ケルベロスの基地

三本脚で立つ~思考の経路

BABYMETAL探究(「バトル」考3~よりみち編)

2015-06-12 21:11:27 | babymetal
おめでとうございます!
チームBABYMETAL、そして(僕を含め)ファンの皆さん!
ある一つのマイル・ストーンになった日、でしょうね。

この、KERRANG!の、The Spirit Of Independence Awardって、
そんな賞があることなど今日初めて知ったのだけれど、
まるでBABYMETALのために設定されたような賞だ、と思ってしまうのだが、
きちんとそういう評価軸を持っている英国音楽業界は質が高いなあ、
とつくづく感心した。
例えばBEATLESに象徴されるように新しい音楽を生み続けてきた、さすが、ダーウィンの国だ
と素直に感じさせられた。
「突然変異」と「自然淘汰」、地球上の生命のそうした「進化」のうねりを、
味わう・楽しむことができる、文化的な成熟、というか、懐の深さ、を改めて感じる。

そして、事実、METAL RESISTANCE EPISODE Ⅲを彼の国の上で開始し、Road of Resistance を彼の国で初披露したBABYMETALは、英国の音楽雑誌のThe Spirit Of Independence Awardを「deserve=受けるに値する」ユニットだ。
真の意味での「実績」による受賞である。

授賞する側にも受賞する側にも、<METALは正義、カワイイも正義。>を感じる。
何ともすがすがしい。
(それにひきかえ…なんて、言うつもりはありません。)

さて、以下、本題を少しだけ。実は、

何て迂闊(うかつ)だったんだろう、と自分の頭を自分でポカポカ殴っているところなのである。

BABYMETALの舞踊をダンスと呼ぶことへの違和感。
このブログを書く原動力とも言えるそれを、うまく言語化できないでいたのだが、前回からの流れを振りかえっていて、さっき、はっと気がついたのだ。

BABYMETALは、常にステージ上で闘っている、のだ、と。

それが、彼女たちの舞踊をヘヴィメタルだ、と僕(たち)が感じる核心なのだ。
考えてみれば、ごくごく単純な理屈ではないか。

彼女たちの正規のレパートリーも、すべてどこかに「闘い」が表現されている。
BABYMETALを、異形ではあるが本物のヘヴィメタルだと感じるのは、そこにも秘密があるのではないか。


1. BABYMETAL DEATH
【闘い要素】: 曲調、振り付け
2. メギツネ
【闘い要素】: なめたらいかんぜよ
3. ギミチョコ!!
【闘い要素】: チョコレート戦争(チョコをよこせ、チョコの誘惑との戦い、など)
4. いいね!
【闘い要素】: フラゲしないでよ!オマエノモノハオレノモノ~!
5. 紅月-アカツキ-
【闘い要素】: 全て
6. ド・キ・ド・キ☆モーニング
【闘い要素】: 遅刻との戦い
7. おねだり大作戦
【闘い要素】: 究極の知能戦
8. 4の歌
【闘い要素】:「4=死」という伝統的な表象との戦い
9. ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
【闘い要素】: 振り付け(極めて鮮明にファイティングポーズの応酬がある)
10. Catch me if you can
【闘い要素】: 全て
11.悪夢の輪舞曲
【闘い要素】: 勝てない闘い
12.ヘドバンギャー! !
【闘い要素】: 全て(泣き虫なヤツはここから消え失せろ!過去との訣別)
13.イジメ、ダメ、ゼッタイ
【闘い要素】: 全て
14.Road of Resistance
【闘い要素】: 全て

かなりこじつけもあろうが、しかし、遅刻との戦い、とか、チョコをめぐる戦い、とか、「闘い」があることで、美少女たちの「可愛い」が、重くて鋭くてつややかな「カワイイ(Kawaii)」へと止揚(アウフヘーベン)しているのだ、というのは、(少なくとも僕のBABYMETAL体験の)核心をついている。

SU-METALの、「ライヴは戦いだ」という趣旨の発言も、単に、お客さんに負けないように私(たち)もがんばるわ!、という心構えだけの謂ではなく、実際にBABYMETALの楽曲を歌い・踊るとは、「闘い」を汗ふりみだしながら表現することだ、ということから(も)きているのだろう。

また、「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」は、BABYMETALの楽曲の中でもかなり地味な曲(人気投票では上位にこない曲)だろうが、個人的には偏愛している曲で、しかし、曲の構造も(BABYMETALの楽曲のなかではおそらくいちばん)単純だし、歌詞に深みがあるわけでもないし…と、腑に落ちなかったのだが、上に記したように、この曲の振り付けが、まさに「闘い」の表現なのである。
そう、初めてきちんと観た映像作品「LEGEND I」の4曲目の、3姫のユニゾンの左右のフックパンチ、あれを観たときの衝撃に、僕はノックアウトされたのだ。


たぶん、こんなことはすでにどなたかが指摘されているのだろうが、
改めて、なぜ僕(たち)のヘヴィ・メタルを愛する感性が、
BABYMETALにこれほど惹かれるのか、その核心に触れたことができた気がするのだ。

ドヤ顔で、ここに記しておきたい。
(これも、コツコツ駄文を重ねてきた成果だ。こうして、つまらない主観・偏見でもそれを書き重ねた先に見えてくること、があるのだ。)
で、『殺陣』や『アクション(闘いを観客にみせる表現)』についての本を読みはじめたところでもある。BABYMETAL探究は、ますます収拾がつかなくなっている。それについては、またいつかまとめて書いてみたい。

何ともめでたい日になった。さあ、祝杯!

以上、「バトル」のよりみち編でした。

それにしても、幕張前に、何ともアゲアゲの流れになってきましたね。
あと一週間後、本当に楽しみです。
ステージ上の姿はたとえ見えなくても、同じ時空間を、BABYMETALと、そして熱い想いで彼女たちを応援するメタル魂を持った人たちと共有できる、本当に熱い夜になるでしょう。全く無心で、ただただ、会場の熱気に埋もれにいく気ですが、
でも、ひょっとして新曲?YUI・MOAの生誕祭的な何か?2ndアルバムの告知?なんて妄想をしては、いやいや、何も考えず感じるだけだ、そのために行くのだ、と言い聞かせています。