No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

夏はどこに行った

2024-08-17 | 街:秋田
猛暑、猛暑と言われる今年の夏。でも実際のところ秋田県は、それほど猛暑ではない。確かに蒸し暑い。だが大抵の場所で気温は高くても30度を少し超える程度で、体温を超えるような気温になるケースはない。加えて7月の末には大雨が続き、梅雨明けも8月に入ってからとなった。お盆に掛けてもな天候不順が続いている。まだ僕の中で本当の「夏」が来ていない感じがする。それでも確実に季節は進み、朝晩はめっきり涼しくなった。秋の到来もそう遠くないだろう。今年は、南海トラフ大地震注意と台風5号の影響で、夏旅にも行っていない。夏休みを奪われた小学生のような心境でいる。どこかで夏を体感する日を作らなきゃと思う。

X-PRO3 /  XF16-80mmF4 R OIS WR


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濃さこそモノクロ写真の命

2024-08-16 | 街:秋田








富士フィルムのX-PRO3は、アクロスモードというモノクロ撮影モードを持つ。モノクロ描写の優れたカメラである。だが昨年までライカM10モノクロームを使っていたせいか、モノクロの濃さについては、どうしても不満を持っていた。後の処理である程度カバーできるのだが、フラストレーションが溜まる。まあライカのモノクロ専用機は特殊だから仕方ないと割り切っていた。

ところがどう言う訳か、この夏くらいからX-PRO3から納得のいく「黒」が出るようになってきた。今回の写真はLightroomで調整しているものもあるけど、何枚かは全くの無加工である。どうしてこうなったのだろう。原因として考えられるのは、次の5点だ。

①本当は同じ描写で単に僕が慣れた
②カメラがやっと僕の意を汲むようになった
③むしろセンサーの劣化など機械的な要因
④カメラの設定を変えたから
⑤モノクロが際立つ場面で使うようになった

心情的には②としたいが、常識的には①と⑤だとは思う。そんなわけで久しぶりに訪れた横手市の増田地区、その撮影は楽しいものとなった。


X-PRO3 / XF35mm F1.4R
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秋田県内にある岩手の町~鹿角の町並み

2024-07-27 | 街:秋田











秋田県鹿角市。秋田県の北東部に位置しており、江戸時代までは岩手の南部藩に属していた。秋田市からクルマで行くとすれば距離にして約130km、時間にして2時間以上掛かる。それに対し、盛岡市からであれば距離にして80kmほど、時間にして1時間少々と圧倒的に近い。僕はこの町に、ホルモン定食(ホルモン幸楽花輪本店)を食べに来る。そして街中で写真を撮る。近くには尾去沢鉱山もあり、先日のバス停もすぐ近くにある。とても良い町だ。

生半可なことを書くと叱られるけど、もはや鹿角は岩手県の町だと思う。行政的には秋田県だとしても、文化や精神面では岩手県に属していると言って良いだろう。宮城県の気仙沼市が、実質的には岩手県の町であるのと同じ状況である。そんなことを考えながら歩いていると岩手県北バスの路線バスを見かけた。大館から鹿角を経由して盛岡まで、ほぼ1時間に1本間隔で運行している。はっきりいって秋田県内の路線バスでこれだけの本数を運航しているのは、他に数路線しかないのではないか。それだけ往来の需要があるのだろう。興味が尽きない町である。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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本当のうな重を食べた

2024-07-20 | 街:秋田
①本物のうな重

②開店30分以上前でこの列


③ノンアルコールビールで


④白焼きを頂く

⑤夏のスタミナ対策の肝も

⑥そして本丸。お吸い物の湯気さえ神々しい


⑦嗚呼

少し前に「うな重の形をしたフェイクスイーツ」の記事を掲載した。今回は、本当の[
うな重」である。土用の丑の日には少し早いが、秋田市内の老舗「横田屋」さんで頂いた。この時期は予約を受け付けていないので、整理券を貰って順番を待つことになる。「20番」だった。ギリギリ一組目に入れず、二巡目のトップで入店した。一時期は五千円に迫っていた価格が、今年は少し安くなっていた。うな重の竹で3850円である。だから白焼きと肝も追加した。白焼きの旨さと来たら・・・。これを肴に冷酒を頂いたら最高だろう。昨年は鰻屋さんに行くことが出来ず、スーパーの惣菜で食べただけだった。二年越しのうな重は最高だった。ノンアルコールのビールだけど、冷酒だったら・・・。鰻の脂が冷たい酒で流されて、えも言われぬ旨さだったろう。

考えてみれば、うなぎは食事として評価すれば、異様なほど高価である。実際問題、家族4人で食べるなんてことになれば、恐ろしい出費になる。断念するケースもあるだろう。それでも何かが10円値上げしただけで大騒ぎの世の中で、鰻屋さんは実に堂々としている。食べる頻度がそれほど多くないとか事情はあるにせよ、要するに「うな重」は旨いのである。嗚呼、もう一回くらいは食べたいなと心から思う。

iPhone 15 PRO


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昼ビールを飲もう〜秋田あくらビール

2024-06-16 | 街:秋田





この週末は暑かった。秋田市中心部に「秋田あくらビール」というクラフトビールの醸造所がある。夏季は昼間でもテイクアウトが出来るそうだ(知らなかった)。滅多に昼ビールを頂く機会はないけど、暑さも相まって異常なくらいに美味かった。これを一杯に留めたのは大いなる進歩だと思う。いやでも、もう一杯くらいは飲めばよかった。ちなみに「秋田美人のビール」を選びました。

GRⅢ


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マタギの町ふたたび、妄想がとまらない

2024-06-13 | 街:秋田










隠れ里の集落で写真を撮り、ついでに近くにある阿仁合の町に来た。周辺(マタギが徒歩で移動可能範囲)では最大の町だと思う。ここは慣れ親しんだ町でもあり、大体いつも通りの写真を撮った。駅前にある内陸線資料館には、クマの毛皮と剥製が展示されている。写真2枚目のクマは絨毯になっていて、自由に座ることができる。僕はこれを見ると機械人間に剥製にされた哲郎のお母さんを連想する(※銀河鉄道999)。哲郎が機械伯爵に復讐することを誓ったように、クマが人間に復讐に来ないか不安になる。万が一、僕がこれに乗ってニヤニヤしているところをクマの子供が窓からそっと見ていたら・・・。だから僕は少し触るだけにしている。大通りには人の気配はなかった。それでも大きな町である。隠れ里のマタギも熊の胆を売りに来て、そのお金で刃物を買ったり、銃弾を買ったりしたかもしれない。想定以上に高く売れた時は、町の店で酒を飲んだことだろう。若いマタギは飲み過ぎて、お金を落として叱られたりしたかもしれない。・・・。もはや写真ではなく、妄想の世界の話になってしまった。そういう妄想をさせる町こそが、良い町なのである。


さて、本来はここで終わるべきことは分かっている。でも折角の機会(?)なので、もっと壮大な妄想を記述する。要約すれば、秋田県鹿角市付近に出没する人喰い熊はツキノワグマではなく、ヒグマあるいはヒグマとの混血種ではないかという話だ。秋田県の一部でまことしやかに噂されているらしい。これは今回、阿仁の日帰り温泉に入った際、たまたま出会った爺さんから温泉に浸かりながら聞いた話である(のぼせるところだった)。どんな与太話かと思ったが、一定の説得力もあった。そして調べたところ、現代ビジネス(というのが笑)のWEBページ上に同じ内容の話が載っていた。爺さんはそれを見て喋っただけ(笑)の可能性もあるが、爺さんの話、記事の内容、そして僕の想像を合わせて記述する。以下、長いので興味ない方はスルーして下さい。

<事件の概要>
2024年5月に秋田県鹿角市の山中で熊に人が襲われ亡くなる事件があった。更に、その遺体を収容中に警察官2名が熊に襲われ、重傷を負った。顔面を激しく損傷する大怪我だったという。あまりに危険過ぎて遺体収容は困難だとし、捜索は一旦中止された。そして重機で新たな林道を切り開く緊急工事を行い、数日後にやっと遺体は回収された。熊による人身事故は毎年起きているが、今回は異例尽くしであった。

<異例と思える3つのこと>
①まず猟友会や消防も含む大人数の捜索の中、熊が襲ってきたこと。
②次に、一度は遺体収容まで辿り着きながら、危険過ぎることを理由に作業を中止。早々に林道切り開きを決めた。早すぎる決断の理由は・・・。
③その後、現場近くのワナに熊が掛かった。すぐに該当の熊ではないと発表されたこと。何故すぐに分かるのか。

<何故異例なのか>
①~②の流れをどう見るかだと思う。捜索隊のうち2名(ともに警察官)が襲撃されたことは確かにショッキングであり、その後に安全作業を優先することは理解できる。猟友会も高齢化しているし、それ以上の増員は困難だとも想像される。また人が多くいる場所で発砲することには危険も伴う。それでも重機で新たな林道を切り開くという荒業、時間もコストも掛かることなのに、それを即決する事情とは一体何だったのだろうか。そこで考えなくてはならないのは、そもそも論として、秋田県北部(鹿角市周辺)の熊は他と比べて狂暴過ぎることだ。明らかに最初から人間を餌として襲っているようにみえる。2016年に鹿角市では熊による食害事件が起こり、4人もの死者が発生した。熊のうち1頭は射殺駆除されたものの、数頭は逃げ延びている。その1頭からは胃から人間の肉片が見つかったが、もしかしたら偶然見つけた肉片を食べただけの可能性もある。本来目撃されていた熊は「赤毛の大きな個体」であったという。この赤毛の大きな個体ということは、③に繋がると思う。そう、一目で他と異なる外観を持っているのである。

<その背景にあること>
更に続けよう。2012年に秋田八幡平クマ牧場 で起きたヒグマ脱走事件を覚えている方はいるだろうか。同年4月、冬季閉鎖中のクマ牧場からヒグマ6頭が脱走。飼育係の高齢者2名が殺害捕食された。降雪により出来た雪の山を登り、檻の外に脱走したものだった。同日夕刻には全頭が射殺されたが、地元では何頭かが山奥に入り行方不明になったとの疑念が強く残る。元々この施設は廃園予定で、エサの量を制限していた。さらに事件後に行われた現場検証で、過去に死んだ熊を敷地内に無造作に埋めていることが発見されるなど、杜撰な経営体制が明らかになった(高齢者数名で飼育担当をする超零細企業だった)。熊の頭数管理も適切に行われていたのか甚だ疑わしい。つまりヒグマが何頭いたのか分かったものではない。現地を知る人はそう考える。ヒグマは野生下でも20年程度は生きると言われ、脱走した熊が(いれば)、まだ生存していても矛盾は生じない。ここで2024年の事件に戻る。

<もう一度考察>
①はヒグマの習性としての貯食行為(いわゆる土饅頭)だと考えると理解できる。貯食を奪わるとヒグマは命掛けで闘う。更に②。そこまで危険と早々に匙を投げた原因が、熊の属性にあるとすれば納得する。ヒグマではないとしても、常軌を逸する狂暴さとか、通常ではない個体なのではないか。地元では逃げ出したヒグマとツキノワグマのハイブリッドではないかとの説もあるらしい。生物学的には考え難いらしいが、そんな説が出るくらい異質の熊がいるということだ。

<結び>
いずれにしろ秋田県北部の山中は極めて危険だということは間違いない。ヒグマが生き延びているかもしれない・・・。いやいや、そんなことは信じたくはない。でも例えヒグマではないとしても、ヒグマみたいな行動をするツキノワグマがいることは間違いない。僕は何があっても鹿角の山中には入りたくない。


GRⅢ

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現代に残る隠れ里〜トンネルでしか行けない集落

2024-06-11 | 街:秋田











北秋田市の根子集落である。ここは驚くべき場所だ。四方を山に囲まれ、周囲から隔絶された集落である。摺鉢状となった地形に、約50戸、人数にして110人ほどの住民が暮らしている。集落への出入り口は、基本的にトンネルのみとなる。そのトンネルは昭和50年に完成したもので、延長575mで片側交互通行、途中2箇所に待避所が設けられている。トンネル完成前は、殆どの住民は山道を歩いて集落への出入りをしていたという(地図で確認すると、かなり遠回りの林道らしき道路は一応ある)。まさに隠れ里という表現がぴったりの集落だ。実際、ここには落人によって切り開かれたという伝説がある。多分当たらずとも遠からじだとは思う。でも、その由来は源氏側の落人という説と、平家側の落人という相反する2つの説がある。面白すぎる。ちなみにマタギ(銃を使った)発祥の地とも言われ、集落のマタギは戊辰戦争に徴用され功績を残したという逸話もある。現在、集落内には店舗は一軒も存在しない。不定期で使われていると思われる古民家宿泊所があるのみである。当然、駐在所とか学校とか、公的な機関の出張所も存在しない。まるで独立国のような様相であり、日本国の統治が及んでいるのか不安にもなる。先日、この根子集落を散策してきた。

まずは噂のトンネルから集落に入る。異界への入口みたいで少々びびった。575mということだが、入口からは出口が見えないので、実際より長く感じた。行きは他のクルマとすれ違わなかった。ちなみに帰りはすれ違いを経験したが、トンネル内の警告灯がビカビカと光るのですぐに分かり、途中の待避所に入った。すれ違いの際はクラクションを鳴らして合図するようだ。トンネルを抜けると、そこは高台になっていて、集落を見下ろすことが出来る。金田一耕助とか内田康夫シリーズに出てくる町みたいだ。そこでは権力者が町を実行支配し、おどろおどろしい出来事が起きる。近代の日本にそんな場所があるかよ?と思うけど、この高台から眺めると「あるかも」と思えてくる。町に入る様子は住民から監視されていて、捕まってしまうのではないかと不安になる。

でも安心して下さい。そんなことはありませんから。出入りは特殊でも、集落の様子は他と変わらない。住民の方も道ですれ違うと明るく挨拶してくれる。集落内に自民党のポスターが貼ってあった。岸田首相がインチキ臭い表情をしたポスターだった。是非は別にして、確かに日本国の実効支配が及んでいると分かり、ほっとした。集落内には空き家が増えているようで、過疎化も進んでいることが見てとれる。蛇足だけど、自民党の凄いところは、こういう集落の住民の声も聞こうとする姿勢(聞いて実現しているかどうかは不明だが)かもしれない。民主党であれば効率論から切り捨て、人口の多い地区を重点的にケアするだろう。効率論だけでは地方自治、ひいては国体は維持できない。とはいえ、この集落がいつまで維持されるのか、先行きは決して明るくない。まるで映画の舞台さながらの隠れ里。興味深い場所だった。

追伸:フィルムシミュレーションのクラシックネガで撮った写真は、少しばかり陰鬱過ぎた。そこでRAWからPROVIA(標準)に変えた。正直、陰鬱な方が雰囲気はあった。

X-PRO3/  XF16-80mmF4 R OIS WR


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昼下りの繁華街の光と影

2024-05-26 | 街:秋田












一時期、僕の撮る写真の3〜4割は昼間の繁華街(飲食店街、歓楽街)だったと思う。単純にそういう場所が好きだからだ。そこは町の縮図みたいな場所で、隠しようのない本当の姿が映る場所だからだ。夜に行った方がもっと楽しいとは思う。でも地理的な問題とか、時間的な問題で、それは叶わない。だから僕は夜の町の姿を想像したり、そこで飲み歩く自分を思い描いたりしながら、昼間の繁華街で写真を撮ることに没頭した。いつしかそれ自体がエンターテイメントに昇華した。そのエンターテイメントから、ここ暫くは遠のいていた。何故なら、体調などの事情で飲みに行けないときは、不思議と昼間の繁華街を歩こうとは思わないものだからだ。

この土曜日秋田川反の繁華街を歩いたのだけど、随分と久しぶりのことだった。当然、真昼間である。色濃く写る影は写実的な描写には向かないけど、久しぶりの川反真昼の繁華街ウォーク。良きことが起きる前兆だと捉えたい


GRⅢ(ハイコントラスト白黒)


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理由なき街歩き①〜雪の大館を歩く

2024-03-14 | 街:秋田







以前は「ほぼ日更新」を行っていた当ブログ。丸四ヶ月のブランクを経て復活した。といっても当面は不定期更新がやっとのところだと思う。昨年11月にブログを休止し、同時に写真撮影などの活動も辞めていた。それが年明けからは短時間であっても月に1〜2回、どこかで写真を撮るようになった。撮影する場所は任意で、そこには理由もなければ、テーマもない。とにかく写真を撮っただけだ。今になっても、当時どういう心境で、どんな写真を撮っていたのかは記憶にない。

今回の写真は1月前半の大館市で撮ったものである。異様に雪の少ない今シーズンとはいえ、流石に積雪の跡が残っている。町を歩いて写真を撮る。その行為に気分が高揚したことだけは微かに覚えている。でもそれは一瞬だけだった。食堂でラーメン(+カレーライス)を食べると撮影の時間は終わった。ブランクが撮影にどのような影響を与えたのかは分からない。いつもと変わらないような気もするし、全く手応えがなかったようにも感じる。まあそれでも良い。町に戻ろうとする気持ちだけあれば良い。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR

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建物インパクト②〜工場の場合

2023-10-25 | 街:秋田



「建物インパクト」シリーズ、2回めにして最終回。今回は工場である。何の工場かといえば、路線バスの整備工場であり、しかも現役工場である。それにしては年季の入り方が違うと驚く。戦後すぐとは言わないまでも、「仮面ライダー」、否「明日のジョー」くらいの時代感に見える。正面側に廻れば多少は内部を除くことも出来ると思う。でもこういうものは、謎のままにした方が楽しいに決まっている。また街中でインパクトのある建物を見つけたら掲載したいと思う。


LEICA M10 MONOCHROME / Summicron M35mm ASPH
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