検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

地域独占企業の体質  連載小説138

2012年10月26日 | 第2部-小説
  将太「東北大震災が起きたとき、計画停電がやられた。そして電気料金値上げの発表があったでしょ」
公平「ええ。計画停電では会社も振り回された」
将太「電力料金の値上げの時はわたしは会社を退職していなかったから知らないがあれは値上げ通告だったでしょ」
将太「わたしのマンション管理組合にも通知がありましたが理由らしい理由はなかったよ」
将太「そうでしょ。だから力がある自治体や企業の中に値上げ前の料金は払うが値上げ分は払わないという不払い通告をしたところがあったが東京電力は送電停止をする気配を見せておどしたでしょ」

公平「マンション組合でも大問題になりました。確か文書は平成24 年4月1日より、これまでの電力量料金単価に加算単価を上乗せしたものを料金値上げ後の単価とすると書いてありました。それが一体いくらの値上げになるのかが分からない。営業の担当者に電話で聞いてもまだ決定してないのでお答えできないという。そんな馬鹿な値上げがあるかとだれもが怒っていました」
将太「値上げは燃料費の増加分としか書いていない。では具体的にどれだけ燃料費が上がったのか、その説明がない」
公平「あれで通ると思ったのでしょうかね」
将太「思ったからあんなことをしたのでしょ」
公平「確かに」

将太「おかしいという意見が次々とあがり、その中で値上げ内容も明らかになった。燃料費以外に福島原発事故の事故処理費も入れていた」
公平「役員報酬も高いまま維持しようとしていたようですね」
将太「電力会社は地域独占企業だからこわいものがない。君主のような感覚が滲みこんでいる。電力会社の給与は他産業と比べるとトップ水準だったでしょ。我々の会社ではとてももらえない年収です。あれだけの事故を起しても役員報酬は維持し、社員給与も例年通りのベースアップを織り込んでいたというのには驚いたね」
公平「それが明るみに出た途端、役員報酬は引き下げ、ベースアップも引っ込めたですね」