猛男が小学生の時の夏の真っ赤な夕暮れ。蝉がジー、ジー、と鳴く公園で小学生の砂川がブランコを小さく漕いでいた。網を手に虫取りをしていた猛男は俯きブランコに乗る砂川を見掛けた。猛男は網を置いて砂川の隣のブランコに乗り込み、勢いよく立ち漕ぎし始めた。「どぅおおぅッ!!」そのままポーズを決めてブランコから飛び上がり、落下する猛男。「どぅあッ」着地は失敗。でもすぐ立ち上がる猛男。「ブランコはこうだ!」「いや、違うと思う」笑い出す砂川。「ふふ、はははッ!」「あん?」頬を掻く子供の猛男、目覚まし時計の音が響く。ジリリリ! 起きると朝、夢だ。目覚まし時計を止めた。(懐かしい、だが、砂はブランコの乗り方もクールな奴だった)猛男はうつ伏せになっていた枕から顔を上げた。
「俺、今日は帰るわ」放課後、猛男が砂川と一緒に帰っていると、不意に言った。「なんだぁ、遠慮すんな。大和、お前の分もお菓子、作ってくれてるかもしれないぞお?」「用事あるから、じゃあ」砂川は去って行った。公園の噴水の所で大和は待っていた。「猛男くーん!」寄って来た大和は大きな猛男の背中の後ろを除き混んだ。「あれ? 砂川君は?」「用事だそうだ」「そうなんだぁ。いつも一緒だから」「そんなにいつも一緒か?」「うん! じゃあ、お菓子余ると思うから、後であげてね」大和は紙袋を差し出した。
ベンチに座り、紙袋を開けると星形に焼いたケークサレだった。「おおう! これは、覚えているぞ。これはケークザ・ケレだな!」「猛男君、惜しい! ケークサレだよ」星形のケークサレを摘まんで日にかざして見てみる猛男、食べてみた。「ねえ、猛男君。誕生日いつ?」「1月1日だ」「ええ、すごーい」(冬休み中なのに、昔から友達が玄関まで祝いにきてくれてたなぁ)子供の頃の賑やかな正月を思い出す猛男。
2に続く
「俺、今日は帰るわ」放課後、猛男が砂川と一緒に帰っていると、不意に言った。「なんだぁ、遠慮すんな。大和、お前の分もお菓子、作ってくれてるかもしれないぞお?」「用事あるから、じゃあ」砂川は去って行った。公園の噴水の所で大和は待っていた。「猛男くーん!」寄って来た大和は大きな猛男の背中の後ろを除き混んだ。「あれ? 砂川君は?」「用事だそうだ」「そうなんだぁ。いつも一緒だから」「そんなにいつも一緒か?」「うん! じゃあ、お菓子余ると思うから、後であげてね」大和は紙袋を差し出した。
ベンチに座り、紙袋を開けると星形に焼いたケークサレだった。「おおう! これは、覚えているぞ。これはケークザ・ケレだな!」「猛男君、惜しい! ケークサレだよ」星形のケークサレを摘まんで日にかざして見てみる猛男、食べてみた。「ねえ、猛男君。誕生日いつ?」「1月1日だ」「ええ、すごーい」(冬休み中なのに、昔から友達が玄関まで祝いにきてくれてたなぁ)子供の頃の賑やかな正月を思い出す猛男。
2に続く