遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う

「遊行七恵の日々是遊行」の姉妹編です。
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少し思い出す「ヒグチユウコ展 サーカス」

2019-10-30 00:22:02 | 展覧会
神戸ゆかりの美術館で見たが、感想を挙げ損ねた。
今は広島に巡回している。
やはりわたしとしては猫がいい。

なにしろ大量の展示だった。
最初に出たのは「二人のねこ」。せつない…



ギュスターヴくんが可愛かったな。








不思議なキメラのギュスターヴくんたち。




こちらは広島のチラシ。形が絵馬型。








せつないような何かが猫をみてると浮かんでくる。

ねこは自由ないきものなので追いかけても本当にはとらえられない。
家に暮らすくせに勝手に家出をする。
いなくなったねこたちを思い出して、最近はねこの展覧会を見るのがつらいのだった。

ジャン・ピエール・メルヴィル 暗黒映画の美

2019-10-28 23:56:49 | 展覧会
二年ほど前にフィルムセンターで回顧展があった。
そのとき初めてこの監督がコクトー「恐るべき子供たち」を制作したことを知った。
アラン・ドロンの主演するフィルム・ノワール作品が特に有名だが、そちらの記憶が意外にない。



夏頃か「サムライ」を京都テレビが放映し、初めて見た。

非常に抑制のきいた映像で、ある種の苛立ちを感じた。
それはわたしが「抑制のきいた」ことに苛立っただけの話で、その意味ではクールな作品だということに間違いはない。
殺し屋ドロンのトレンチコート、彼の部屋の小鳥、殺し屋を見たのにそのことを口にしない黒人女性…
時間的には短い時間の物語で、映像自体も二時間弱だが、長く感じた。
それは多分、「抑制のきいた」展開だったからだろう。
わたしは自分が抑制された心持でいたように思う。



思い出話の続きとして「恐るべき子供たち」について。
これは1985年に三越劇場で見た。
コクトー特集をしていたのだ。
二本立てで「美女と野獣」と併映。
あの当時の三越劇場はいい作品を上映してくれたものだ。
震災の為になくなってしまったが。

マンガでは萩尾望都が描いている。
恐らくコクトーの原作に一番近いのは萩尾さんの作品だ。
映画ではどうしても「大人」に見えてしまう姉弟。
ザリガニを食べる姉にしても、星の塊が胸を直撃の弟にしても。
だが、この作品がメルヴィル監督の手で映像化されたこと自体は素晴らしい。
あの作品がノワールだという認識で見ていられる。

二年前の展覧会だが、放置していたのでここで挙げることが出来て良かった。