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モンゴルへ再び 2009年6月編 その④

2009年07月23日 | モンゴル再訪・2009年6月

八日目 (シシクド川最終日)

モンゴルの地を踏んで、今日で早くも八日目となる。

各々思い思いのルアー、フライで攻めるも大型のタイメンにはいまだ出会えず、川は沈黙したままである。

明日の朝、このキャンプ地を後にするため実質的には今日がここでの最後の釣りとなる。

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・フライで釣る、永井さん。グレイリングは絶好調である。(撮影 ヤギさん)

 

最終日であるこの日は、我々たっての希望で対岸を攻めることに決まる。ボートでいくらか下り、適当な場所で対岸へ上陸、それからは下流へと流れに沿って歩く。

諸事情あり我々は対岸をこれまでまったく攻めていないから、同じポイントを連日、二度三度と攻めていた昨日までとは違う期待感がある。対岸に渡ったというだけで、目に映る風景もどこか新鮮だ。

 

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・豊かなこの地だが、コチラ岸とアチラ岸とでは緑の多さに歴然と差がある。

写真向って右側がロッジの在る、これまで日々釣っていた右岸である。川沿いだけを見るとそう差は無いように映るが、続く山肌に目をやると濃緑の差は一目瞭然なのだ。

緑が多いということはそのまま虫の多さに繋がるし、トラウトも・・?!

などど誰かがつぶやく。

どうにか発奮材料を見つけてこの最終日を託したい、そんな心境なのである。

 

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・幸い、ここにきて濁りがいくぶん回復をみせ始め、この日もわずかに雪がちらつく寒さは相変わらずだが、この条件でどうにか釣りを成立させねばならない。

 

セットしているのはファット120MDである。欲しいのはあくまでもビッグタイメン、ルアーサイズを落とす気は無い。止水、流水問わず実績十分である120への信頼は揺るぎようもない。

回復しつつあるとはいえ、まだ完全に濁りのとれない流れでは、トラウトは岸際に定位しやすい。ゆえに芯となる強い流れと、岸際の巻き返しや緩い流れとの組み合わせでポイントを選び、丁寧に流す。

 

送り込んだ120に、食らいつく魚がある。

ドシン、としたかなりイイ当たりで、やり取りの途中でゴンゴンと首も振るが、いくらかキレに欠ける重量感の主は大型のレノックだ。

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・しっかりフッキングしている様子、ここまで寄れば大丈夫・・

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・モンゴルに私物のネットは持参していない。よいしょっ・・

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・が、取り込む寸前で最後の抵抗を見せる、レノック。10fのロッドは立ち込んでいる時、足元での取りまわしにいくらか難儀する。

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・シシクド川のレノック。(撮影 岡田さん)

これは67cmあった。チョロートでもレノックは釣ったが50cm止まりだったので、ここのレノックの貫録には皆がいささか驚く。

シシクド川のトラウトらの引きは、種を問わず呆れるほど強烈だ。レノックも途中までのファイトはかなりのものであり、アングラーの鼓動を速めてくれる。

ただし、タイメンと比べてはならない。

シシクドのタイメンは、例え50cmであってもドラグを鳴らし、ロッドを引きずり込む瞬間が必ずある。レノックにはその瞬発力が無く、どこかモタモタしているのだ。

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・これは別個体で63cm。このサイズ、60cm~70cmが一時入れ食いとなった。

顔付きがコイ科の魚を思い起こさせるのがいくらか残念だが、このトラウトを見直したくなるサイズばかりだ。

60cmを超えるレノックは10年ほど生きた固体だという。ヤマメのパーマークを赤く染めたような斑点があるのがお分かり頂けると思うが、これの数が生きた年数と同数であるらしい。数えてみると、ほぼ薄くなって消えかけているものも含め確かに10個ほどある。

真偽のほどはよくわからぬが、現地のモンゴル人はそう言うのである。

レインボー、ブラウン、ウグイ、様々な魚を掛け合わせたような、不思議な雰囲気を持つトラウトである。

 

虫の類も好んで捕食するが、やはりこのサイズになると小魚を捕える比重が増すようだ。

この日は昼食用にレノックを一匹キープさせてもらった。腹を割いてみると、グレイリングの幼魚と思しき小魚に加え、小型のチョウザメが出てきた。この辺りの川に棲む、大きくならないチョウザメなんだ、とシャルが言っていたが姿かたちはまったく大人のそれである。

 

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・昼食にする。ヤクの肉を串で焼き、レノックも塩でシンプルに焼いてみる。

モンゴルの慈愛にあふれているのだ。ウマいに決まっている。

ウォッカで冷えた体を温めながらの昼食は、タイメンが釣れていようと、無かろうと最高なのだ!

 

・・・そう、私は昨晩、50cmをようやくキャッチしただけなのである。

そして、願うようなタイメンにはまったく出会えないまま、この日の釣りも終えることになった。

 

 

観念した。

納得がゆく時よりも、そうでない時の方が圧倒的に多いのが釣りであろう。

であるから釣り人は、試行錯誤し、もがき、ストイックにもなり得る。

ならば、この旅はまさに釣りそのもの、釣り本来の姿だったとは言えないだろうか。

まだココロの整理などとてもできないが、少しずつ、自身にそう言って聞かせる。

 

遠征は本当に難しい。フィールドのコンディション、天候などは、自力ではいかんともし難い。

 

運が、少し足りなかったようだ。

悪条件を克服するだけの腕も、閃きも足りなかったのか。ここは潔く引き上げなくてはなるまい。

 

九日目~十二日目 (帰路へ、そしてホグ川で)

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・たびたび通ったこの道を、馬で帰路につく。(撮影 山中さん)

 

 

荷物をまとめ、馬にまたがり、我々が毎日往復したこの川に沿って数時間をゆく。

実は、馬に乗るのは初めてなのだ。

 

蒙古馬だ。アラビア馬と違い、蒙古馬は小柄でいくらか短足である分、野山でも安定感がある。大変頑丈な馬らしい。

彼らの背はあたたかく親密であり、これにまたがり岩山を乗り越え、大草原をまっすぐに突き進むのは、愉快そのものである。

ただし、尻が痛むのを我慢しなければならない。馬の一歩一歩につられて、私も背で揺られるから、どうしても尻が浮いては落ちる。これがけっこう痛い。

同行しているモンゴル人らは、リラックスして馬の動きに合わせていれば良いんだよ、などど言うがどうもそういう問題ではなく、どのように力を抜き、座り方を変えてみてもやっぱり私の尻は痛いのである。

意外とデリケートなのだよ、お馬さん、と馬上から語りかけるが、ブフゥーと鼻を鳴らすばかりでらちもあかない。

 

馬の鞍の形状が合っていないなど他に理由がありそうなものだが、よくはわからない。

きっと馬にも乗せ心地というものがあって、できれば人を選びたいのだろうことは、なんとなくわかる。

 

 

かのチンギス・ハーンらは鎧兜に身を固め、この蒙古馬を駆って遥かなるヨーロッパまで大遠征を果たしたのだと、その時代とほとんど変わりの無いであろう大地を揺られながら、いくらか感慨に耽る。

 

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・現地のモンゴル人たちは、このぐらいの流れだと馬にまたがったまま渡り切る。

この川の向こう岸でジープに乗り換え、来た道を引き返す。

 

 

夕方、ホグのキャンプへと再び戻ってくる。

 

このキャンプ場の近く、往路で話題に出た、ヤギやヒツジが渡る橋は覚えておられるだろうか。

‘この橋、無断で通るべからず‘のアレである。

 

この橋のすぐ下流にいくらかこじんまりとした岩山があり、川は橋の下からこの岩山に向かって大きく蛇行しながら流れ込んでいる。

この川をホグ川という。

 

岩山は川面へと岩壁が切れ込み、流れを受け止めているその部分がいくらか深くえぐれ、小規模ながらプールのようなものを作り出している。

このプールは岩壁の対岸ではそのまま大草原へと続く泥地のシャローを形成し、流れ込みと併せタイメンが休み、捕食する条件を備えていると思える。

実は、往路でも車中からこのポイントを見、一同から ‘ここはイイね‘ と話題に上っていた。

 

部屋に荷物を降ろすと、すぐに夕飯となる。夕飯後にあのポイントをダメもとでやってみようと思う、と私が言う。九日間の蓄積で、正直疲れはあるが、やり切らないと後々に悔やむからだ。

加え、皮肉なことに移動日である今日は一日を通してとても暖かく、いくらか可能性を感じさせるのだ。

 

皆、一様に疲労の色が感じられ、一緒に川の様子は見に行くがタックルは準備しないとのことである。

ロッジを撤収する際に、タックルはすでに飛行機に乗せられるよう細かく収納してしまってある。その荷物を再びほどき、準備する。ウェーダーだけはまた濡らしてしまうと重くなるので入水はしないこととし、防寒着で済ますと決める。

 

Image046

・夕刻のモンゴル、ホグ川のほとりにて。(撮影 山中さん)

 

pm21:00、モンゴルに日没が迫る。

大陸の太陽が彼方に沈みゆく。つられて長い影が岩肌を這うように伸びる。

刻々と姿を変える様は、なにか巨大な生物のようでもある。

その雄大さにただただ圧倒させられらがらも、タックルの準備を始める。

 

ここの草原は河岸段丘のような地形を成している。。増水のたびに何度となく草原を削ったのだろう、川沿は一段低いため写真では判別できないが、向こうの岩山のもっと下を沿うように川は流れている。

支度をする私に、‘きっと釣れるよ‘ そう永井さんが声を掛けて下さったのを覚えている。

 

往路に見た時よりかなり減水しているが、変わらずきれいに澄みきっている、ホグ川。

崖の下、流れが当たる最も良さそうなポイントはちょうど夕陽が隠れる角度に位置し、ここだけがかなり暗い。周囲よりひと足先に夜を迎えつつあるようだ。

 

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ルアーを流すと、想像以上に浅いことに気が付いた。リップが時折りボトムを叩くのがロッドを通して伝わってくる。

 

上流から岸壁に沿って平行に歩きながら、薄暗い岩陰に向かって、50cm毎に点を刻むように流してゆく。

時間は、そう残されてはいない。

足元の細かい砂を踏みしめジリジリと下流へ、ポイントエンドまで釣ったら流れ込みまで戻り、再び釣る。ポイント自体は狭い。そして見渡す限り、タイメンが釣れそうなのはここ以外に見当たらない。

流すこと三度目、半ば駄目かと思い始めた頃にトトンと当たる。すぐに大型のグレイリングだとわかる。

少しでもタイメンに人の気配を感じ取られないように、そんな配慮からいくらか離れた背後で私の釣りを見ていた岡田さんらが魚の水音を聞きつけ、寄って来るのをグレイリングだから、と手で制し素早くリリースを済ます。

リリースされたグレイリングが場を荒らすことがありませんように。そう釣りの神様に祈りつつ、水中が良い方向に変化しているのを肌で感じ取る。

ルアーはファット120MD、ベイトが動いている、良い兆候だ。

 

再度、流れ込みから流し始めると、段丘の一段上から永井さんが ‘たった今、岩陰で大きなライズがあった‘ といくらか高ぶった様子で仰る。私からは確認できないライズだったが、どうやら水中はざわつき、宴の支度が整いつつあるらしい。

最後のチャンスに集中する。

 

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・ここから堰を切ったように当たった。80cmを少し欠けるほどではあるが、ブルーと赤銅色のコントラストが美しいモンゴルタイメン(Hucho Timen)だ。

ファット120をがっぷりと咥えているところを見ると、やはりスイッチが入っていると思われる。

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・岩山の向こうとこちらでは、明暗にかなりの差がある。この明暗もタイメンの活性に影響を及ぼす一要因だっただろう。

メーターオーバーとはいかなかったが、出来るだけのことはやった。

最後の最後、番外編と言っても良いこのホグ川でのタイメンが、今釣行における最大であったことはいくらか皮肉めいていて複雑だが、荷物をほどいた甲斐はあった。

山中さん、永井さん、ヤギさんと男同士の握手を交わす。大きい小さいは時の運だヨ、皆さんの暖かい手がそう伝えてくれる。

 

岡田さんは間隙を縫い、私のタックルですでに釣っている。

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・と、すぐにヒット!の声。

小型ながらしっかりとタイメンだ、今日も一日一善なのである。

機を見て敏な、この勘どころの良さも腕のうちなのだと教えられる。

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その後、山中さん、永井さんもルアーロッドを振ってみると、何かしらの反応があったりする。上手くキャッチはできなかったが、釣りとはやはりタイミングが肝心と、またも思い知らされた。

最後に私も小型をもう一本掛けたが水面で外されたのを合わせ、完全な日没までわずか30分間ほどの騒ぎだったが、正直、望外であっただけに笑顔もこぼれる。

 

結果、今回の旅でも大変印象的なトラウトと出会うことが出来た。脱け殻だった私に、かろうじて魂が戻ってきた。

 

なんとか、ギリギリでトラウトたちの宴に間に合ったようだ。

 

終わりよければすべてよし、か。

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・アジアンアルプスと、私は呼びたい。

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・山中さん。たいへんお洒落な御方でもある。

 

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モンゴルは変化の真っただ中にある。都市部だけでなく、悠久の大草原でも道路整備が少しずつだが確実に進み、たくさんの電柱や鉄塔をその大地に打ち立て始めている。

遊牧を捨てる人も多く、彼らはウランバートル周辺に集中する。だが彼らに新しい仕事はなかなか見つからない。

若者は伝統服を脱ぎすて、生活様式を一変させた。わが国もかつて辿ったその道なのか。

 

私といえば・・ 

真新しい鉄塔が等間隔で打ち立てられゆく大草原を、ただただ黙って通り過ぎるだけである。

 

モンゴルには、訪れる機会がきっとまたあることだろう。

それほどに、この国は魅力的なのである。

  

 

 

参考までに私のタックル

ロッド サンプルロッド含め、7.6f~10f

リール 5.000クラスに PE2~2.5号 リーダーはナイロン35lb~50lb

偏光サングラス TALEXイーズグリーン、アクションコパー

ルアー 主だったものは ZANMAI ファット120、ファット120MD(サンプル)、11.5cmMD、

ファット8.5cm、ファット8.5cmMD、13cmミノー、15cmミノー、18cmミノー各色

 

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モンゴル・シシクド川の様子

2009年07月19日 | モンゴル再訪・2009年6月
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モンゴル再訪・2009年/6月の動画編。
 
濁りの強いシシクド川を下る様子をYouTube動画にアップしました。
矢印クリックで自動再生されます。
 
急流を抜け、緩い流れに入ったところでカメラを出してみました。
 
この日でおおよそ80cmの増水、普段はかなり澄んでいる川らしい。
 
 
ブログ内記事では‘その②‘に出てくる、最終キャンプ地まで川を下る場面になります。
濁った川を目前にして開き直ってますね。
 
まだまだ元気な様子。
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モンゴルへ再び 2009年6月編 その③

2009年07月18日 | モンゴル再訪・2009年6月

三日間に及ぶ移動を経て、目的地まで辿り着く過程は前回までに述べた。

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四日目

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・モンゴルとロシア国境付近をとうとうと流れるシシクド川。大本流と言っても差支えない、太く強い流れだ。

我々がはるばる目指したこの川は前日の大雨によって濁流と化し、四日目も早朝から竿を出すがご覧の流れだ、苦戦を強いられる。

普通、川は上流から濁り始め、その濁りが澄み始めるのも上流からであることを考えると、これだけの流れであるからして、あと数日はタフなコンディションと正面から向き合わなくてはならないようだ。

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・シシクド川の最大の特徴は、ジープでも岸沿いを走破出来ない事からわかるように、移動の困難さにあるといえよう。    

川沿いを移動したくとも、写真のように川岸まで迫る切り立った崖をよじ登り、下り、草原をひたすら歩き、足元の悪い原生林を抜けてと、移動は徒歩に頼る以外まったくない。

もちろん8~10fのロッドを担ぎ、ルアーやミネラルウォーター、昼食その他を詰めたリュックを背負い、ウェーダーを履いてのフル装備で、毎日10km以上を歩くことになるのだ。

前回のチョロート川でも繰り返し崖を下るなど厳しい釣行を強いられたが、それでもポイントごとの移動では車が使用出来た。この点一つとってみても、シシクド川はチョロートをはるかに上回る厳しさであると言える。

 

ポイントが多いのであればさして問題は無いのだろうが、タイメンという魚は狙うべき場所がかなりハッキリとしている魚であり、残念ながらそういうポイントはそう多く存在しない。

基本的に半夜行性であることから、日の高い、普通我々の釣りが成立する時間帯には少し流れが淀んだ深みに身を潜めていることが多いと推測できる。

そして夕方の、ある特定の時間になるとフィーディングポイントへと出て来、捕食をするのだ。

ここにポイント選びの大きなヒントがある。自然界の生物というものは、意味を持たない無駄な行動というものは極力省くものであろうことから、スリーピングポイントとフィーディングポイントとが出来るだけ隣接しているのが理想となる。

今日はダイエットのために少し遠出してみようか?などどは考えず、最小のエネルギーで最大の効果を得ようとするハズなのだ。きっとそうなのだ。

そして大きな個体になればなるほど、この条件を満たすポイントを己の縄張りとする傾向が俄然強くなるのだと、私は考えている。

 

ところで。

この川の大自然は見事であり、一見では場荒れなどとは無縁と思えるが、それでも釣り人の手を逃れることは出来ないようだ。

今年こそまだシーズンは始まったばかりで、ほぼ我々が最初の釣り人であろうが、各ポイントへの足跡、焚き火の跡、ロッジの稼働状況などから決してタイメン処女地ではないと推し量れる。

 

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ロッジでガイドも兼ねている若きモンゴル人、シャルが言う。

‘ここのタイメンは皆、ルアーをよく知っているよ。餌などで釣られたことのある個体も多いから、ルアーは派手な色よりナチュラルなものが良いよ‘ と。

釣り人の数と比較して魚が少なくスレているという普遍の事実を、日本のみならずここモンゴルの奥地でも耳にし、いささかうんざりする。

 

聞くと、主に東欧からの釣り人がUBからヘリコプターをチャーターして乗り込んでくるそうである。東欧やロシアの釣り人は餌師が多い。まずグレイリングをフライで釣り、これを餌にタイメンを釣る。間接的フライフィッシングであるらしい。

ならば最後までフライオンリーでタイメンに挑めばよいものを。だがそれが尊敬すべき、大陸の川の王様と正面から渡り合い、知恵を絞り勝負する方法だとはあまり考えないらしい。

この時も実際に東欧からのグループが滞在していたが、やはりメインは餌釣りであるらしかった。

餌釣りはすべての釣りの基本であるし、それ自体を全く否定はしないが、よりによってタイメンを餌で片っ端から針に掛けるのは、果たしていかがなものであろうか。

釣りは文化が伴わないと、ともするとただの狩りになってしまうのではないか。

 

 

どんなに山奥まで出向いても、そうは簡単に桃源郷とは出会えないものであるらしく、ここも決してタイメン安息の地ではないとわかる。

やっぱりだ、ネ。

 

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・pm 21:00頃。

夕食の後もロッジの近くで竿を出すが、、

ほどなく雨になったと思ったら、みぞれが交じり始める。

 

寒い。

まったく好転の兆しが見えぬ。

かろうじて、レノックはあたる。

だがビッグタイメン用のタックルが彼らには大き過ぎるのか、それとも低活性からか、なかなか寄せきれない。

 

この日は誰も、タイメンからの反応を得ることが出来なかった。

  

五日目~七日目

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・雪になった。

五日目も、六日目も雪が降った。

濁りに加え、かなりの水温低下を覚悟しなくてはならない。

高水温時ならともかく、まだ春先の水温低下は活性を下げるだけだろう。

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モンゴルはタフだ。

春とは言っても朝晩は冷え込み、ストーブが欠かせない。

雪も降るが、日が差せば途端に汗ばむほど寒暖に差がある。

一日で四季が味わえると言えるだろう。

 

ここに来てから、毎日朝、昼、晩と釣っている。

雨が降ろうと、雪が降ろうと。

 

朝は四時か五時には起床し、朝食まで近場をやる。

早朝は冷え込むので、寒さに我慢できない誰かがストーブに火を起こすために起きることになる。

現地でともに寝起きしているモンゴル人もストーブの様子を見に来てくれるのだが、それにもまして早起きである岡田さんがストーブの世話をして下さることがほとんどだ。

パチパチと薪が心地良い音を立ててはじける、程よい熱気が我々のロッジを満たし始める頃、気合いでシェラフから這い出る。

眠い目をこすりこすり、前夜のアルコールと徐々に蓄積する疲れからいくらか重い体を気力で奮い立たせ、乾く間もないウェーダーにそろそろと足を突っ込む。

 

早朝は、川を流れゆく水音がひときわ存在感を増し周囲を支配する。空気は凛と張り詰め、唐突に、この大自然の中で異物は自分ひとりだけだと、密かに疎外感を覚える。

息は白い。この川の冷たい流れに潜むタイメンを思いながら、いま一度、かじかんだ手のひらに息を吹きかける。

 

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・雪化粧の中、ポイントからポイントへと歩く。

 

日中は日中で、しっかりと釣る。

前述のように一時間から二時間、距離にして10kmからを歩き、だいたい午後五時か六時頃まで釣り、来た道を引き返す。帰りすがら、何かしらの反応があった有望ポイントを再びチェックもする。

ロッジの近場でも釣りになるのだが、少しでも多くのポイントを攻めてみたい欲求と、ロッジから遠いほどビッグタイメンに出会えそうだという錯覚から、上流へ、下流へと出来るだけ歩いてみるのが日課だ。

 

午前中はロッジで寝ていて、午後のイイ時間から釣りに出かけ、日没前後を集中して釣り、日が完全に落ちてから暗闇の中を戻ってくるというやり方もある。

こちらの方がタイメンの習性に合わせた効率の良い釣りと言えるのだが、初めてのフィールド、事故を防ぐためなどの理由もあり、我々は日中の釣りに重点を置くスケジュールを組んだ。

朝早く起床し、夜は一度ロッジまで戻る。ひとつのパーティーである以上、出来るだけ皆で夕飯を共にすると決めたのだ。

 

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・川の規模が良くわかる一枚。

私が右端で釣っているので、どうぞ比較対象に。

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・流れは強い、このぐらい立ち込むのは稀だ。

 

私と言えば不甲斐ないばかり。

せっかく掛けたタイメンは足元でのやり取りで逃した。70cmほどの少し赤銅色を帯びたタイメンが半身を晒すところまで寄せたが、最後のひと捻りでいとも簡単に外された。

焦りからなのか、集中力の無さが原因なのか。    

フィニッシュがちょっと雑だったんじゃない?と近くでやり取りを見ていた岡田さんが仰る。

時折、タイメン?と思わせる大型のレノックも喰って来るのだが、なぜか上手くキャッチ出来ない。バーブレスフックだから、は一理はあるがそれだけではない。  

私が、フィールドに上手くフィットしていないのだ。

 

引き換え、岡田さんは大型は出ないものの50~70cmまでのタイメンを一日に一匹ずつながら確実にキャッチしているという。一日一善だ、などと当然のように笑顔で仰る。

別々のポイントで釣っているため、私はそのタイメンを拝めないでいるが今釣行のために制作したファット120、11.5cmMDなどでキャッチしているそうなので、ルアーの差ではない。

フライでチャレンジしている山中さんも七日目だったか、タイメンの顔を見、永井さんはレノックのキャッチのみで、タイメンには出会えずにいるようだ。

 

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・岡田さんが11.5cmMDでキャッチしたグレイリング。グレイリングとしては大きく、40cmを超えている。

帆のように長い背ビレを持ち、色鮮やかなのが特徴だ。

グレイリングは雑食だが、見ての通りのおちょぼ口で虫を多く捕える。必然、大きなミノーよりも小さめのスプーンやスピナーを好むため、このようにタイメンを狙っていた11.5cmMDにアタックしてくることは少ない。

 

フライだと時折り入れ食いになる。

この川が本来豊かなのは確かなようで、暖かい午後にはトビゲラや大型のカゲロウが凄い数で飛び交っている一例を見るだけでよくわかる。

このトビゲラなどにグレイリングが盛んに水面でライズするのだ。もちろんレノックも混じる。

これほどの数のグレイリングに、かつて他の川でお目にかかったことは無かったから、これにまず一同は驚いた。特に岸際、水面に木々が近く、覆いかぶさるあたりなどはピシャッ、ピシャッとライズ音が絶えない。

 

その波紋は夕立ちを思い起こさせる。

幼魚に交じって、時折り大型のグレイリングなども派手な音を立ててライズするから、近くで釣っていると心臓に悪いのである。

 

残念だったのは、このような暖かい午後は我々の滞在中に一日しかなく、せめて二、三日続いてくれれば、ハッキリと釣果は変わってきたであろうということだ。

タイメンの好物がこのグレイリングの若魚であることからも、この時期の暖かい午後は夕マズメの釣果にモロに直結するのだ。

実際に私が足元でバラしたのも、岡田さんがファーストタイメンをキャッチしたのもこの日の午後だった。

このように生命感にあふれた午後も、翌日以降気温が下がるとピタっと蓋をされたように静かになり、ライズ一つ起こらないから、自然の正直さを思い知らされる。

 

               

               

私は、どうやら魂を日本に置き忘れてしまったようだ。

脱け殻だけで、モンゴルを釣っている。

どうも全身でこの地に浸れない、疎外感にも似た何かを拭えないままでいるのだ。

 

何かが足りないのか。

それとも過剰なのか。

               

               

       

夕飯を済ませてもまだ外は明るい。

pm22:00過ぎまで、明かりが無くても十分釣りになる。

川のコンディションがいま一つであり、少しでも釣る時間を増やす必要があることと、何よりもきっかけを掴めないでいる自分を少しでも立て直すために、真っ暗になったら釣りを止める、という自身に課した条件の中で今晩も川辺に立つ。

 

七日目の晩、pm20:30頃。

50cmほどのタイメンが釣れた。

小さいが、銀色に輝きとても美しい。

写真を撮ろうか、一瞬迷った。

と、足元をすり抜け、もとの流れの中にするり、とすべり込むように戻って行った。

 

喜びが沸いてくる、とまではとてもいかないが、これが何かを少し変えてくれるのかも知れない。

明日がここでのラストチャンスになる。

モンゴルは私にとっていまだタフなままであり、容易に魂を運んで来てはくれぬ。

 

 

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モンゴルへ再び 2009年6月編 その②

2009年07月15日 | モンゴル再訪・2009年6月

三日目(最終キャンプ地へ)

やはり夜通しのまとまった雨となった。

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・ホグで迎えたモンゴル三日目の早朝、am5:00。

明け方に雨はすっかり上がり、青空ものぞいているようだ。

いつまでも寝ていられない、モンゴルで川を目の前にしているのである。

早速、キャンプ場前を釣ってみる。

川はこんな感じ、かなり増水しているとのことだが、濁りには強い川のようで問題なく釣りにはなる。この川はこれから向かう本命河川のイチ支流の上流部らしい、少しでも反応があればいいのだが・・

                                                           

久し振りの大草原の真っただ中での釣り。

雨水をたたえた大草原を踏みしめ、上流部へ歩き、ココと思しきポイントをからかってみるもまったく反応は無い。

そんなに甘くは無いってこと。

わかってますって。

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・ジープに乗り込み、朝から移動を始める。

モンゴルの川には橋が非常に少ないのだが、稀にかかっている場所がある。

ヤギと羊の群れが移動中、我々はこちら側で彼らが渡り切るのを待つ。

この橋、どうやら私有物らしく近くの遊牧民がエッチラと木を組んで完成させたものらしい。

  

その彼らが副業よろしく通行料なるものを徴収する。

一応、橋のこちら側に木製の遮断機が降りている。これから察するに、‘この橋無断で通るべからず‘ という意思表示なのだと理解できる。

通行料だが煙草一、二本で済む時もあれば、復路では5.000トゥグルグ(日本円で¥350ぐらい)徴収していたのを見ると、かなりいい加減で人を見て通行料を決めているのがわかる。

5.000トゥグルグは結構いい値段の外国人料金だ、しかし他に橋も無く、今朝のような増水時はいかにジープでも渉河は難しいと思われるから、実際に助かるのである。

彼らだってもちろんそういう場所を選んで橋を架けているようだ。出来るだけ交通量の多そうな、ジープや馬でも渡れないそんな場所を。

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・ヤギ様ヒツジ様のお通りだ。

なにせ多勢に無勢だから待つしかない、メェーメェーとやかましく鳴き交わしながら渡ってくる。

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・丘を登り、見下ろし、また下る。

国境エリアに近づくにつれ、明らかに緑が増える。森が豊かになってくる。

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・モンゴル国境警備隊の詰め所に顔を出す。

あまり接近して撮影するとちょっと・・なのでいくらか離れて。

緑色の扉に描かれているのはモンゴル国旗にあるものと同じ紋章。

                                                           

我々外国人はここで国境エリアに滞在する許可をもらわなくてはならない。コレコレこういった者どもが釣り竿担いでウロウロします、決して怪しい者ではございません、と。

国境警備隊の詰め所と言ってものんびりしたもの、特に緊迫感も無く。

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・すぐ側では子ウシも日向ぼっこしながら、うたたねの真っ最中。

しかし実際はかなり寒い、長袖のフリースにゴアのマウンテンパーカーを着込んでちょうど良いぐらい。風も強いため、体感温度はかなり低い。

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・春を待ちわびた、大草原の草花たち。

ところどころで群生している様はまさに花畑。

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・次に出くわしたこの川に橋は無い。最深部ではウン十メーターはあるのだという、これをイカダと呼ぶかハシケと呼ぶべきか・・

ともかくこれが向こう岸に我々を渡してくれる唯一の手段である。

アルミボートをひっくり返して筏を組んであるらしい。幅60mから70mほどありそうなこの川には太いワイヤーが張ってあり、筏に付いているフックにそのワイヤーを引っ掛ける仕組みになっている。

このワイヤーをモーターか何か動力を使って巻き取るのかと思っていたら、岸際で待機していたオジサンが筏に乗り込み、なんと人力でエッチラオッチラ引っ張り始めたではないか。

結構な川幅、結構な流れの中を、人力だけで筏を岸へとたぐり寄せるのだ。

                 

モンゴル川渡しビジネスその2、である。末長く商売繁盛でありますように。

  

見ていると結構な需要があるようだ。常にどちらかに待ち客がいる。

この川はしばらくすると湖へと注ぐため、ここで渡らないと相当な距離を迂回しなければあちら側へは渡れないから、という理由であるらしい。

こちら側から一台乗せて向こう岸へ、降ろしたら向こう岸で待っていたバイクやらを乗せて綱引きよろしくワイヤーを引き引きこちらへと戻ってくる。 

往復で30分ぐらいかかるのだが、そこはモンゴルタイム、時間は青空に浮かぶ雲と同様にゆったりと流れてゆく。

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・一回の渡しに付き、一台ずつ。今度は我らがロシアンジープを乗せ、エッチラオッチラと。車だと一台に付き10.000トゥグルグ(¥700ぐらい)だったと記憶しているが、、

  

イカダ上のワイヤーとフックさせるための支柱にブルーの布が巻いてあるのが判る。旅の安全を祈る象徴である。

オボーなどでよく見かける。

  

ところで、なぜ橋を架け無いのか?とモンゴル人たちに尋ねてみてもどうも的を得た答えは返ってこない。

増水すると凄いから、とか面倒だからじゃない? という意見、お金がかかるからだよ、そんな答えもあったが橋の一本ぐらいさっさと作ってしまった方が結局は楽だろうに。

私的感想では橋桁に必要とされる強度から見てこの川は深く、流れも強過ぎるのだろう。そして面倒をやり遂げる適任者も不在なのだろう。

ま、いいか。彼らの国だ。

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・半日ほど走ったか。後ろに見える川は目指すそれの支流の上流。

この川に沿って下る。

ところどころの急斜面では危険なので運転手以外は全員下車し、歩いて丘を越えることもある。      

このロケ、嬉しくなっちゃう。

         

車で進めるだけ進み、そこから先はボートに乗り換え川を下る。

荷物は牛にくくりつけて陸路を行ってもらう。

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・ここで一頭、若いヤクを屠りその場で捌いた。

安易に残酷だなどと仰るなかれ、無駄な殺生とは訳が違う。

彼は15歳、黙々と最後までほとんど一人で捌き切る。

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・モンゴル再訪をご一緒させて頂いた皆さんと。川を下る前に。

最右が岡田さん、前回のモンゴルもご一緒させて頂いた。モンゴルには度々訪れるなど海外経験が豊富で頼りになるリーダー。ルアーで念願のメーター超えを果たせるか。

お隣は山中さん。モンゴル釣行は三度目、やはり海外経験が豊富でサハリン、カムチャツカなどを釣り歩いたツワモノであられ、フライフィシングをこよなく愛す御方。

そのお隣は永井さん。モンゴルは二度目、笑顔を絶やさない紳士はフライで大物に挑む。お手製のネズミルアーを頂いたが、素晴らしい出来栄えにはただただ感服した。

最左はワタシ。なんでワタシだけすでにパンツがこんなに汚いの?

                                                            

永井さんは現役バリバリ、岡田さんと山中さんはお勤めから解放されていくらか経つが、大変お元気。

体力にも驚くが、皆さん気持ちが若く、いくつになっても新しいものをこの目で見、実際に体感してやろうという気概がその言動からありありと窺えるのだ。

私もゆくゆくはこうありたいものだ。できる事なら、ね。

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・そしてもうひとりの重要なメンバーをご紹介、旅を最後まで一緒した通訳のヤギさん。

‘‘ 本当はもっと長い名前なんだけれど、慣れないから覚えられないでしょ? だから短くしてヤギって呼んで下さい‘‘ とのこと。

フルネームを一度聞いたが、確かに聞いた端から忘れた。モンゴル人の名前はおしなべて長く、発音も難しい。

彼はつい最近まで東京で10年近くも生活していたので日本語はペラペラである。骨太で少々いかつい顔付きは、男前なモンゴル男性の典型なのだ。

性根は優しく、気配りのできるイイ男。日本語で時々口にするジョークが妙を得ていて実に面白い、28歳。

手に持っているのは良いサイズのレノック。レノックという魚については後に詳細を。

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・川を下る。もうこの両岸共にジープでも走破は出来ない。

  

前夜の大雨で大増水・・見て下さいこの濁り。上流のどこかで、予想以上の降雨があったようだ。

この濁りを間近で見て、一同は一気に意気消沈する。

ここまで来て、これじゃ釣りにならん。

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・後ろでヤギさんらがオールを漕いでくれるので、そこはお任せ。

もちろんジャブジャブの浸水、さすがにそう簡単に転覆はしないだろうけれど結構なスリルが味わえる、この川下り。このサイズのボートに大の大人が6人乗り込むんだから、さもありなん。南無三!

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・あの雪山がもう眼前に迫るところまできた。

ボートで下れるだけ下り、最後は岩の多いエリアで危険が大きいために、下船して一時間ほど歩く。 

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・ここまで来たぜー!

          

この土地は豊かだ。雨に恵まれているのだろう。

花は風に揺れ、草原を歩けば虫が飛び交い、かろうじてだが森と呼べるだけの木々がここには在る。

すべてが圧倒的に、私が経験したモンゴルの他のどの土地よりも豊かなのだ。

 

 

そうとくれば、この川は・・!   

水辺の森を見て水中を考え、飛び交う虫を手で払いつつ、ついトラウトの顔を思い浮かべるのが我々釣り師の性であるからして、すでに頭は妄想で一杯なのも致し方無いことなのである。

  

ここのトラウト達はいかほどのものであろうか。

果たして我々を歓迎してくれるのだろうか・・

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・夕方、影が大地に長く伸びる頃になって、最終目的地であるロッジにようやく到着する。

こんな国境地帯、車も入れない奥地にこれだけしっかりとしたロッジとは、想像以上だ。

                                                           

ここをベースに、明日から丸々5日間みっちりと釣る。

とことん釣るのだ!

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・しかし・・

遥かな島国からはるばるやってきた釣り人の妄想を完全に打ち砕く、これが現実。

ロッジの真裏をこれだけの川が流れる理想郷、だがこの増水、この濁り、、、

この川を下って来たんだから、分かり切っている、動かしようの無い事実。だがどこか目をそらしてここまでやってきた。

                                                           

ロッジまで行けばもしかすると・・!?

そんな淡い期待を見事に打ち砕く、これこそが現実。

                                                           

明日からどうしよう・・

夕マズメ狙いで竿を出すが、もちろんアタリなんてない。

       

考えても仕方ない。

明日には明日の風が吹く、どうにかなるさ。

     

                                                          

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モンゴルへ再び 2009年/6月編 その①

2009年07月09日 | モンゴル再訪・2009年6月

6月の中旬から下旬にかけて12日間、モンゴル再訪の旅に出掛けてきました。

ブログでは何回かに分けて写真をアップします。

より詳細な釣行・旅行記は前回の旅と同様、Gijie誌にて掲載の予定です、どうぞそちらを楽しみにして下さい。

掲載時期などはまだ未定です、決まり次第お知らせしますね。

                                                           

写真はクリックで拡大してご覧頂けます、ごゆっくりどうぞ。

                                                           

6月某日 初日(UB着)~二日目                    

                                                          

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・丘陵に囲まれた盆地にあるチンギスハーン国際空港。 in ウランバートル

風に弱いんだな、ここ。

おかげで数時間遅れるも無事に1年と9カ月ぶりのモンゴルに降り立つ。

006

・UBで一泊した翌日、まずは国内線に乗り換え、地方都市ムルンへと。

国内線はなんでも新規参入の会社らしく、かなり新しい機種のよう。

                                                             

前回の旅では大草原の真ん中を縦断するチョロート川などを釣り歩いたが、今回はモンゴル・ロシア国境のより高地を目指す。

前回にも勝るスケールの中で釣りが出来るのではと、まだ見ぬフィールドに想いを馳せつつの往路となる。                                                             

UBから国内線でムルン⇒ムルンから車に分乗して初日のキャンプ地へ⇒翌日も車でさらに奥地へ⇒これ以上四駆でも進めないところからはボート(もちろん手漕ぎ)で川下り 帰りはボートで遡れないから馬で戻ることになる⇒最終目的地のキャンプ

この行程だけで三日がかり!

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・こちらはロシア製アントノフ24、国内線ではいまだ主力。

噂だと時々・・            

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・機内からモンゴルの大地を見下ろす。

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・一時間半ほどでムルンに着。

この街で買い出しを済ませ、早速車に乗り換え国境エリアを目指す。

天気予報が悪く心配していたが、まずは見事なモンゴル晴れ。モンゴルはこうでなくちゃね。

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・ウシの仲間、ヤク。

より高冷地に適する。ムルンからまだいくらも走っていないが、この辺りではもう彼らが主力のようだ。

今回初めて食べたがなかなかいける。

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・我は小さく、大地は限りなく。

なにも無い。それでいて濃密な何かに満ち満ちた大草原。

実際の大草原は草の密度がひどくまばらでちょうどいくらか枯れた芝生のようだが、生える草花は決して一種類だけではなく、香草の類も混じる。

この香草の匂いが鼻孔をくすぐる。これが嬉しい。

五感の中でも嗅覚は特に過去を喚起させる力に優れていると思う、モンゴル再訪を実感させてくれる匂いだ。 

また来たぜ!ってね。

                                                         

               

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・ランクルとロシア製ジープに分乗し、ひたすら目指す。モンゴルでは頻繁に見かけるこのロシアンジープ。

表情ゆたか、愛嬌たっぷりで魅力的な車だ。

壊れやすいのが玉にキズだが、構造が簡単なため修理のしやすさもピカイチなのだ。

一台欲しいぞ。

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・橋が少ないからさ。ザブザブと。

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・父と娘

途中で立ち寄った食堂にて。

遊牧の傍ら、通りがかりの旅人に食事を出すこともする。

モンゴルでもかなり田舎のこの辺り、貴重な現金収入なのだろう。

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・二歳だって。将来はモンゴル一の美人だな。

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・お嬢様方はチャックだって全開なのだ。

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・その食堂で出た昼食、モンゴル風焼きソバとチャイ。

焼きソバ(焼いてない)は残念ながらいま一つである。

我々の車を運転してくれる、生粋のモンゴル人であるドライバーたちも首を振りつつ黙って箸を置き、ほとんど口をつけない。

練った小麦粉を細切りにしてジャガイモと一緒に茹で、これまた塩茹でした羊肉を絡めてある。

炭水化物 meets 炭水化物   プラス 羊

もう少し丁寧に料理してくれればこれはこれでいけると思うのだが、なんだかネチャネチャし過ぎているし、素っ気ない味付けには一皿平らげる前に飽きが来る。

                                                             

油で炒めれば良いのに、我々はそう思うがモンゴル人は伝統的に茹でる調理、シンプルな味付けを好む。

調理器具なども含めモノは最小限に。そして保存がきくように。

遊牧民としての必然、知恵なのだろう。

                                                            

チャイは塩で味付けしてあるミルクティー。

乾燥しているからか、ここで飲むとしょっぱいミルクティーも結構いける。

モンゴルで最も普通に飲まれている飲み物であり、大体どこへ行ってもこれが出てくる。

ぁぁモンゴルに居るんだな。

そう思わせてくれる。

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・奥地に進むにつれ雲が濃くなる。

ひとしきり叩くような雨が降る。

大草原にかかる虹のアーチをくぐって我らは進むのだ!

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・二重の虹まで出、歓迎してくれる。

                                                            

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・一日中移動して夜の九時過ぎにようやく今日の宿泊地であるホグのキャンプに辿り着く。

この時期はおよそ九時半が日没であるから、まだまだ外は明るい。

キャンプの目の前をなかなかの川が流れているのだが、さすがに釣りに出掛ける元気はない。大草原の移動は、それだけでかなりの体力を消耗するのだ。

                                                          

明日の早朝、少しだけこの川をからかってみようと決める。

                                                           

どんどん雲が厚くなり、風も出てきた。

夜半にはまとまった雨になるだろう。

                                                            

ところでモンゴルは6月の今こそが春のまっただ中である。

普段は乾燥している大気が湿気を帯び、長く厳しい冬を耐えこの季節を待ちわびた草花が放つ匂いは日を追うごとに濃密さを増し、大地に満ちる。

草花が活気づけばそれを食む家畜たちはもちろん、蛾、羽虫、バッタ、カゲロウなど陸棲水棲を問わず昆虫たちが一斉に騒ぎ出す。

つられ、水中のトラウト達も一気に活性が上がる最高の季節なのだ。

                                                           

簡単に食事をすませ、いくらかのビールとウォッカで再訪を祝い、これからの旅路の無事を祈りさっさと毛布にくるまる。

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・キャンプ地から国境辺りを遠望する。おおよそこの山々の麓あたりを釣るはずだ。

イメージとしては険しい山に乏しいモンゴルだが、ロシアとの国境付近には高山がそびえ国境を守る。

これ以上ない自然要塞だろう。

ちなみにモンゴルの最高峰は4.370m(アルタイ山脈 フィティン)だそうで、富士をはるかに凌駕する。

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・目的地と方角は異なるが美しい山だ。

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・ズームしてみる。

マッターホルンや剣岳を想起させるこの山、名は知らぬ。

ただ威風堂々とそびえる、印象的な山だった。

                                                            

          

明日も一日中移動だ。

四駆でさらに奥地へ、行けるところまで行く。

                 

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