LOHASな感じ!

日頃、仕事やプライベートで感じた事をLOHASな感覚で書いています。

住宅の射程

2008-02-25 | 建築と文化
住宅の射程(TOTO 出版)の中で、磯崎新・安藤忠雄・藤森照信・伊藤豊雄の四人の建築家が「住宅」について語っている。

4人の建築家がそれぞれ捉える「住宅」は、確かに興味深いものがある。
住宅は建築か?と投げかける磯崎新。
住宅を建築の原点とする安藤忠雄。
住宅を様々な角度から検証する藤森照信。
住宅の規則的グリッドから開放していこうとする伊藤豊雄。

個人的には、安藤忠雄の住宅の捉え方に感銘した。

 「住宅は、人間の生活と最も深く関わるという意味で、建築の原点です。
 それゆえに、現実のとの最も激しい闘いが必要なテーマなのです。」

安藤忠雄が、住宅設計に携わる事など今ではほとんどないと思うが、それでも彼の発言からは、住宅に関する熱い思いはひしひしと伝わってくる。
一旦建築家として大成してしまうと、住宅に目を向けることが少なくなって来てしまうのかも知れないが、安藤忠雄は違う。
そう感じた。


仙台メディアテーク

2008-02-24 | 建築と文化
Sendai Mediatheque(SMT)
13本の鉄骨独立シャフトと7枚の鉄骨フラットスラブから構成されるSMT。
伊藤豊雄の設計によるものだ。

このような構造体もありなのかな?といった単純な疑問さえ感じさせるSMT。
二重スキンと微妙に傾斜するチューブがあまりにも印象的だ。
下部構造には、地震エネルギー吸収機構を備える。

伊藤豊雄のコンセプト、チューブの誕生はこのように始まる。
伊藤豊雄がスケッチともに記載したメモだ。

「徹底的にフラットスラブ、海草のような柱、ファサードのスクリーンの3要素だけをピュアに表現する。
それぞれのエレメントを構造的にとことんStudyし、シンプルにすることに全力をあげる。
それ以外はすべてVoidしたい。

ファサードのスクリーンはヨコのストライプのみ。
スラブは極力薄くフラット Floor Highthはランダム
Still Pipeの組み合わせ、もしくは鉄板に穴をあけていく?」

うーん、なるほど、SMTではそれらが見事に実現している。

SMTの完成まで、メディアの批判や現場での闘いなど、様々な問題が生じた事は容易に想像される。
SMTの壁の無い連続した空間は、公共施設でありながらも固定したイメージを抱かせない。
人々が流動性をもった空間の中で自由に活用できる場、それがSMTだ。





池坊展にて

2008-02-24 | 美の壺的解釈
池坊展が水戸京成百貨店で開催されている。
スタッフの作品も展示されているというので、さっそく行ってみた。

展示されている作品それぞれが素晴らしかった。
池坊は、自由花・生花・立花のスタイルに分かれている。
その中でも立花がスキルを一番要求されるというが、個人的には生花が好きだ。
「真・副・体」が基本形になる生花は、空間構成に対する黄金率を確立するかのようにインパクトがある。
また、主題がわかりやすいというのも良い。
展示してある作品のような完成度で、自分でささっと出来たらどんなに良いものかと思わずにいられなかった。
(勿論、当人たちは必死の思いで取り組んだに違いないが)

会場には、池坊の古典様式の立花も展示されていた。
なるほどこれが専好の様式かぁ。


うーん、スタッフの作品もなかなか良いではないか...。
ここまで来た本人たちの努力と当社の事務所で教室を開いてもらっているY先生のお陰かな?




ほんの束の間ではあったが、「美」を様々な角度から意識させられた...。


偕楽園 | 梅

2008-02-15 | lohas的情景
偕楽園は、水戸徳川家9代藩主徳川斉昭が創設したものだ。
空襲で好文亭が焼失するが、昭和33年に修復する。
その後、落雷により奥御殿が焼失したものの、昭和46年には修復し現在に至っている。

徳川斉昭は偕楽園に陰陽の構想を取り入れた。
偕楽園を楽しむにはやはり表門から入るのが良い。
斉昭の意図した陰陽の世界を十分に堪能できるのだ。

幽暗閑寂の孟宗竹林から大杉を通り抜けると、
梅林が広がってくる...。

(梅祭りは2月20日から。見頃は3月上旬との事)


偕楽園 | 好文亭

2008-02-11 | lohas的情景

久々に好文亭に行ってみると屋根職人が棟の仕上げを行なっていた。
確か数年前に杮葺きを行なっていた記憶があるが、今回は前回未着手の所の修復作業なのかもしれない。
好文亭の屋根は杮葺き、太鼓橋で繋がる奥御殿は茅葺で構成されている。



杮葺きは、サワラ材の4mm程度の薄板を竹釘で打って仕上げる屋根工法だ。
杮と書いて「こけら」と読む。
「こけら」は薄い木片で、それを重ねて敷き詰めた屋根が杮葺きだ。
杮葺きは、切妻屋根・片流れ屋根のような平面的な屋根にしか葺けない板葺きに比べて、入母屋や寄棟に葺くことができる自在性が特徴となっている。


家ってなんだろう?

2008-02-10 | 建築と文化
家ってなんだろう。

人それぞれ価値観が違うので、“何を持っていい家か?”という定義はないと思います。
勿論、耐震性能や断熱性能などの技術的な定義はありますが、当然ながら、今どきそう言ったものはクリアしている事を前提にしていますので悪しからず...。

住宅展示場や住宅地を巡ったり、家が建つまで勉強する事も多いし、
どこに依頼していいのか分からなくなるほど建築会社も沢山ありますよね。
営業マンに押し切られて、いつの間にか自分の家が建っていたなんて言うケース、たまに?あるようですね。
限られた予算の中で、住宅に何を求めていくのか?
以外に難しいですよね。

展示場のスタイルに憧れて新築をしたけれど、なぜか住んでみて落ち着かなかったり、あんなにも熱い思いで建てた家も、いつも間にか単なる箱体と化していたりするケースなどなど。
もっとこうすれば良かったなんて反省の声が多いのも一般的には多いのではないでしょうか。

これは、私どもの設計スタッフが、最近施工した住宅のコンセプトの一部をブログに掲載したものです。
住宅建築には“こんな考え方もあるんだなぁ”という事、少しだけ転記してご紹介します。

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中心の2階部分の窓はリビング上部吹抜けの窓です。
なぜこの部分に大きな窓を取入れているのか??

それは冬至の時期を中心に太陽の高さは低くなるので、
出来るだけ南面に大きな開口を設けて太陽の光を取り入れ易くする為です。
そうすれば日中に部屋の中を暖める事が出来ますので快適に過ごせます。
(ご存知と思いますが真冬の車内でも晴れていれば汗ばむことがありますよね、それと同じ様なことです)

そしてこれが大事なことですが、夏の時期は反対です。
むやみやたらに窓が大きければ良いと言うものではありません。
夏の太陽光は部屋の中に入れないことが大切です。冬と夏は逆なんですね。
蒸し風呂状態になります。

たまに見かけますが、日中でもカーテンを引きエアコンをガンガン掛けているているお住まいもありますよね。

その様に為らないように、写真に見えるように屋根の庇を深く出し、
夏の太陽高度は高いので軒先で太陽をカットして部屋に入れないようにします。
昔の民家などは皆庇が長く出ていて、ちょっぴり薄暗く涼しげですよね。
それと同じ状態を作ってあげれば夏の時期もある程度快適に過ごすことができま
す。

現在、国ではロハスに掛けてロ・ハウスと名付けて省エネ活動を推進しています。
住宅におけるエネルギーを削減する為にパッシブなエネルギーを有効利用しかつ
ロハス流にほどほどのがまんで快適に環境に優しくと・・・・・・・
一つ一つ大切に家造りをしましょうと言うことですね。
~【Y】Planner
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ご参考まで...。http://blog.goo.ne.jp/iwaki-reform