NPI(非営利投資)とNPO支援の品川投資倶楽部

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Nスペ、ワーキング・プアⅡの重い内容!

2006年12月11日 | Weblog
■広がるワーキング・プア!
 知事の相次ぐ不祥事、アジア大会での日本選手の活躍などが報じられる中、昨10日夜のNHKスペシャルは、「ワーキング・プアⅡ」と題した特集を放送していました。今夏に放送された番組の続編で、注目されていたものです。
 ワーキング・プアは、働いても働いても生活保護世帯以下の収入しかない人々のことで、フリーターやパートで働いている人が多いようです。また、若い人から高年齢者まで広がっています。
 番組では子供二人を持つ31歳の女性、北海道に住む23歳の女性、国際競争に巻き込まれて苦闘する繊維業界末端の人たち、公園整備で働く高齢の年金生活者などが紹介されていました。
 正社員になれずパートの掛け持ちで昼も夜も働く若い母親や、年金がなく空き缶拾いの収入で生きている高齢夫婦の姿には重いものがあり、見ている方が辛くなります。
■真面目に働くだけでは豊かになれない!
 格差拡大、階級分化、ワーキング・プアなどの言葉が注目される昨今の日本ですが、なぜこのような事態になったのでしょうか。いつの時代にも貧しい生活を強いられた人たちは存在していたのでしょうが、いまや日本は統計上、世界で一番豊かな国(一人当たりの富で日本は十八万一千ドル。国連機関調査)。だからこそ現在の日本で、ワーキング・プアの問題が注目されるのでしょう。
 厳しい現実に辛くなりますが、番組への若干の疑問も残ります。子供二人を持つ女性への別れた夫や実家からの生活費支援はどうなっているのか、空き缶拾いの高齢夫婦はなぜ年金がないのか(番組では期間不足と説明)、子供達の支援は等々。
 また、年金制度について言及すれば、年金で全ての生活費を賄おうとするのは、無理があると思います。年金制度を支える人たちのことを考えれば、年金は最低限のものに抑えるべきです。私見では現在の標準厚生年金支給月額23万円(夫婦二人)を、食費と住居費を賄う15万円程度に引き下げるべきだと思います。その代わり国民年金や厚生年金の別を無くし、全世帯に一定の年金額(例えば15万円)を給付するのが好ましいでしょう。
 それにしてもこのような話をするのは、いま現実に厳しい生活を強いられている人たちには申し訳のないことですが。
 労働組合の連合のポスターには、「まじめな人、がんばる人、責任感の強い人、仲間思いの人、義理堅い人、正直な人、そんな人ほど損をしている」との言葉が印刷されているようです。「真面目に働くだけでは豊かになれない」のが、日本と世界の現実なのです。
                                  以上