遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う

「遊行七恵の日々是遊行」の姉妹編です。
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「海の日」なのに海とは無縁な休日を過ごす

2023-07-30 01:13:52 | 日記
夏の最初の三連休の話である。
出かけずにはいられない体質なので、このあっっっつい最中に京都へ向かう。
例によって予定より1時間ばかり出遅れたので、東山二条のその名も大蓮寺なるハスの名所に行けず。

木屋町通りを北上するのがまだ涼しかった。
高瀬川と柳のおかげです。ありがとう。それで秀次公の墓所のお寺の前を通って、工事中の三条大橋をゆく。

鴨川だけにカモがおる。
三条通から途中、新麩屋町通りを上がり、孫橋通から西へ。新高倉通のところで一瞬「このまま北へ上がれば大蓮寺やん」と思ったが、今のわたしの足の状態とこの暑さとを考えて諦め、そのまま歩くと、要法寺の境内へ。
ここは立派な寺だけど、残念ながらハスはなかった。

それで孫橋通へ戻り、東大路を渡ってまだまっすぐ行くと、「レート白粉」の看板があった。
これは関西では初めて見た。あるんやなあ。

レート白粉の琺瑯看板は初見。東山道一つ挟んだら仁丹琺瑯標識に上京区孫橋通東山その下にはサビサビの標識に左京区南門前町山梨製餡の建物の角に。今は左京区南門前町。すぐ先には東山区。


そして山梨製餡を通過し、川を越える。


並河靖之七宝記念館へ到着。
二階の特別公開に参加するのだよ。

美術館の入館料は千円、二階特別公開は600円です。
わたくしはまず七宝焼を拝見いたしましたよ。
今回特に蝶々の飛んでる図柄の良いのを見た。
有線七宝の美。

実は中学二年までクラブで七宝焼を拵えていた。無線七宝。ところが教師が違う人になり、今度のクソオヤジは土コネ至上主義で七宝否定。未だに腹が立つ。
クラブはやめて、それ以降作るのも難しくなり、見るだけに。
当時は七宝焼教室とかなかったから仕方ないが、続けたかったわ。

お二階へは襖の向こうの狭い階段で上がります。これはあれだ、忍者屋敷風な楽しさだな。
そしてその二階のお座敷がなかなか凝っていて、格天井に筬欄間という格の高いしつらえに、床の間には折々にお軸のよいのを出していたそう。
今日みたいに暑い日には望月玉泉の滝図はぴったりですな。
図録によると蕭白の群仙図もあったらしい。今は行方不明。
絵の前には並河靖之手製のいい感じの鉢があった。
二階の回り廊下から庭を見下ろすのも楽しい。
巨大な松はこの家と庭が出来たときからのもの、その隣の泰山木はわりに新しい。
お庭は隣接する植治のお仕事。池泉回遊式。

瓦には火防の波柄、丸瓦には七宝繋の中に「並河」の「並」の字。
通り庭なども拝見し、ああやっぱりいいなあと感心する。
暑いけど、ここは涼しい。

地下鉄東山三条から乗る。
烏丸御池。そこから烏丸六角通へ。
ありました。町家の定食屋さん。

少し並んでから大きなテーブルの一隅に。
味噌に生姜を混ぜたので焼いたサバ、揚げナスに卸し大根と肉、小鉢などなど。

なかなか美味しかった。


そこから京都文化博物館へ。7/15から神宮道の星野画廊所蔵品からチョイスした「少女たち」展が開催。
参りましたよ。
以前から星野画廊さんところの展示をちらちら見に行ったり図録を買ったりしてたが、こうした大掛かりな形で楽しむのは初めて。
不思議な慧眼というか発掘者の鋭いまなざしに改めて感銘を受ける。
クリックすれば拡大します。
   
面白い展覧会でした。

2階の常設では祇園祭の山鉾の付属品を観たり、大内義隆の関連資料を見たり。
またこれがツイッターでも挙げられてたけど、「大内さんは傾きかけた幕府をサポートするためにわざわざ山口から上洛してきた奇特な人です」
いいよなあ、このセンス。言うたらなんやけど、このセンスは他国のものにはないで。
足利15代の将軍各人の紹介もある。
丁度今新聞で義稙とその妹の曇華院聖壽の話が連載されてるので、興味深くみる。
彼女のいたところは嵯峨野だが、この京都文化博物館の一部は曇華院前町にひっかかるのだった。
三条高倉といえば説経節の「小栗判官」の実家があったのは二条高倉だが、梅原猛の戯曲、スーパー歌舞伎「オグリ」では三条高倉に変わっていたな。

それからイノダの本店へ。
久しぶりに二階へ上がる。
いい階段よねえ。

コーヒーフロート。ここのはバニラでなくレモンアイス。さっぱりしているのよ。
そうだ、今回はあれだけど、次はサマー・シュトーレン買おう。

飲み始めと中程と。 

さて六角通りを新町まで。まだ明るいけど祇園祭の宵宵山なので山鉾が並んでおります。
みんな大好き蟷螂山。いろんなグッズもあるんだなあ。


このあたりを中心にぐるぐると2時間ばかり徘徊。

やっぱり毎回見るのが楽しいよ…


月鉾、函谷鉾、長刀鉾などを見るといよいよ帰り道のような気がする。
ああ、お囃子にあわせて鈴が動くのも間近で見れたな。

河原町に着いたので高島屋に入る。
今回は志野ドレッシングに電話してお取り置きお願いしてたのよ。
柚子白みそドレッシング1L
赤紫蘇ジュースなど飲ませてもらいスッとしたわ。
ありがとう。

帰りは河原町下ルのサイゼに入る。
なんかしらんけど隣のご一家分の注文まで私の所に入ってた。
支払いは普通なんだけど、注文がね。よくわからんなあ。
7/15はここまで。

日曜の朝。わたくし久しぶりに自転車で遠出いたしましたわ。
とあるお店へ。モーニングにフレンチトースト。


その後また道を少し戻って市内有数の蓮池へ。

もう既に万博の早朝観蓮会は終わってたのは残念だけど、ここがいちばん行きやすい。
手前の方はあまり咲いてないけど、ぐるっと回ると対岸の方はなかなかよく咲いていたし、梅花藻も出てた。
可愛い。今年は珍しく睡蓮の方がいまいちだった。そういえばひまわりも大してなかったなあ。

帰宅して洗濯して医者に行って…ぐったり。
結局この日は六甲アイランドへ行けなかった。

海の日。
いつから始まったのか知らんが、あると喜ぶ三連休。
この日はお約束があったので、昼前から阪急へ。
オフ会ですがな。

これがもうしゃべりすぎて夜にのどが痛くなるほどでした。
楽しかったわ。
本当に場所を変えて6時間ばかりしゃべっぱなし。
この日阪急ではトムとジェリーのグッズも販売していた。
 

気分は明るいけれど、結局この三連休海にもましてや山にもゆかず、街なかをハイカイし倒しておりました。
わが家から旅立ったせみやん。


そしてこの日は東京の叔母からたくさんのフルーツが届きました。


最後にこの三日の間に見た時期から遅れてもがんばって咲いてる花を集めました。
クリックすると拡大化します。
     

二週連続東京ハイカイしたぞ

2023-07-15 01:24:49 | 日記
6/24、25と一泊二日のあと、7/2にも東京に行きました。
まあ理由は色々。
新幹線で往来するので朝は早いけど、以前と違って最近のわたしは地下鉄で向かうので気楽にはなったかな。なんしか阪急宝塚線から同じホームの京都線に乗り換えて次の駅、小さい階段を降りてすぐに踏切と信号を渡ればもう西中島南方駅。そのままエスカレーターなりエレベーターなりでホームに上がる。この二つが長年ここになかったのよ。だから大阪駅まで出向いてたんだが、それがまた遠い遠い。しかし西中島南方だと気楽は気楽。
帰りは逆に大阪駅から帰る方が楽というのも面白いけどね。

さて新幹線に乗って東京へ向かいました。寝過ごして富士山も何も見ていないけれど、まあこういう日もある。
今回は品川のロッカーに荷物を入れてまず渋谷へ。新南口へ初めて出たが、これまた面倒な道だな。新南口自体は悪くない。道に出たら右の奥にスーパーLIFEが見えたし、正面には金王神社も見える。國學院大學に行くにはこれはベターではないかな。

その國學院大學の博物館へ行きまして「祓」展を見たが、これが前評判以上に興味深い内容で、色々と知ることが多かった。
解除と書いて「はらい」=祓と読むわけです。
つまりハンターハンターの「呪いの解除」とはそういう意味合いだったのかと今更ながらに感銘を受けたり。


展示を見てから学生食堂へ。ここは一般客ウェルカムなので助かります。
むろん学生とは値段が違うが、少しばかり増したお金が学生の助けになればよいなと思う。
前回同様今回も鳥の変わり揚げを食べた。
隣接した男子学生らの話が聞こえるけど、彼らの日々のつつましさにちょっと泣ける。
あれだよ、やっはり国は学生をもっと金銭面で助けてやれよ。
役に立たねえマイナカード拵えて一部の企業だけ肥え太らすのでなくに。
本当にダメな国だな。

次は原宿へ。ああ、変わりようも凄いけど、ここの駅はやっぱり今の形態でいいと思う。
そりゃあの愛らしい駅舎は大切よ。でもね使う面々を見てると、こういうむちゃくちゃ混む駅はやっぱり合理的な構造でないとだめでしょう。
あの駅舎は奈良駅や浜寺公園駅みたいになるのが穏当な方策かな。

久しぶりに太田浮世絵美術館。今回はポール・ジャクレーの展覧会を前後期二か月にわたって開催。
ジャクレー展は久しぶりなのでとても嬉しい。
今回も大いに満足。
最近本当に展覧会の感想があげられないが、なんとかこれはしたいものです。
ところで図録は160点のうち40点のみだからちょとさみしいな。手元にある淡交社のを眺めるか。
それにしても少年、青年の艶やかなこと。満州の貴婦人の装束の華やかさなどに幻惑される一方で、南洋、東アジアの普通の生活者などへの温かな視線もいい。

原宿から高田馬場へ出るとアトムの主題歌が聞こえる。そりゃそうだよな。天馬博士は丙午生まれ、馬鈴薯農家の群馬育ち、練馬暮らし高田馬場の科学局勤務、長官選挙に出馬、今に馬脚を現すのではと下馬評が…
で、次にメトロに乗って早稲田へ。実に久しぶり。
早稲田大学の大隈重信像を見て思い出すのが、今渦中の女優がこの大学に無理くり入学した時の、メトロの月刊リーフレットに出た1コマ漫画、大隈重信像までもがサイン色紙をそっと隠し持っているというものでした。
あれから幾星霜…

今回は会津八一記念館で女性作家の作品と、「少女の友」関連資料を見た。
三岸節子好き…「少女の友」の抒情性がやっぱりいいな。


そこからガウディ展のために竹橋へ。ああ久しぶりだな。
毎日新聞社の中で七夕飾りがある。

今年私は七夕出来るだろうか。←しました。

足がギシギシいうのをポクポク殴りつけて竹橋を渡る。
なんというか、コロナ以前がはるか昔のような気がする。
楽しかったなあ、というノスタルジーに噛まれる。

東近美でガウディ展。
先年井上雄彦の高い画力と取材で構成されたガウディ展を見たのを思い出す。
もっと以前、現美でみたガウディ展のポスターは大きかったなあ。
模型や実際使われていた彫刻などは撮影可能。ぱちぱち。

いや本当にこういう考えはどこから来たのだろう。想像もできない。
逆にしてどうのこうのというのがもう意味が分からない。
考えようにもまず意味が分からない。どこから学ぶべきなのか。
いやー凄いものを観ましたな。


常設展示がたいへん楽しかった。
やっぱり自分は近代日本画が一番好きだよなあ。
近代日本洋画も好きだし版画も写真もいい。
好きなものだけを楽しむ。こういうのが実は一番好きだな。

竹橋から日本橋へ、高島屋へ入ると、志野が来てた。ゆずドレッシングのあの志野さん。
今回は会社用のだけ購入、また7/15に京都の高島屋にいてるそうなので、大きい瓶はそっちで買うわ。
まちおかで大量に小さい袋入りのお菓子を購入、進撃ウエハース、モルカーのおもちゃも半額に喜んで買う。
東京駅から品川へ向かい、荷物を取ってお宿へ。

15年位前までの定宿が完全にスタイルを変えてリニューアルし、前回に引き続いて投宿。
以前と違い別経営の入浴施設が入り、宿泊客は1回500円なんだけど、結構高いみたいね。
気持ちよくぐったり。

朝風呂にもゆき、それで身ぎれいになってから荷物を別室のクロークルームに預け、りんかい線でビッグサイトへ。
この日は私も属するジャンルのプチオンリーが開催されてるし、わたしも招いてもらったアンソロジーが刊行されてるのが嬉しい。
皆さんのところをうろうろし、やがてお約束の時間の再会を期してわたしは一旦東から西のレストラン棟へ。

うーーーーーん、有名店が出店するビッグサイトだけど、これまたひどい味だな。
どこに入ったかは申しませんが、思えば本店だってそんなにおいしいところでもなかったな、老舗は老舗だけど。
おいしかったのは付け合わせのマッシュポテトのみ。
次はないなあ。

約束時間に約束場所に集合し、約束の人々と合流し、約束の地へ向かう。
荷物は重いし暑いし遠いし…えらい目に遭いながらもなんとか到着。
これ一人でここへ行けと言われたら無理やな。
こちらで皆さんと大いに楽しむ。5時までの楽しいイベントでした。

再びりんかい線でホテルに戻り、品川から新幹線。
さすがにくたびれました。
6月末の東京ハイカイはここまで。


7/2の日曜日にも急遽東京へGO。
なんというか、ちょっと昔ならよくある行動なんだけど、近年では珍しい。
富士山が白雲にかまれる情景などを見る。


さて今回は東京駅まで出てから上野に行くのに一番早い線に乗る。茨城とか行く方かな。
上野に下車してびっくりしたよ。バリアフリーはええけど、マジでほんまに緑が絶滅。
びっくりした。しかも西洋美術館も前庭から緑が払われてる。
悪しきならぬ、あ四季を払え、やないけど、そんな感じかな。

子ども図書館の撮影をパチパチぱちぱち。

これもまたいずれまとめます。
今回は特別に撮影可能で嬉しかったよ。


お昼は隣の黒田記念館併設の上島珈琲店。要するにUCCですがな。
そこでランチにしましたが、レジでわたしの前の前のひとがレジトラブルで色々と大変そうだった。
ただ、それでここでカード払いは危険だなとわかったのはよかった。対処できずにいろいろ難儀なことが起こるのにはやっぱり現金の方がよさそう。

黒田記念館の作品と建物を楽しむ。ところでここには黒田清輝像があるのだが、写真で見る限り大変この像はリアルだと思う。

京成電鉄の博物館動物園前駅の建物を改めてじーっとみる。

常設で使えたらよいのですがなあ。

上野から原宿、太田記念美術館でポール・ジャクレー展の後期を楽しむ。
いやもうほんと、ニマニマしっぱなし。これはもう完全に趣味の世界ですわな。

明治神宮から元町・中華街へ一本で行けるのも凄いよねえ。
公園はまだ紫陽花もあったが薔薇が盛りになっていた。

横浜はいいなあ。

神奈川近代文学館で武井武雄展。
ラムラム王の生まれ変わり。
RRRといえば今ではインド映画だが、かつては武井武雄のサインだった。
二階では個人コレクターで紙芝居師のおかもとりよさんの所蔵する、いわゆる武井武雄の「刊本」をじかに触らせてもらえた。
絵本作家吉田稔美さんから教わっておじゃましたのだが、大方のお客さんがやはり吉田さんから教えてもらってというお話だった。
製本の粋というか極みと言うか、日本だけでなく世界有数の凄い製本だと思う。

実に参りました。
あいにく体調の悪いのが来たのと新幹線の時間があるのでさらばです。

菊名から新横浜へ。3月の相鉄線・東急線乗り入れ記念日に来て以来か。
今回はポイントを使わないと流れるのでグリーン車でのんびりと帰阪。

次は9月に弥生、神奈川近文でレトロおもちゃ、それから慶応大の展示かな。
あと現美でホックニーも見たい。