ZANMAI BLOG(新アドレス)

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永田氏より便りが届きました。

2016年08月07日 | 渓流・本流2016年
先日の遠征を一緒させていただいた永田氏より、ちょっと長い便りが届きました(笑)

長く様々なメーカーさんのテスターなどを務めてきた氏、誌面でも時折り原稿を執筆しているので記憶されている方もいらっしゃることでしょう。

ハンドメイドを手にする理由は人それぞれ。キレイだから、釣れるから、理由なんてなく好きだから。

皆さんが自分流に世界にたった一本しかないハンドメイドを、ZANMAIを愛し楽しんでいただけるのなら、それこそ私にとって望外の喜びです。



‘ソリスト2016‘

「日々インジェクションミノーを使っている私にとって、何となく調子が出ないとき、あるいは合わないと感じるとき、バルサボディーの立ち上がりの速さを頼りたくなることがある。

過日の千曲上流がそうだった。

現地は減水で、流れのあるところと緩んだところが明確なため、故に流芯から外れた途端にミノーはキレを失ってしまう。

一方で緩んだ流れから流芯へ向かい誘おうと試みても、立ち上がりの悪さによってミノーは異物化してしまい、魚たちの反応が冷ややかになってしまい万事休す。

そんなフラストレーションの蓄積が限界に達し、私はソリスト50MDⅡを手に取っていた。

そして、普段通りダウンクロスにキャストすると、現れたイワナは距離を詰めて即ヒット。

と、これは諦めてしまう直前の、悪あがき大成功の一例である。



そういったシーンを重ねる中で、さらなる悪あがきアイテムを模索していると、先の芝川イベントで気になるものが目に飛び込んできた。

それはソリストシャッド50のアワビ貼りで、しかもウエイト約6gといった仕様である。
カラーはともかく、早く沈んでヒラ打ちして、アワビの光沢を纏ったミノーは、自身の引き出しにもない。

単にアワビ貼りでヒラを打たせたいのなら、アワビを貼ったスプーンで充分。でも、流芯に入った瞬間にスプーンは浮き上がってしまう。

アイテムに加えるか否か、正直、迷っていた。

その迷いというのは、買う買わないではなく、きちんと使うかどうかということ。

ビルダーの手によって生み出されたミノーたちは、手にした釣り人に使われてこそ本当の命が注がれるもの。

だからこれを自身のアイテムとしたとき、こうした高価なミノーを使い切ることができる のだろうか...と迷ったのである。

しかし、ブースのテーブルに置かれている同仕様は1つだけ。 結局、迷いは1分足らずで解決した。

だが、これを私にとっては貴重な50DDやMDのように丁寧に仕舞うと、なかなかフィールドに出てこなくなる。そもそも、その専用ケースからは出し辛いと感じていた。

それならばと、味気ない小型プラケースにガサっと入れてみる。 出しやすければ、まずまずの頻度で使うようになる、と考えたからだ。



そして先週末の釣行、氏がアップで散々攻めた後の小釜を、件のアワビ貼りシャッド6gで以ってジャークでネチネチやって、無事にコケラ落しを迎えることができた。

沢水に触れ、仕事をやり終えたシャッドは、何処か誇らしげである。



こうした最初の出会いを作って上げられたことをうれしく思いつつ、私は味気ないケースの仕上げに移った。

生憎フタの表面には凹凸があって小型ステッカーを全部貼ることができなかったから、ロゴだけを切り取って貼る。

残りのチャー属シルエットはというと、ケースの底の方に上手いこと分割してペタリとやった。

自己満足が完成。

さてこうなると、次なる釣行も楽しみなのである。」

Photo&Report by 永田氏