すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

伊藤若冲「果蔬涅槃図」!の額裏!

2023-10-07 16:16:16 | 作品紹介
皆さんこんにちは!

こちら岩手県一ノ関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜんで

きもの屋がきものを作っているんですよー!


さてさて、
久々の作品紹介をしたいと思います。


その前にまずはこちら、
伊藤若冲作「果蔬涅槃図」国宝です。


釈迦の入滅を描く涅槃図を、果蔬(野菜と果物)によって表現した大作。
釈迦涅槃図のお釈迦様を大根に、弟子や動物達を様々な野菜にして描いてます。
若冲のセンスよ!

これを額裏に描いて欲しいという依頼を頂きまして、

ハードルが!高すぎる!

描きました!


大根様が青いのはご依頼者のご希望です。

額裏にうまく収まるように縮尺も大根様を少し大きくしたり
左右を少し加筆して、上を少し切ったりしています。

額裏、つまり羽織の裏地ですが、表からは見えない密かなおしゃれを楽しむ部分です。

それにしてもこれを選ぶなんて!かなりハイセンスなお方です。

若冲を独り占めする気分、楽しいだろうなあ!


伊藤若冲と言えば様々な表現方法で有名ですが、その1つが筋目描きです。

あえて紙にドーサ(滲み止め)を引かずに墨の滲みのスジを出す描き方ですが、

この果蔬涅槃図にもふんだんに用いられていて、これをどうやって生地で再現するか苦労しました。

そこで私もあえて生地に地入れをせずに染料と墨を同時に使い、糊の量を調節して何とかそれっぽく描くことが出来ました。



すごい練習した!

何しろこれは糸目糊を引かずに、一発決めで描いていくからです。



滲みの調整に気を遣いつつ、
緊張を保ったまま最後まで描ききります。途中で失敗したら全てが台無しです。

しかも横に図録を置いて見ながら描いているのです。


ご依頼者様にはとても喜んで頂きまして、私も物凄く嬉しくなったのでした。


伊藤若冲は私も大好きな作家でして

ご依頼を頂いた時はその偉大さを知っているだけにたじろぎそうでしたが、

引き受けて本当に良かったです。

伊藤若冲の気持ちにほんのちょびっとだけ触れられた気がしました。



京呉服すがわらは東北の小さな呉服屋ですが、

着物が好きな方、楽しくお召しになりたい方のお手伝いを一生懸命しています。

気になった方はどうぞお気軽にお問合せ下さいねー。


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1 コメント

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Unknown (sirokuma-cafe)
2023-10-14 14:11:45
おもしろい記事でした!
作品も素晴らしいし、ご依頼主さまのセンスもステキです。
久しぶりに菅原さんに会った気がしました。
SNSもいいけど、もっとブログも書いてほしい😁

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