検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

東北大震災の発生  連載小説135

2012年10月23日 | 第2部-小説
  将太「そうだったね。あの地震の揺れは初めての体験だったね。ビルが大きく壊れ、この揺れじゃ家は倒壊しているかも知れないと思った」
公平「わたしもそうですよ。どこが震源地かわからないでしょ。八王子の息子たちは大丈夫か。占部町の実家は大丈夫か」
将太「地震が収まって、外に出た。すると強い余震が起こった。電柱がグラグラと揺れて」
公平「でも停電は起こらなかった。都バスも走っている」
将太「それで少し安心した。だが福島の工場が大変なことになっていたとはだれも思わなかった」
公平「びっくりしましたね。あのテレビには」
 ビルから退避し、1時間ほどたって事務所に戻り、テレビをつけると津波が沿岸地帯を襲っている映像が映っていた。だれもがその画面に釘付けになった。迫る津波に逃げる車、しかし津波は四方から迫り車はのみこまれた。
「アッ、ア・・・」
言葉にならない声が事務所を包んだ。テレビはつけっぱなしになった。テレビは被災の惨状を映し続けた。それは阪神淡路大震災の規模をはるかに上回るものだった。だが将太も公平も気持ちに余裕があった。電気がついていたこと。街の様子が普段と変わらなかったからだ。