遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う

「遊行七恵の日々是遊行」の姉妹編です。
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ツイッターのまとめもこちらに集めます。

「江戸風俗人形」の世界に遊ぶ その1

2020-07-29 23:08:29 | 展覧会
下町風俗資料館でこの素晴らしい展示をみた。

実に久しぶりに観れてとても嬉しかったが、まさかの撮影可能に狂喜した。
なにしろわたしが最初にこの下町風俗資料館を訪ねたのは、これを見るのが目的だったからだ。
1989年の話。もうこんな大昔なのか。びっくりした。

建物の躯体は三浦宏さん、人形は辻村寿三郎さん、小間物は服部一郎さんが担当された名品。
素晴らしい出来栄えなのだ。
もともと「新八犬伝」以来のジュサブローファンなのだが、この展覧会以降は三浦さんのいわば和風ドールハウスも好きになった。
服部さんの御作はほかのを知らない。機会があればぜひ見てみたい。

さて、ぱちぱちの成果を挙げよう。
本体正面



花魁道中の帰還









格子の中(見世)





天水桶
吉原では付け馬をつけても始末屋にたのんでも支払金をとれなさそうな客をここに閉じ込める罰があった。
「助六」ではここに身を隠すシーンがある。



内へ



構造


見世



鏡を見る


細工が濃やか



内証へ





針箱や火鉢が可愛らしい。


続く

下町風俗資料館で遊ぶ その1

2020-07-26 22:09:26 | 展覧会
下町風俗資料館に最初に行ったのは1989年11月3日だった。
「吉原」を辻村ジュサブロー(当時)が完成させた頃で、それを見に行ったのだ。
当時既にジュサブローファンであり、高島屋での展覧会でその作品世界に耽溺していたから、上野に行くのもこれを見る楽しみが大きかった。
因みにその後にこの「吉原」江戸風俗人形の展示を見たのは2001年5月だから随分と間が開いたものだ。
そして2020年の2月に久しぶりの再会と初めての撮影をした。
…すごい歳月だ。実感はないが。
ただしここ以外での展覧会で見ることもあったのと写真集があるので、そうそう遠く感じないのかもしれない。

今回はその下町風俗資料館で撮った写真を集める。
一階には江戸時代の長屋の再現などがある。
こちらは商家の玄関先の再現。明治から戦前の様子。

ふっくらした招き猫が可愛い。


行ったのは2月末なのでお雛様の飾りもあった。

全体。奥に階段もある。上がれません。


お商売


ところで谷中の朝倉彫塑館のいい感じのポスターがあった。


御座布団に猫のブロンズ。可愛い喃


二階には昭和の子どものおもちゃがある。
おはじき関連

貝のもあるんやねえ。

双六色々








双六大好きなので楽しかった。

次はまた別な内容が続く。

「よみがえる正倉院宝物ー再現模造にみる天平の技ー」をみた その2

2020-07-22 01:25:48 | 展覧会
続き。

2.  仏具・箱と几・儀式具
今度は仏教系。国家の宗教として仏教が定められてから既に百年だったかな。きちんと調べず適当な数字を挙げる。
金物が多い。

黄銅合子 おうどうのごうす 1合 高15.5 径8.5 平成16年(2004)鋳造:般若勘溪 彫金:浦島紫星 宮内庁正倉院事務所
鋳造の人の名字が「般若」なのにときめく。
何がかというと埴谷雄高の本名が「般若豊」だったから。それでこの合子の滑らかな曲線をみながら色々と妄想にふけるわけです。

金銅大合子 こんどうのだいごうす 1合 高27.8 径17.8 身:明治時代(19~20世紀) 蓋:昭和時代(20世紀)か 東京国立博物館
明治と昭和、時代を超えての再現。

大小並ぶのが可愛い。
それでこの度の再現でわかったことがあるそうだが、この部分、物凄い数のパーツで構成されているそうな。
やはり完全に分解しないとわからないことがある。


佐波理加盤 さはりのかばん 1口 高14.3 径17.2 平成12年(2000) 般若勘溪 宮内庁正倉院事務所

二彩鉢 にさいのはち 1口 高14.2 胴径27.8 昭和63年(1988) 加藤卓男 宮内庁正倉院事務所
これがもう本当にきれいで。やはり加藤卓男はいいなあ。見込みに釉溜まりがあって少しばかり貫入も見えて…欲しいなあと思ったわ。


漆彩絵花形皿 うるしさいえのはながたざら 1枚 縦39.8 横37.9 高7.1
平成2・5年 (1990・1993)素地・髹漆:塩多慶四郎 彩色:大山明彦 截金:江里佐代子
宮内庁正倉院事務所
江里さんのお仕事だ…亡くなられたのが本当に惜しい。

白檀八角箱 びゃくだんはっかくのはこ 1合 高9.3 径34.0 昭和47年(1972) 坂本曲齋(二代) 宮内庁正倉院事務所
もちろんガラスの向こうだから白檀の香りというものはこちらには伝わらない。
しかしこの大きさの白檀を使えたということ自体が尊い。

凝った箱がこの後も現れる。
蘇芳地金銀絵箱 すおうじきんぎんえのはこ 1合 縦30.3 横21.2 高8.6 昭和57年(1982)素地:坂本曲齋(三代) 彩色:岩井弘 宮内庁正倉院事務所


黒柿蘇芳染金銀山水絵箱 くろがきすおうぞめきんぎんさ んすいえのはこ
1合 縦17.9 横38.7 高12.3 昭和7年(1932) 吉田包春 東京国立博物館
金銀絵籠箱 きんぎんえのこばこ 1合 縦33.2 横17.2 高11.7 明治時代(19~20世紀) 東京国立博物館
緑地彩絵箱 みどりじさいえのはこ 1合 縦34.8 横38.2 高14.1 明治時代(19~20世紀) 東京国立博物館
蘇芳地彩絵箱 すおうじさいえのはこ 1合 縦35.1 横38.5 高14.2 明治時代(19世紀) 東京国立博物館

色の嗜好がやはり古代だと思いもする。明治の仕事はそのまま現代から見れば既にいにしえの名技術になる。

天平宝物筆 てんぴょうほうもつふで 1本 長56.6 径4.3 昭和53年(1978) 藤野雲平 宮内庁正倉院事務所 
筆も再現。これで大仏の開眼供養しはったのか。
イメージの絵は野間記念館所蔵の大仏開眼図なのだが、いまちょっとその絵が出てこない。

紅牙撥鏤尺 こうげばちるのしゃく 1枚 長29.7 幅2.5 厚0.7 昭和53年(1978) 吉田文之 宮内庁正倉院事務所 前期 (~8/2)
ああ、綺麗。可愛いなあ。この対の緑のは後期に。

子日手辛鋤 附 粉地彩絵倚几 ねのひのてからすき ふんじさいえのいき 1口 1枚
長144.0 倚几幅23.7 明治8年(1875) 森川杜園 奈良国立博物館
仏教ではなくこれは儀礼の方の道具。
758年正月の行事に使われたと伝えられている。
それに付随するのがこちら。
子日目利箒 附 粉地彩絵倚几 ねのひのめとぎのほうき ふんじさいえのいき
1口 1枚 長60.0 倚几幅30.3 明治時代(19世紀) 森川杜園 奈良国立博物館
天平の人々の農業への想いがつたわる。

2022.2.22 サントリー美術館でのチラシをこちらにも。



「よみがえる正倉院宝物ー再現模造にみる天平の技ー」をみた その1

2020-07-19 02:02:37 | 展覧会
奈良国立博物館は一年の展覧会で必ず決まった展示をする。
冬には「おん祭り」春には「お水取り」秋には「正倉院」展。
これらは欠かすことなく続けられている。
そしてその隙間の季節に興味深い特別展や特別陳列がある。
とはいえ、ことしは近代まれな状況で、当初の予定が色々崩れていっている。
開始が遅れたが、ついに始まったのが「御大典記念 特別展 「よみがえる正倉院宝物ー再現模造にみる天平の技ー」(令和2年7月4日~9月6日) 
これですよ、これ。
わたしは7/5に出向いた。
で、十日以上経ってからようよう感想をまとめようとしている。
会期は長いのでまた行くし、というのがわたしの遅筆と怠惰を招いたわけです。


さてこの素晴らしい展覧会はすべて正倉院宝物の再現品・復元品で構成されている。
「複製品だから偽物」と考えてはいけない。
奈良時代の日本、中国、ずっと遠くの国から来たものたち、それらが年に一度一部だけ世に出るのが「正倉院展」であり、それも本来は正倉院の虫干しの間のご褒美なのだ。
そのお宝は人類のお宝であり、後々までも守り続けねばならない。
そしてそれらがどのような構造で構成されているかを知ることもまた大切だ。
修復とは全部知ってないとできないことなのだから。

今回の展示の意義についてはサイトから引用するとこうなる。
「正倉院宝物の本格的な模造製作は、明治時代に奈良で開催された博覧会を機に始まりました。当初、模造製作は修理と一体の事業として取り組まれ、昭和47年(1972)からは、宝物の材料や技法、構造の忠実な再現に重点をおいた模造製作がおこなわれるようになります。以来、人間国宝ら伝統技術保持者の熟練の技と、最新の調査・研究成果との融合により、芸術性・学術性の高い優れた作品が数多く生み出されてきました。
 本展は、これまでに製作された数百点におよぶ正倉院宝物の再現模造作品の中から、選りすぐりの逸品を一堂に公開するものです。再現された天平の美と技に触れていただくとともに、日本の伝統技術を継承することの意義も感じていただけますと幸いです。」


明治の技術から平成の技術までをこの展覧会で見ることが叶うのだ。
とても凄いことではないですか。
そんなの他ではなかなか見ることは出来ない。
(だから特別展なのだが)
喜んで見に行った。



始まりは映像だった。
正倉院の外観、模造された経緯、その材料集め、意義などを映像と共に解説するのをみる。
繊維物は現在の糸では再現できないそうで、これが解決したのは皇居内の蚕の存在だった。
歴代皇后が育てるお蚕さん。その中でも純日本種の「小石丸」の吐き出す糸が古代の絹織物の再現の大立者になった。
更に染料の二ホンアカネ。これも皇居にわずかに自生するのを上皇様が知っておられて、提供してくださったそう。
ご夫妻で大事にされてきたお蚕さんと野草とが古代の再現を可能にしたのだ。
映像を見ていてちょっと胸が熱くなった。

いよいよ場内へ。
何やら管弦の音色が響く。
きっと再現された琵琶などの演奏の音なのだろうと見込む。

1.楽器・伎楽
秋の正倉院展でも再現された音色が奏でられることがあり、そのたびに喧騒の中でじっと耳を澄まして古代の(再現されはしたが)音曲を聴く。かなり楽しい。
再現された音色というものは大体において現代の西洋音楽に慣れきってしまった我々の知る音階から離れたものなので、見知らぬ音の集合となり、それはそれでとてもた魅力的なのだ。
泉屋博古館の鹿ケ谷の本館の青銅器室には古代の鐸の音色の再現があり、現代の音階とは全く異なることをしる。そしてその音階の不思議さを面白く思う。決して不快ではないのだ。
こうした音階を心地よく感じるのは右脳だか左脳だかよく知らないが、その関係からくるものだという。
東洋、就中、東アジア人と西洋人の好む音声とは隔たりがあったのだが、今は西洋音階にすっかり脳を変えられてしまった。
しかしながらここで流れる音声を心地よく感じる人も少なくはないようだった。

作品名や資料などはサイトのリストを引用。

磁鼓 じこ 1口 高38.3 口径22.5 昭和62年(1987) 加藤卓男 宮内庁正倉院事務所
のぞくと綺麗な釉溜まりがみえた。外側も綺麗。
加藤卓男はラスター彩の復元で有名だが、その名手だけにこの人がそれを
再現した、それ自体が素敵だ。

洞簫 どうしょう 3管 ①長38.3 ②長39.0 ③長40.6 明治時代(19世紀) 奈良博覧会社 奈良国立博物館

甘竹簫 かんちくのしょう 1口 幅31.0 高28.0 厚2.3 昭和48年(1973) 坂本曲齋(二代) 宮内庁正倉院事務所
昔の雅楽の楽器というものは形もすでに遠い物であり、その音色を想像することも実はできなくなっている。明治と昭和の復元品の違いは、実際に使えるかどうかということも含まれているそうだ。

漆槽箜篌 うるしそうのくご 1張 総高173.0 横80.5 明治27年(1894) 稲生真履 宮内庁正倉院事務所
実は箜篌というものを知ったのは絵からだった。
藤島武二「天平時代」からだった。
「ビルマの竪琴にも似ているなと思ったが、実際のサイズなどはわからないままだった。
2017年の正倉院展で箜篌の残欠が出て、ようようサイズの見当もついたが、今回の展示でやっと現物を見ることが叶った。
なおその前年に
古楽器の絵葉書からの追想
で、自分の見たアジアの古楽器の写真などを挙げている。

参考までに描かれた箜篌
藤島武二 天平時代


青木繁 享楽

右側に箜篌がある。月琴は弐つばかり。


吉川霊華 箜篌


やはり大きいのは大きいな。
漆槽箜篌 うるしそうのくご 1張 総高173.0 横80.5 明治27年(1894) 稲生真履 宮内庁正倉院事務所
全体に素晴らしい装飾が為されている。これが箜篌なのかという驚きがある。弦楽器はやはり経年に負けるのだ。
それが今こうして再現されている。非常に綺麗な象嵌などがみられる。漆芸の美。
特にサイドの方をよく見てほしい。

螺鈿槽箜篌 らでんそうのくご 1張 総高183.0 横80.0 明治28年(1895) 稲生真履 宮内庁正倉院事務所
こちらも同じく明治の再現品。既に125年経っている。それだけでもこれは価値がある。
キラキラしたものは意外に潜んでいてシックな感じがするが、やはり素敵。

金銀平文琴 きんぎんひょうもんきん 1張 全長113.3 縦28.5 明治12年(1879)小川松民・神田重助・太田儀 之助・石黒政近 東京国立博物館
東博にあるのか。見たこともなかった。

檜和琴 ひのきのわごん 1張 長155.5 明治時代(19世紀) 森川杜園 奈良国立博物館
一刀彫の森川杜園の作品。木彫の良さを堪能。ガラスの向こうなので檜の匂いはわからない。
ただ、一目見ただけでどうしてか森川の鹿の置物が思い浮かんだ。彼の製作だと知る前に。
なにかそんな木の感じがある。

行ったのは二日目だったからか、まだ人も集まってはいないし、ソー・ディスも考えないとあかんのだろうけど、ぐるぐると遠巻きと近くで見るのとの枠組みが出来ているのがこちら。
螺鈿紫檀五絃琵琶 らでんしたんのごげんびわ 1面 全長108.0 最大幅30.9 平成23~30年 (2011~2018)
木地:坂本曲齋(三代) 象嵌:新田紀雲 加飾:北村昭斎・松浦直子 絃:丸三ハシモト株式会社 宮内庁正倉院事務所

あー、これはもう21世紀の芸術品。素晴らしい。北村さんが参加しているだけでも嬉しい。
じっくりと眺める。こんな所にと思うような所にも手が入る。蝶々がいた。知らなかったなあ。
すごいなあ、こんなにも豊潤な拵えだったのか。
現物の美を知っていて尚、そう思った。


模写 紫檀木画槽琵琶捍撥画 もしゃ したんもくがのそうのび わのかんばちえ 1枚 長41.9 幅18.0(画部分) 平成30年(2018) 松浦直子 宮内庁正倉院事務所
琵琶の腹の部分の絵。つい近年の仕事。現代にもこの仕事が続いていて、本当に良かった。

琵琶袋 びわのふくろ 1口 長93.9 幅43.9 厚5.1 平成3年(1991) 株式会社龍村美術織物 宮内庁正倉院事務所
さすが龍村美術。嬉しい。こういう仕事を見るたび、初代平蔵の獅子狩文錦の復元の苦難の道を思い出して涙ぐむのよ。

紅牙撥鏤撥 こうげばちるのばち 1枚 長20.0 上端幅5.7 厚0.1~0.4 昭和58年(1983) 吉田文之 宮内庁正倉院事務所
象牙に染色して細い細い刃面で絵を。丁寧な仕事。

酔胡王面 すいこおうめん 1口 縦37.0 横22.6 奥行29.4 平成14・15年 (2002・2003)財団法人美術院 国宝修理所 宮内庁正倉院事務所

カラフルすぎて笑ってしまった。赤トンガラシくらいな朱。
十二神将も当時のままの彩色で再現したら「なんじゃこりゃー」になったが、これもその仲間。
つまり日本人の美意識はいつのまにか古びの着いたもの、剥落を尊しとするものに変化していったということなのだな。

伎楽人形 呉公 ぎがくにんぎょう ごこう 1具 昭和時代(20世紀) 株式会社龍村美術織物 奈良国立博物館
前期のみ。おじさんのマネキンでもある。ちょっとまえのめり。

続く。

いちからわかる応挙と芦雪展前期を振り返る その2

2020-07-06 09:29:44 | 展覧会
ちょっと日が空いてしまったが、最近は怠惰なもので。
まあ記録と記憶のブログということで、別に最新を目指しているわけではないし。
そう、現在開催中の「いちからわかる応挙と芦雪」展後期を応援するために、前期のハイライトをまとめておるのです。
わたしのイマイチな写真で申し訳ないけれど、これで前期の良さを少しでも感じてくれて、後期展示を見に行かれる方がいたらええなあと思っています。


今回は芦雪特集になりますね。

わんこ  師匠のわんこ

可愛い喃。

二階は座敷展示。


えてこたち。


左右合わせるとこう。


まずモンキーズから細部を見よう。

この濃淡とさいしきの対比がよいよね。
サルたちは薄く描くことでその毛並みの質感まで感じさせる。
岩は濃い墨でザクッザクッと描いてそこに滲むような朱で蔦を描く。何か一心にみつめるサルの面白さ。
じーっとなにをみてるのだろう。


表情のあるサルたち。何を言いたいかわからないが、何か言うてるのはわかる気がする。

そして左隻。こちらはお子達とわんころたち。

こういうのを見て素通りできるようなヒトとはつきあえんな。
可愛すぎるやんーっ

そしてこの兄弟、お兄ちゃんなかなかの美童。


こっちの子はてっきり目隠ししてるかと思いきや…


わんこ怖がり組に対し、


わんこだっこしたい組のめんめん。


わんこも迷惑やと思てるのではないかな。


あーっ可愛いっ

ここで例の「可愛いは正義」という格言が出ますね。

さて冒頭の師匠のわんこに対する絵としてはこちらのわんこ。

撫でたいわ

応挙先生は家で猫を飼うてたが、隣家のわんこをスケッチすることが多かったそう。
これはなんかわかる気がする。
猫好きであっても、猫を題材にするのをあえて避ける人もいるからね。
わたしもそう。書くのは犬、飼うのは猫。

芦雪は群衆というか集団というか群れが好きなのではと思う。当人は孤高気取るわけでもないだろうけど、絵はとにかく群れが多い。

亀。comecome
寄り集まる亀。四天王寺さんところもこんな具合。

さて今度は中国のどこかを描いたお軸、対幅だが、その細部がやっばり群れいろいろ。
こちらは全体


右の群れ

家並みと松並と。

左を見る。

よく咲いているなあ。

石垣の下では牛とこれはもめてるのかな、子供ら。


あっちではわたってくる人。


さて高士というものは歌を詠んだり酔っぱらったり煎茶飲んだりして山中で過ごすわけだが、若い少年を働かせてのこれだから、なんかもうただのダメな人にしか見えんのだよなあ、ぼくにわ。


こちらは打って変わって大変な状況のお母さん。
常盤御前ね。逃亡中。


小さい子供三人も抱えて逃げている。

この後捕まるが、色々あって案外この人本人は平穏に暮らせる。

セミだよセミ。


どんな鳴き方するかな。
関西ではミンミンゼミよりアブラゼミが多い。今は九州からきたクマゼミに席巻されてる。ただし町中の話。


貼り交ぜ屏風
色んな人がいてます。右隻








左隻








やっぱり芦雪はフザケてるよな。そこが不逞のヤカラぽくていい。

最後にもう一度わんこと坊やたち。
これを見ることが出来、撮影できたのが嬉しい。


ありがとう嵯峨嵐山文華館。