LOHASな感じ!

日頃、仕事やプライベートで感じた事をLOHASな感覚で書いています。

光庭

2006-12-09 | 建築と文化
光は美を演出し、風や雨は肉体をとおし生活を彩る。
こうして、建築は人がそこに自然を感じるための媒体となる。
~安藤忠雄 挑発する箱より

こういう発想が最近になって分かってきた。
安藤忠雄の住吉の長屋に対する思いだ。

安藤忠雄は、住吉の長屋で繰り広げられる生活を光庭に見いだす。
自然の感覚をまさに住居まで引き込んでしまうのだ。

住吉の長屋は、大阪下町の過密地域にあって三軒長屋の中央を
コンクリートのボックスとして新たに建て替えた現場だ。

寝室に行くのに屋外を通らなければならない。
自然はときに過酷であり、その厳しさを生活しながら体感する。
体感するというより体感せざるを得ないとも感じる。

しかし、安藤忠雄は、
そういった厳しさも含めての自然の変容と、
それを刺激として受け止める人間との関わりこそが生活の彩りであり、
その自然と対話する姿勢こそが本当の意味での「共生」ではないか。
と安藤忠雄著「連戦連敗」の中で発言している。

自然との共生をコンクリート素材を通して実現可能にしていく安藤忠雄。
建築の可能性を改めて問いただされるような思いだ。