遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う

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豊国神社へゆきました。

2023-08-14 14:10:26 | 旅行


安土桃山から江戸初期の時代では秀吉が好きだ。
面白いし、にぎやかだし、ばかばかしいところが好きだが、のし上がり、位人臣を極めて以降の巨大な妄想と野望、その堕落ぶりから最後の最期の哀れさまで含めて秀吉はやっぱりスターだと思う。
辞世の句もいい。
露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢
そう、これだよなあ。そしてせっかく築いた夢も城も死後20年ももたずに瓦解し、消え去る。儚いが、いい夢を見せてくれた、そんな感じがある。
 
のっけからなんだが、そういう認識がある人は少なくないと思う。
信長より秀吉の方が夢があるし、家康のような憎たらしさはない。そう感じるのはわたしが大阪の人間だからかもしれない。
なんしか家康に対しては読売巨人軍と同程度のにくにくしさがあったりする。
個人への憎しみとか怒りではないのは無論よ。
でもトラ党からすればやっぱり巨人は悪の結社、そして家康の野郎、というのがある。
そうは言っても幕末になると、今度は幕府を守ろうと必死になり、賊軍の汚名を着せられる側が可哀想で仕方なくなる。
人間、矛盾だらけなのよ。

ところでこの京都の豊国神社というのは京都国立博物館と隣接している。なので三階の休憩室からは境内が結構よく見える。
これまで特に意識していなかったのだが、静かできれいだ。

 
京博では貝塚の豪商・廣海家の漆器類を眺めて目の保養をし、中世絵画で地獄の屏風や病草紙、是害房来日と三人の僧の力でぽかぽかやられ、ボロボロになるあたりまで。

監視員さんに道を尋ねる。
南門から出て大和大路七条北東角を曲がる。まっすぐ行くと到着。
ということなのでその通りに歩くと、石標があった。

この大和大路通りは広いわりに昔からあんまり渋滞を見ないのでけっこうのんびりと歩けるのが好きだ。
街路樹はこれは色様々な百日紅。
いいですねえ。

 

正面通りまで来た。左手には耳塚がある。そのまま右の豊国神社へ。
ああ、石の鳥居に立派な扁額。あとで知ったが、後陽成天皇のご宸筆だそう。




手水にはひょうたんのオブジェも。






秀吉像は陶器製

安土桃山時代からの唐門は国宝。

     

さすがの千成ひょうたん


敷地の隣というよりいけいけになっている先に鐘楼が見えた。

つまり方広寺のあれだ。
「国家安康君臣豊楽」
これにアヤつけるんだから徳川とそのブレーンはやっはり憎いよ。
これで戦争になって17世紀初頭の大阪ゲルニアになるわけだよ。
つまり「国家暗降君臣崩落」なわけさ。
鐘楼の屋根と天井画
 

話は前後するが、実はこの手前にお稲荷さんが鎮座まします。
まあええかなあでスルーしようとして、その場で足首ぐにっ。
お稲荷さんは見ていた。
すんませんすんません。
拝みに行きました。


宝物殿に行きたいので社務所に向かうと、まずはこちらへと社務所の奥の座敷へ。
ここには大日本印刷による精密な複製の豊国祭礼図屏風や刀剣などが展示。
楽しいわ。
ぱちぱち撮る。サムネイルはクリックすると拡大化します。
 右隻

可愛い稚児たちを見つけるわたしの目は鋭いぞ。
額にイチョウ型のくくりが垂れる。



むははははは

  

 左隻

この屏風の有名人・タケノコマン
珍しく空いてる清水寺の舞台と音羽の滝 

個人の方から奉納された洛中洛外図が初公開。
出所は福知山城らしい。こちらもぱちぱち。

今回わたしの誕生日のお返しにつかわせていただきました。


                   



                         



ほかにはこんなのもあった。
明代の螺鈿の刀掛け

廊下を越えて、今度は柵の向こうの茶室をチラ見したり、京博を見上げたり。


宝物館


これはいつの建物かな。近代和風建築 桃山風の豪勢さ。1925年か。


擬宝珠付き。

鉄燈篭 上下に分けて挙げる。
 
いい感じだなあ。これは釜師で有名な辻与次郎の作品。

天井にも五三の桐

宝物殿のレトロなガラス


ひずみ最高

木彫彩色飾鯛

この中に本物のおタイさんを入れて出したみたいですな。
鯛in鯛

こちらは縛の枕
首凝れへんかな…
曾祖母がずーっと日本髪の人で、母によると高い枕使ってたそうだが、昔の人の枕もいろいろあるからなあ。
平泉の秀衡公のミイラの枕には沈みが残ってたのが印象深かった。
そうそうだいぶ前に西宮大谷記念美術館か芦屋市立美術博物館で枕の展覧会があったわ。
江戸時代の旅の枕の多機能・多様性が楽しかった。

本物の豊国祭礼図屏風





やはり賑わいがいいよね


今回わたしがここへ行こうと決めた作品がこちら。
鉄斎の秀吉と利休(亡霊)


太閤になってしたい放題、昔の仲間も切って、誇大妄想を抱えて…

色彩豊かな生者
死者はモノクロの墨絵


こちらも鉄斎

まだ木下藤吉郎時代の結婚

器もいいのがあった。
道八風な雲林錦手のやひょうたんを描いた皿





またいつかね。

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