羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 1

2015-05-23 21:21:15 | 日記
「な、なんだこの破壊の跡は?」ジョセフ達はポルナレフ達がヴァニラと交戦していた部屋の前までたどり着いた。「コルク詮を抜いた後のようなこの切り口は?!」驚くジョセフ。「破壊はこの部屋から奥へ続いています」クリームが抉った跡を覗く花京院。「間違いなくアヴドゥル達が敵と遭遇した跡だ。承太郎! この扉をぶっ壊して奥へ進むんじゃ!!」「ああ」スタープラチナを出す承太郎。「オラァッ!」スタンドの拳の一撃で扉はぶち抜かれた!
ポルナレフが動けずにいた地点を呑み込み! 通り過ぎたクリームの暗黒空間球は渦の中心へ勢い余ってデタラメに中空で錐もみ回転しながら着地し、止まった。暗黒球を解き、血塗れで息の荒いヴァニラが現れた。よろめく度に血が噴き出す。渦の溝のイギーは『いつの間にか』より深く砂を被り、先程より大量に出血し、虫の息だった。
「ポルナレフ、この血はお前の手柄では無い。アヴドゥルの手柄だ。ハァハァ、あの時私はアヴドゥルとお前を同時に消し去るつもりでいたが、奴はお前を突き飛ばした!」出血しながらも前進するヴァニラ。「あの状況なら、反射的に自分の身を守ろうとするのが当然なのにだ! そのことが招いた手柄だ。しかし傷を負ったが、私が死ぬには時間が掛かる。ジョースター供3人をこれから殺るッ! 必ず仕止めてくれよう!!」なぜまだ自分が死なないのかまでは思い至らず、イギーの存在をもう無視しているヴァニラ。
ヴァニラの目の前の床に『上』から血が滴り落ちてきた。「んッ?!」振り仰ぐヴァニラ! 天井に、半ば砂と化したザ・フールによって抱えられたポルナレフがいる!!「イギー、スタンドを使うなとあれ程言ったのに、格好付けやがって。あれ程、言ったのに」ピアスを片方落としたポルナレフは涙を溢した。「ポルナレフ?!」驚愕するヴァニラ!
     2に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 2

2015-05-23 21:21:06 | 日記
砂に埋もれたイギーは再び不敵に笑い、大量に血を吐き、目を閉じ、動かなくなった。ザ・フールもスタンドの姿を失い、砂の塊に戻り、天井からポルナレフと共に落ち始めた。砂を手で受けるポルナレフ。(この砂から感じる感覚は、ああ! なんてこった!!)砂は手から溢れ落ち、ポルナレフは中空を握り締めた。(クソぉ、スタンドの抜け殻、冷たい消滅。命の消滅。ちっくしょう! 俺の方が生き残っちまった!!)「イギーッ!!!」涙を流しながら、シルバーチャリオッツを出現させるポルナレフ!
「ひぃぐぅぅッ!!」ヴァニラはクリームを出現させ中空に突進したが、即座に眉間に半ばの長さとなったスタンドの剣を突き立てられ、「えぅッ?!」直接脳を抉り回された!「呪うぜヴァニラ・アイス! そしてオメーの言う通りだ!! 俺には悲しい友情運が有るぜ、助けるはずのイギーに助けてもらったぜ!」シルバーチャリオッツはヴァニラの後頭部から突き出した剣の刀身を逆手で握り力任せに、「ぐぅッ」ボキッ! 首を捻折り、顔を背中側に向けさせた!! そのまま落下し床に叩き付けるとクリームは消え、衝撃で首が正面方向に戻ったヴァニラは白眼を剥いて動かなくなった。
未だ砂が降る中、静かなイギーの体から白い煙りのようなものが上がっていた。消耗したポルナレフは床に倒れ込み、イギーを見ていた。(畜生、なんてこった! 俺はコイツのことが好きだってことが今わかった。俺っていつもそうだ、いなくなって初めてわかるんだ! ひねくれたクソ犬と思っていたけれど、どんな人間にもなつかない、突っ張ったオメーが好きだった。一片も愛想を振り撒かないその性格は本当に誇り高い奴だったってことが、今になってわかった! 俺を助けるなと言ったのに、クソぉ、その突っ張った性格の為にッ!)イギーに手を伸ばそうとするポルナレフ、
     3に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 3

2015-05-23 21:20:57 | 日記
その背後でヴァニラの死体? が奇妙に動き出した。ポルナレフはイギーを見ながらも体は起こしていた。完全に起き上がり、目を開くヴァニラ! 自身も忍び寄りながらクリームを出現させ、球体化もさせずポルナレフの背後から近付けるヴァニラ!!「やはりな、ヴァニラ・アイス。テメー」「クォオワワァアアッ!!!」クリームは大口を開けてポルナレフに襲い掛かった!
「オリャアアァッ!!」切っ先まで復元した上に『双剣』となったシルバーチャリオッツの振り向きもしない猛烈な連続後ろ突きを上半身に受けるクリーム!! ダメージはヴァニラ本体の上半身にフィードバックされる! 血だるまにされるヴァニラ!! 壁まで吹っ飛ばされめり込むが即復活し、天井まで跳躍し、天井を蹴って直接突っ込んでくるヴァニラ! もはや見切っているポルナレフ! シルバーチャリオッツの右の突きで突進を止め、中空で数回切り裂き喉を突き刺した!!「イグアアァァァッ!!!」剣を引き抜き、高速の連続突きを放ち、斬り飛ばし、天井にバウンドさせてヴァニラを床に叩き付けた!
剣を構え直すシルバーチャリオッツ。ヴァニラはそれでも起き上がった。「フゥゥゥッ!!」ポルナレフは冷静だった。「どうりで妙だと思ったぜ。この不死身。DIOに何かされたって訳か?」「グワァアアアッ!!」クリームの制御がままならないのか? 牙を剥き出して生身で襲い掛かってくるヴァニラ!! ポルナレフは力を使ったせいかまた短くなったシルバーチャリオッツの剣で手近なドアを斬り破った。するとドアの向こうの窓から夕陽が射し込む! やみくもに生身で獣のように突進してくるヴァニラ!!
突き出した右腕が夕陽に当てると一瞬で灰となり吹き飛んだ!!!「グェッ?!」驚愕し、立ち止まるヴァニラ!「なんだ? これはぁああッ?!!」絶叫するヴァニラ!
     4に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 4

2015-05-23 21:20:48 | 日記
「自分で自分の体の変化に気付いていなかったのか? 血をもらったろ?! 話を聞いてた『アレ』になりかけてたとはな」「あッ!」今頃思い至るうっかりヴァニラ!!「DIOと同じ体質、魂の無ぇ、薄汚れた吸血鬼に!」「貴様ぁッ!!」侮辱がDIOに及び、激昂してポルナレフに襲い掛かろうとしたヴァニラの右足は陽光に砕け散った!「んあッ?! アゥウウァアアッ!!」苦しみ立ち往生するヴァニラ!
「口の中に剣を突っ込んだ辺りから吸血鬼になりかけてたようだな! ホォレッ! 今こそ執念出してなんとかしてみろ! ああ?! DIOを守る執念が有るんだろう?!」挑発するポルナレフ! 近くに出していたはずのシルバーチャリオッツの姿は見えない。「来いよ、ここだぜ!」陽光の向こうで挑発するポルナレフ!「さあ、どうしたヴァニラ・アイス! 来なよ!!」「貴様、なんというぅぅッ!!」大激怒し、何かしようとするヴァニラ! しかし!「地獄でやってろ」急に静かに呟いたポルナレフ。ヴァニラの背後に来ていたシルバーチャリオッツは左肩を軽くヴァニラの背にぶつけた。「あ」片足のヴァニラはよろめき、陽光の中に倒れ込み、レオタードのような服等のみを残し、灰となって燃え尽き、地上から消え失せた。
その直後、床に開けた穴から煙りのようなモノが上がってきた。煙りは砂の中、静かなイギーの体に触れた。するとイギーの体からも煙りが巻き上がり、二つの煙りは一つとなって壁の穴から屋外の夕暮れの空に抜けて行った。ポルナレフが見詰める中、煙りは天に昇りながら形を取り始めた。「あ、ああ」目を見開くポルナレフ。アヴドゥルと、その背に掴まるイギーだった。こちらを見ている。アヴドゥルは黙って拳を握ってみせていた。「アヴドゥル! イギー!!」二つの魂は天に昇って行った。
     5に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 5

2015-05-23 21:20:40 | 日記
「幻覚だったのか? それとも」死闘でメチャクチャになった2階の広間に、ポルナレフだけが取り残された。「とにかく、これから俺はDIOの所へ行かなくてはならない。悲しみで泣いている時間なんて無いぜ」なんとか立ち上がるポルナレフは3階への階段の方へ向き直った。「くぅッ」歯を食い縛るポルナレフ、涙が止まらなかった。
その頃、日本にスージーQが来ていた。執事のローゼスの運転するゴツい車で移動するスージーQ。屈強な黒服も同乗していた。「ちょいと停めてローゼス」亀を持ったスージーQは立ち食い蕎麦屋の前に車を停めさせた。「まさか奥様、寄ろうというのではございませんでしょうね?!」「そうよ? 久し振りの日本ですもの! 娘のとこにゆく前に、ちょいと食べてみるわ! あんた、私の亀ちゃんを抱いててちょうだい」謎亀を黒服に渡すスージーQ。「とんでもない奥様、あれは忙しい男性の為の店で御婦人はまず利用しないのが日本の常識。ジョースター夫人ともあろう御方が」「うるさいわねぇ、記念撮影しておきましょう!」車を降り、ビデオを構えるスージーQ。
古びた暖簾、店先で新聞紙を被って寝るホームレス!『ゲロ、小便禁ズ』と貼り紙されてるがゲロまみれで空き缶の棄ててある電柱。「いいわぁ、この庶民的雰囲気! グーよ! グーぅ!! OHぅ!」興味津々のスージーQは。ため息をつくローゼス。「ローゼスさん、夫人にはホリィさんの病状のことは言ってないのですか?」亀を持って黒服も車外に出てきた。俯くローゼス。「早く来なさいよローゼス!」スージーQは店に入って行った。
「今参ります」そう答えながらも動かず、ローゼスは苦悩の表情だった。「まだ言っておりません。この日本に来たのも軽い肺炎の見舞いと思っておられます。わたくしはジョースター家に30年お仕えしております。ホリィお嬢様が小学校に
     6に続く