*左の数字は、文部省から文部科学省に変わり、町村大臣を最初の大臣として何代目に当たるかという数字です。
伊吹文明大臣から、順にみていこう(以下敬称略)
2017年に12選された今も現役の衆議院議員である。2006年の文科大臣になられた時のことは残念ながらよく分からなかった。だが、1938年生まれ、ちょうど最近(2021年2月)に、女性への差別発言で辞任するに至ったオリンピックの森会長と同世代の方だ。そして、知り得たこれまでの発言から推測すると、2013年スポーツ指導や教育現場の体罰に関し「体罰を全く否定して教育なんかはできない。このごろは少しそんなことをやると、父親、母親が学校に怒鳴り込んでくるというが、父母がどの程度の愛情を子に持っているのか」と述べている(ココから)。2019年には、交際女性に告訴された田畑毅衆議院議員に関して、「色んなことがあるけども、問題にならないようにやらな駄目だよな」と集まりの中で発言。誤解されかねない発言で批判されかかった(ココから)。
さらに、2020年12月には、真子様の結婚を憲法に基づいて「認める」と秋篠宮さまが発言したことに関して、「国民の要件を定めている法律からすると、皇族方は、人間であられて、そして、大和民族・日本民族の1人であられて、さらに、日本国と日本国民の統合の象徴というお立場であるが、法律的には日本国民ではあられない」と説明(ココから)。もし、伊吹さんが五輪組織委員会の会長だったら、森さんと同じようなことになっていた可能性のあったかもしれないと思った。
あとで詳細を書くが、自民党の中心議員の多くが属する日本会議のメンバーだ。
2011~13年の下村氏政治団体の政治資金収支報告書に(政治団体ではない支援団体「博友会」の年会費収入が、会員の同意なく下村氏の政治団体に寄付されていた)ことが2015年になって文春でスク-ープされた(ココで事実確認も)。 まずは、それを受けて2015年3月3日の国会答弁で、それ以前に質問を受けた時に、事実と違う答弁をしたことについて、どのように謝罪したか、確かめてみよう。「国会ってどんな風に議論しているのか」も知ることができる。下の画像をクリックすると動画が見られる。
この長期政権の大臣たちは、首相も「桜を見る会」問題で「(会への参加者を)募集ではなく、募っているという認識」と答弁(ココから)するなど、(日本語が成り立たない摩訶不思議なご飯論法)を蔓延させていた。その様子を伺い知れる。野党の議員も、その後ろには選んだ国民がたくさんいることを、与党は自覚して答弁すべきだろう。
<今回事実と分かったが、以前の国会答弁では事実を確かることもなく否定。質問者の柚木氏に対して「逆ギレ」した下村氏の様子は、ココからみよう>。
下村氏は、文科大臣としては 2015年新国立競技場問題のザハ・ハディド氏の膨大な工事費問題などの責任を取ると辞表を出し(詳細はココから)退任する。だが、下村氏の自民党内での影響力は非常に大きく、ここでも長目にコメントさせて頂くが、あとでも再登場する。
まずは、下村氏の教育の考え方を見てみよう。「新しい歴史教科書をつくる会」に大臣になってのインタビュー記事が掲載されていた(ココから)。
曰く「自虐史観教育は、それまで私はわが国だけかと思っていました。敗戦国である日本は、戦勝国からそれを長く強いられてきましたが、実は戦勝国の英国もそうだったのです。そしてその英国が自らサッチャー改革によって変われたのですから、日本も同じように変わっていかなければなりません」
上の言葉には、下村氏と現政権の中心にいる政治家たちの本質が凝縮されている。そもそも、このインタビューを掲載している「新しい歴史教科書をつくる会」は「これまでの教科書が日本を不当に悪く描いていたのを改め、子供たちが日本に誇りを持てる教科書で学べるようにする」を目的とされた組織だ。教育勅語の復活・普及を目的にしており、チラシでその配布活動をしていた。そのチラシ(ココから)を読んでみた。
皆さん、覚えていますか?2017年に、首相夫人を名誉校長にして「安倍晋三小学校」と名付けられる案もでていた小学校に巨額な値引きで土地を国が売却しようとしていた話(ココから動画)。この森友問題のニュースが流れた時、森本学園の塚本幼稚園の園児たちが、声をそろえ唱えていたのが教育勅語だ。 運動会では「大人たちは日本が他の国々に負けぬよう尖閣列島、竹島、北方領を守り・・・日本を悪者として扱っている韓国・中国が心改め歴史教科書で嘘を教えないようお願いします・・・安倍首相ガンバレ。安保法制国会通過よかったです」(ココから)と園児たちが叫んでいた!映像に思わず(戦中に戻ったのか?)と、眼を疑った人は多かったはずだ。「教育勅語」、「自虐史観の批判→愛国心」、「天皇を中心の国家思想」がこの長期政権の根底にあることを直視すると、この長期政権は驚くほど分かりやすい政権だ。ここをしっかり頭に刻み込んでおこう。
さらに、下村氏で忘れてはならないのが、2017年7月6日号の週刊文春の報道などで明らかになったお金を巡る問題だ。安倍首相の一番のお気に入りの下村博文元文科相が、文科相時代に加計学園から2年にわたり200万円の献金を受けていたことを報じた。下村と加計学園が親しいのはよく知られているが、もともとは下村の妻だったという。10年以上も前から親しく、下村夫人と安倍夫人の昭恵、加計孝太郎理事長とアメリカや韓国、ミャンマーなどへよく旅行していたそうだ。内部文書によると、「2013年博友会*(下村の後援会=筆者注)パーティ入金状況」と題され、「9月27日 学校 加計学園 1,000,000」と記されていたという(ココから)。 「政治と金」の結びつきの強さもこの政権はひどい。 *下村氏の項目の先頭で説明済み
下村氏の辞表を内閣改造まで慰留し、その退任後を引き継いだのが、1984年のオリンピック代表選手の後でプロレスラーになり活躍された馳氏だ。1995年に参議院議員になり、200年からはずっと衆議院議員を現在も続けている。ご存知の方も多いと思うが、「加計学園」が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画で、内閣府から2017年「首相の意向」などと伝えられたとする文書が回ったことを証言した前川喜平氏。この前川氏が文科省の事務次官をしていたのが、2016年6月から2017年の1月まで。前川氏が事務次官になったのが、馳氏が文科大臣の時だ。
その前川氏がインタビューで聞かれて(ココから)馳氏のことを「ある意味稀有な政治家だと思いますよ。ただのプロレス出身の国会議員じゃない」と評価し、2人でタグを組んで夜間中学問題など陽の当たらない教育弱者に心を砕いた様子が、このインタビューでは読み取れる。
「馳さんはもともと高校の古文漢文の先生ですからね。話をしていると時々、『源氏物語』の一節とかが出てくるわけですから。特に殊の外、私は仲がいいですね」「馳さんっていう人は陽の当たらないところでいろいろと苦労している人たちに光を当てる。そういう仕事をずいぶんしてこられたんですね。去年の12月にできたフリースクールと夜間中学を支援していくという法律があるんですけども。教育機会確保法って言いますけどね。この法律を一生懸命に作る中心になっていたのも馳さんなんですよね。だから気は優しくて力持ちっていうのは馳さんみたいな人のことかなと」「自民党の中には立派な人もたくさんいますよ。ずっと私も自民党の大臣にお仕えしてきたので。「うーん、ちょっと困るな……」っていう人もいますけどね。真っ当な人もたくさんいるんですよ。まあでも、変な人がいちばん多いのは自民党だと思うけども」
この前川氏へのインタビューは、ココから是非面白いので実際に読んでほしいですが、これは馳さんから話はずれますが、「前川前次官 出会い系バー通い」という週刊誌スクープのような記事が読売新聞から出されたことに関しても、<この記事がでる前日の5月21日に官邸にいる総理補佐官の和泉*さんっていう人から間接的に「会って話がしたい」という趣旨に受け取れるような打診があった。これは僕は「お前の嫌なことを書かれたくなかったら、しゃべるな」あるいは「しゃべったことを取り消せ」という、一種の取引あるいは脅しかなと思いました>とインタビューで明かしている。
*大坪厚労省官房審議官との不倫騒動で週刊誌を賑わしただけでなく、実質的に幹部職員の「生殺与奪の権」を握る菅官房長官〔当時)の「懐刀」といわれ現在も菅政権の首相補佐官〔和泉氏についてはココから詳細)。
「首相の意向」の記された文書の存在を「怪文書」だと調べもせず言い捨てた菅官房長官〔当時)。「その文書がある」と言った前川氏が信用するに足りない人間と世間に思わせるために、この記事を読売新聞に書かせたのだろう。だが、前川氏は後ろめたい行動でないことから、最初から通っていたことを認め「調査だった」と発言。前記のインタビューの聞き手のように「僕も行ったら意外と納得はできました」と語る人間も現れ、前川氏を貶めた読売新聞の報道こそが 他の新聞社から批判を受けた。
それへの弁明を追加記事に出した読売新聞には、「安倍政権擁護の為には報道機関の矜持と役割は放棄していく、の間違いじゃないのか」「恥の上塗り」とさらに批判が強まった(ココから)それを読んでみてほしい。なによりも、「怪文書」が、前川氏の言う通りに本物で、「ご意向」の文書も出てきたのだ!!!<ココから>苦しい菅氏の弁明を聞いてみよう。 そして、実はこのブログをアップした翌日にさらに、この「ご意向」の文書そのものや他の文書もまるまる実物を掲載しているサイトを見つけたので、このことについて、最後の月の写真の後に(追伸)として掲載追加した。見落とさないように!
そして、最初に前川氏が話していた馳大臣と実現した夜間中学支援の種が、夜間中学全国に2校の開校(2019年)に後になって実を結んだ!
*馳氏は、この長期政権の大臣の中では数少ない日本会議会員でない議員である。
さて、松野博一大臣については、就任した翌年2017年3月14日に開かれた会見の中で、教育勅語について、憲法や教育基本法に反しないような配慮があれば「教材として用いることは問題としない」と表明したことが人々から問題視された。なぜなら、教育勅語は、「憲法の理念に反する」として1948年に衆議院で「排除決議」が採択され、あわせて参議院でも「失効決議」が採択されている。 松野大臣の発言は、「憲法の理念に反する」として「排除」され「失効」したものを、文部科学大臣が「憲法や教育基本法の理念に反しないような配慮」を条件にしているとはいえ、「有効」であるとして再び復活させようとしたのだ。
これを、日経ビジネスのココで小田嶋隆氏は<腐っていることが認定されて、食べてはいけないことになった食品について、「腐敗に気をつける配慮」があれば、「食材として用いることは問題としない」てなことを保健所の所長がドヤ顔で言ってのけるような世界>と書き、これでは食卓の衛生は防衛できないとした。まさにこの表現がピッタリだ!
だが、問題は、松野氏だけのことではなく、1週間前の3月8日には、稲田朋美防衛大臣も、社民党の福島みずほ議員の質問に答え 「教育勅語の核である、例えば道徳、それから日本が道義国家を目指すべきであるという、その核について、私は変えておりません」 「私は教育勅語の精神であるところの、日本が道義国家を目指すべきである、そして親孝行とか友達を大切にするとか、そういう核の部分ですね、そこは今も大切なものとして維持している」 「教育勅語に流れている核の部分、そこは取り戻すべきだと考えている」と教育勅語擁護の話をしている!〔ココから)
さて、2017年3月に、なぜ2人の大臣が、突然「教育勅語擁護」の話を表舞台で公言したのか? その謎を解くには、下村大臣の項目ですでにフライングで少し書いた、森友問題の発覚が引き金となったようだ。2017年2月、国有地の異常な値引きによる売却が明るみに出たと同時に、世間を驚かせた森友学園の目指している「教育勅語」を園児に暗唱させる驚きの復古教育。あの映像の正当性?「教育勅語のどこが悪い?」という主張をしたようだ。
この謎解きの手助けに、日経ビジネスの解説を転載させてもらって追加説明としたい(ココから)。
驚いたことに、稲田氏も松野氏も、教育勅語が道徳的に優れた文書である点は疑っていない。「教育勅語」の根本思想は、「個」よりも「集団」を重んじ、「私」よりも「公」に高い価値を置き、個々人の自由よりも社会の秩序維持に心を砕く社会の実現。自分以外の何かや誰かのために自分の命を捨てる人間の姿だってなことになっている。これは神風特攻の昔から、ワンピースの漫画に至るまで、まったく変わっていない美学。
自民党の憲法改正案をめぐる議論を読み返していると、あらゆる場面で「行き過ぎた個人主義」という言葉が、実に数多くの議員の口から、何度も何度も繰り返されていることに驚かされる。それほどに、彼らは、個人主義を憎んでいる。自民党の憲法草案の中で、日本国憲法の中の「個人」という言葉が、すべて「人」に置き換えられていることを見ても明らかなことだ。
法務大臣一覧でも触れた、「戦後レジームからの脱却」という考え方。占領国アメリカに押しつけられた憲法の改正、天皇を中心とした日本の伝統重視、個人より国家を重んじる道義国家(稲田氏がよく使います)。「国民の生活が大事なんて政治は間違っていると思います」とも言ってますが・・・何が大切なのでしょう。「国を守るために血を流す覚悟」などと動画で演説してる!最初に、このような動画を見た時、正直動転したが、今は、この長期政権を平気で支持し続けている日本の状況に恐怖を感じて驚いている。国民はこの政権の人たちが古い日本の過去へ後戻りを目指していることに気づいてほしい。
正直なところ調べてみたが、十分わからなかった。文科大臣になった時の記者会見では前任者の時に問題になった加計問題についても聞かれているが、無難にやり過ごしている印象(ココから)。通産官僚だった父親が山口から衆議院議員となり小学校の時に山口に引っ越し、東大入学まで山口育ち。
卒業後、商社勤務を経てファミリー企業に入り、その後留学してハーバード大学大学院の特別研究生になる。1992年父親が大蔵大臣になった時に帰国して大臣秘書官になり、1995年山口から参議院議員に出馬して以降当選を続け、防衛大臣、農林水産大臣なども務め、手堅い人材と見える。現在、ネット調べると2012年あたりから山口で衆議院議員に鞍替えして立つ話が多くでてくるが未だ果たせず、次の衆議院選挙に向けてまた話題になっているようだ。その2012年には総裁選挙に立候補して、落選。 厚生大臣、大蔵大臣を務めた父・林義郎の他にも祖父も衆議院議員など政治家の多い家系に生まれた2世議員。ただ、馳氏と同じく日本会議のメンバーでは、調べたところない。
着任して早々の2018年10月3日、柴山氏が8月、ツイッターで「戦後教育や憲法のあり方がバランスを欠いていたと感じています」との投稿について、大臣就任会見でその趣旨を聞かれ、「戦前は義務や規律が過度に強調されたことへの反動として自由や権利に重きを置いた教育、個人の自由を最大の価値とする憲法が制定された」とし、「権利とともに、義務や規律も教えていかないといけない」と述べた。
さらに過去の文科相が教育勅語を「(中身は)至極まっとう」と評価したことについて問われ、「現代風に解釈され、あるいはアレンジした形で、道徳などに使うことができる分野というのは十分にある。普遍性をもっている部分がみてとれる」と発言。使える部分として「同胞を大切にするとか、国際的な協調を重んじるとか、基本的な記載内容」」と答えて、教育勅語は戦後、憲法と相いれないとして国会で排除・失効が決議されていることから、松野氏や稲田氏と同様に多くの批判を受けた。 ここにも、<腐っていることが認定されて、食べてはいけないことになった食品について、「腐敗に気をつける配慮」があれば、「食材として用いることは問題としない」てなことを保健所の所長がドヤ顔で言ってのけるような世界>が、連綿と続いている。
日本会議に属する文科大臣の就任では、「教育勅語」について聞くのが慣例となってきた。萩生田光一氏も就任の記者会見でさっそく記者に聞かれ、まずは「日本国憲法および教育基本法の制定を持って法制上の効力は喪失している」と述べた上で、「政府としてコメントするのは差し控えたい」と答えたものの、個人の考えについては「すでに効力を失った文書だ。ただ、現代文に直したときに、親孝行だとか、友達を大切にするとか、教育勅語を離れて、日々の暮らしの中で、ひとつ参考になることもあるなと、思っている」と述べた。だが、衆議院議員会館の萩生田の事務所には「教育勅語」の掛け軸が掛かっていたと言われる。
ああ、ここにもまた<腐っていることが認定されて、食べてはいけないことになった食品について、「腐敗に気をつける配慮」があれば、「食材として用いることは問題としない」てなことを保健所の所長がドヤ顔で言ってのけるような世界>だ。
大学在学中から八王子市議の秘書をし、1991年八王子市議会議員3期10年務め→2001年都議会議員へ→2003年衆議院議員 (2009年の選挙で落選)浪人中は千葉科学大学客員教授。あれっ?何か聞き覚えのある大学の名前。そうです、加計学園の運営する大学で10万円で客員教授を務めていた。(ココから)2012年に当選して議員に復帰、名誉客員教授〔無償〕になった。2015年10月の改造内閣で、菅氏の下で官房副長官になる。
その時にデイリー新潮が書いていたのが、ココ。早実で2度停学処分を受け(本人曰く「停学の理由がふるってましてね。1回は卒業パーティーのパーティー券を売り歩いているのが、後輩の告げ口で(バレて)停学。もう1回は、高田馬場で朝鮮高校の生徒と大乱闘になってしまい、警察を呼ばれまして停学しました)、早大にはいけず、明大に進学した珍しいケース。先に見たように、2世議員ではない「たたき上げ」。「彼はこれまで、『総裁特別補佐』の肩書きを持っていたことから分かる通り、安倍側近のひとりで、『安倍命』の政治家」
さて、文科大臣としては、2019年10月24日、テレビ番組で発言した「(英語民間試験は)自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえば」の発言が、住む地域や家庭の経済状況によって不公平が生じる懸念があるなど、その制度の問題点として指摘されていたことに世間の注目が集まり、教育格差の容認ではないかと批判が集まった。結果、11月1日に2020年度からの民間英語試験の活用は見送りになった。
少し説明しておくと、大学入試改革のシンボルとして2020年度入試からの「大学入試センター試験」から「大学入試共通テスト」への変換が目指された。大きな変更点は、国語と数学の記述式問題の導入と、英語の民間資格・検定試験の導入だった。だが、英語力を測るには、「読む・聞く・話す・書く」の4技能の取得を目指し、リスニングと筆記試験だけでなく4技能を測れる民間の資格・検定試験の成績を活用する案が進んでいた。この民間の試験には試験にお金がかかることで不公平が生まれるとされたのだ。(ココ参考)それに対して、身の丈でガンバレの発言は、格差を容認する発言とされたのだ。
さあ、そして、この試験については、まだ続きがある。その後、国語と数学についても採点を時給1000円とかのアルバイトがするなどのトンデモない話が飛び出し、「記述式問題では当然ながら採点基準が設けられ、完全な正解でなくとも部分点が与えられます。誤字脱字や論理の飛躍などを含め、どの要素がどれほど減点対象となるのか。人生に大切な全ての受験生に対して公平に基準を適用できるのか」が問題となった。記述式問題の採点は一般競争入札で61億6000万円で落札されベネッセの関連会社が委託されることになっていたが、ミスがないように3人でチェックすると言われても、事前に正答例がベネッセに通知されることも含め、英語民間試験に続き記述式問題もずさんな計画だったことが明るみに出た(ココ参考)。かくして、萩生田氏も「信頼性に疑念を招く」と国語と算数の記述式も見送りとなった。
文春オンラインココにはこんなことが書いてあった・・・「『またあの人の尻ぬぐいかよ』。萩生田氏の頭には、そんな愚痴が渦巻いているに違いありません」と政治部デスクは推測する。萩生田氏が恨む「あの人」とは、2012年末から3年弱文科相を務め、ベネッセら業者との近さが指摘されてきた下村博文選挙対策委員長。自分の「身の丈発言」で英語が先送りされた際、番記者を前に「民間試験導入を主導したのは下村さん。俺は最初から反対だった。下村さんが業者に近すぎるんだよ」と萩生田氏は愚痴っていたようだ。
そして、この萩生田氏が菅政権下でも文科省大臣を続けている。思い出せば安倍首相が突然学校の休校を宣言してから1年。あの時は、休校という大事な話を萩生田氏が聞いたのは発表当日だったという(ココから)。大臣になっても、自分で何もかも決められるわけでなく、線路を自分以前に他の大臣が引いてしまっているものもある(良い例は、馳-前川コンビの夜間中学支援、悪い例は、下村氏の記述式のお粗末)、そして、線路が突然首相のひと言で目の前に当日引かれて驚愕させられることもあることが分かった。
文科大臣は、法務大臣よりは人数が少ないので簡単かと思ったが、結構書くのに時間がかかってしまった。みなさんに、ここで知ってほしいのは、現政権が教育に求めているものが、戦後民主主義とは反対の戦前・戦中の「教育勅語」であり、「国に命を捧げる愛国心をもつ国民」だということ。
「愛国心」は悪いことではない。でも、今は世界が手を繋いで問題を解決しないと、コロナでも、環境問題でも、金融問題でも解決ができないことを、多くの人たちが知っている。そんな中で、時代遅れの「愛国心」や「国に命を捧げる美」を振り回していると、「自分の命を世界の人々がより幸せになれることで、私たちの国の平和も幸せも実現できる」「皆で持続して幸せを世界の人が享受できるゴールを目指す」 SDGsを推進していく時代なのだと歩み出している人たちに取り残されてしまう。自衛隊を国軍にしても、そんな時代遅れの頭では役に立たないイージスアショアや兵器をアメリカに大人買いさせられただけの無駄使い。
月にも人間が行き国際宇宙ステーションが多国籍の力で運行され、人間が火星を目指そうという時代に、「教育勅語」の復活。こんな時代錯誤な考えだから、日本政府は長期政権になってデジタルやITに遅れるのです。医学的や科学的な客観的な判断がお粗末なのも、この時代錯誤の考えに凝り固まっているからだろうと思われます。
この旧態依然たる思想の亡霊に取り憑かれた教育勅語復活を目指す日本の長期政権は、国民の尊敬を集める対象でいられるでしょうか?日本国民も、しっかり気づけば 呆れるはずです。アジアの国はどうでしょう。日本を「歴史をゆがめてアジアの人たちの共通の敵となる」「侵略の歴史を日本が正しく認識できるかどうか、正しい歴史観で若い世代を教育できるかどうかだ」と見つめている。「すべての教科書が従軍慰安婦についての記述を削除し、南京大虐殺の死亡者数を少なく見積もっていること。第二次世界大戦中の中国と韓国の人たちの強制労働についての記述を簡略化した」ことには、中国・韓国から抗議の声があがっている。従軍慰安婦問題などでも、韓国のデモ隊が「反日」でなく「反安倍」と掲げているのは、この教育勅復活をもくろむ政府への警戒感であり、日本国民に向けられているのではないのだ。
自国の歴史上の誤りを詳しく教科書に盛り込んでいるドイツやフランス人が、自国への誇りを失うだろうか?日本人も、過去の事実をしっかり学び、他のアジアや世界の人と、手を携えて広い視野にたって「狭い自国」だけでなく世界的視野で物事をみて行動できる時に自分の国も幸せになることを学ぶべきなのだ。コロナウィルスのような病気も、環境問題も、貿易も自分たちの国だけで解決できる時代はもう過ぎているのだ。
こんな時代錯誤の考えの政権にわたしたちはどこまで政治を任せてしまうのか。大人が間違った投票をすることで、間違った教育を子ども達が受けるようになったら? 愛国心を持たせるために道徳の教科書で ケーキ屋を和菓子屋に書き直す!?(ココから)。今の時代に、いったい何を子どもに教えることが大切なんですか? 未来を託す子ども達には、復古主義の愛国教育ではなく、未来を見据えた世界的視野をもつSDGsで世界の平和を実現する子どもたちを育てる教育をお願いします。
お月様、どうぞ、後ろにではなく、前に向かって、たくさんの世界の人々と楽しく幸せを積み重ねて進んで行く私たちに、力を与えて下さい。
追伸)お月様が照らし出して、私に新たな資料を与えてくれたので、ここに追加する。
*ご意向の文書の画像は、画像クリックで元の掲載サイトにアクセスできるが、ココのフリージャーナリスト志葉玲 の記事から転載させて頂いた。赤の網掛けは志葉玲さんがかけたそうだ。この文書が出て来たのは次の松野大臣時。オリジナル記事をみると、これ以外にも、この「総理のご意向」と書かれた文書が出たことで松野博一文科大臣、義家文科副大臣、萩生田光一官房副長官(役職は当時)が慌てて対処する様子まで文書で残されていた。直接ココ のページからどんな書類か見てみよう!!! この後文科大臣として出てくる松野、萩生田氏を読んでから、戻ってきて見るのもいいかもしれない。また、文科大臣一覧なので副大臣については書いてないが、馳氏から松野氏の時も文科副大臣をした義家氏は日本会議に属し「すべての社会科教科書が歪曲自虐史観から脱却することを期待したい」と述べ、安倍政権による教育実現の旗振り役だった。(ココから)