山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

花探索あちらこちら 令和6年4月13日

2024年04月18日 | 甲斐百山
 武田健康の杜の植物観察会は午前中で終わった。午後は気になっている花を何ヶ所か、あまり歩かないで済む場所に見に行ってみる。

 まずは何度か見に行っているイヌノフグリを懲りずに見に行ってみる。たぶん結実した実が見られるはずである。
    イヌノフグリ まだ花が咲き残っている。

    大部分は花が終わっている。

    見たかったのは結実したこの実。毛が生えていてまさに犬の〇〇タマ。

 次にまだ花は咲いていないであろうが、カヤランの様子を見に行ってみる。
    カヤランが着生している渓谷沿いの木

    今年も大株が着生している。

    丸い蕾がたくさん付いている。開花まであと2週間くらいだろうか、今年も期待できそうである。

 次に沢沿いに咲くハナネコノメとコガネネコノメを覗いてみる。

    沢に咲くハナネコノメソウ

    そろそろ終盤のはずだが、まだ葯が残っている。

    コガネネコノメソウはちょうど満開

    ヤマエンゴサクは咲き出したばかりである。

    苞には切れ込みがあるが、3裂ではなく細かく切れ込んでいる。

 さらに個体数が少なくて咲いてくれるかどうか毎年気になっている黄色いアマナを見に行ってみる。

    今年も咲いてくれたキバナノアマナ

    個体数は昨年とほぼ同じ。咲いているのは5~6株くらいである。

    華奢なキバナノアマナの花

    茎が弱く、花が咲くと自力で立っていられない。

    虫が吸蜜にやって来ていた。

 山梨県に生育しているエンゴサクの仲間はヤマエンゴサクとジロボウエンゴサクの2種類ではないかと思っていたのだが、キンキエンゴサクというのもあるらしい。苞の切れ込みが多いものをキンキエンゴサクとしているようだが、そういう目でエンゴサクを見てみると山梨県はほとんどキンキエンゴサクになってしまうのではないだろうか。では本物のヤマエンゴサクはどこにあるのだろうか?そもそも分ける必要があるのかどうかも疑問である。

 天気が良く花たちも春の日差しを満喫しているようだった。効率良く花探索が出来たのではないかと思う。


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大株のイヌノフグリを発見 甲府市 令和6年4月5日

2024年04月07日 | 甲斐百山
 曇りの予報だったが想定していたよりも天気が悪い。カイコバイモに会いに行くか、それとも近場の山を散策するか迷ったが、まだ咲いたところを見たことが無い花を探して近場の山を散策しようと入り口まで車で移動する。しかし、今にも雨が降り出しそうな空を見て入山するのを止めて、イヌノフグリが生育している甲府市内の石垣のところを見に行くことにする。2年ほど前から株数が減少して昨年は1株しか確認出来ていない。今年はどうだろうか?

    桜の花も凍えそうなひんやりした空気と曇り空である。

    お寺のしだれ桜はもうすぐ満開である。

    石垣の隙間から生えていたスズメノエンドウ

    小さな地味な花

    こちらはカラスノエンドウ

    花が派手で大きい。スズメもカラスも普通に見かける花である。

    ホトケノザ

    普通に生えている雑草だがそれなりに可愛らしい顔をしている。

    ヒメウズが生えていた。

    ヒメウズの花。それほど珍しいものでは無いが出会えると嬉しい。

    目的地の石垣に到着。念入りに探してみる。

    石垣の隙間にキランソウが咲いていた。

    キランソウの花。それなりに綺麗である。

    探していたイヌノフグリは今年も1株だけ。しかも小さい。

    花はもう散っていた。

    周辺を散策してみる。これはイヌノフグリに似ているが別の花。

    こっちは本物のようである。

    天気が悪くて花が開いていないが、この小さなピンク色の花弁はイヌノフグリで間違いないであろう。

    石垣の隙間から数株顔を出していた。

    こちらもそれなりに大株である。花はほとんど終わっていた。

    さらにこんな巨大な株にも出会えた。おそらく山梨県最大の株ではないだろうか。

    これは桃の花か?想定外の良い花散策が出来た。

 ほとんど期待していなかったイヌノフグリであるが、歩いてみないと分からないものである。昨年も一昨年も同じ場所を歩いてイヌノフグリを探したはずであるが気がつかなかったようである。今まで出会ったことが無いような大株のイヌノフグリに出会えて想定外の良い花散策が出来た。


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見えなかったポン・ブルックス彗星 中央市農村公園 令和6年3月22日

2024年03月24日 | 甲斐百山
 今年話題の彗星のひとつ、ポン・ブルックス彗星が5等級近くまで明るくなっているらしく、うまくすれば彗星の尾も写るかもしれない。鳳凰山の上を舞うこの彗星を撮影するために夕方7時ごろ中央市農村公園を訪れてみる。
 到着した頃には車は4~5台しか止まっていなかったのだが、だんだん車が多くなってきたと思ったら、グランドのナイターの明かりが点灯した。どうやらサッカー少年たちの練習が行われるようである。眩し過ぎるナイターの明かりが邪魔になる中での撮影となるが、その前に日没とともに雲が厚くなってきたようで星の輝きがほとんど見えない。

    中央市農村公園から見る南アルプス。この時間にはまだナイターの明かりは灯っていなかった。

    薄雲がかかってしまっている。これで彗星が写るだろうか?

    鳳凰山の上に星が輝いている。なんとかなるかどうか??

    もうそろそろポン・ブルックス彗星が見えてくる時間だが・・・

    雲の厚みが増したようで何も写らない。

    もう1台のカメラも同様で星は全く見えない。

    観音岳の上あたりに舞い降りてくるはずだったが空模様がいまいちだった。

    北岳も霞んでしまっている。

    ナイターの明かりが木々を照らしている。空には雲が広がって明るい木星も見えなくなってしまった。

 日中は快晴の空が広がっていたがさすがに夜までは持たなかったようである。雲に阻まれてポン・ブルックス彗星の撮影は失敗に終わってしまった。2週間後にはこの場所から北岳の上を舞うこの彗星の撮影が可能となるのだが、ナイターの明かりが邪魔になりそうで、他の撮影場所を検討してみたいと思っている。

    本日午後8時10分ごろのポン・ブルックス彗星の位置
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たまには山に登らねば 甲斐百山新倉山  令和6年3月19日

2024年03月22日 | 甲斐百山
 忍野に出張があり、予定通りお昼頃に仕事が終わった。早朝からの移動で寝不足となり、昼食をとると睡魔に襲われてしまい車の中で寝込んでしまう。たぶん30分ぐらい寝た頃だと思うが、コンビニの見回り員なのか、寝ている私に声をかけてきて早く車を移動しろという。2,000円くらい買い物したのだから30分くらい駐車したってかまわないと思うのだが、せっかく気持ち良く寝ていたのに運転していてちょっと腹が立って来た。
 新倉山の登山口になる新倉山公園の駐車場に行くと、まだ桜は咲いていないというのに駐車場はほぼ満車に近いくらいの混雑である。おそらく忠霊塔の展望台は人だかりになっているだろう。忠霊塔には立ち寄らずにそのまま登山道に入り、山頂を目指すことにする。

    富士浅間神社。人が少なくなったところでシャッターを切る。

    階段は人がいっぱいだが、車道を歩いている人もたくさん居た。

    富士山は雲がかかってご機嫌斜めである。

    桜はまだ固い蕾である。

    忠霊塔の展望台に立ち寄らずに上に登ると展望台があった。

    展望台から見る富士山。ここの景色もなかなか良い。

    鉄塔の立つあたりからアカマツの樹林帯になる。目指す新倉山山頂は向こうに見える山のさらに先であろう。

    道は良く整備されていて傾斜もあまりきつくない。

    亀石

    ゴンゴン石

    ここを過ぎるとその先は傾斜が緩くなる。

    ほどなく新倉山山頂に到着。何も無くて眺望も無い単調な山頂。

    その先の御殿に行ってみる。

    熊避けの鉄管がぶら下がっている山頂

    杓子山方面の眺望

    展望台がある。

    展望台からは富士山の眺望が抜群である。

    下山しながら立ち寄った忠霊塔と富士山。夕暮れが迫りだいぶ人が少なくなっていた。

 新倉山は登山とまでは言えないかも知れないハイキングコースの山だった。眺望は無いだろうと思っていたのだが、山頂の先にある御殿からは抜群の富士山が見えることを登って初めて知った。それなりに楽しめたと思う。

 セリバオウレンが咲く場所に立ち寄ってきた。

    セリバオウレンがちょうど見ごろを迎えていた。

    今年はそれなりに咲いていたがそれでも決して数が多いとは言えない。

    木の間に咲いていたセリバオウレン

    保護柵に囲われた別の場所のセリバオウレン

    ここにはたくさん群生していた。

    両性花が多く、その中に雄花が混じっている。

    左が両性花、右が雄花。雌花は見当たらなかった。

 ちょうど満開のセリバオウレンに出会うことが出来てラッキーだった。


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オオバボダイジュ (アオイ科 )Tilia maximowicziana Shiras.

2024年01月14日 | 甲斐百山
 山地帯の落葉広葉樹林中に生育する落葉高木である。普通は高さ6 ~ 8mだが、大きいものでは25mになる。本年枝には淡黄褐色の柔らかい星状毛が密生する。葉は互生し、長さ7 ~ 13㎝、幅 6 ~ 11㎝の心円形、先は 尾状に尖り基部は歪んだハート形で、縁は鋭い鋸歯がある。冬芽の芽鱗や枝にも星状毛がある。葉の裏面は星状毛が密生、脈腋には毛叢がある。樹皮は縦方向に浅い溝が入り、老木では浅くひび割れる。 6 ~ 7 月、6 ~ 10㎝の集散花序を出し、淡黄色の花をつける。花序の柄に狭長楕円形の総苞葉がつく。嵯峨塩にせいいくしているものは山梨県自然記念物に指定されている。山梨県が南限となる分布限界種である。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT)  2005年山梨県カテゴリー: 準絶滅危惧(NT)   2017:環境省カテゴリー:なし

    黄葉したオオバボダイジュ  2023年10月 御坂山系で撮影

    黄葉した葉

    こちらは黄葉し始めた葉

    黄葉し始めたオオバボダイジュの葉

    実を付けたオオバボダイジュ

    オオバボダイジュの実

    幹は縦方向に浅く溝が入る。シナノキのようにひび割れない。

    葉は基部が歪んだハート形をしている。

    脈腋には毛叢がある。

    葉裏には星状毛が密生する。シナノキやボダイジュの葉裏には毛が無い。






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南部町シダ探索あちらこちら  令和6年1月3日

2024年01月09日 | 甲斐百山
 富士川町で素晴らしい朝焼けとダイヤモンド富士を堪能した後に南部町まで足を延ばす。いつも訪問している場所とは別のところで珍しいシダが見つかったらしい。まずは良く行っている場所を訪問してみる。

    まずは行き慣れている渓谷を訪問してみる。

    橋の上から見る景色。木の枝が伸びて少し視野が悪くなった。

    岩にアオネカズラが着生している。川の流れと一緒に撮影出来るこの景色が気に入っている。

    木に着生したアオネカズラ

    冬緑性のこのシダは冬の季節にたくさんのソーラスを付けている。

    たくさん着生しているアオネカズラ

    サジランも着生している。

    こちらの木にはもっとたくさんアオネカズラが着生していた。

    今度はカタヒバがたくさん着生した木

    山盛りのカタヒバ。サジランも着生している。

    本日いちばんの目的がこの大型のタキミシダ

    編状のソーラスが付いている。

    このあたりでは一番大きなタキミシダだが、いつか脱落してしまうのではないかと心配している。

    この岩の下のほうにも数株小さなタキミシダが付いていたのだが見当たらない。苔と一緒に脱落したようである。

    良く探してみると別のところに小さな株が残っていた。ちょっと安心。

    これはイワトラノオ。根元から放射状に生える。

    真ん中が脱落してしまっているがこちらは別のシダ。

    放射状では無く折り重なるようにたくさん生える。

    葉を良く見てみると細かい毛が生えている。これはカラクサシダである。

 さて、今度は情報をいただいた場所に移動してみる。石垣の間に生えている珍しいシダが見つかったというのだが本物だろうか?

    大型のシダ、コモチシダ。

    こちらも比較的大型のシダ、オニヒカゲワラビ。

    線形のソーラスが付く。

    さて、これが問題のシダである。

    林道脇の石垣の間に生えているのがとても奇妙である。

    だが、この少し葉にシワが寄ったような感じ、タキミシダで間違い無さそうである。

    ソーラスを確認する。小型なので網目は作っていないがタキミシダで間違い無さそうである。

    数株生育しているのを発見した。

    似ているがこれにはシワが無い。幼弱なサジランと思われる。

 驚きの林道脇に生えていたタキミシダである。通常は渓谷脇の苔の多い岩壁に着生しているので、こんなところには生育しないであろうという先入観を持っていた。だから私には発見出来ないのであろう。情報を提供してくれた花仲間に感謝したい。おそらく、本体が渓谷の中に生育しているのではないかと思われる。機会を見て、探索してみたいと思う。


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星の輝く年越し 富士川町林道  令和5年12月31日ー令和6年1月1日

2024年01月05日 | 甲斐百山
 元旦の朝は天気が良さそうで、初日の出が拝めそうである。激混みの高下や竜ヶ岳は行く元気が無く、撮り慣れている富士川町林道で初日の出のダイヤモンド富士でも拝もうかと思う。しかし問題があって、私の住む積翠寺からだと初詣の交通規制があって武田神社界隈の道路は大晦日の夜9時から道路が通行止めになる箇所があり、通り抜けるのに一苦労となる。朝のダイヤを見ようとしてもそう簡単には武田神社を抜けられないのである。そこで、交通規制の始まる前に出発して林道脇で車中泊することにした。昼間は雲が多くて富士山はいまひとつ見えていなかったが、天気予報では夕方から晴れてくるはずである。夜9時ごろに富士川町林道に到着すると、先客は誰も居らず写真撮影にいちばん良い場所の脇に車を止められた。空にはオリオン座と冬の大三角形が輝き、雲が巻いているが富士山も見えてきている。さっそくカメラを出してインターバル撮影する。

    山頂部に少し雲を纏っているがスッキリした富士山が姿を現していた。空にはオリオン座と冬の大三角形が輝く。

    少し雲が増えてきた。カメラをセットしてインターバル撮影したまま、車の中で寝るが・・・

    どんどん雲が増えて星も富士山も隠れてしまっていた。

 深夜12時半、私の車の前にもう1台車がやって来て目が覚めた。フロントガラスを見ると水滴が付いていた。外に出てみると小雨が降っている。カメラを一旦撤収してまた寝る。目覚まし時計を3時20分にかけたが、アラームが鳴る前の3時に目が覚めた。3時半ごろに富士山の裾野から金星が昇って来るはずである。雨は上がっていて富士山が見え、星も輝いている。今度はカメラ2台をセットしてインターバル撮影する。

    未明3時ごろの富士山。半月くらいの月が照らしていて空が明るく見える。もうすぐ金星が昇って来るはずである。

    雲を抜けて金星が姿を現した。


    もう1台のカメラはもう少し広角でセットする。

    富士山を越えて昇って行く金星

    富士山を越えて昇る金星  インターバル撮影した380枚を比較明合成。

 久しぶり、かつ車を変えてから初めての車中泊であるが、それなりに眠れたと思う。3時間ずつ、計6時間近く寝たのではないだろうか。しかし、たぶんダイヤの撮影を終えて朝ご飯を食べた頃には睡魔が襲ってくるのであろう。

    空が明るんで金星以外の星は輝きが消えた。

 さて、これからが本番のダイヤモンド富士である。レンズや装備をダイヤモンド富士撮影仕様に変えてその時を待つ。狙うのは白山岳から昇るダイヤモンド富士である。


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2024年 新年おめでとうございます

2024年01月02日 | 甲斐百山
新年あけましておめでとうございます

    富士川町林道から新春のダイヤモンド富士

 いつもブログをご愛読いただきありがとうございます。

 よりパワーアップして今年も新しいものをお届けしたい、とは思っていますが、気ばかりで体力も気力も衰えてきたことは否めません。無理せずに出来る範囲で風景も月と星も、そして植物も撮り歩いて行きたいと思っています。

 ことしもよろしくお願いします。


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雲に阻まれたオベリスクの細月  令和5年10月17日

2023年10月19日 | 甲斐百山
 空は晴れていたが鳳凰山には少し雲がかかってしまっている。本日の夕暮れは西の空に月齢2の細月が沈んで行く。鳳凰山オベリスクにこの細月が沈んで行くところを捉えるため、北杜市明野に出かけてみる。GPSに登録してある場所に着いてみると、高架線の電線が邪魔で撮影には不向きである。農道の中の良さそうな場所を探してカメラを構えるが、2台のカメラをセットし終えた頃にはもう細月が鳳凰山の上に輝き出していた。

    鳳凰山の上に輝き出した月齢2の細月

    鳳凰山に月が迫る。だが、肝心の鳳凰山オベリスクの裏に雲がかかってしまっている。

    肝心のオベリスクと月が接触するシーンは雲がかかって捉えられず。

 もう1台の超望遠レンズをセットしたカメラはシャッターのブレを防ぐため三脚2台で固定し、シャッターはブレの少ない電子シャッターを使って撮影する。



 雲に阻まらなければ超望遠レンズで捉えた大きな月と接触するオベリスクが撮影出来たであろうが残念ながら肝心な時に月は雲隠れして見えなかった。しかし、雲の上に半分だけ姿を見せている細月もそれなりに良い作品になっているのではないかと思っている。また挑戦してみたい。


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マイサギソウ(舞鷺草)

2023年10月09日 | 甲斐百山
学名:Platanthera mandarinorum Reichb.f. subsp. mandarinorum var. neglecta 

 日当たりのよい明るく湿った草地を好んで生育する多年草である。草丈は20 - 50 cmになる。最下部の葉は広線形、茎葉は線状長楕円形。花は白緑色で8 - 15個つける。 背萼片は広卵形 - 円形で、側花弁と背萼片が同じ高さになる。唇弁は舌状で下垂する。距は上方に捻れて伸び、その姿が鷺に似ることからこの名がある。 花期は6 - 7月。山梨県では富士北麓の草原で発見されたがきわめて個体数が少なく、まだ十分な調査が行われていない。

    草むらに隠れるように生えていたマイサギソウ  2023年7月 富士北麓で撮影

    既に花が傷んでいた。周辺を探したがこの1株しか見当たらず、個体数はきわめて少ない。

    マイサギソウの花。距が上向きに曲がって伸びるのが特徴で、その姿はまさに鷺である。

 環境省の絶滅危惧種には入っていないが、18道県で絶滅危惧種に指定されている。山梨県ではきわめて発見が困難な種である。





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クゲヌマランCephalanthera longifolia (L.) Fritsch

2023年10月09日 | 甲斐百山
 落葉広葉樹林下や林縁を好んで生育する多年草である高さ20~60cmになる。短い根茎をもち、数本の茎を束生させる。葉は互生し、長さ8~18cm、幅2~4cmの狭長楕円形で先がとがり、縁は全縁である。総状花序に白い花を5~20個らせん状につけ、長さ1cmほどで、ほぼ半開程度までしか開かない。唇弁には黄色の模様があり、唇弁基部の距は無いか非常に短い。ギンランに良く似るが葉はギンランよりも幅が広くやや硬く、辺縁が波打つことが多い。距が無いかきわめて短いことも異なるのだが、距の無いギンランもしばしば見かける。山梨県では北杜市の公園で発見されたが、他に河口湖近傍での目撃情報と写真がある。花期は4~5月。

    クゲヌマラン 2023年5月 北杜市で撮影

    個体数は少ない。

    まだ蕾のクゲヌマラン

    花弁が痛み始めているが、なかなか花が開いてくれない。距は見当たらない。

    ギンランに比べて葉の幅が広くやや硬く、辺縁が少し脈打つ。

 環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、他に17県の絶滅危惧種になっている。山梨県でも生育が確認されたが、他の場所にも生育している可能性が高い。




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マツバランは元気にしているか? 南部町  令和5年10月7日

2023年10月09日 | 甲斐百山
 南部町の大きな桜の木にマツバランが着生している。その後どうなっているか、しばらくぶりに会いに行ってみる。

    大きなシダレザクラの木

    この木の幹にマツバランが着生している。一見して今までで一番元気そうである。

    青々としていて株も大きくなっているように見える。

    球形の胞子嚢をたくさん付けている。元気そうで一安心である。

    別の大きな桜の木を訪問してみる。

    シノブがたくさん着生している。

    良く見ると隠れるようにマツバランが着生している。胞子嚢はあまり付けていないようである。

    さらに良く観察してみると、溝のところにも数株着生していた。

    青々として元気なマツバラン。まだ若いのか胞子嚢は付いていないようである。

    近くの梅の木に着生していたクモラン

    大部分は夏の暑さに負けて枯れてしまったようである。

    民家の庭に植えてあるカヤの老木

    この木にはムギランがびっしりと着生している。

    青々として元気なムギラン。たくさんある球形の粒がムギランの名の由来となっている偽球茎。種では無くて茎の一部である。

    偽球茎の脇に既に種を飛ばしたガラが出ている。

 ムギランはカヤの木を好んで生育しており、南部町界隈にある大きなカヤの木を探すとそれなりに見ることが出来る。まだ開花している花はきっちりと撮影出来ておらず、この木は観察し易いのでタイミングが合えば、来年見に来てみたいと思っている。


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甲斐百山 槇寄山に登る 上野原市  令和5年7月21日

2023年07月29日 | 甲斐百山
 上野原市に出張があったが、仕事は午前中の12時前には終わった。午後からでも登れそうな甲斐百山がいくつか上野原市にあり、今回は槇寄山という三頭山からの尾根伝いにある山に登ってみた。探している花がおそらくこの辺の山にあるのではないかと思うが、もう終わっているかも知れない。この日も気温が高く、大汗をかきそうだったので水は多めに2リットル持って登ることにする。


    びりゅう館の駐車場に車を止めさせてもらい出発。


    びりゅう館の脇にある水車


    学校前のバス停の坂を登る。


    川沿いにセリの花が咲いていた。


    これはノカンゾウか?


    さらに郷原バス停のところで右の道に入る。


    向こうの奥に見える平たい山が目指す槇寄山であろう。


    ヒオウギアヤメが咲いている。


    目立たないこの看板のところから登山道に入る。


    その先には柵があり、これを開けて先に進む。


    植林帯の単調な道が続く。


    大きなブナの木が現れ出すともうすぐ植林帯は終わる。


    これはクモキリソウの葉か?


    標高950mあたりで植林帯が終わり広葉樹林の森に変わる。傾斜も緩くなる。


    これはカシワバハグマではないかと思う。


    リョウブノ花が咲いている。


    途中の展望台。富士山が見えるはずだがこの日は雲隠れ。雲が出てくれたおかげで少し涼しい。


    この道標が見えると目指す山頂はすぐそこ。どちらからでも登れるが今回は右に進んで西原峠経由で山頂に登る。


    少し登ると西原峠に出た。


    西原峠からわずかに登って槇寄山山頂。


    富士山側の眺望が開けているがこの日は見えなかった。

 普通ならば2時間半もあれば山頂に到着するのであろうが、3時間半もかかってやっと山頂到着である。小休止して軽食をとり、下山は1時間半で日が暮れる前に駐車場に到着した。

 このあたりにバイカツツジという下向きに花を付ける綺麗なツツジの木が生えているはずである。三頭山のある東京都民の森では見られるのでこの辺りにもあるはずである。


    ツツジの木だが赤い花が咲き残っている。これはヤマツツジのようである。


    それよりも少し葉の幅が広いツツジらしき木があった。


    葉の下のほうに結実しかけた実が付いている。たぶんこれが探しているバイカツツジではないかと思う。

 残念ながら見たかったバイカツツジはもう終わってしまっているようである。花期は6月下旬から7月初旬ごろではないだろうか。また来年この辺りの山に会いに来てみたいと思う。

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ウツギの仲間探索 三国山、ほか  令和5年6月13日

2023年06月17日 | 甲斐百山
 今週もまた富士吉田方面に出張があった。午後からは空模様が不安定のようだが、探し物のウツギの仲間があって、県境の三国山に行ってみることにした。この山は甲斐百山の一座になっている。


    出張先の駐車場脇に植えてあったウツギの仲間


    花弁は丸っこくて雌しべが花弁の外に飛び出している。これはハコネウツギであろう。


    三国山の登山口、三国峠に移動する。見ごろのミツバウツギが何本か咲いていた。


    こちらはコゴメウツギであろう。


    葉には大きな切れ込みがある。探しているのはこれに似たウツギの仲間だが見つかるかどうか??


    三国山へは明瞭な登山道が付いていた。


    木の根に苔が付いている。


    ツルシロカネソウが咲いていた。登山道脇に結構たくさんある。


    苔の付いた大きなブナの木。マツノハマンネングサが着生していそうだが、双眼鏡を忘れた。


    傾斜が緩くなってきた。もうすぐ山頂。


    分布域から見てヒコサンヒメシャラかもしれないが、特徴的な黒い横縞が見えない。


    三国山到着。展望はあまり無い。


    三国山の三角点。文字が刻まれている。

 予定ではここからアザミ平への稜線上を歩いて探すはずだったのだが、遠雷が轟いたかと思ったら山頂は真っ白な霧であっという間に視界が遮られてしまった。雷雲につかまってしまうやも知れず、探索は中止して急いで三国峠に戻った。三国峠はまだ霧がかかっておらず、悔しいので反対側の鉄砲木の頭中腹を探索してみる。


    鉄砲木の頭。霧がかかっているのは山頂付近だけのようである。相変わらず時々富士山のほうから遠雷が聞こえてくる。


    咲き残りの赤いウツギの花


    花弁にはほとんど毛が生えておらず萼には少しだけ毛が生えている。おそらくフジサンシキウツギであろう。


    まだ蕾のヒメウツギと思われる。


    サンショウバラが咲いていた。


    たくさん花を咲かせていたサンショウバラ


    グミの木があった。


    さて、これは何グミだろうか??


    葉を調べてみる。



    葉の表も裏も鱗状毛が付いている。おそらくこれはナツグミではないかと思う。


    蕾を見てみるとこれにも鱗状毛様の模様が付いていた。

 今回探していたのはカナウツギというウツギの仲間だったのだが、残念ながら発見出来なかった。県境の稜線あたりにあるのではないかと思ったのだが、天候がいまひとつで今回は十分に探索できなかった。今年は発見出来ないのではないかと思われ、来年に持ち越しになってしまうであろう。

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甲斐百山御殿山のパール富士は現れず  令和5年5月5日

2023年05月09日 | 甲斐百山
 ゴールデンウィーク後半の3日間はパール富士が狙える絶好の日だったが、残念ながら天候がいまいちである。その中でも最も天気予報が良かった5月5日の子どもの日に富士川町の御殿山からパール富士を狙ってみた。十谷峠まで車で行けば山頂までは1時間ほどの手軽な山であるが、峠まで行く車道が細くてつづら折りの面倒な道である。幸いにして出会った対向車は1台だけで、心配していた林道ゲートも解放されており、さほど苦労することなく十谷峠に到着した。パール富士は午後6時半ごろ、十谷峠は早めの3時に出発する。


    十谷峠。工事関係の車らしきものが1台止まっていた。


    ここから取り付く。


    道が不明瞭な悪路を想像していたが、以外にもしっかりした道で道標があちらこちらに付いていた。


    ハウチワカエデがたくさん生えている森


    道標


    セントウソウの群生


    コミヤマカタバミ


    咲き残りのトウカイスミレ


    これはミヤマスミレ。この山で出会えるとは思わなかった。


    ナガバノスミレサイシン


    1時間ほどで御殿山山頂に到着


    祠がある。


    木々がやや邪魔ではあるが富士山が見える。


    山頂を越えた先に三角点があった。

 時刻はまだ午後4時なので少し先まで行ってみる。


    富士見山に続く明瞭な尾根道が通っている。


    途中の大きなブナの木にヤシャビシャクが付いていた。


    花が咲いている。


    コブを2つほど越えた先のこんもりしたピークまで行ってみたが富士山の眺望はいまひとつ。午後5時になったので御殿山に引き返す。

 午後6時前に御殿山山頂に戻りカメラをセットする。富士山は見えているが裏側に雲が出ている。このくらいならば雲を透かしてこの季節らしいおぼろ月が見えるだろうと期待して月が昇って来るのを待つ。しかし・・・


    夕陽が差し込んで富士山が少し赤くなっている。


    月の出まで10分ほど。雲が少し虹色に染まっている。月の反射であろう。


    もう1台のカメラ。薄い月光彩雲であろう。


    富士山の左側にぼんやりとした光が現れた。


    月が昇って来た。想定していたよりも左から出た。


    しかしその後はあっという間に雲に隠れてしまう。


    その後は待てど暮らせど月は現れず。


    富士山は見えていたが後ろ側の雲に阻まれてパール富士は撮影成らず。

 甲斐百山の1座を制したが残念ながらパール富士は現れず。次の機会に期待しよう。

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