宗教法人の解散要件に「民法」違反は入らない。
昨年10月中旬、岸田首相が、一夜にして法令解釈を変えた。
10月18日には、オウム真理教の判例に従い、解散要件(宗教法人法81条)の「法令に違反」について「民法は入らない」と。
しかし、翌19日、一夜にして俄に見解を変え、「民法も入りうる」と。
青天の霹靂的な一夜の解釈変更。
首相大丈夫ですか、、と思ったけど、今、改めて他の法律と比較すれば、宗教法人の解散要件の「法令に違反」には、民法は入らない、とご理解いただけるはず。
司法試験とか行政書士とかの試験・受験勉強にピッタリな、結構簡単なロジックです。
会社と宗教法人を比較します。
会社は営利目的。だから経済的自由。憲法的には劣位の権利。だから解散要件は甘くていい。すぐ解散になっていい。
一方、宗教法人は営利目的ではない。精神的自由。憲法的には優先される権利。だから解散要件は厳しくあるべき。すぐ解散させちゃダメ。
ここまではみなさんお分かりでしょう。
では会社法はどうなっているか。
会社法824条で、解散要件として、「刑罰法令に触れる行為をして」と書いている。刑法違反に限定している。民法違反は含めていない。除外している。
そう。
会社法でさえ、わざわざ、「刑罰法令」って書いて、民法違反を、解散要件から除外している。民法違反(不法行為の成立)なんて、裁判をやって数年しないと判明しない。何が悪いのか予測可能性がない。そんなボヤッとしたものが解散要件になったら不意打ちだ。
平成になってからできた会社法は、正しい。制定2005年。平成17年。人類の叡智がこの会社法に反映している。
しかし。
宗教法人法は古い。昭和26年。1951年。まだGHQに占領されていた。72年前だ。人類の叡智は今ほど蓄積されていない。だから「法令に違反」なんて曖昧な書き方をしちゃっている。
でも。
解釈すればいい。経済的自由の分野である会社法でさえ、緩く解散していい会社でさえ、解散要件が「刑罰法令に触れる行為」をした場合に限定している。
だったら、精神的自由の分野である宗教法人法の、厳しく解釈されるべき解散事由では、「法令に違反」は当然に刑法違反に限るべきだろう。
こうやって、比較法的に考えれば、経済的自由と精神的自由の違いに思いを致せば、宗教法人法の解散は厳しく解釈しなきゃなと考えれば、
宗教法人法の解散に民法違反は含まない
ってのは自明ではなかろうか。司法試験とか行政書士試験の受験生でも分かりそうな、簡単な理屈ではなかろうか。
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このような「比較法的考察」は、私以外、誰もしていないんじゃないかな。どのメディアにも出ていないんじゃないかな。
メディアさんは、昨年の騒動から10か月、この「比較法的なアプローチ」について沈黙してきました。憲法学者とか、宗教学者も、沈黙してきました。
でもみなさん。
このブログに書いたことは、みなさんにもご理解いただけると思います。
本稿の拡散を希望します。
若輩者故、コメントを躊躇するのですが、先生のブログについつい、手が出ます、申し訳ありません、
日本国の宰相が野党も驚くほどに一晩で野党共闘に回るとは、、、、
考えますに、外相として安倍元首相のそばで、‘‘森友学園問題など‘‘国会や報道で叩かれた様子やご自身も国葬で暴力革命の様な目にあい、その場を収めれば良しの考えになったのではないでしょうか、政界は様々な思惑がうごめいています、本来なら政権与党におられる公●党さんに置かれましても明日は我が身で首相発言に異を唱えても良いはずですが、何故か、公●党さんは騒がれない、道理の無い道は今見えずとも先は崖ではないでしょうか、先祖様や子、孫になんと詫びましょうか、