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令和を生きる 半藤一利 x 池上彰

2021-06-26 19:59:44 | 日記

    「令和を生きる」(平成の失敗を越えて)という半藤一利さんと池上彰さんの対談本を読んだ。とても素晴らしかったので、多くの方に読んでほしいが、忙しい人に要点をお伝えするのと、自分の備忘録のために、簡単に要点をまとめておく。

    何しろ、図書館で借りて読み始めたら、1.そうか、確かにそうだった。 2.その事実は知らなかった。 3.それは大事だよね。

    の3種類の反応で思わず付箋をつけていったら、本が付箋だらけになってしまった。

    本は、結局すでに購入し、友人に貸している。一人でも多くの人に読んでもらいたいと思っている。下には、この本の私が付箋をつけた箇所を中心に、メモしてみた。

 1.そうか、確かにそうだった(歴史的な事実)

   ・1989年6月天安門事件 11月ベルリンの壁崩壊  

   日本はバブルで1989年は株が最高値。戦後日本の輝いている時で、半藤さんは文藝春秋にいて、自分もややバブルに踊っていた。でも、「世界の枠組みが軋んできた」と思った。(1994年に文藝春秋をやめる)だが、半藤さんですら、リクルート事件、天皇崩御(1989年1月)バブル崩壊、消費税導入、参院選で社会党に自民党敗北、など日本は内向きの国内の動きに目を奪われ、その歴史の転換を十分にみてなかった。P24

   ・1993年に日本に政権交代が起きた。宮沢首相が内閣不信任案を可決されて解散。自民党から武村が「新党さきがけ」を作るなどして飛び出しバラバラになると、小沢一郎も44人をつれて出て新生党誕生。反自民の党が集まって細川を首相にした。日本も英米のように2大政党でやっていった方がいいという考えから、中選挙区制から小選挙比例代表制がいいと選挙改革がなされたが、実はナチスは小選挙区制だからこそ選挙を通して生まれたとの反省からドイツは「小選挙比例併用制」。比例に比べて小選挙区は死に票が多くなって、国民の総意が反映されず暴走の危険性がある。だから、半藤さんは当時からその懸念から選挙法のこの改正に反対していたが、「世界に遅れるな」という声が高かった。実際は、イギリスなど2大政党の問題点が出てきて第3党もでてきていたのに・・・。「併用制」では、比例代表の方が優先されて、死に票が少ない方式だった。自民党が自分たちに有利な、小選挙区・比例を300,200とする案が可決された(!)「最初の社会党案のように、これが250,250だったら野党の衰退はなかったかも。でも、自民党はさらに比例についても共産党や当時は反自民だった公明党など組織票が有利にならないように、『ブロックごとの比例』にした。比例区を小さくすると小政党に不利で死に票が多くなる」(池上P42)「自民党には、その道のプロ、知恵ものがいたんですね」(半藤)「戸別訪問も認めようという案も出されたが、それは共産党、公明党に有利だからと(自民党が)認めなかった。宣伝カーで名前の連呼をしているスタイルは戸別訪問ができないから。開発途上国並みのことをやっている」(池上)「250,250にしたら・・・」(半藤)「自民党が認めないでしょう」「選挙への関心が低く、投票率が下がってしまって、もう政権交代はありえない。選挙制度は選挙で選ばれた人が決めるので、変えるのは非常に難しい」(池上)P46

   ・原発は日本ですらコントロールできないと他国は学んだが、日本は反省してない。原発を売ろうとまでして失敗した。P76

   ・1998年参議院選で自民党が惨敗して、自民党が景気をよくしようと躍起になる。連立与党の公明党が地域振興券の配布を宮沢喜一蔵相に強行に主張。意味がないといっていた宮沢も折れて、個人消費の刺激のために実施した。でも、結局効果はゼロ。本来使うお金はそのまま貯めただけで借金が残った。あれが、分岐点ではないか。国の借金が一挙に増えた(池上) P168

   ・小泉純一郎首相の時の労働者派遣法。あれで、雇用が不安定化した。リーマンショックの派遣切りが起こり、多くの人が仕事や住まいを失った。辞めた竹中平蔵はパソナという人材で大もうけした会社の取締役会長になった。モラルに反する。どう考えたってだめ。

 2.その事実は知らなかった!!!

   ・ベルリンが東西に分かれている時、西ベルリンのブランデンブルグ門の前に、第2次大戦のベルリン解放のために闘って死んだソ連兵の慰霊塔があり、そこを何と「ソ連兵」が小銃を抱えて警護していた。東ドイツの中に西ベルリンがあって物資を西から空輸していた事実も摩訶不思議だが、その中でも、ソ連兵が警護していた場所があるのも不思議な話。P21 

    <ドイツは、戦争に負けた相手の戦勝記念碑を自国内に「戦争に負けたこと、間違った戦争をしたこと」の教訓として残していたということ>

   ・最初に原子力委員会が設立した1956年。ノーベル賞の湯川さんがメンバーにいた。しかし、湯川さんは「原子力を導入するのは日本の自分たちが技術を獲得してからでいいじゃないか」と言った。それを委員長の正力松太郎が、「とにかく急いで始めよう。自力がたりないなら買えばいい」と時節を押し通し、湯川さんは頭にきて飛び出してしまう。P72 地震津波がなくハリケーンや竜巻のアメリカのを買ったから、非常電源が高台でなく地下に設置されていた。(池上)

   ・テレビで田原総一朗が司会で、オウム真理教と幸福の科学のどちらの教義が正しいか論争させたらオウム真理教が圧勝した。それで若者がドッとオウム真理教に流れこみ地下鉄サリン事件時は11,400人いたという。人間の心はもろい。特に日本人は善悪二元論になりやすく、そういう人はマインドコントロールされやすい。オウムは、教団に人が集まり、全財産を教団に寄付させ金持ちになった。オウム真理教を国教にしようと選挙にでたようです。そのあたりから被害妄想がはじまった。阪神淡路大震災を「地震兵器が使われた」と言っていた。ポアという殺人を、(間違ったことをしている人を、高いステージにあげてあげるために、この世から消し去る)と教えていたようです。

 3.れは大事だよね。

   ・いま、新聞やテレビなどだれでもが同じ情報を見るのでなくネットなどで情報をえることも多い。そうすると自分の関心や好みに沿った情報が送られてきて、嫌いな情報や違う情報が入らなくなって気づかない。半藤さんと池上さんは「反日」とレッテルを貼られて炎上された経験がある。たとえば、韓国や中国の悪口のサイトを見ていると、日本は必ずしも悪くなかったとか、そういうサイトがどんどん出てきて、みんながそう考えていると勘違いされる危険性もある。だから、僕たち2人も「日本もかって間違ったことがある」というと「反日」とされてしまう。

    「知りたい情報しか知らない人たちが増えると、デマもほんとうだと思ってしまう人たちが増えることになる。戦争中も国民の多くは日本が勝ち続けていたと思っていた」P95

    「南京大虐殺」と教科書に使えなくなった。戦前の状況と似てきている。実際何があったのか、みんなで繰り返し考えることが大切。「731部隊の真実」として、日本のしてきた人体実験のドキュメントをNHKがやったら右翼から激しい抗議があった。 ネトウヨと言われるのは同じ人が繰り返し書いているとも言われている。激しい言葉に惑わされず、思考停止や服従をしない。それが、全体主義を防ぐ唯一の方法なのです。(半藤)

    「歴史認識から事実が置き去りにされていく」P89

    「言論状況のターニングポインは、産経新聞のネット全文無料公開。これが、保守化・右傾化のきっかけになった」P91

     産経新聞は2014年から「歴史戦」という特集記事を出した。一大キャンペーンを張ったのです(池上)社会の意図的な記憶喪失は、やがて全体主義の再来を呼び込むことになりますよ(半藤)

    

     戦争中、日本は「撤退」を「転進」、「全滅」を「玉砕」と言った。安倍さんも「戦闘」を「武力衝突」、「共謀罪」を「テロ等準備罪」、「武器輸出」を「防衛装備移転」、「カジノ法」は「統合的リゾート実施法」(IR法)と言った。日本国民は池上さんに詳しく教えを請うて、核兵器はいかにもてないか、なぜ戦争のできる国にはできないのかということを、もう少し理解してほしいと思います(半藤)P145

    1990年代からの30年。政治は2流、経済は1流と言われたり、政治は2流、官僚は1流とも言われた。でも、経済も2流、官僚は2流どころか3流になってしまった。P148

    自民党の憲法改正案の怖さに言及 

     ・憲法21条 2項として、「前項の規定にかかわらず、公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的とした結社をすることは、認められない」これを新設することで21条の「集会、結社および言論。出版その他一切の表現の自由は、これを保証する」というのをあってないことにしようとして、戦前の治安維持法よりひどいかもしれない。日本会議の主張とぴったりあっている。中国の憲法にも「公益と秩序」として「国家を優先して、個人はそのために働くだけ」ということを言っているが、自民党は我が国を一党独裁国家と同じにする気です。

      ・憲法13条も書き換えた。個人としての基本的人権を「すべて国民は、個人として尊重される。・・・国民の権利については、公共の福祉に反しない限り・・・最大の尊重を必要とする」とあるのを「全て国民は、として尊重される。・・・・国民の権利については、公益およびこうの秩序に反しない限り・・・最大限に尊重されなければならない」と、「個人」を「人」に直して一般化することで、こじんより国家を優先して、巧妙に逆の意味合いにつくりかえている。人としては尊重されるが、個人としては尊重されない。よく考えるととんでもない話

    他にも、平成天皇への言及など天皇制についてのことなど、さらに多くの示唆に富んだ話がありましたが、歴史の認識をしっかりと持ち、2度と愚かな戦争を繰り返さないためには、今の議会制民主主義をどのようにしていくべきか。日本の2人の賢者が語り合っている話は示唆に富んで非常に素晴らしい本でした。

    私は、ともかく異論を無視する人、事実を曲げる人、科学的にものを考えずに自分のしたいことをごり押しする人は信じられません。謙虚に異論にも耳を傾け、事実に誠実に向き合い、科学的にものが考えられる人間こそが、進むべき道を正しい選択できる人だと思っています。

    日本を囲む他国の認識と自国の認識が乖離していては友好関係が保てる訳がありません。韓国や中国の悪口を言う前に、互いの歴史認識をちゃんとすりあわせていこう。軍備強化をして反目し合う前に友好を作り上げる姿勢をもつ必要があると思っています。

    小さい努力ですが、私が評価している絵本作家たちの活動があります。日中韓の絵本作家が集まって、話し合いながら3国で一緒に各国の言葉で子供たちに向けて出版した絵本です(ココからみるとよく説明されていました)。

    

    平和をどうやって作り上げるか。そっぽを向き合ったり、銃を片手に持った人間同士が仲良くなれる訳はないのは、子どもでも分かるのに・・・過去に学び、もうこれ以上 愚かな戦争に人間がいのちを失うことのないようにしたい! それが、私の願いです。

    ご紹介した「令和を生きる」という本や、上記の絵本を読む中で、子どもから大人まで真剣に日本の進む正しい道を選択していきたいものです。今日は残念ながら、月を見ることができませんでしたが、厚い雲の奥から月が応援してくれたのが、あなたがこのブログを最後まで読んでくださったことに、心から感謝いたします。

 

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