遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う

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手塚治虫記念館で見たもの・手塚治虫のスターシステム

2022-04-24 14:38:48 | 展覧会
パチパチと機嫌よくとるだけ撮って隠匿してても陰徳を積むことにもならず、スペースでin toakというのもどうかなので、そろそろ挙げます。
(ダジャレのネタも尽きたし)

少し前に開催された手塚治虫のスターシステム展から。

手塚治虫はキャラを俳優として扱い、かれらに様々な役柄を与えました。
このスターシステムは永井豪も継承し、木原敏江、大和和紀といった少女マンガ家も一部のキャラに何役もの仕事を与えて作品を彩りました。
物語の面白さだけでなく「あっあいつが出るのか」「この役ならあのキャラだな」「あーぴったり」または「えっあのキャラがこんな役を!」などと予想を裏切られたり満足したりと、作者とファンの内輪受けかもしれないけれど、楽しい気分になる方式なのでした。

さてその手塚治虫キャラたちの紹介をみましょう。




最初に登場したのはヒゲオヤジ

このキャラも実に仕事が多く、色んな役をしてましたなあ。
「ジャングル大帝」のレオの最期にいたのがかれでよかったとつくづく思いますね。
あと写楽くんの下宿先のラーメン屋もよかった。
気の毒なのは「MW」で犬に噛み千切られてましたね…


フィギュアやジオラマも展示されていた。


アセチレン・ランプ 重厚な悪役として最高なのが「アドルフに告ぐ」。あれは本当によかった。
そこにいるユダヤ人=ヒットラーを消去する指令を受けての上司との対話と実行と。
そしてヒットラーの遺体を自死に見せかける工作は贐でもある。



ロック・ホーム。間久部緑郎。
かなり好きなキャラですな。大体わたしは手塚作品はピカレスクロマンが好きなの。



大概わるいんだけど、そうでないこともある。カッコいいし。ダークなヒーロー。
ただ、全く同情・共感できない役もある。最低なのは「アラバスタ―」。でもあの役は彼にしか出来ない。
その意味ではやはり得難い。

ロックと違い真っ直ぐな心だけのキャラの代表はケン一くん

しかしそれだけに手塚も使いにくかったようで、歳月が降るごとに出演がなくなりましたな…
ただケン一くんへの愛情は生涯持ち続けていたそうです。公式サイトのキャラ紹介に記されてます。

こちらはミッチィ


ミイちゃん


リイコ


描き分け・使い分けも色々。





実にたくさんのキャラがいますな。


突然こういうコマがあるのが本当、好き。













群像劇と言うのはやはり色んなキャラがいないと成り立たない。
どのキャラにも個性があり、過去や現在がある。
それがキャラの魅力と強み、時には弱点にもなる。

知らぬ者とてないキャラたち。



 この四人に関して言えば、あまりに本役の印象が強すぎて、他の役をしても「ああ、がんばって」という感じになのだよなあ。特にサファイアは。
写楽君はブッダでおいしい役だが、捨身飼虎だから虎にはおいしい…ウッウッウッ(手塚作品では嗚咽はカタカナが多い)
BJはそのままBJ役でよく働いてます。
そうだ、アトムと言えばアニメ「マリンエクスプレス」の役は非常に良かった。

こういうキャラが作品の味わいを更によくする。

真面目なブッダの死因がこのヒョウタンツギを食べたせいだというのには、こっちまでおなか痛くなるほどだった。

ノートも展示






物語を構成するのはキャラと展開なのだよなあ。

キャラ勢揃い

こういうのも楽しい。


やってますね。






やはりキャラが立ってないとこうは出来ない。

最後に表現のカッコいいのを。




迫力がすごいよねえ。

間もなく開館30年。いつまでも健在で。


旧尼信本店を訪ねる

2022-04-19 16:24:53 | 近代建築
先日尼崎信用金庫の旧本店を訪ねた。尼信会館に寄り添うように建つ煉瓦の可愛い建物である。
二階建てで小ぢんまりとしたその可愛い建物も常に公開しているわけではなく、折を見ての公開なのだ。
隣接の尼信世界の貯金箱博物館は常に機嫌よく開館してくれているが。


尼崎と言う町は昔の藩主・桜井氏が初代市長として下水道の設備をはじめ市民の為に尽力した町で、東難波町や武庫之荘など計画的な住宅街もあり、近松門左衛門生誕の地と言うことで、この地にある園田学園などが資料室を一般公開している。
その一方で阪神タイガースの城下町だと自認し、下町の商店街として、薄利多売のにぎやかな商業地を形成している。
だからこそこの地で尼崎信用金庫というしっかりした金融機関が活きている。

旧本店は1921年に建てられた。
正面


二階
全景 

暖炉 

木彫部分 

煉瓦の壁と家具とかマッチする。

照明 



窓 

階段




煉瓦の隙間に大理石 


この建物の由来などが紹介されている新聞記事もある。


あましんは地元のマンガ家・尼子騒兵衛さんが「あまちゃん・しんちゃん」というキャラを拵えた。
丁稚小僧の二人。

一階
全景…まあ半景ですよね。




こちらの暖炉



内から 

外から 

斜めからの眺め



お向かいの駐車場の壁面には瓦の装飾があり、その先端には鶴などの絵柄が。




つくづく可愛い。

こちらは博物館入り口である。



鋳鉄の美 

今後も長く活きてほしい。

ところで白い建物の尼信会館の方はこれまた美術館・博物館の機能を有していて、市内のコレクターの名品展があったり、尼崎藩主桜井松平家ゆかりの品々も展示していて、近所の尼崎城・尼崎歴博の先駆者として歴史と文化の展示を重ねている。
詳しくはこちら

尼信世界の貯金箱博物館

2022-04-14 16:49:35 | 展覧会
世界中の貯金箱を集めた博物館。
それが尼信世界の貯金箱博物館。
久しぶりに見学に行った。
やっぱり楽しいところだった。
ところで2006年に日々是遊行の方で記事を挙げているが、いま読み返しても感想はほぼ同じなので、ちょっと引用することにした。
元記事はこちら

尼信・世界の貯金箱博物館。

ここには世界中のあらゆる素材・あらゆる形・あらゆる仕掛けの貯金箱がずらーーーっと並んでいる。
ただ並ぶだけではなく、きちんと分類わけされているので、各国の事情や嗜好や、時代の変遷も見えて面白くて仕方ない。
動物やキャラクターや建物型ばかりではなく、ちょっとしたからくり人形もある。
 

 



昭和ガメラは子供の味方です。



 

 

色んなキャラがいる。悪徳役人のや、ウィリアム・テルとかも。
そしてSTARWARSのフィギュアのもあり、ボタンを押すとダース・モールを相手にオビ・ワンとクワイ・ガン・ジンが戦ったり、ダース・ヴェーダーが動いたりするものもあった。
嬉しくて仕方がない。
陶器の物の中には綺麗な染付もあり、美術工芸品のようなものも多かった。
また信仰心を形にしたようなのもあった。(宝は天に積むものなんですけどね)
ビルの一階二階を会場にして、二階ではジオラマまで作られていた。
感心する。本当に面白い。とても楽しい。
やっぱり人間、おカネを貯めよう。

しかし何万点あるのだろうか。
立派なコレクションだが、本当に楽しいコレクションでもある。


阪神タイガースとの深いエニシも。




 

ゾウさんもいる。

中国製のはブタが多い。めでたいブタさん。





これはこの建物のマケット貯金箱

 

 


箱根細工

二階にも貯金箱の世界が広がる。




元金庫室だったところは日本の郷土玩具風のものを集めている。
 









お蔵の形の貯金箱。




某銀行の世界の民族




達磨もぞろぞろ


圧巻


















キャラ貯金箱。わたしの所蔵するミラーマンもここにいる。


楽しいなあ。




 

日銀マケット




尼信の仕事の紹介


下に並ぶトロフィー類は阪神タイガース由来ではなく、尼信の社員さんが大会に出て得たもの。




尼信のある地域の鳥観図








建物紹介 

小松益喜も描いていた。

実際の支店状況

今後も繫栄あれ。

薄井憲二バレエ・コレクションにときめく その3

2022-04-08 00:38:12 | 展覧会
バレエを描いた絵の面白さを堪能する。

左上が舞台中央からジャンプして袖に消えるまで中空に居続けたニジンスキーのバラの精
…なんやけど、手付きがどおくまん作品に出てくるキャラっぽいな。

これですね。





ここでその年の秋にか公演予定のあるバレエ団のチラシや実際に舞台で使用されるコスチュームなどの紹介があった。





とても綺麗。







再びバレエ絵


 

 

 

 

 テニスらしいです。

バレエ・リュスの後身たち


資料の複製を見るコーナーもありました。



またいつの日かじっくりとむきあいたいものです。
素晴らしいコレクションを見せてもらえて本当に良かった…

薄井憲二バレエ・コレクションにときめく その2

2022-04-04 12:25:32 | 展覧会
薄井コレクション、今度はバラの精から。


 



この作品のラストで中空を飛んで行ったしまったニジンスキー。

ル・カルナヴァル


デザイン画も本当に素敵。





 






 
こんなポーズ一つでも人を魅了する。


  






 

ペトルーシュカ


舞台装置のデザイン画
色彩感覚が素敵。






キャラデザは本当に大切。


 



 

絵を見るだけでときめく。 
 

 

 

 



 

 

薄井コレクションは本当に素晴らしい。

続く