No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

宮城コンプリート達成〜全71市町村の撮影で感じたこと

2024-05-13 | 東北コンプリート








東北6県の全市町村(平成の大合併前の旧市町村単位)の町並み写真を撮影しようとしている。その試みを東北コンプリートと呼んでいる。すでに山形県(44市町村)、秋田県(69市町村)、岩手県(58市町村)での撮影は完了している。今回、宮城県の全71市町村での撮影を完了した。4県目のコンプリートであり、青森県と福島県の分を加えると、撮影済みの市町村は300を超えた。広さという意味で苦労したのは岩手県だったが、宮城県は「難解さ」に悩まされた。上の地図を見て欲しい。栗原市、大崎市、登米市、石巻市は比較的近いところに隣接し合っている。この4市だけで、旧市町村数は33にもなる。旧市町村を示す目印があるわけでもなく、現地に行ってもそこが何処なのか中々理解できなかった。他の東北5県では、一部の大きな市の周辺を除き、それぞれの町が独立した経済活動圏を形成していた。それが十分な規模とはいえない町村も多い。十分ではなくても、それぞれの町に商店街があり、飲食店エリアや飲み屋街がある。人々は可能な限り、なるべく町の中で用事を済まそうとする。昭和の町のあり方そのものである。だから大抵は旧役場か、大きな寺社の周辺に何らかの町並みのハイライトが存在する。

宮城県はそこが異なる。ひとつの町で全ての機能を賄うことに最初から拘っていない。自分たちの町に必要な機能がないのであれば、周辺の町に行けば良い。ある程度、割り切っているように感じる。町の距離感とか、人口密度とか、仕事を含めた人々の移動とか、複合的な要素からそうなったのだと思う。つまりは他の5県と比べて精神的に都会なのである。また同じ県内とはいえ、場所によって様相が異なることも特徴だ。海沿い町と内陸の町では別世界となる。例えば、蔵王町と気仙沼市とか。さらに地図を見れば分かるが、宮城県の北半分は合併が多く、南半分は全く合併をしていない。これがどういう事情なのかは分からない。

そんな辛気臭いことばかり考えるようになってしまうのが、コンプリートの弊害ではある。僕は社会の考察をしたいわけではない。町で写真を撮りたいだけだ。今後の青森、福島2県のコンプリートには相当な時間が掛かると思う。継続はするけど、当面はコンプリートのことは棚上げしたい。しばらくは純粋に町の写真を楽しみたい。


<東北コンプリートシリーズ>

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宮城コンプリートいよいよカウントダウン

2024-04-22 | 東北コンプリート






(おまけ)
大崎市にある化女沼レジャーランド跡。ルート上にあり何度も行くことになった。



久々に東北コンプリートの話題である。東北コンプリートとは僕のライフワークで、東北6県全ての市町村で町並写真を撮影することである。市町村は国土地理院の平成15年時点のデータに準拠している。つまり平成の大合併前の旧市町村単位である。僕の集計では6県で全401の市町村数となる。既に山形県(44市町村)、秋田県(69市町村)、岩手県(58市町村)は完了している。

その後は苦戦していたが、宮城県71市町村のうち66市町村での撮影を終え、残すところ5市町村となった。順調にいけばあと2回の遠征で宮城コンプリートとなる。宮城県は市町村合併の多かった県で、石巻市(7)、登米市(9)、栗原市(10)、大崎市(7)の4市だけで33もの旧市町村が存在する。それらが近接した地域に密集しており、何が何だか分からなくなるし、同じ場所を繰り返し何回も通ることになり、大変苦労した。その4市での撮影を終え、とうとうカウントダウンが開始された。東北の中では比較的都市部の多い宮城県なので、一つの町の中で経済圏が独立しているとは限らず、ハイライトとなる町並みが見い出せないことも多かった。「繁華街は役場または大きな寺社の近くにあり」という東北(田舎)セオリーが通用せず愕然ともした。結果的に、撮影はしたもののブログに掲載しなかった町が最も多い県となった(今回の写真はそんな町である)。

ちなみに経過報告をすると、現時点で全401市町村のうち撮影済みなのは約300市町村。「約」というのは、撮影した筈なのに写真が見つからないケースもあるし、逆に行っていないと思ったのに後から写真が見つかることもあるからだ。最終的には福島県との闘いになるだろう。92もの旧市町村が存在し、まだ3割ほどしか進捗していない。コンプリートへの道は遠い。でも単にコンプリートを追求せず、町並み写真の撮影を楽しんでいきたい。



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岩手コンプリート達成! 感無量。全58市町村の記録

2022-02-26 | 東北コンプリート






岩手県には現在33の市町村がある。これが平成の大合併前には58の市町村が存在した。その全58市町村(旧市町村単位)の町並みを撮影し、岩手コンプリートを達成した。これで山形県44市町村、秋田県69市町村に次いで3県目の達成となる。3県で合計171市町村となった。残る青森、宮城、福島の3県については、進捗率は50%強といったところだと思う。向こう2年は地道な活動を続け、一旦コンプリートのことは忘れようと思う(集計は続けます)。

さて、岩手県について感想を・・・。それは「コンプリートなんて出来ていない」ということだ。確かに全市町村を訪問し、全ての町で写真を撮った。一回しか行っていない町もあるが、多くの町は複数回行っている。10回以上行った町が、10箇所以上ある。10回以上行った町でも、まだまだと思うのに、一回行っただけでコンプリートもない。あとは自分の心の問題となるが、コンプリートという表現が僭越に感じるようになった。今後、別の表現なりを模索したい。とはいっても今後もこれまでと同様、何度でも同じ町を訪ねることに変わりはない。同じ町を訪ね、同じ場所で、同じものを、同じ構図で撮っても、一枚たりとも同じ瞬間はなかった。一回行ったからコンプリートではない。面積も広大で、地形もバリエーションに富み、民俗文化も多彩な岩手県。その全ての市町村に敬意を表したい。そして形式上は合併で失くなった旧市町村のことも忘れまい。時折、なんでこんなことをしているのか不思議に思うことがある。たまたまそういう趣向を持ち、たまたまそういうことの出来る場所に住んでいただけかもしれない。でもこれは僕のライフワークだ。表現は別として、いつかは東北6県コンプリートを達成したい。(完)。

<東北コンプリートシリーズ>
③岩手コンプリート

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秋田コンプリート達成!! 全69市町村全ての写真を撮りました

2021-04-11 | 東北コンプリート




山形に続いて、秋田コンプリートを達成した。集計と写真の発掘に苦労して、撮り直しをした町もあるけど、やっと合計69市町村コンプリートを達成した。山形県と異なり、秋田県は平成の市町村合併が多かった。69市町村(9市50町10村)が25市町村(13市9町3村)に集約された。すべての旧市町村を確認することは、なかなか大変だった。また既に合併された「旧町」が、もともと幾つかの町村が合併されたもので、その旧旧町(村)名が慣習として残っているケースもある。それはつまり、旧市町村をコンプリートしても、結構大きな集落を見逃していたりすることを意味する。真のコンプリートは遠い。

それでもひと段落したのは事実である。自分が住む県のコンプリートの優先度は高いので安心した。今後は数合わせは考えず、自由に県内各地を訪れたい。次の現実的な目標は岩手コンプリートである。その後は宮城と青森を目指すが、まだ集計すら出来ていないので、少なくとも数年単位の時間が掛かるだろう。コンプリートは結果論なので、当面は通常通り、気になった町や行きたい町を訪れる以前のパターンでいこうと思う。

<東北コンプリートシリーズ>
②秋田コンプリート

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(発表) ついに達成! 山形コンプリート!!! 旧44市町村すべての写真を掲載!

2021-03-18 | 東北コンプリート
<山形コンプリート一覧>






<国土地理院データの市町村一覧>




山形県には35の市町村(8市、19町、3村)がある。平成の大合併前の時点(平成15年)では、その数は44市町村だった。その44の全ての市町村に足を運び、全ての町で写真を撮ること。それを「山形コンプリート」と名づけ、僕のテーマワークとしてきた。この度、その「山形コンプリート」を遂に達成した(尚、44市町村ではあるが、離島の「飛島(酒田市)」の写真を別途追加している)。なんじゃそれ?と言わないで欲しい。確かに何の役にも立たないテーマかもしれないし、世の中には何の影響も与えないかもしれない。それでも僕にとっては意味のある達成なのである。ゆくゆくは、これを「秋田コンプリート」、「岩手コンプリート」と続け、最終的には「東北コンプリート」を達成したい。秋田コンプリートはもう目の前。次なる目標に向けて活動したい。あれだけ苦労したのに、44(+1)枚の写真を並べると、たったこれだけの枚数でしかないのかと最初はショックを受けた。でもサムネイルは小さくても、その中には一つ一つの町が詰まっている。この足で歩き、この手でシャッターを押した町なのだ。そして既に見ることの出来なくなった多くの光景が、ここには残されている。

最後に、こういう取り組みに目を向けさせてくれた、亡き上原稔師匠に心より感謝申し上げます。来月には師匠の一周忌がきます。なんとか間に合って良かったです。力は全く及びませんが、師匠の志を継ぎ東北の写真を撮り続けます。

追伸:備忘録も兼ねて、気づいたことを箇条書きにて記したい。
①整理してみると、何回も行っているのに写真を撮っていない町があった。
②写真を撮った筈なのに見つからず、再度訪問したりもした。写真の分類整理が重要で、最後はパソコンの中の冒険となった。
③一回しか行っていない町もあれば、何十回も行った町もある。何十回も行って初めて見つかることもある。本当の達成は別のところにあるのかもしれない。
④旧市町村単位まで把握することは難しかったが、おかげで町の成り立ちまで考えるようになった。
⑤今後も、とにかくどんな町でも写真を撮ろうと思う。
⑥GPS位置情報があれば、分類は飛躍的に楽になる。
⑦とりあえず一市町村一枚の写真を並べたが、次からはセレクトもちゃんとしたい

#山形コンプリート 44/44(完)

<東北コンプリートシリーズ>
①山形コンプリート
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