時なのかは定かではない。少なくとも丸一年以上は来ていない。もしかすると2年以上かもしれない。この横丁の精神的な一丁目一番地は、木村商店(写真2枚目)だと思う。昨年の12月に閉店したそうだ。戦後バラック商店街がルーツの壱弐参横丁。細胞が入れ替わるように新陳代謝を行いながら継続している。だから閉店する店もあるのは仕方がないことだ。それでも寂しく感じる。特に何かを買ったこともないけど、そこにあるだけで安心する商店だった。

確認したところ、様々なカメラで撮影していた。ライカだけで6機種(M3、M8、M9、M10、MM、M10M)、フジが4機種(X-PRO2、X-M1、X-PRO3,X-H2)、キヤノン、リコーGR系、パナソニック等々。見返すと記憶の森の中で迷子になりそうになった。過去は過去として、この先の光景を見て行こうと思う。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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仙台銀座の謎、再び

2024-12-10 | 街:宮城






日本全国には約500か所の銀座があるそうだ。データは見つからなかったが、ほぼすべての都道府県に存在すると考えて良いだろう。そしてここは仙台銀座、正式には仙台銀座商店街である。世の中に色々な銀座がある。その規模も形式もバリエーションに富んでいる。それにしても不思議に思う。何故ここを「銀座」としたのだろうか。仙台は東北では最も大きな街だし、それなりに都会である。いや結構都会である。例えば、角田市とか栗原市であるならば分からなくもない(両市の方、すいません)。角田銀座、うん。これなら分かる。でも仙台であるならば、他の場所がふさわしいのではないだろうか。というか、そもそも銀座というより横丁だよな、と思う。商店街と言いつつ、ほぼ全てが夜の飲食店なのである。つまりここが「仙台思い出横丁」とか「仙台ゴールデン街」であれば違和感はない。何故、銀座なのだろう。といいつつ僕は何度も来ているので、ここが仙台銀座であることは受け入れている。受け入れているけど、何故ここが仙台銀座となったのか、その云われが気になるのである。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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