さてさて、
先日 総引き箔の帯を織り上げたばかりのうちの会長ですが
早速次の帯に取り掛かりました
今度は「茶屋辻紋柄」を選んだようです。
この設計図、前回も見た方は随分鮮やかだなぁ、と思われたと思いますが、
これは、便宜上こういう色を配しているだけで
つまり、織る人が「あ、ここで色糸変えなきゃな、」って解るようにあえてビビットに描いてあったりします。色糸もそのつど選びますし。
だから実際に作る製品とは違います。
前回のですが、参考に
そして1本しか織りません。
是非にと注文受ければ別ですけど
うちでは量産する意味が無いのでしません。
なんて言うか、状況や注文で糸種や色糸を染めたり作ったり、そのつど変えるので
どっちみち同じものは織れないです。
まあ何て言うか、そここそが手機の良い所だと思いますし、同じ物を量産出来ないからこそ、出来る事は何でも出来るのですよー と言う事です。
注文で袋帯一本から織ってるのは、ひょっとしたら全国でうちだけかもしれません。
さて、今回作る茶屋辻ですが、
これも歴史の有る柄で、一時期は大奥の制服にまでなった由緒正しい文様です。
元々派手さの無い、楚々とした柄なので配色は気を配らないといけません
色決めには何しろ総動員ですよ。
後ろに色糸がいっぱい見えますね
今回 実際に使う糸は6色か7色ですが
気分で「効かせ」の色を入れたりしますから
実はこれでも足りないくらいで、無い色は染めて作ります。
ほら、「あーでもない」「こーでもない」
なかなか決まんない、、
「よし、どうだ、この配色でいくぞ。」
決まりましたかそうですか。
色が決まればこうやって糸巻きをします。
巻いたらこうやって番号をふって整然と並べますよ。間違えたら大変。
私の友禅もそうですが、色決めは悩みますねー
とにかく悩む。
悩む。
一度取り掛かり、出来上がればそれは私の手を離れて大道をまかり通る作品ですから
一つも間違ってはいけません。
ましてや何より着る物、身に着けるものなので、、、着た人が映えないといけないし。
とにかく何よりそこを考えます。
つまるところ、好い物を作らなくてはお客さんにも材料に失礼です。当たり前と思います
それが私の仕事で使命。
「この世に出回る物が、全てが最良品であれば良いのに…」 せめて性能に関しては保障された世界なら…だったら買い物も楽になるんだけどなー。
と、町のスーパーで刺身や旬の秋刀魚物色しながら思うのです。
よし、だから俺頑張る!一所懸命頑張る! 本気で思っているのです。
…別に今日、広告で秋刀魚が98円だって言うから喜び勇んで行ったらもう売り切れだったからって言ってるんでは無いです。 そうだ、あのブドウはきっと酸っぱかったに違いない。
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