遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う

「遊行七恵の日々是遊行」の姉妹編です。
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巨大ロボット群像展、描かれたロボットたちと対面する

2024-08-29 16:54:03 | 展覧会
京都文化博物館に巡回してきた巨大ロボット群像展に二度ばかり行った。
7/11と8/8である。
これ以前には横須賀美術館で開催されていて、行かれた方々の熱気と興奮を伝えられ、こちらもワクワクして待っていた。
ありがたいことに京都文化博物館は会員ならば何度でも見学鑑賞できるのでわたしは二度行けたのだ。
ちなみにこれまでの最高記録はゴールデンカムイ原画展で、7回観に行った。
なかなかそうはゆかないものの、それでもこうして楽しめてよかった。
この展覧会は基本的に撮影可能で不可は画像は挙げない。

開催の始まった2023年は、巨大ロボットアニメ「鉄人28号」放送から60周年という節目の年だったそうだ。
わたしは「鉄人28号」アニメは見ていないが歌は知っている。
こちら
歌詞の中で「敵に渡すな大事なリモコン」とあるように鉄人28号はリモコンで操作されるロボットなので、金田正太郎くんの手から悪人の手に落ちると、悪の手先として破壊の限りを尽くすことになる。
これはなかなか怖いことだ。
原作の横山光輝には他に巨大ロボットとして「ジャイアントロボ」、「バビル二世」のポセイドン、「マーズ」のロボットなどがあるが、ジャイアントロボもポセイドンも主人公の正義の少年とシンクロ・連動している。
鉄人28号はその意味でとても危ういのだが、このシステムは巡り巡って現代的でもある。
さてその鉄人28号からの展示である。

1963年版の斜め後ろに1980年版も佇む。
よく知らなかったが、鉄人28号は現代に至るまで何度もアニメ化されていて、63年に始まり80年、92年、04年、07年、13年と放送や上映があったそうである。
鉄人はアニメ化されたのが人気を博したが、実は1960年に実写化されている。
これは歴史としてわたしは知っているが、申し訳ないがどひゃーだった。

特撮はこの時代もっと技術が進んでいた筈なのになんでやねんと思うが、思えば丁度中途半端な時代だったのかもしれない。着ぐるみが鉄の感性を失わせたのか。

前述の「ジャイアントロボ」の特撮ドラマは1967年から68年に放送され、その後何度も再放送された。
わたしが最後に見たのは1972年だと思う。幼稚園児のわたしは最終回でU7大作少年が「ロボは必ず帰ってくるよ」と言ったので、それからずーーーーーーっとジャイアントロボの帰還を待ち続け、ロボが最終回でギロチン帝王と共に自爆したので帰ってこれない、ということを知ったのは2005年だった。
文字通り目の前が真っ暗になった。

鉄人28号の話に戻る。
1956年に月刊誌「少年」で連載が開始された。当時の団塊の世代の子供らが熱狂したのはリアルに知っている。
叔父やその周辺、また上司たちが皆「鉄人28号」が好きだったのである。
偶然かもしれないが「鉄腕アトム」より「鉄人28号」が好きだというのは男性が多い気がする。
この「少年」誌からピックアップしたアンソロジーが1989年頃に刊行されて「鉄人28号」は確か2巻だった。
手元にあるがあえて確認はしない。
そして「鉄人28号」のコミックスは様々な出版社から出ているが、ここで展示されているのは秋田書店の文庫本の原画である。担当したのは加藤直之氏である。










めちゃくちゃかっっっこいい。さすが加藤さんとしか言いようがない。

ところで「鉄人28号」は太平洋戦争の末期に日本軍が研究開発を重ねてプロトタイプも27号まで出来ていて、という設定だが、その意味ではあの特撮も確かに原作に沿っているのだなあ。
横山光輝がフランケンシュタインに影響を受けた話も以前から知っているが、以前に川崎市民ミュージアムでの展覧会などでも紹介されていたと思う。
その撮影スナップもある。これらはまたたいへん興味深い資料でもある。








これはアニメージュ1980年9月号。二度目のアニメ化の情報があるが、実はこの号のアニメージュにはわたしは個人的に深い思い入れがある。というのは人生で最初に買ったアニメージュがこの号だったのだ。


今調べたら前述の川崎市民ミュージアムの展覧会「横山光輝の世界」展は2006-2007年だった。
当時の感想はこちら


次は永井豪の生みだした巨大ロボット群像である。
まずは「マジンガーZ」
♪空にそびえるくろがねの城 スーパーロボットマジンガーZ
水木一郎のかっこいい歌声がすぐに蘇る。


数年前、永井豪は「激マン!」シリーズで自己の作品解説、連載状況などの裏話を含めた作品を世に出した。
わたしは連載を読んでいたが、「マジンガーZ」も「デビルマン」もあまりに面白すぎて、やはり天才永井豪の凄さに改めて仰天した。
そもそも「マジンガーZ」の偉いところは世界で最初にマンガで兵站の重要性を描いたところや、パイルダーオンというシステムを生み出したことだ。
科学者兜十蔵博士が無数の特許を持ち、それが資金となってマジンガーZを制作することが可能になった、光子力研究所もまた同じく彼が設立している。
その辺りの資料が展開されていた。






「乗りこむ」という発想はここからだ。




後付の武器にしてもかなり合理的な展開なので、当時はわからなかったが、これはリアリティを追求したのだと理解出来た。


富士の裾野、山梨側でしか採掘できないジャパニウムという合金、光子力、それから「キューティーハニー」の空中元素固定装置という発想も設定も素晴らしい。

アニメの方の光児くんはさやかちゃんとの口げんかもなかなか派手で、盗聴したあしゅら男爵が「なんという口の悪さ」と古代貴族だけに少年少女に対して幻滅するのも面白い。
マンガでは光児くんは案外紳士的なのも「激マン」で知った。顔の怖い十蔵お祖父さんは孫息子らに甘く、かれらの両親が亡き今は光児くんとその弟に丁寧にごはんを拵えている。こうしたところもよかった。顔が怖いのも実験の事故からである。そしてこの事故による酷い傷跡というのは彼の息子、そして孫にもつながるのだが、これはここでは記されない。

そうそう、永井豪キャラ総出演の漫画ゴラク版「バイオレンスジャック」ではマジンガーは黒人の空手の達人として登場する。彼は盲目となり、まだ小学生くらいの兜光児くんを肩車してその指示によって戦っていた。
あれを見た時、非常に巧い考えだなあと感心した。
つまり光児くんによる<操縦>なのだ。

続編の「グレンダイザー」は兜光児くんが脇役になったのが受け入れられず、わたしは見なかった。
後年デュークフリードと光児くんが公式でBL風味だったことを知った時には、見ておけばよかったとちょっとだけ悔いたが。

「鋼鉄ジーグ」はどういう事情かわたしは見なかった。ただし歌は知っている。

数年前にイタリア映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」という実写作品が色々と賞をもらっている。
イタリアでは妙に強かったりすると「おまえは鋼鉄ジーグかよ」と言うくらいに「鋼鉄ジーグ」は認識され、愛されているそうだ。
ハワイで「キカイダー」が道徳の手本とされたり、フィリピンで「ボルテスV」が人民の革命の力となったり、北欧で「銀牙」が愛されたりと、結構なことである。


合体ロボットの登場である。
「超電磁ロボ コンバトラーV」

わたしはこの辺りのいわゆる「ロボットプロレス」ものは本放送では見ていない。
ガンダムに夢中になった後、再放送や上映会などで見たり資料を探したのだ。
リアタイで見ていた同級生から話を聞いたりして、想像したなあ。
現代と違い当時は紙資料で往時を偲ぶのが関の山。
それだけに記憶力が強くなるのも当然だった。

敵の美形キャラはガルーダ。しかしこのガルーダは本人も知らぬこととはいえ量産型アンドロイドだったのだ。
母という存在からの指令を受けて地球征服に励む「息子」。
同時代の竹宮恵子「地球へ…」にもまたそうした「母なるもの」から支配される存在が現れる。





ここで横須賀美術館でスタジオぬえの宮武一貴氏が制作された巨大壁画を見る。




左がマジンガーZで右がライディーン。中央はこれはコンバトラーVか。ロケットパンチが飛んでますがなw

合体も順番によって得意技が変更と言うか形態も変更になるのが「ゲッターロボ」

わたしが見た石川賢の作画で三人…竜馬・隼人・武蔵が肩を組んで激しい内面を見せる様子を俯瞰する図は、とてもよかった。
わたしは今に至るまでロボットのプラモにはあんまり関心がないのだが、ゲッターロボは設定上つなげ方により形態が完全に変化するというのが面白く、これがそのまま三次元化していたらより面白いだろうとよく思った。
カラーも違うしね。

「勇者ライディーン」
後年「超者ライディーン」としてリメイクされたそうだが、そちらは知らない。
わたしはこの「ライディーン」はやはりリアタイでは見ていないが、それでも小学生の頃から主題歌は知っていたし、ライディーンの特徴的な顎などは見知っていた。
なので中学の時の社会科の女性教師のあだ名が「ライディーン」なのも納得がいった。
子門真人の歌も丁度この頃人気だった。
「およげたいやき君」「勇者ライディーン」「野生の証明」などがわたしが小学生の頃に流行っていた。


ライディーンの図解である。
「たちまちあふれる神秘の力」ということでフェードインして内部に入るのだが、やっぱり中はメカメカしている。
金ぴかのライディーン 静

矢をつがえるライディーン 動

表裏一体。
ところでわたしが中2の頃にYMOが大ヒットした。
特に「テクノポリス」と「ライディーン」は素晴らしい音楽で、シンセサイザーの驚異的な音の構成力には驚愕した。一つの音の背後に無数の別な音があり、ナノグラムなほどの細かい音の構成で一つの音が生きるというのは、想像もしたことがなかった。
あの凄い曲が実は細野さんの発案で「勇者ライディーン」から採られたことを知り、びっくりしたなあ。

ここでイギリスの傑作「サンダーバード」の紹介がある。

わたしなどは今もよくOPを脳内再生させているが、大好きな作品である。
スーパーマリオネット、偉大なる人形劇。

わたしは人生の最初に「新八犬伝」に夢中になったことを生涯の誇りに思っているが、人形劇は何故こんなにも面白いのだろう。文楽も好きだしベトナムの水上人形劇もミャンマーの「ヨウッテー・ポエー」も素晴らしい。
そして今のわたしは「PUIPUI モルカー」に夢中だ。

スタジオぬえの仕事の紹介がある。

やっぱりカッコいいよなあ。
こちらはアニメージュのふろく。わたしも持っている。


これまでと違うものが現れる。
宮崎駿のロボットである。

実物大だそう。そうなのか…
ルパン三世2の「さらば愛しきルパンよ」に出てくるロボット兵・ラムダ。
実は一度しか見ていない。資料を読んでいるのでストーリーなどは知っている。

これを見て思い出したことがある。
2012年に東京都現代美術館で庵野秀明監修の「特撮博物館」展に行った。
当時の感想はこちら
その展覧会の中で短編映画「巨神兵東京に現る」をみた。
映像作品への異様な興奮については前掲のブログに詳しく書いているが、それとは別にOPで製作者の名前が出る中に「巨神兵 宮崎駿」とあるのを見て、その場にいた多くの人は宮崎駿が巨神兵の着ぐるみを着て、東京のセットを壊して回るのか、と心配したのだ。
実際には単に巨神兵のデザインをしたという意味でのクレジットだったのだが、あれは庵野の引っ掛けだと思っている。

次にサンライズ作品が来た。
わたしがリアタイで見たサンライズ作品はボトムズ、ダグラム、ダンバイン、ザブングルそれからエルガイムである。前4作には今も非常に強い思い入れがある。
ダグラムは当時は地味でキャラも特に派手ではないのであまり面白くなかったのだが、自分が社会人になり、この世界の構造がわかってくるにつれ、ダグラムの面白さが沁みて来た。
とんでもなく面白い話なのだった。
ところでボトムズはストーリーも好きだがメカニックも非常に好きで、これは乗ってみたいとよく思った。





量産型と言うのがまたいいよなあ。
キリコとフィアナの恋がとても好きで、なので本編までしかわたしは見ないことにした。

こちらは以前みたボトムズの原画展の感想
装甲騎兵ボトムズを思い出す


巨大ロボット群像
そういえば「巨大ロボット」であることを明らかにしたのは
コンバトラーVのEDで「身長57体重550t」とザンボット3のOPで「正義の姿 巨大ロボット」というのがあるな。


さていよいよガンダムに来た。
以前見た「大河原邦男のメカデザイン ガンダム、ボトムズ、ダグラム」展も素晴らしいかったなあ。
当時の感想はこちら

ガンプラがある。

「モビルスーツ」という概念そのものが新しかったのだよね。
わたしはザクやズゴックも好きだったな。
ジオングの足がない状態のを整備士が「偉い人にはそれがわからんのです」というのが面白かったな。
あとララァの乗るエルメスが可愛かったが、それだけにシャアとアムロの間に入って切断された時はこちらまでが痛むような気がした。
悲痛なあのシーン…

セル画が出ていたがこれは複数枚で構成されているので、ピープショ―ぽい感じもある。











なるほど…

映画の「めぐりあい宇宙」でガンダムの頭部がなくなり、ライフルを発射するあのシーンは名シーンだが、つまり頭部は最重要ではない、ということがけっこうどきっとしたな。

実物大のガンダムを床面に展開している。

足である。






アタマの方へ回るとこんな感じ。

そういえば芝居の絵看板の鳥井派の初代は瓢箪型の体躯にナマズ足と言うスタイルを考案し、近くで見たらバランスが悪いが遠目からモノスゴクはっきりと役者絵が際立つというのを作り上げ、絵看板を独占したのだったなあ。

展示にはないがイデオンの有機的なスタイルもよかった。
イデオン自体も合体化するわけだが、これはイデの力が最優先されてたのだったかな。

エルガイム辺りからわたしはロボットアニメから離れてしまった。
最後に見たのはバイファムだったか。
しかしわたしがロボットから離れている間にも進化は続く。


ヱヴァンゲリヲンは太秦映画村ともコラボしてたのだったか。
わたしはパチンコもスロットもしないが、カヲル君の名台詞「音楽はいいね」のパロ「パチンコはいいね」の幟をみるためにパチンコ屋の前を歩くこともあった。

このあたりはわからない。




ジャイアントロボのアニメも知らなかった。
だから「帰ってきた」わけではないと思っている。




とてもたのしい展覧会だった。
なお音声ガイドはこのお二方。


京都での展示は終了したが、東京は池袋・サンシャインシティで12月から、愛知は来年2月から、福島は来夏の予定。

2012年から2021年までに逸翁美術館で見た三砂良哉の作品について

2024-08-29 13:52:11 | 展覧会
9月21日から逸翁美術館で開催予定の「漆芸礼讃―漆工・三砂良哉-」展で公式さんが「あまりに知られなさすぎる」と嘆いておられるのをみた。

やっぱり工芸作家の仕事は今の時代画像を挙げてお知らせするのがよいかと思う。
あまりに出しなさ過ぎた。
だから知られないままなのも仕方ないともいえる。

わたしはブログを検索し、いくつかの該当記事を見つけ出した。
年度とタイトル、当時の感想、そこに記した一文を別なカラーで挙げる。

2012年の「逸翁と茶会 茶会記をひもとく」
当時の感想はこちら

黒四方矢筈爪紅盆 三砂良哉 昭和の作。黒か青漆でまとめたものの縁に紅をさすのを「爪紅=つまぐれ」と呼ぶそうな。シャープでいて艶かしい拵えだった。


2014年の「花・はな・HANA」
当時の感想はこちら

百合螺鈿蒔絵中次 三砂良哉 1951年 キラキラ~~百合がきらめく。



2015年の「逸翁の審美眼」
当時の感想はこちら

黒地歌劇雛祭楽譜蒔絵棗
清盛塚松古材長茶器
スペイン青貝扇子親骨香合
いずれも昭和初期の制作



2018年の「百貨店で花開く ―阪急工美会と近代の美術家たち―」
当時の感想はこちら

逸翁が可愛がったのが三砂良哉。絵かきの須磨対山と友人のこの人は見事な蒔絵・螺鈿の作品を多く拵えた。
次々と逸翁の注文をうけ、自在に良品を拵えた。
光琳写し、宝塚歌劇の楽譜を文様にしたもの、勅題絵の盆、瓢を菓子器にしたり、キラキラの螺鈿も多く、魅力的。
逸翁のお気に入りのスペインの扇子が壊れたのを香合に作り替えたのもある。
他で見ないものがとても多くて面白かった。



2021年「花のある茶道具展をふりかえる」
当時の感想はこちら

桜雪吹蒔絵茶器 三砂良哉 昭和  逸翁は古いものばかりを大事にしたわけではなく、今出来のものも愛した。懐石に洋食やパンケーキを供したのもやっぱり逸翁の新しもの好きな面が出ているからなのだ。
表千家十二世惺斎好みというこの雪吹型(薄茶器の形の一)に桜吹雪、金銀入り乱れての美。小さな花弁が一枚一枚様子が違うのも楽しい。





これ以前にもみているはずだが、検索に引っかからなかったので、とりあえずここまで。
展覧会が楽しみです。

イスタンブールへ飛んでゆこう 15

2024-08-18 23:52:04 | 旅行
ついに最終回。
実に長々と続きました。
ここまでおつきあいありがとうございます。

前回はイスタンブールの新しい博物館をみて「ウォォォ」になったところで終わりました。
その続きです。


太陽の下のモスク
暑さに負けてモクズにもならず、モスグ離トルコしてモズクの国へ帰るのです。

残念なのはついに路面電車に乗れなかったことかな。


タクシム広場へ向かう。


これが革命記念碑

その周辺のにぎやかさは大都市のそれ。


建物は昔のものも元気。




この辺りはショッピングストリートでもある。
何故かキティちゃんがいる。

旗がパタパタ。





あーこんな繁華街のど真ん中を走るかー



かっこいいな


店先には猫





旗の影

お菓子屋さんのウィンドー










モザイクタイルのような綺麗さがあったね。
そうそう、色彩感覚は違うけれど、李朝の宮廷料理を今に伝える店が鶴橋にあって、そこのチヂミなんかも本当に綺麗な見栄えだった。

ランチに向かいます。


繁華街でもやはり安い。セルフサービスのお惣菜イートインでランチ。
ちょっとおまけしてもらった。ありがとう。

210tl1050円くらい。
ピロシキみたいなのとナス・トマト炒め、マッシュルームの酢の物、ミルクプリンケーキの上にはきな粉とチェリー
おいしかったわ。
イスタンブールではお惣菜とお店のものとホテルの手作り朝食をよばれたわけだけど、どことも全部おいしかったなあ。しかも安いのよねえ。
毎晩スイカと桃、しかも蟠桃ね、日本では超高級品の蟠桃、あれを食べ倒したなあ。
お惣菜の味付けもよかった。

本屋さん兼雑貨屋さんで可愛いオルゴールなどを見る。
昔梅田の33番街にあった「王様のアイディア」を思い出したなあ。

学校がこんなところにあるのか。にぎわいの中に学校。
ところでイスタンブールの商店はわかりやすい・買いやすい・見やすいので、良いと思うよ。

いよいよ退場。


バスに乗りこみまして空港へ向かいます。

16:55 まだまだ明るい暑い時間帯。

実は昨夜のガラタ橋のレストランでの夕食まで気づかなかったのだが、イスタンブールの夏は20時半くらいまで明るいそうな。わたしらは18時くらいから22時まで毎晩女子会と言う名の女山賊の宴を開いてたので、全然気づかなかった。
そうかそうなのか、20時半まで明るいのか。わたしの季節性鬱もこれだと治るのではないかな。

空港に到着。ガイドのエムラ氏ともサラバ。いろいろありがとうございました。
空港はさすがに値段が上昇。85tlの飲むヨーグルト。しょっぱいなあ。


イスタンブール空港でトルコのお姉さんの係官の人が親切だった。
それから数時間後、税関でまた同じお姉さんに再会。
善い人でしたなあ。

22:28いよいよフライト。後ろに誰もいないので下げてのさばる。
隣のカップルの彼氏の人が色々親切にしてくれた。
52Gかかってるらしい。


食事出ました。23:30

ビーフシチュー、マッシュポテト、バルサミコ酢のサラダ、アップルパイ
クリームチーズがよかった。バルサミコ酢はニガテ…

航空画像

タシケント上空に差し掛かる。


イスタンブールの次がタシケントなんよねえ。


欧州との位置関係もわかる。


ウランバートルまで来ましたよー ウルムチもこえて…

これはゴビ砂漠か



ですね。予想以上に大きいゴビ砂漠


ようよう北京に近づいてきた。
そういえば我々はPekin発音だけど、英字ではBejingベイジンなんだよな


シェンヤンだ。この地図表現ではイスタンブールからシェンヤンが緯度が同じに見えるな。
遂にイスタンブールが地図から消えた。

シルクロードを越えているのだなあ…

8/26ですね。

6:30朝食 ゆるゆるのバナナプリン、シナモンロール、オムレツの下にはポテトフライ、トマト、ブロッコリーなど
ジュースはドン・シモンのオレンジジュース。このシリーズは皆美味しい。
紅茶にはカットオレンジを入れたわ。友人のOさんはフルーツダメなのでわざわざ席を立って持ってきてくれたのよ。わたしなぞはおかずが口に合わないとフルーツばかりになることもあるから、人は色々あるものです。


旭川や東京の表示があるねえ。


一番向こうがアスターナ…


もうあとちょっとか。

ところでこれは大韓航空なので仁川に降りてから乗り換えですわ。


徐々に仁川インチョンに近づく…




イスタンブールからインチョン



意外に遠い感じもしなかった。
これはやはりロシアを飛ばないからなんだな。
あの延々とシベリアの上空を行ったのはもう…

村上もとか「龍 RON」を思う。
物語の終盤、昭和20年8月18日、龍は妻子共々テムジンという腕利き操縦士の操る皇帝専用の小型飛行機で新京の飛行場から飛び立つ。
途中ソ連機や米軍機に追われたり撃たれたりしながらも必死で飛行し続け、ついにチベットのラサに到着する。
そして56年の歳月が過ぎる。
その間に龍一家はずっとダライ・ラマ14世に仕え、亡命時には陸路でインドに逃れ、最後はようよう自由の身となってブータン(龍の国)に龍は妻と共に移住する。
その頃日本では龍の孫息子でインド人の父を持つ青年が祇園で小鈴とその孫娘に面会し、龍が心に常に刻んだ「道の為来たれ」の石碑を見に行く。青年が龍が死んだと報告したのが嘘だとその場で小鈴は知り、未だ龍の帰らぬことを想う。また小鈴の生んだ冬馬は種子島でロケットの打ち上げに成功する。
同時刻、遠いブータンで真昼に龍夫妻はそのロケットの光をみる。
「星…?まだ空が明るいのに」
「ああ、あれは新しい星。人類が生んだ星や」

ここでわたしは何度読んでも涙がこみあげる。

もうすぐ仁川に着く。













ようやく仁川に着く。
んん?タッチ&ゴーでもするみたいな…おいおい。
地図を見ると日本海ならぬeast seaなのもご愛嬌ということで。

税関も通る。こっちは28度か。涼しいやん。韓国の税関のお兄さんも親切。
あっスマホがこのタイミングで韓国時間に変更してる。
次は仁川から関空。はしっこの乗り場へ向かう。

アンソニー・ホプキンス助演の「アーマゲドン・デイズ」をちら見してから今度は2012年にベン・アフレックが監督・主演の「アルゴ」をみる。1979年のイラン革命時のアメリカ大使館員の脱出話。劇中で「猿の惑星」出てきた。髭のベン・アフレックかっこいいな。

しかし79年のファッションがイライラするのでダメ。
チャンネル替えたら「孤独のグルメ」してまんがな。
やっぱり面白いし美味しそう。ヒレカツいいな。しかし低温揚げとか赤み見えてるの怖すぎる。

ここでランチ出た。やきめし、筍、参度豆、牛肉の大和煮、パイン。
例によってOさんからパインの追加がくる。
食べ終わってまたドラマ見てたらまさかに関空着陸してるやん。
衝撃一つなかった。凄い技術やな。


荷物もさっさと出てきた。
わたしは新阪急ホテル行のに乗る。18:30発。
泉州は雨模様だがキタは夜の闇。19:37発に乗るがなにやら遠雷?
ピカピカするだけでなくなにやらドーンドーン…
あっ花火か!




伊丹の花火だと気づくやわたくし帰宅した途端にチャリで猪名川へ走りましたがな。
タフというよりラフだな。





花火はチラチラ見えたが、何やらおかしいな…

あ、稲光。雷雲やんかー

帰宅してからお風呂入って膚のあまりのピカピカツルツルにびっくり。
人生でここまでピカピカツルツルなんはいつ以来か。
あまりにイスタンブールで汗かきすぎたんやなあ…

これはガラタ塔そばのお土産屋さんで購入したモザイクのコースター


良い旅でした。

長々とお付き合い、ありがとうございました。

イスタンブールへ飛んでゆこう 14

2024-08-11 22:46:03 | 旅行
8/25
イスタンブールを堪能できるのもこの日まで。
本来は昼過ぎまで自由行動ながら、よくどおしい(よくばり+@の大阪弁)ワレワレハガイドのエムラさんにねだってこの日もまたあちこち出かけることになった。

最後のホテルの朝食である。

この日も美味しかったなあ。
ホテルの一番上の部屋、テラスとイケイケでかもめが来て、猫は好き勝手に往来し、あちこちのモスクから祈りの為の鐘の音が聴こえたり、ご近所の様子もよく見えた部屋。
我々の先生は料理担当のここのお母さんに折鶴などを贈った。先生は器用なのだ。
わたしは折鶴など折れない。

ホテル&スパ アンバー。
琥珀のamber

玄関のイスとテーブルでは猫が寛いでいる。







良いホテルでした。



さらばよ。

スーツケース、機内持ち込み手荷物などを車に詰め込んで出発。
アジア側の海
何か不思議なタワーがみえる。PLのあれに似ているような。あー電波塔なんだ。


バスはアヤ・ソフィア、ガラタ橋、ガラタ塔、サバサンドの店の前を通る。
昨日のおしゃれな街もすぎる。
ブルガリアの正教会をみる。スチール。鉄教会というそうな。聖ステファン教会。
文明の十字路だなあ。共存はよいことだ。

ロープウェーに乗りにゆく。




丸いね。









こんな感じなのだよ。


到着。そこからの眺め





ここは山上のピエール・ロティ公園なのですね。
「お菊さん」でしたかな。長崎では「ピエール・ロチ」表記。
カフェでくつろぐ。ここで初めてわたしはトルコ式珈琲を飲む。

コーヒーの飲み残しで占う。

この占いはアラブに広がっている。
神坂智子「T.E.ロレンス」でロレンスが珈琲占いの結果が「裏切り」だと知り、暗い気持ちになるシーンがあった。
T.E.ロレンスはアラビアのロレンス。神坂智子の力作。オックスフォードでの少年時代から「アラビアのロレンス」時代、悲痛な晩年と最期、その後までを描いている。

お店のケーキなど。おいしそうなり~




ピエール・ロティの記念室もあり、ちょっとした資料なども展示されていた。
なんしかここは元々ロティの書斎だったらしい。








百年以前の西洋人からすればアジアはやはり未開であり、不思議の国だったろうなあ。

売店はにぎやか。

ああ、よい眺めだなあ。












再びロープウェーへ。


ところでこの時点で我々の乗る大韓航空機が1時間遅れることが分かった。
ということでまた一時間遊べるな。

1453年パノラマ館へ。表記はPANORAMA1453 TARiH MÜZESi 

一見したところ隈研吾ぽい。2009年に開館したというから新しいな。
なんだというと1453年にメフメト二世の軍勢がコンスタンティノポリスを陥落させたその様子を360度スクリーンで3D鑑賞させるわけだね。
それがあの天井部分。

前庭には往時の大砲がある。

本物かどうかは知らん。





ロビーに現れる猫

昔のトルコ人


なかなか綺麗な設え




肖像画もある。


先生が説明する。

海と言うか港のあるところには戦争があるものだなあ。







ど迫力でしたわ。
パノラマ映像で見せるだけに音響も素晴らしく、揺れまである。凄いわ。


















遠近の映像のすさまじさ。いやこれは凄い迫力。一度は見ておくべきよ。


















トルコの映像文化については完全に無知なんだけど、こんな迫力ある映像が作れる文化があるわけだから、映画もアクションものとか凄いんじゃないかな。いや知らんけど。

出口へのピクトグラム


裏から見た全体






犬も寛いでいた。

トルコで犬を見たのはこれが初めて。
猫ばかりみてたからちょっとびっくり。

面白かったなあ。

しまった忘れてた。
ショップにはトルコのマンガが置かれていたが、絵もストーリー展開も構図も日本的な良さがあった。
実際「デスノート」「ジョジョ」「ワンピース」などが並んでもいた。
ここでわたしはブルーの綺麗な手提げを70tl350円で購入。69tlのはずだがつりは、なかった。

続く。

イスタンブールへ飛んでゆこう 13

2024-08-03 23:44:45 | 旅行
8/24つづき

このガラタ塔では内部に古写真も展示されていて、それを見るのが結構楽しい。




街の様子もいい。






因みにこれがシンボルマーク


降りる時もなかなか面白かったが、5階からだったか階段というかなんというか緊急脱出回路みたいなところから出てゆくのだった。


塔の下の街。




門の装飾がいい。

チューリップ







下界へ降りてすぐに近くのトルコアイスのお店へ。
いいパフォーマンスに笑ったわ。150トルコリラ。案外高いけど、これはパフォーマンス代含んでるよ。
ちょっとしたお土産さんに入り、モザイクのコースターを購入。175トルコリラ。ちょっとした螺鈿風。
こういうのは大昔から大好きで、1988年かな、ならシルクロード博覧会でもインド製の螺鈿コースターを購入した。今はほぼ石も螺鈿も剥離したが可愛い。

商業施設も色々あり、わたしたちしこの籠猫のいるカフェへ。


ガラスに入っているが案外温かい紅茶が二人、トルコ珈琲、それとわたしの分はオレンジティー。大体みんな10トルコリラ。







集合時間になりガラタ橋へ向かう。
海の見える町はよいね。










フィッシュレストランへ。海上レストランなのよ。ここらはレストラン街。
ところで予想外にと言うては失礼ながらここへ来るまでほぼすべてのトルコ人の皆さんがなにかしら働いているのを見たのですが、このレストランへの階段の所で初めて何をしているのかわからない人を見たなあ。



釣りをする人も多い。


レストランに着きました。



看板にはお魚さんと、その周囲に魔除けの目玉「ナザールボンジュ―」が描かれている。
わたし、この目玉のついたゾウさんの魔除けを購入したよ。

メニューでございます。

とはいえコースだったのよ。



サラダとサバスープ。これはレモンを大量に入れよう。

サラダにはこれはビーツなのも入ってたな。


パンにディップ3種あって、豆類・肉類・ナッツ類で、どれもよかったな。


メインはチヌ、つまりヨーロッパ黒鯛の塩焼き。尾頭付きお鯛さん。それにご飯とレモン添え。
日本的な構成ですがな。


海の見える席で薄いスクリーンが下げられてなかなかよいムード



昔の水曜ロードショーOP思い出したわ。昭和ですなあ。
水野晴郎さんの解説ので、ニニ・ロッソのトランペットのあれね。



スイカがデザートに出た。


お店の二階へ


他のお店の様子





立派やなー




おいしかったし、楽しかったなあ。

お店を出てバスへ向かう道すがら路面電車をみた。



最新の2台が行き交う。
かっこいいなあ。


イスタンブール、本当に素敵だなあ…



見上げると月が小さく出ていた。


今夜は女山賊たちの宴会は、なし。

いよいよツアーも終わりが近づいた。