検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

第3セクター案、町長は否決 連載小説 120

2012年10月04日 | 第2部-小説
  松本はおそらくダメだろうと思っていた。ところが1カ月後、県林政部から松本に「あの件はうまくいきそうだ」と連絡が入った。
「えっ、本当ですか」
松本は電話口で思わず叫んだ。
 そして町長執務室に行き、大滝町長に報告した。しかし大滝町長は報告を一顧だにせず「それはやめとこ」と否定した。
 この話は町長もきっといい話だと喜んでくれると思っていた松本は冷水を浴びたように町長執務机の前で棒立ちになった。

大滝町長「造るのはいい、だがだれが機械を動かすのだ。それに販路のメドがあるのか」
松本「それはこれから」
大滝町長「ダメだそれじゃ」
松本「それではこの話は」
大滝町長「断ってください」
松本「はい、わかりました。そのようにします」
大滝町長「うん」

 県の担当者に連絡すると担当者は「そうですか、いい話なのに、こんなチャンスはもうありませんよ」といった。
 松本は平身低頭で謝りつづけて電話を置くと、その旨を大滝町長に報告した。