静かな劇場 

人が生きる意味を問う。コアな客層に向けた人生劇場。

差別を助長??

2009-10-25 20:25:54 | Weblog
三世因果の道理を否定する人たちの中に、それが差別を是認し、助長したと非難する人があります。おそらく共産主義や問題に詳しい人の影響と思いますが、これもまた三世因果に対する〃濡れ衣〃であり、正確に言うならば、誤解された三世因果が差別を助長したと言うべきでしょう。

かつて身分制度のやかましかった時分、日本人は士農工商のどこかにランク分けされ、さらにその下に、人間以下の差別を受ける人々がありました。それらの人々は、「なぜ差別されるのか?それはお前たちの過去世の悪業のせいなのだ」と教え込まれることによって、不当な差別や支配に対する怒りの牙を抜き取られてしまった。そして悲惨な現状を、やむおえぬこととして受け入れる従順な羊のような人間に改悪された……。
これが上記のような三世因果を否定する人の言い分のようです。

いかにも左翼系の人の言いそうなことで、支配からの解放をめざす気持ちは分かりますが……。

だからといって、三世因果の道理が、社会の不平等を固定化し、不幸な人間をより不幸にした、との非難には断じて承服できるものではありません。

なぜか?

今まで読んで来られた方なら、十分、お分かりになると思います。

よく間違われるところではありますが、因果の道理とは、我が身に降りかかる不幸や災難に対し、「それもお前の蒔いたタネなのだからあきらめよ」と勧めるアキラメ主義ではないのです。

苦しみには、苦しみが生ずる原因が必ずあり、その原因を明らかに見て、取り除き、皆が幸せになれる道を切り開きなさい、というのが、因果の道理から導かれる当然の心がけに他なりません。


では、差別ある社会で、不当な差別に苦しんでいる人を、なぜ本人のせいだと教えるのか?
という疑問に答えておこうと思いますが、それはまた次回とします。