山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

キチジョウソウ (クサスギカズラ科) Reineckea carnea (Andrews) Kunth

2022年11月25日 | その他の絶滅危惧種
 関東以西に分布し、やや湿り気のある日陰の林床に生育する多年草である。この花が咲くと吉事があるとの言い伝えから吉祥草の名がある。群生することが多く、葉は根元から束生し、無柄で葉身は長さ10 ~ 30㎝の線形である。10 ~ 11 月ごろに葉の間から高さ8 ~ 13㎝の花茎を出し、上部に淡紅色の花を穂状に付ける。花被は長さ8 ~ 10㎜でやや肉厚、花被片は中部まで合着し筒状になり、先端は反りかえる。果実は径 6 ~ 9㎜の球形。山梨県では身延町以南に生育しており、寺院や神社で多く見られる。

 2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし


    キチジョウソウ 2022年10月 南部町で撮影


    キチジョウソウの花。紅紫色に花を穂状に付ける。


    キチジョウソウの花


    花被片は6枚で中部から下は筒状になっている。


    群生していることが多い。


    根元から束生する葉の中央部から花穂を出す。


 ⇒その他の山梨県の絶滅危惧の植物

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マツグミ (オオバヤドリギ科)  Taxillus kaempferi (DC.) Danser var. kaempferi

2022年11月19日 | その他の絶滅危惧種
 山地帯のマツ類、モミ、ツガなどの針葉樹に半寄生する常緑小低木である。高さ30 ~ 50㎝。葉は対生し倒披針形で全縁、先は丸い。基部に向かって狭くなる。花は 両性花で、7~8 月に葉腋に赤い筒形の花が1~4個集まって着く。果実は直径5㎜程度の球形で、秋に実を付けて越冬し、翌年の3~5月ごろに橙色~赤色に熟す。山梨県では甲府市、山梨市、昇仙峡などに点々と生育している。

  2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ B 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし


    アカマツの木に寄生したマツグミ 2022年8月 甲府市で撮影


    富士山とマツグミの花


    真っ赤な花を咲かせるマツグミ


    たくさんの花を付けたマツグミ。枝先には花は付かず中間部から付く。


    マツグミの花。葉腋から数個の花を固まって出す。


    花の拡大。花被は4裂して先端部が反り返る。


    2022年11月に撮影したマツグミの実


    秋の実はまだ青い。


    2022年3月に撮影したマツグミの実。


    越冬して春になると黄色~橙色に色付く。

 ⇒その他の山梨県の絶滅危惧の植物

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シロヤシオ (ツツジ科 ) Rhododendron quinquefolium Bisset et S.Moore

2022年11月19日 | 絶滅危惧種
 岩手県以南の太平洋側、四国に分布し、山地の林内や岩場に生育する落葉小高木である。樹高は 3 ~ 6mになる。葉は互生し有柄だが枝先に輪生状に 5 枚つき、葉身は長さ2 ~ 5㎝のひし形から卵状ひし形、表面の主脈上に短毛を生じる。葉の辺縁は紅色を帯び、細かい毛が密生する。花は径 3 ~ 4㎝、広漏斗形で 5中裂し、花冠は白色、上側裂片には緑色の斑点が入る。雄しべは 10 本、花糸の下半分は白色の短毛を生じる。花期は 4 ~ 5 月。山梨県では身延町、南部町、奥秩父山系、丹沢・道志山系などに生育しており、そこそこに個体数はある。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    シロヤシオ 2022年6月 奥秩父山系で撮影


    シロヤシオツツジの花。白色で5中裂し、上側唇弁には緑色の斑点が入る。


    木は上部で枝分かれし、傘を広げたような樹形になる。


    高さは3~6mくらいになる。


    シロヤシオの木と花。この年は花付きがあまり良く無く、訪問時期もやや遅かった。


    葉は辺縁が赤紫色を帯び、辺縁に毛を密生する。
    
 ⇒山梨県の絶滅危惧のツツジ科植物一覧

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山梨学院大キャンパス散策  令和4年11月16日

2022年11月19日 | 番外編
 春にも一度お邪魔している山梨学院大学に再びお邪魔させていただいた。とても綺麗なキャンパスでいろいろな樹木が植えられていて樹木園を散策しているような気分が楽しめる。お昼休みと片付けが終わった後の夕方にカメラを出して撮影してきた。


    本日は山梨学院大学にお邪魔した。ボランティアの学生さんたちが大活躍してくれた。


    キャンパスの中にある噴水広場。後ろの建物はステージになっている。


    オブジェが立つ。


    この木はクスノキ


    黒紫色の実はほとんど落ちてしまっている。


    こちらはアズキナシ。少し紅葉している。


    アズキナシの赤い実。ナシの名が付いているだけに小さな実は固い。


    イロハモミジでは無くてこれはオオモミジ。


    違いがいまひとつ分からない。


    モチノキ


    赤い実が成るのだと思うが見当たらない。


    イギリスとの交友の印で植えられているオークの木。


    葉はコナラやカシワに似ているが切れ込みが深い。


    夕暮れの噴水。直前まで水が出ていたのだが、電池切れで交換している間に止まってしまった。


    空に木星が輝き出した。


    オブジェの上に輝く木星


    オブジェと木星


    ケヤキの木


    アズキナシの木の上に輝く木星

 キャンパス内で三脚とカメラを構えている私はさぞかし不審者のように見えたことだろう。他にも面白い木がたくさん植えられているのだが、本日はこれまで。

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晩秋の美し森とその近傍を散策  令和4年11月15日

2022年11月18日 | 番外編
 先週に続いて今週も北杜市に出張があった。予定では11時半ごろに仕事が終わるはずだったがちょっとしたトラブルがあって12時半ごろまでかかってしまった。昼食はあらかじめ準備してあったので車内で軽く食事を済ませて美し森に立ち寄ってみる。もう花は終わっていて木々の葉もほとんど散っており、あまり見るべきものは無いが、確認しておきたいものがいくつかあった。


    美し森駐車場。後ろにある美し森はもう紅葉の季節を過ぎて晩秋の気配である。


    メインルートの木道は改修工事中で迂回路を使って登る。


    木道の階段


    ヤエガワカンバの木が何本も生えている。


    幹の皮が著しく剥げ落ちている。


    工事中の木道と新たに作成中の展望台


    エゾノコリンゴの木


    確認したかったのがこのエゾノコリンゴの実。


    少しだけ残っていたエゾノコリンゴの実だが、だいぶ痛んでいてリンゴなのか梨なのかは良く分からない。


    少しだけ雪を被っている八ケ岳


    これは枯れたセンブリではないかと思う。


    ツルウメモドキの実


    もうひとつ確認しておきたかったのがこの実。サワフタギか、タンナサワフタギか、実の色を見れば分かるだろうと思ったのだが、既に枯れていた。

 残念ながら訪問時期が遅すぎて実は確認不十分になってしまった。

 朝の出張の途中で目に付いたヤドリギの仲間を確認に行ってみる。


    シラカンバの木に寄生したヤドリギの仲間


    葉は全て落葉しており黄色い実がたくさん成っている。これはホザキヤドリギであろう。北杜市には結構生育しているようである。


    八ヶ岳夢大橋


    北側の紅葉はもう終盤である。


    南側の紅葉はまだ残っていた。


    見えそうで見えない富士山


    しばらく待っていると姿を現してくれた。


    夕映えの紅葉

 目ぼしい花はもう終わってしまっているが、新たに発見したホザキヤドリギや晩秋の紅葉など、短時間ではあるがそれなりに楽しむことが出来た。

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カラコギカエデ (ムクロジ科) Acer ginnala Maxim. var. aidzuense (Franch.) Pax

2022年11月17日 | 山梨百名山
 山地帯の樹林下または林縁を好んで生育する落葉小高木である。沢の周辺や湿地に多く生育。葉は対生し卵状楕円形ないしは三角状卵形で、不規則に欠刻し重鋸歯がある。花は雌雄同株で、ひとつの花序に雄花と両性花が混生する。翼果の角度は狭い。樹皮は灰褐色で、縦に不規則に裂け、鱗片状にはがれる。葉は秋季に紅葉する。花期は 5 月。 山梨県では八ケ岳山麓の東部に多い。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    カラコギカエデ 2022年7月 広河原で撮影


    高さ5~8mの小高木。


    翼果をたくさん付けているカラコギカエデ


    葉は卵状楕円形ないし三角状卵形で、重鋸歯がある。翼果の角度は狭い。


    樹皮は灰褐色で縦に不規則に裂ける。

 ⇒山梨県絶滅危惧の樹木類一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物


    
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カゴノキ (クスノキ科) Litsea coreana H.Lév.

2022年11月17日 | 樹木類
 関東、福井県以西の暖地に分布し、林内に生育する常緑高木である。雌雄異株。幹の周皮は鹿子の肌模様のようにはげ落ちることからカゴノキ(鹿子の木)の名前がある。葉は互生し有柄、葉身は長さ5~9㎝の倒披針形で、全縁で鈍頭、薄い革質である。花は葉腋に散形状につき黄色、雄花序はやや大きく、雌花序は小さい。果実は長さ7 ~ 8㎜の倒卵状球形で翌年の秋に紅熟する。花期は 9 月。山梨県内では南部町以南に分布し、個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    カゴノキの大木 2022年1月 南部町で撮影


    幹は鹿子の肌の模様を呈する。


    枝と葉。葉は互生し、倒披針形で全縁。


    南部町の神社に生育するカゴノキ。2022年10月撮影。


    カゴノキの幹


    花が終わった頃のカゴノキ


    花が終えた頃の雌花。葉腋から散形状に花を付ける。

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ヒトツバハギ (ミカンソウ科) Flueggea suffruticosa (Pall.) Baill.

2022年11月16日 | 樹木類
 北海道を除く各地に分布し、草原や原野、土手などに生育する落葉低木である。枝はよく分岐し、高さ 2 ~ 3mになる。葉は互生し有柄、葉身は長さ4 ~ 7㎝の長楕円形で縁は全縁、両面とも無毛である。花は雌雄別株。花には花弁がなく、萼片は 5 個ある。雄花は葉腋に多数束生し、雌花は 1 ~ 5 個つく。果実は径 4 ~ 5㎜の扁球形。花期は 6 ~ 8 月。

 2018年山梨県カテゴリー絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    用水路の土手に生えていたヒトツバハギ 2022年7月 山梨市で撮影


    ヒトツバハギの若い実


    結実したばかりの実


    拡大


    葉は全縁で無毛


    枝は淡緑色、ときに紫褐色を帯びる。太い幹は灰褐色で樹皮に縦の割れ目が入る。

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シキミ (マツブサ科) Illicium anisatum L. var. anisatum

2022年11月15日 | 樹木類
  2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし

 宮城県以西の暖地に分布し、林内に生育する樹高 2 ~ 5mほどの常緑小高木である。葉は互生し有柄、葉身は長さ4 ~ 12㎝の倒卵状長楕円形から倒針形で先端部は鋭頭、肉厚で革質、光沢があり、透かすと油点が見える。花は葉腋より出し、花被片は 10 ~ 20 枚で黄白色、光沢がある。果実は径 2 ~ 3㎝で扁平な八角形、種子は黄褐色で光沢がある。花期は 3 ~ 4 月。山梨県では県南部にのみ分布し、寺院や神社・墓地などに多く生育している。


    シキミ 2022年4月 身延山で撮影


    黄白色のシキミの花


    花被片は10~20枚あり、清楚感のある花。


    木はあまり大きくはならない。


    葉は互生し、光沢のある倒卵状長楕円形で先端部は尖る。

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ヨコグラノキ (クロウメモドキ科) Berchemiella berchemiifolia (Makino) Nakai

2022年11月14日 | 樹木類
 沢沿いの岩場や傾斜地に稀に生育する落葉小高木で高さ10mほどになる。葉は互生し有柄、葉身は長さ6 ~ 13㎝の披針状長楕円形で全縁、先は鋭く尖る。裏面は粉白色を帯びる。花は小さく緑黄色で5 ~ 6 月ごろに枝の上部に集散状につく。果実は長さ7 ~ 8㎜の楕円形で8 月上旬に紅熟する。樹皮は灰黒色で縦ないし斜めの深い溝が不規則に走る。山梨県での生育地は数ヶ所のみで個体数は少ない。身延町の山奥に天然記念物に指定されている群生地があったが、台風の影響で大部分が倒れてしまっている。

 2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ B 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ヨコグラノキ 2022年6月 身延町で撮影。高さ10数メートルになる。


    樹皮は灰黒色で縦ないし斜めの深い溝が不規則に走る。


    ヨコグラノキの葉。披針状長楕円形で先端部は尖る。


    枝先と枝先近くの葉腋から集散花序をだし黄色い小さな花を咲かせる。


    ヨコグラノキの花


    黄色い小さな花


    ヨコグラノキの実。2021年8月 南部町で撮影


    小さな赤い実を付ける。

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ツルガシワ (キョウチクトウ科) Vincetoxicum macrophyllum Siebold et Zucc. var. nikoense Maxim.

2022年11月13日 | その他の絶滅危惧種
 山地の林床に生育する多年草である。草丈は 50 ~ 100㎝で先端部分は蔓状、無毛または僅かに毛を生じる。葉は対生し有柄で、下部に付く葉は大きく葉身は長さ12 ~ 25㎝で卵形から広楕円形で鋭頭、先端に行くほど葉は細く小さくなる。ツル性の植物であるが通常はからみ付かない。花は葉腋につき、花冠は径 6 ~ 8㎜で5裂し、暗紫色の花を固まって付ける。果実は線状ひ針形で双生する。花期は 7 ~ 8 月。山梨県での生育地は限られており個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ B 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ツルガシワ 2022年8月 丹沢・道志山系の山で撮影


    ツルガシワの葉。基部の葉は大きく、先端部は尖る。


    葉腋に小さな暗紫色の花を固まって付ける。


    ツルガシワの花


    ツルガシワの花


    風通しの良い林縁を好んで生育しているようである。


    先端部の葉は小さくなるか、あるいは無い。

 ⇒山梨県絶滅危惧のキョウチクトウ科植物一覧

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 ⇒2018年版山梨県レッドリストの植物 ~絶滅危惧ⅠB類(EN)~

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赤くならないマツグミの実 甲府市八王子山  令和4年11月11日

2022年11月13日 | 山に咲く花
 グミと名が付くのでマツグミの実はてっきり赤く熟すものだと思っていた。10月中旬ごろに通りがかった昇仙峡で見たマツグミの実はまだ緑色をしていた。紅葉真っ盛りとなったこの時期ならばきっと赤く熟しているのではないかと千代田湖から八王子山に行ってみる。しかしその実は・・・赤く無い。


    午後3時を過ぎるともう陽の位置は低く、木々の長い影が伸びる。


    アカマツの木に寄生しているマツグミ


    夕日を浴びるマツグミ


    あちらこちらにたくさんあり、周辺の木々が落葉しかけたこの季節は常緑の葉が目立つ。


    大株のマツグミ


    甲府の街を見下ろすマツグミ


    しかし、どの木を見ても赤い実は付いていない。


    至近距離のマツグミ


    実は緑色をしている。


    これで熟した状態なのだろうか?

 自宅に帰ってからネットで調べてみるとマツグミの熟した実はせいぜい黄色くなる程度で真っ赤にはならないようである。さらに図鑑で調べてみると実が熟して赤くなるのは冬を越して3~5月ごろのようである。おそらくこの実はまだ熟しておらず、このまま越冬するのであろう。来年また観察に来てみたいと思う。


    八王子山山頂からの夕暮れ富士


    南アルプスの夕暮れ


    空が赤く染まるのを期待したがあまり染まらなかった。


    夕暮れの甲府盆地と富士山。もう少し待ちたかったがヘッドライトを忘れたので撤退。


    道路脇の展望台から見る甲府盆地の夜景と富士山


    空には木星が輝き出した。

 湯村山から八王子山・白山界隈の紅葉はあと2週間くらいは楽しめそうである。

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干上がっている溜池のヒシの実 北杜市  令和4年11月8日

2022年11月12日 | 水辺に咲く花
 出張に行く途中で溜池の水が抜かれて池が干上がっているのが見えた。この溜池は9月にヒシの花がたくさん咲いているのを見た場所である。ひょっとしたら種が確認出来るのではないだろうか?種の形を見ないとヒシなのかコオニビシなのかそれともヒメビシなのかは確定できない。月食の撮影予定地に移動する前に池に立ち寄ってみる。


    干上がっている溜池。冬季は水を抜くようである。


    池の向こうには富士山が見える。


    カンガレイは枯れている。


    冬に枯れるから寒枯れいと言うらしい。


    干上がった池には動物の足跡がたくさん。長靴を履いて踏み込んでみる。


    干上がったヒシの群生


    枯れたヒシ


    種が付いている。


    数個採取して調べてみる。棘は左右に1対と上に1個。これはヒシで間違い無さそうである。


    イトイバラモと思わしき藻が生えていた場所。


    すっかり枯れている。これは本当にイトイバラモなのかどうか?来年調べ直してみたいと思う。

 種を観察してこの溜池に生育しているのはヒシであるとほぼ確定できた。葉が小さ目で切れ込みが深かったのでコオニビシではないかと期待していたのだがヒシのようである。水が溜まっていると採取できないだけに、今回は良いタイミングで訪問出来たと思う。

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ホザキヤドリギの黄色い実 北杜市三分一湧水  令和4年11月9日

2022年11月12日 | 里に咲く花
 本日の夜は皆既月食が見られる日である。その前に、午前中は北杜市に出張があったので気になっていた三分一湧水のホザキヤドリギを見に行ってみた。


    紅葉の三分一湧水


    花が咲いているかのように黄色い実をたくさん付けているホザキヤドリギ


    お見事。


    まだ少し葉が残っている。


    たくさん黄色い実を付けたホザキヤドリギ


    ぶどうの房のようである。


    ちょっとばかり感動したホザキヤドリギの実。
    

    紅葉と北岳


    甲斐駒ケ岳

 これほどたくさんの実を付けているホザキヤドリギを見るのは初めてである。良いタイミングで訪問出来たと思う。今年は花の咲いているところを見られなかったので来年こそは花を見てみたい。

 月食の撮影地に移動するまでもう少し時間がとれそうなので、もう1ヶ所立ち寄ってみる。

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皆既月食の赤い月昇る 猪之頭林道  令和4年11月9日

2022年11月10日 | 月富士
 楽しみにしていた皆既月食の日がやって来た。天気予報も晴れの予報でバッチリと月が見られそうである。何ヶ所か撮影場所をシュミレーションしていたが、富士山との距離を離して空高く月が昇るイメージで赤い月を眺めようと、身延町大城川林道の途中にある展望地に行くことにした。ゲートは静岡側の林道が崩落して通行不能なため1年中閉鎖されており、1時間弱歩かなければならない。おそらく誰も居らずに一人静かに赤い月が眺められるはずである。午後3時半にゲートを出発すれば間に合うはずと思い、ゲートの向かうと、ゲートまで1kmほどの場所で林道法面の崩落があったようで工事車両が止まっていて通過できない。手前には車を止められる良い場所が無く、ゲートまで2kmくらい歩かないと行けない。残念ながらそこまでの根性は無く、撤退して別の候補地、猪之頭林道に移動する。

 この時点で既に心が折れてしまっていて気合が入らない。なんとか5時に猪之頭林道の展望地に到着すると、もう富士山の裾野から月が昇り始めていた。まず1台目のカメラをセットして撮影し、その次に簡易赤道儀をセットする。しかしこの場所は北極星が見えず極軸がしっかりと合わせられず、アストロレーサーを使っておおまかに極軸を合わせるが、この軸合わせが全く合っておらず、最後まで苦労することとなってしまった。さらにレンズが結露しているのに気付かずにインターバルタイマーで撮影した1台はほとんど画像が使えないものになってしまう。


    富士山の裾野から月が昇り始めた。右上には木星が輝いている。


    月が欠け始めた頃の画像。インターバルタイマーでオート撮影していた1台だが、レンズの結露に気付かずほとんど画像は使えなかった。


    皆既した頃の月。結露を拭き取るがまたすぐに結露してしまい、思うように撮影が出来ない。


    肉眼で見ると赤黒い月に見えた。


    なんとか富士山の上に昇る赤い月の撮影は出来た。


    もう1台のカメラはレンズの結露はしなかったのだが、何故か赤い月にならない。


    レンズによるのか、カメラのセンサーによるのか、ずいぶんと違うものである。


    同じレンズを別のカメラに付けて撮影。こちらは赤い月になるので、どうやらセンサーの違いらしい。


    簡易赤道儀に乗せて追尾した月。皆既直前の赤くなった月。


    皆既した赤い月。赤道儀の極軸が合わず、少し流れてしまっていて画像がいまいち。


    皆既を終えた月。


    この日はターコイズフリンジ現象の青いバンドは写らなかった。


    皆既月食の赤い月の行程を合成。


    皆既が終わり輝き出した月。富士山には雲が巻き始めた。


    富士山の上にオリオン座が昇り始めたが、雲に隠れそうである。ここまでで撤退する。

 トラブルが相次ぎ、最後までスッキリと撮影が出来なかった今回の赤い月だった。予定地に行けずに心が折れてしまったのが写真に現れてしまったように思う。一応撮ったには撮ったが、不消化な皆既月食となってしまったのはちょっと残念、かつ反省しなければならない。

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