大串章選
連結器確(しか)と噛み合ふ雲の峰 北本市 萩原行博
雲の峰は、今月の通販生活夏井俳句道場の兼題なんです。つい、目が行ってしまいました。これは、列車の連結器がガキンっとかみ合って、その時に入道雲がもくもく見えたという情景が浮かんできて、いいなあと思ったので取りました。そういえば、毎年、夫の樹木葬に命日には行っていましたが、今年は行かれそうにないです。その外房の特急わかしおが、私が降りる大原の手前、上総一宮で列車の半分を切り離すんです。その連結器を思い浮かべました。
高山れおな選
両国の新樹の空に戻らざる 川崎市 小関新
グールドのゴールドベルク夏来たる 佐伯市 菅野隆光
一句目、コロナウイルスで亡くなった力士勝武士さんの追悼句。若い命が奪われるのは、つらすぎます。2句目、グレン・グールドのゴールドベルクは夏に似合うのかなあ。私はチェンバロで聴くゴールドベルク変奏曲だし、亡夫と毎年クリスマスのころ、。小林道夫さんの演奏会に行っていましたから。面白いなと思って取りました。
稲畑汀子選
父の日の父に起こされたる不覚 相模原市 石田わたる
くすっと笑っちゃう句ですね。お年寄りはなんたって、早起きですから。
長谷川櫂選
コロナ禍の真つ只中の更衣 枚方市 山岡冬岳
衣替えの季節ですが、外出自粛であまり外に行くこともなくて、もう服なんかどーでもいい、になっちゃっています(そうじゃなくてもなってますが)。先日、ようやく冬のコートをクリーニングに出しました。なんとも不自由な毎日です。思いっきり放浪したいです。
私としては、此処に引っ越して富士山が良く見えるのがうれしいけれど、それは冬期間なので、夏は短くあってほしい!