No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

どうしても十和田に行きたかった(終)~夜を妄想する

2024-05-17 | 街:青森











十和田バラ焼きを食べて、お腹は一杯になった。腹ごなしを兼ねて、もう少し歩こう。カメラのバッテリーはビンビンだぜ!。閑散とした昼間の繁華街を眺めて廻る。先日行った福島県の白河市と比べてみる。どちらも人口は約6万人。町の規模は大きくは変わらない。繁華街は十和田市の方が少し大きいだろうか。いずれにせよ、スナックを中心とした展開で、よそ者には敷居が高そうだ。居酒屋あたりでお腹一杯になってしまえば、他に入る店はないような気がする。締めのラーメンは白河でも無理だった。十和田ではスナックが良心的なセットを出しているが、まさか単身で乗り込んで、地元客の前でカラオケを歌うなんて考えられない。そもそも僕はカラオケが嫌いだ。もし他の客から歌えと言われたら、どんな態度で断ろうか。そんなことを妄想しながら歩く。実際に泊まるわけではないので、そんな心配は無用のはずだ。でもそれを想像することが楽しいのだから、仕方ない。

さて、帰路の道は長い。途中のおいらせ渓谷辺りでは渋滞も発生していた。ぼちぼち家に帰ろう。短い日帰りの旅は終わった。次はカメラを忘れないようしよう。GW後半の短い日帰り旅は終わった。これ以外は家の周辺で静かに過ごしたのであった。

GRⅢ

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どうしても十和田に行きたかった(前編)~カメラを持ち忘れた日

2024-05-15 | 街:青森











宮城コンプリートの件で、一応最後の訪問時の写真がある。それは一旦棚に置いて、刻はGW後半まで戻る。GW前半は福島(白河)への短い旅に出た。諸事情から旅に出る機会が減っていたので、久々の遠出に刺激を受けてしまったようだ。そして日帰りで青森県の十和田市まで出かけることになった。それが今回の話の趣旨である。前篇後編の2回で掲載する。さて・・・。

GWの短い旅の候補地でもあった青森県十和田市。当初は十和田に、ほぼ決定するつもりで計画(妄想)を練っていた。北回りから東北町とか上北町を経由して十和田市に入ろう、とか。となると六戸にも寄りたい、とか。折角だから久々に三沢にも足を伸ばしたい、とか。更には~、とか。迷ったけど、結局は福島県に出かけた。福島は楽しかったけど、青森に未練も残っていた。

幸いGW後半には、特段の用事はなかった。十和田市に絞れば、日帰りでも行けるんじゃね?という思いが強くなり、とうとうある朝、僕は一人で十和田を目指すことにした。大体こういうものは、「行きは良い良い、帰りは怖い」の典型パターンであり、往路は気分の高揚からスイスイと運転できるものだ。首尾よく午前11時前には十和田に到着した。さあ写真を撮ろう。そう思って後部座席の荷物を確認して、僕は愕然とした。・・・。カメラバッグがない・・・。ない・・・、どこにもない。座席の下やトランク部分も確認したが、無いもの無い。見事に家に置き忘れたのである。皮肉なことに「恐らく使うことはないけど、念のために」と予備レンズ3〜4本を入れた別のバッグは忘れずに持ってきている。でも肝心要のカメラボディを忘れてしまった。似たようなことは何度かやらかしているけど、久々の大チョンボである。不要なレンズの入った意味なく重いバッグが怒りを増幅させる、だが結果的にはそのバッグのおかげで助かった。そのバッグの中には、コンパクトデジタルカメラの「GRⅢ」が入っていたのである。小さなGRがまるで神のように見えた。バッテリーは一応は充電はされているものの、交換バッテリーは持っていない。多分100枚ちょっとしか撮れないと思う。むしろ面白い。36枚フィルム3本分は撮れる。それで良いじゃないか。

まずは「昭和小路」をぶらつく。光と影差す小路は、夜とはまた違う顔をしているのだろう。その後、昼食に地元グルメの「十和田バラ焼き」を食べた。まあこれを食べに来たようなものだな、と苦笑した。味は抜群だった。食後はもう少しだけ別の場所を歩こう。

GRⅢ


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黒石こみせ通りにて至福の刻を思い出す

2024-04-04 | 街:青森









青森県黒石市の中町こみせ通り。この通りが好きで、過去に何度も行っている。通りにある元遊郭の中村旅館にも何度か泊まっている。いつのシーズンに来ても良いけど、やはり真冬が最も風情がある。今回は雪が全くない春の時期の訪問となった。

素でこういう町並みが残る地域も少なくなった。中町こみせ通りは観光地ではあるが、それ以上に生活する地元の町でもある。通行人も、観光客2:地元客8くらいの割合だ。地吹雪舞う真冬のこみせ通りをもう一度歩きたい。津軽の地酒を飲んで、まっくらなこみせ通りを歩いて中村旅館に戻る。あれは至福の刻だったんだなと思う。次の冬の楽しみに取っておこう。

追伸:以前であれば2~3日で掲載し終わった分量の記事を丸2週間以上掛けて掲載している。もう少しペースアップしたいものだ。

X-PRO3 / XF10-24mm F4R

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黒石つゆ焼きそばを食す

2024-03-29 | 街:青森




もう何年前のことかは覚えていない。でも初めて「黒石つゆ焼きそば」を食べた時のファーストインパクトは衝撃的だった。どういう食べ物かは事前にリサーチ済みではあった。いくらリサーチしていても、いざ実物が目の前に置かれると動揺を抑えることはできなかった。それまで培ってきた「食の概念」のタブー(禁忌 )を犯しているような背徳感に困惑し、また同時にワクワクもした。目の前の焼きそばからは、「多分こういう感じだろうな」と想像する通りの香りが漂っていた。そして実際に食べても想像通りの味がした(笑)。スープだけは若干想像より甘めだった。その初体験以降、幾つかの店で、都合7~8回は食べたと思う。時折無性に食べたくなる中毒性がある焼きそばだ。

今回久しぶりに、その「黒石つゆ焼きそば」を食べた。店は黒石駅前の「すごう食堂」を選んだ。初めて食べた時も同じ「すごう食堂」だった。つまり僕にとって基本というか、基準となる味なのである。すごう食堂は基本的にオバちゃんが一人で切り盛りしている。以前に都会から来た観光客が5~6人で、それぞれバラバラの注文をしていたことがある。当然時間は掛かる。更に後から来た客が注文をまくし立てて、「早くして!」と威圧的な態度を取っていた。ここは都会のファミレスではない。津軽的な時間が流れる空間なのだ。一定の配慮をすれば、気持ち良い時間を過ごせるはずだ。今回も、「いいいから、いいから!」というオバちゃんの声を無視して、食べ終わった食器を厨房のカウンターまで持っていった。「いいから!」と言いつつオバちゃんは嬉しそうだった。後から来ていた家族連れも同じようにしてくれたことを願う。

GRⅢ




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みちのく「温湯温泉」を歩く

2024-03-24 | 街:青森










11月以来、四か月振りにブログを再開している。今のところ掲載した記事は、休載期間の状況報告のようなものばかりである。当ブログは僕の日記(備忘録)代わりでもあるので、あまり時系列にずれが生じると実用的に困ったりもする。今日からの記事は、基本的に準リアルタイムのものとしたい。

さて、ワタクシ、久しぶりに温泉宿泊をして参りました。行った先は青森県の酸ヶ湯温泉。あまりに寛いだせいか、写真が足りず記事にするかどうかは分からない。だから帰路に立ち寄った「温湯(ぬくゆ)温泉」の町並みを掲載する。もうね、素晴らしい町並みなんですよ。元々、温湯温泉は中心に大きな共同浴場があり、その周りに客舎と呼ばれる宿泊施設があった。つまり人々は共同浴場で温泉に入り、寝泊まりと飲食は客舎で行う。多分、それぞれの客が贔屓にしている客舎があり、期間や予算に応じて利用したのだろう。自炊する客もいれば、賄を頼んだり、仕出しを頼んだり。長期逗留する客も多かっただろう。ジワジワ来るシステムだ。今でも客舎は残っているが、多くは通常の旅館に形態を変化させた。各旅館には内湯も作られた。それでもこの温泉場には、古き良き「みちのくの湯」の名残が色濃く残っている。東京の人が箱根とか熱海の温泉に行くこととは、根本的に成り立ちが違う。

温湯(ぬくゆ)温泉は過去にも数回歩いている。一度泊まったこともある。今回ここを歩いたのは、時間にして30分足らず。またいつの日か、泊まりに来たいと思う。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR




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終着駅への旅(終)~すべては青森に通ず

2023-09-09 | 街:青森









終着駅への旅。その帰路編の最終回ということは、つまりはこの旅の最終回を意味する。勿論、旅は家に着くまでは続くし、家に着いてから写真を整理したり反芻する時間も広義には「旅」といえるかもしれない。でもまあ、今回で実質的に終わりである。旅の最終地点というか、最後に立ち寄ったのは「青森市」である。なんだかんだいって、何かあると僕は青森を目指している。高校生の頃、稚内を鉄道で目指す旅にチャレンジし,、そして失敗している。その最終地点も青森だった。いつの日か、何十年越しの旅を再開したいと思っている。青森は終点の地であると同時に再出発の地でもある。終着駅というのは、見方を変えれば始発駅でもある。全ては表裏一体。しばらく一人旅は出来ないと思うけど、青森よ、またいつの日か。日常に戻ります。終わり。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR




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終着駅への旅、帰路編①~野辺地の町

2023-09-08 | 街:青森








最北の繁華街の夜は明けた。翌朝は、まずJR大湊線で野辺地駅まで移動する。そこから「青い森鉄道」で青森駅まで向かうことになる。乗り換え時間を利用して、野辺地駅前を散策した。実は野辺地町自体には以前にも来たことがある。近くの温泉旅館に泊まった。大間のマグロが出ると聞いて、楽しみにしていた。だが実際に出てきたマグロの刺身は、それ以上は不可能なほど細かくカットされていた。キャラメルの包みくらいの大きさに角切りされていた。(マグロをそんなに細かくカットする技術には驚いたが・・・)。マグロの入荷に問題が生じたのか、コストカットだったのか、理由はよく分からない。でも僕は野辺地と聞くと、あの小さなマグロ刺身を思い出す(ちなみに現在は普通の大きなマグロ刺身が出るようです)。昨夜、田名部の繁華街で食べたマグロの刺し身は絶品だった。それを食べた時に、帰りは野辺地の町を歩こうと閃いた。マグロ繋がりだと思う。ちなみに別に野辺地にネガティブなイメージは持っていません。

野辺地の町は大体写真のような感じだった。乾ききっているよりも、雨に濡れた方が美しく見えるのだと思う。願わくば、深々と雪の積もる真冬。しかも夕方近くに歩いてみたい。きっと全く別の顔を持っていると思う。そんな刻は、扉を開けた瞬間に立ち込めるラーメン屋さんの湯気が香ばしいだろう。

GRⅢ

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終着駅を目指す旅④〜旅の終わり

2023-09-07 | 街:青森













旅の夜は楽しむことにしている。酒だって飲む。でも以前と比べれば圧倒的に量は少ない。今回の総酒量は、2合相当+αくらいだろうか。全然足りない。当然もっと飲みたいが、これを現状の限界値としている。一軒目で生ビール(中)1杯、日本酒グラス1杯(多分90cc)。それだけで次の店に行く。こんな芸当は以前は出来なかった。二軒目では日本酒飲み比べセット(3杯で90〜120cc)、トマトチューハイ。うん寂しい。寂しいけれど、こうやって外で酒が飲めるようになったことを喜ぼう。最北の繁華街では、マグロもホタテも焼き鳥も旨かった。最後の写真の時計が午後10時半になっているが、多分これは止まっている。実際には午後8時頃には部屋に戻った。たったそれだけの夜だ。それだけの夜が楽しいのだから始末に負えない。帰りがけに、夕方出会った猫に挨拶した。「楽しかったでしょ?」、猫の顔がそう言っていた。最北の終着駅を目指す旅は座りっぱなしで疲れた。到着すれば今度は駅員さんの態度に憤慨した。気持ちを建て直したつもりが、繁華街に向かう途中であわや交通事故という場面もあった。むつ市に来たこと自体に腹を立てもした。そんなこんなも全て旅の一部。繁華街での一時で全ては報われた。僕は大人しくホテルに戻った。

今回は鉄道を使った旅だ。翌日の運転の心配はない。以前であれば部屋に戻ると、そのまま酔い潰れて寝てしまうのがパターンだった。今は違う。シャワーを浴びて、さっぱりと部屋で寛ぐ。窓から外の灯りを眺める。嗚呼、外には最北の繁華街。静かに夜は更けてゆく。まだ復路があるので、旅は翌日も続く。でも残りは消化ゲーム的なところもある。旅の終わりはいつだって哀しい。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR


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終着駅を目指す旅③〜本州最北の繁華街と猫

2023-09-06 | 街:青森











本州最北の終着駅である大湊駅に到着して、最低限の目標は果たした。ぬめっとした町並みはそれなりに見応えがあった。でもその終着駅で、不快な出来事があった。折角の旅にケチを付けたくないので飲み込んだものの、割り切れぬ気持ちを抱えたまま宿泊先のホテルに移動した。ここまでが前回。ホテルにチェックインし、気持ちと身体を整えるために暫しの休憩を取った。そして気分を新たにし本州最北端の繁華街に出撃した。ところが悪いことは続く。今度は道中でクルマに轢かれそうになった。僕は飛び跳ねて奇跡的に回避したが、まさに轢かれる寸前であった。尻もちをつき、心臓がギューンと収縮した。あろうことか運転手は軽く会釈だけして立ち去ろうする。激昂した僕はクルマを停めて、運転手を問い詰めた。もはや胸ぐらの掴み合いや揉み合い位は辞さぬ覚悟だった。たが、運転手(若い男性)は、土下座せんばかりに謝罪してきた。それ以上荒ぶると僕が悪者になってしまう。振り上げた拳は行き場を失った。

最早これは「むつ市」との相性が悪いとしか考えられない。僕はそう悟った。軽く食事だけして、早々に立ち去ろう。この場に居てはいけないのだ。僕は拗ねたオジサンになっていた。それを払拭してくれたのは繁華街の猫だった。小路を歩くと、何かがゴンと足元にぶつかった。被害者意識の塊となっている僕は一瞬身構えた。それは小さな猫2匹だった。その猫がゴツンと頭突きをしてきたのである。普段は決して猫を見落とすことはない。変な力が入っていたのだろう。猫の頭突きは親愛の挨拶である。僕は暫し猫と戯れて遊んだ。それを機に何かが変わった。町が僕に優しい顔を見せ始めたように思えた。気持ちと身体が解れた僕は、喉を潤すために居酒屋に入るのであった。ビールをゴクゴク飲み、大間産のマグロを食べる頃には、店のマスターに「むつ市は良い所ですねえ」なんて現金なことを言い出しているのである。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
(一部iPhone13PRO)




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終着駅を目指す旅②〜本州最北端の終着駅に到着

2023-09-05 | 街:青森














本州最北の地といえば、何となく「津軽海峡竜飛岬」というイメージがある。実際には、下北半島の大間町(まぐろで有名)が本州最北の地である。同様に本州最北の駅関係も下北半島にある。JR大湊線の「大湊駅」が本州最北の終着駅となる。これが本州最北の駅であればドラマチックなのだが、残念なことに(?)一つ手前にある「下北駅」の方が僅かに北側にあるそうだ。つまり本州最北の駅は「下北駅」である。
ちなみに、かつては津軽半島の竜飛岬の直下に「竜飛海底駅」があり、それが本当の最北の駅だった。同駅は2014年に廃止されてしまった。


さて、やっとの思いで到着した大湊駅。実はここでJR駅員の対応に憤慨することがあり、僕は危うく爆発しそうになった。旅にケチをつけたくないので、理性を保った。大きな傾向として、我が秋田県もそうだが、青森県も役所あるいはかつての国営企業の職員が横柄なことが多く、それが北に行くほど(同様に田舎に行くほど)顕著になる(逆に都市部は態度が良い)。悪い意味での親方日の丸意識が綿々と継承されているのだと思う。だが今回はその話は割愛しよう。兎に角、やっと辿り着いた本州最北の終着駅。その周辺を歩いてみることした。外は小雨降る天候だった。これは晴れているよりも良いと感じた。少し寂しい町並みが「ぬめっ」とした独特の質感を醸し出している。本来の繁華街は隣の下北駅(田名部地区)に集中しているという。でも大湊駅周辺にも飲屋街がある。これは海上自衛隊の駐屯地が近くにあるからだという。この地に到着して安堵したし、期待以上の町並みには満足した。一方で到着時の不快な思いを払拭することは出来ぬまま、バスに乗って隣の下北駅を経由し、田名部地区にあるホテルを目指すことにした。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR

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