検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

産地間競争  連載小説131

2012年10月18日 | 第2部-小説
 公平「木をバンバン売る」
 公平が話題を突然変えていった。
将太「おや、今日はずいぶんだな」
公平「だってそうでしょ。ちょぼちょぼの売上では豊かにならないでしょ」
将太「確かに、それはそうだ」
公平「町おこしプラン、ずっと考えていました。あのプランではこれからの住宅は少子化を反映して核家族がさらにすすむが純和風建築の家で暮らしたい人も多いはずと評価しています。ただその需要が占部町の木に向うのかどうか」

将太「そこは重要なポイントですね。日本には有名な木材産地がいくつもある。純和風建築を求める人は金持ちといっていいでしょ。そうするとその人たちは吉野スギや北山スギ、秋田や飛騨、木曽など、名の通った材を求める。人はそれを自慢にしたい。だが占部のスギ、ヒノキは有名じゃない」
公平「でしょ。産地間競争がある。これにも打ち勝つのはかなり難しい」
将太「そこを突破するんだよ」
公平「どう突破するのか。正直、わたしはそれがみえません」
将太「わたしも分からないですよ。だからこそ今、占部林業でやっている寄り合い、あなたの奥さんたちのグループに期待がある」

公平「でもあの人たちは普通の人間ですよ」
将太「だが、1人ひとり違う家に住んでいる。快適さを感じ不便を感じている。その良さと問題を解決する住宅を提供できれば、人目をひきつけると思う」
公平「冨田さんの話を聞いているとうまく行く気がするが」
将太「こういう問題は1人で考えてもダメ、多く意見、知恵を集めると見えてくる。「町起こしたい」の案をたたき台にして、さらに森林組合、工務店、建築士などの意見を聞く。そこに時間をかければきっと道は開くと思います」