羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 1

2015-05-30 22:45:11 | 日記
軽く手を叩いてみせるDIO。「おめでとう、ポルナレフ。妹の仇は討てたし、極東からの旅もまた、無事ここにたどり着けたという訳だ」「ケッ! 祝いになんかくれるっつうなら、テメーの命をもらってやるぜ!」側のカーテンを引き寄せ、口に溜まった血を吐きつけるポルナレフ。「フフフ、一つチャンスをやろう。その階段を2段降りろ、再び私の仲間にしてやろう。逆に死にたければ、足を上げて階段を登れ」「俺はお前に会った時、心の奥底までお前の恐怖の呪縛と巨大な悪に屈服した。あの時、俺は負け犬としての人生を歩み始めた訳だ。死よりも恐ろしいぜ! テメーに利用されることへの欲求だけの人生なんてなぁ!」カーテンで鼻血? も始末するポルナレフ。「だが今、恐怖はこれっぽちも感じない。俺に有るのは闘志だけだ! ジョースターさん達と会って、この45日余りの旅と仲間の死が、俺の中からお前への恐れを吹き飛ばした!!」舌舐めずりするDIO。
「本当にそうかな? ならば、階段を、昇るがいい」ポルナレフは拳を握り締め、階段を1歩登った!「そうか、そうかポルナレフ。フフフ」笑い出すDIO。「階段を降りたな。このDIOの仲間になりたいという訳だな」「ぬ?!」階段を昇ったはずのポルナレフは、階段を降りていた!!「なぁ?」再び階段を昇るポルナレフ。だが、次の瞬間降りている!「な、なんだぁ?! 俺は階段を、1歩確かにッ」「どうした、動揺しているぞポルナレフ。動揺する、それは恐怖しているということではないのかね? それとも、昇らなくてはならないと心では思っているが、余りに恐ろしいので無意識の内に逆に体は降りていたといったところかなぁ?」「馬鹿な! 俺は今確かに、階段を昇った!! くッ」階段を駆け上がるポルナレフ。だが、即座に元いた位置より降ろされているポルナレフ!(何をしたんだ、スタンド? まさか)
     2に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 2

2015-05-30 22:45:04 | 日記
獅子、山羊、鷲、女に囲まれた奇妙な男の図案の21番目のアルカナ!(ザ・ワールド!! 一体、これは?)「ポルナレフ、人間はなんの為に生きるか? 考えたことがあるか? 人間は誰でも恐怖を克服して、安心を得る為に生きる」DIOはどこからともなく出現した椅子に座った。「名声を手に入れたり、人を支配したり、金儲けをするのも安心する為だ。結婚したり、友人を作ったりするのも安心する為だ。人の為に役立つとか、愛と平和の為だとか、全て自分を安心させる為だ。安心を求めることこそ人間の目的だ。そこでだ、私に仕えることに、なんの不安感があるというのだ?」息が荒いポルナレフ。「他の全ての安心が簡単に手に入るのだ。今のお前のように、死を覚悟してまで私に挑戦することの方が、不安ではないかね?」(まさか! 無意識の内に俺が屈服しているだと?)
「お前は優れたスタンド使いだ。殺すのは惜しい。ジョースター達の仲間を辞めて、私に永遠に仕えないか? 永遠の安心感を与えてやろう」(このままではまずい。アヴドゥル、イギー! 俺に勇気をくれ!!)「く、くどいぜDIOッ! 俺は元々死んだ身!」上段の踊り場に飛び上がるポルナレフ。「テメーのスタンドの正体を見極めてから死んでやるぜ!!」ポルナレフはシルバーチャリオッツを出現させ、三階のDIO目掛けて突進させた!
「ならばしょうがない」DIOは少し笑って、立ち上がり、人型スタンド、ザ・ワールドを出現させた!「死ぬしか無いなぁ、ポルナレフ!」「それがザ・ワールドか! 来ォいッ!」「無駄無駄無駄無駄ァッ!!!」2体のスタンドが階段の途中でかち合う寸前! ドォンッ!! ポルナレフの側の壁が崩され、夕陽が射し込んだ! ザ・ワールドを戻し、日を避けるDIO 。夕陽を背に現れたのはジョセフ、承太郎、花京院!!「ジョースターさん!」
     3に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 3

2015-05-30 22:44:56 | 日記
「安心するんじゃあ、ポルナレフ!」DIO はニヤリと笑うと、通路の暗がりに消えた。「DIOッ!!」「今のが、DIOだな?! 追うぞ!」ジョセフ達は階段を駆け上がろうとした。「奴を追う前に言っておく」「うん?」ジョセフ達は足を止め、ポルナレフを振り返った。「俺は今、奴のスタンドをほんのちょっぴりだが体験した。い、いや、体験したというよりは、全く理解を越えていたのだが」ポルナレフは脂汗をかきながら語り出した。「あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ。俺は奴の前で階段を昇っていたと思ったら、いつの間にか降りていた! な、何を言っているのかわからねぇと思うが、俺も何をされたかわからなかった。頭がどうにかなりそうだった。催眠術だとか、超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃ断じて無ぇ。もっと恐ろしいモノの片鱗を味わったぜ」沈黙するジョセフ達。
「アヴドゥルとイギーは?」承太郎が問うた。その質問に、ジョセフと花京院も息を呑んだ。「ここまでは来れなかった。俺を助ける、為に」ポルナレフは俯き、承太郎は黙っていた。「そうか」ジョセフは呟いた。「ジョースターさん、日が沈みかけています。急がないと」花京院も動揺したが、気を切り換えた。「そうだな」花京院は持っていたズタ袋を床に放った。「ヒィイッ!」「おい、ヌケサク! この階の上はどうなっている?」袋からヌケサクは顔を出した。傷は完治している。「と、塔です。てっぺんに部屋が一つあります。DIO様は昼はいつもそこに」「その塔に他に階段はあるのか?」「無いです、これ一つだけです」「よし、案内しろ」長い階段の先、塔の先に日の射さない、暗いDIOの部屋はあった。
蝋燭が二つ灯る側の台座に棺が置いてある。ジョセフは承太郎に目で合図した。「オラァッ!」出現したスタープラチナは閉ざされた窓を殴り破った!!
     4に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 4

2015-05-30 22:44:47 | 日記
部屋の一部に日が射す!「ヒィぇいいッ!!」ヌケサクは日の光を浴びそうになって怯えた。「これから会う男は、初めて会うのにずっと昔から知っている」(そう、ワシはずっと知っていた。コイツのことを産まれた時からずっと知っていた。この承太郎も! 懐かしい相手ではない。倒すべき相手として、ジョースターの血はコイツといつか会うことを知っていた)花京院も覚悟した。(後悔は無い。今までの旅、これから起こること柄に、僕は後悔は無い)ポルナレフも同じだった。(今、感じる感覚は、俺は白の中にいるということだ! DIOは黒。ジョースターさん達は白! 傷付いた体でも勇気が湧いてくる。正しいことの白の中に俺はいる!!)「棺桶の中から出て来たら攻撃するぞ? だが気を付けろ! その中にいるとは限らん
からな!!」ジョースターの言葉に承太郎達は棺桶の周囲に素早く移動した!
「ヌケサク! お前が蓋を開けろ!!」「ちょッ?! うぇええッ! でぃ、DIO様ぁ、裏切った訳ではないのですからぁッ。私はあなた様の力を確信しているからこそぉッ、コイツらを案内したのですぅぅッ!」震えながら棺に近付くヌケサク。「風の強い時にションベンしたらズボンに掛かるってことと同じくらい、確信していますぅ! わかって下さいねぇぇぇッ!!」「つべこべ言っておらんで、さっさと開けんかあッ!!!」ジョセフに怒鳴られ、「は、はいぃッ! コイツらをぶっ殺してやっておくんなさいましよぉぉッ?!」棺の蓋に手を掛けるヌケサク!「DIO 様ぁッ!!」「飛び出してくるぞ!」警告するジョセフ!
ヌケサクが、棺を開けると!「え?!」ヌケサクが棺に入っていた!! 横一文字に口の辺りを両断されている!「中にいたのは俺だったあぁ?!」影になっているが、口以外もバラバラらしいヌケサク。
     5に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 5

2015-05-30 22:44:39 | 日記
「な、何ぃ?! どうして?! ワシは一瞬たりとも目を離さなかったぁ!! 誰か今、ヌケサクが棺に入った! いや、入れられた瞬間を見た者がいるか?!」「しっかり見ていたが、気が付いた時は既に中に入っていた!!」驚愕するポルナレフ!「ポルナレフのいう通り、これは超スピードだとか、トリックでは決してない!!」花京院も焦る!「ヤバい、何かヤバいぜ!!」承太郎は何か致命的な危機を感じた!「逃げろぉ!!」ジョセフは即座に撤退を判断した! 承太郎と花京院も従う! だが! ポルナレフは従えない!!「くっそぉおおッ!!」「何をしているッ?! ポルナレフ!!」ジョセフはハーミットパープルでポルナレフの首を掴んで引っ張り出した! 一行は破られた窓から飛び降りた!!! 承太郎と花京院はそれぞれスタンドに抱えられていた。ポルナレフはスタンドごとハーミットパープルにつられていた!「チクショーッ!!」叫ぶポルナレフ! 夕陽の中、落下して行く一行!!
「一体、なんだったのだ、今のは?! 実際見てはいないが、今まで出会ったどのスタンドをも超えている凄みを感じた!! エンジン音だけ聞いて、ブルドーザーだと認識できるようにわかった!!」戦慄しつつ、上手いこと言う花京院!「ワシも感じたぞ?! 凄まじい殺気ってヤツだ! ケツの穴に氷柱を突っ込まれた気分だ! あそこにいたら、確実に一人ずつ殺られていた!!」花京院に負けじと上手いこと言い返すジョセフ!! 一行はスタンドを使い、それぞれ館の壁にあったボタンのような装飾に掴まり、中階への激突を避けた!
塔の下の階の屋根の上に降り、街の向こうのエジプトの地平線に夕陽が沈んで行くのを見る一行。「まずい、実にまずい! 太陽が殆ど見えなくなっている!!」焦るジョセフ!「奴の時間が来てしまった!!」サングラスの花京院!
      6に続く