山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

樹氷と雲海、しかし・・・ダイヤならず。毛無山  平成22年2月19-20日

2010年02月24日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年2月19-20日

 2年前の厳冬に訪れた毛無山のダイヤモンド富士。この時はカメラのレンズが結露して薄氷の膜が張り、とんだダイヤになってしまった。あの時のリベンジに行きたいとずっと思っていた。雲海上のダイヤモンド富士、そして白い雪原を照らす朝日、そんなイメージで撮影できたら最高だろう。
 数日間雨や雪の続いた甲府盆地、御坂の山塊は白く雪化粧している。天候が回復した19日は金曜日、平日だ。午後から空いているので登れないことはないのだが、相手は手強い毛無山、4度登って2度足が攣り、下山の翌日は筋肉痛になる。テント持ちだと4時間は優にかかるだろう。おそらく山頂に到着するのは夜になってしまう。しかし、天気が良くなると樹氷はわずか1~2日で落ちてしまう。おそらくこの日を逃すと、20日に登ったのではもう遅いだろう。葛藤が頭の中を巡る中、意を決して登ることにした。行かないと、きっと後悔することになるであろうから。
 麓の駐車場に到着したのは午後2時少し前だった。とりあえず荷物は車に積んであるものの、ザックにはまだ詰めていなかったので準備し、忘れ物がないかどうか念入りにチェックする。出発は2時20分、5cmほどの雪が積もっており、駐車場から軽アイゼン装着して歩き始める。1時間ほどで不動の滝滝見台に到着、いつものようにここで休憩しながら滝の写真を撮る。凍りついてはいなかったが、周囲の木に雪がついた白い不動の滝だった。

    1合目あたりで出会ったニホンカモシカ.得意の尻をこちらに向けて振り返ったスタイルでじっと私を見つめていた.


    白い不動の滝  この景色は1日で終わってしまった.

 さらに5合目下のヘリポート4時10分、8合目でヘッドライト点灯し、9合目下の富士山展望台に6時10分到着した。もう真っ暗だが、夕暮れ前まで雲の巻いていた富士山は晴れ、全容を見せるようになっていた。三脚を立て、長時間露出で2カット撮影したため、ここで30分ほど時間を費やす。そして山頂(三角点)に到着したのは7時20分だった。

    9合目下の富士山展望台から見る富士山.雲が晴れて全容が見えるようになってきた.


    樹氷の森と西に傾く月  毛無山三角点に到着した頃の情景.

 細い5夜の月が西に傾き、オリオン座がもうすぐ南中するところだった。狙った通りの樹氷が発育していた。テントを張る前にカメラと三脚をセットして、月明かりが使えるうちに木と星の写真を撮る。8時過ぎ、テント設営して早々に食事を済ませて再度外に出て写真を撮る。空には一面の星、西に傾く冬の大三角形を冬の天の川が貫いてゆくのが見える。樹氷、星空、そして大きな富士山、こんな情景はめったに見られるものではない。
眠るのが惜しい気がしたのだが、寝ないと明日の下山がまた大変になる。10時半に睡眠薬を1錠飲んだが、あまりにも凄い星空だったので、眠気そっちのけで12時過ぎまで撮影に熱中した。そしてテントに戻ってシュラフに潜り込んだ途端に眠りについてしまった。

    樹氷の森にささやく星たち  いちばん明るいのは火星.赤く輝く星だが,赤系統に弱いデジカメでは色が消えてしまう.


    樹氷の森に輝くオリオン座と冬の大三角形  三角形の中を天の川が貫く.凄い星空だった.


    富士の上に昇る春の大三角形  冬の大三角形に比べて春の大三角形は地味.


    ツリーを彩るふたご座と火星  クリスマスツリーを飾る星をイメージして撮った作品.

 目が覚めたのは3時半。テントの換気口から外を見ると、先ほどまで見ていた星空は何だったのか?空一面に雲が広がり、星一つ見えなくなってしまっている。果たして朝のダイヤモンド富士はどうなってしまうのだろう。そろそろさそり座が昇ってくる時間だが、この空ではだめなのでもう一寝入りする。次に目が覚めたのは4時50分、4時20分に目覚まし時計をかけておいたはずなのに、どうやら凍りついて鳴らなかったようだ。テントの外に出ると相変わらずの雲の巻く空だったが、時折頭上に星が見える。どうやら薄い雲のようだ。ひょっとしたら晴れてくるかもしれない。そんな期待を抱きつつ、テントに入って朝食を作って食べる。

    樹氷と雲海上の富士山  この位置でダイヤモンド富士を狙ったが・・・


    樹氷と富士  林の中で良い場所を探し,フラッシュ同調で撮影.


    樹氷と雲海上の富士Ⅱ  別の場所から撮影

 6時、あたりが明るくなった頃に外に出ると、素晴らしい景色が広がっていた。雲が飛び、雲海上に富士山が浮かんでいる。風が無かったおかげで樹氷も残っている。ダイヤモンドまであと1時間、雲海、樹氷、ダイヤモンド富士と3拍子揃った凄い写真が撮れる!とこの時は期待に胸が膨らんだ。その前にこの情景を生かせる良い場所を探しつつ、あちらこちらで写真を撮り、ダイヤモンド富士15分前に予定した場所に戻ってその時を待つ。しかし・・・こともあろうか、あと15分というところで富士山は雲に巻かれて姿を消してしまった。じっと待つ。7時、7時5分、10分、15分・・・もうダイヤの時間はとうに過ぎてしまった。残念ながらダイヤモンド富士は不発に終わってしまった。

    雲が湧き,わずかに富士山山頂が光っているところを撮影できたのみ.ダイヤモンド富士は不発に終わる.


    富士山が出たのは8時過ぎ,日はもう高く昇っている.


    雪の華咲く毛無山

 次に富士山が姿を現したのは8時過ぎだった。三つ峠のライブカメラで見ると富士山が見えていたところをみると、どうやらこの雲は毛無山に巻いた雲らしい。なかなか狙った情景は見せてくれないものだ。しかし、素晴らしい樹氷の情景、そして雲海上の富士山、ありあまる素晴らしい情景を見せてもらった。もう1日泊まって明朝ダイヤモンド富士を再び狙うこともできたのだが、十分に満足した。明日にはもうこの樹氷の風景は見られなくなってしまっているだろう。ちょっと無理して登ってきて正解だったのだ。

    毛無山の樹氷の森


    ダケカンバの樹氷


    毛無山のアルプス展望台から見る南アルプスの眺望

 「また来年楽しみにおいでよ。」山がそう言っている気がする。樹氷の情景を存分に楽しみ、10時、下山開始。2年前のダイヤ撮影の時にお会いし、おそらく今回もお会いできるだろうと期待していたミスター毛無山さん、下山途中の8合目あたりでお会いすることができた。今回で1650回目の毛無山登頂だそうだ。(桁を間違えているわけではありません。)この山塊を知り尽くしているこの方に会うのは、この山に登る時のもうひとつの楽しみでもあり、また新たな情報もいただいた。1時20分、駐車場に無事到着。急登の毛無山、今回もまた若干膝が痛む。ミスター毛無山さんはもう既に下山し、着替えて帰りの支度をしていた。
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

樹氷の北八ヶ岳、渋の湯から中山周遊 

2010年02月21日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成22年2月14日 天候晴れ

 前日小雪の舞った甲府盆地、きっと御坂の山塊は雪化粧していることだろう。日の出の樹氷の富士山を狙うため、前夜は早めに寝てこの日は未明3時半に起床した。しかし・・・空模様はいまひとつ。果たして富士山は顔を出してくれるのかどうか・・・。準備しながら考えているうちにあっという間に1時間が過ぎ、日の出には厳しい時間になってしまう。そういえば今日は嶺朋クラブのメンバーは・・・月例会の予定を見ると北八ヶ岳、中山の樹氷を見に行く予定だった。韮崎市役所6時集合、楽勝で間に合う。参加メンバーには入っていなかったのだが、飛び入りで参加させてもらうことにして、韮崎市役所に向う。
 6時前にはもう全員集合、私を含めて計6人のメンバーだ。2台の車に分乗し、私は上野巌先生の車に乗せてもらい、登山口の奥蓼科温泉渋の湯に向けて出発した。湯の道街道に入った辺りから道路に雪が積もり始め、辺りには真白な樹氷の景色が広がる。2~3日悪天候が続いたおかげで美しい樹氷の景色ができていた。風もなく穏やかな天気、午後からは弱い気圧の谷が通過する影響で若干崩れるらしいが、朝の天気は良好だ。渋の湯、8時到着。軽アイゼン、スパッツ装着し、いざ出発!という時にまたしても忘れ物。三脚と交換レンズを持ってきたのに、肝心のカメラ本体が無い!いつも自分の車の助手席に置いてあるのだが、車を乗り換えた際に持ってくるのを忘れた。仕方なし、本日カメラ無しで、と思ったら、上野巌先生が使っていないデジカメがあるからと貸してくれた。一眼レフではないが、借りたカメラはレンズに定評のあるリコーGRデジタル、50mm単焦点(内蔵デジタルズームは搭載しているがあまり意味はない)だった。

    渋の湯横の樹氷

 8時20分渋の湯出発。その他にもテント泊の大きな荷物を持ったグループや、天狗岳を目指すアイゼン、ピッケル装備の人たちが2~3グループ登っていった。橋を渡って右の斜面に踏み跡が明瞭な登山道があり少し登ると高見石小屋との分岐があり、右に進んで中山峠・天狗岳方面に進む。1時間ほどで尾根に出て、夏沢鉱泉との分岐に到着する。見上げるダケカンバの樹氷が朝日に照らされて白くキラキラと輝いている。さらに黒百合ヒュッテに向って進むと、一面真っ白なツガ林の樹氷の景色が広がる。GRデジタルで撮りまくるが、白い樹氷で測光するためか、暗めの写真になってしまった。

    黒百合ヒュッテ直下の樹氷


    黒百合ヒュッテ


    黒百合ヒュッテ前の雪山にはスキーの跡があった.

 10時20分、黒百合ヒュッテ到着。小屋前の樹氷がまた美しい。小休憩し、中山峠に向う。左に曲がると中山だが、右手に見える東天狗の尖峰が見事だったので、右に進み、写真を撮りながら再度休憩する。このあたりからやや風が強くなり、体感温度が下がるので顔や手回りの装備を厚くする。戻って中山方面に進み、中山手前の登りついたところに天狗岳の眺望抜群、金峰山や御座山など、北東から南西にかけての眺めの良い場所があった。ここで大休憩して昼食をとる。時間は11時、気温は-7度くらいだが、陽射しが暖かく感じた。

    天狗岳  こちらに登って行く人たちもたくさんいた.


    中山手前の展望地から見る天狗岳


    中山周辺の立ち枯れの樹氷林  ここで夜の情景を撮ってみたいと思った.


    真っ白なダケカンバの樹氷

 休憩後、そこから10分ほどで中山の山頂に到着した。ここは360度の抜群の眺望、横岳の向こうに北アルプスがずらりと並び、真っ白な浅間山も見える。振り返れば天狗岳、そして南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳。さらに凄いのは蔵王の樹氷ばりに成長したsnow monsterだ。ここまで成長したものはなかなか見ることができないらしい。ちょうど良い時に訪れることができた。

    中山山頂から見る天狗岳


    中山山頂の立ち枯れの樹氷林


    彼方に見える北アルプスの眺望


    中山のsnow monster


    snow monsterをバックに記念撮影

 樹林帯を下って高見石小屋に下り、高見石の展望台に立ち寄った。ここからはすぐ下に白駒池を望むことができ、その名の通り真っ白に凍りついていた。休憩後、渋ノ湯を目指して下り、2時半に到着した。初めて見る北八ヶ岳の樹氷の森を堪能した1日だった。

    高見石から見る白駒池


    高見石小屋  星の観察で有名な小屋.
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

妖精の住む森、大室山ブナ林  平成22年2月6‐7日

2010年02月15日 | 丹沢・道志山系
 平成22年2月6‐7日
 
 去る2月11日(建国記念の日)、私の職場で『月と星と山の奏でる音楽会』なるスライド上映会兼音楽会を開催した。昨年12月23日に次いで2回目となるこの会は、自家性スピーカーを持つAVオタクDr.Hと、音楽曲、特にピアノ曲に関してはものすごく詳しい音楽オタクDr.I、そして山&写真オタクの私がタッグを組んで、職場の4階会議室を借りて行なった2時間の会である。前回はあまり宣伝しなかったため少ししか人が集まらなかったが、今回は宣伝効果があって50人ほどの来場者を集めることができた。その時に選んだ曲のひとつが「となりのトトロ」、ジブリの曲である。この曲に合わせるイメージとして、「妖精の住む森、丹沢ブナ林」を想定していたが、足しておきたい画像があった。それが今回撮影に行ったブナ林の空に輝く星、そして雪のブナ林を照らす月の画像である。

    途中のあずまや  雪はくるぶしほど.

 夏場はそれほど大変ではない大室山の登山だが、冬になると雪がある。しかもこの日は数日前に雪が降り、冬型の気圧配置で、強風が吹き荒れる日だった。空は雲が多くて好天とは言えないが、明日は晴れの予報だ。どこから登るかいろいろ考えたが、甲府から最もアプローチが近く、手前の加入道山に避難小屋がある道志の湯からのルートを選んだ。以前にも歩いており、様子がわかっていることもある。他力本願、雪道のトレースを期待して、道志の湯から歩き始めたのは12時50分とかなり遅い時間だった。予想通り、雪の中にしっかりとしたトレースあり、白石峠分岐の直下でやや足をとられる積雪はあったものの、順調に3時半、稜線の白石峠分岐に到着した。ここから加入道山まではほんの15分か20分ほどだが、ここからトレースがだいぶ細くなってきた。加入道山山頂は膝まで埋まる雪ズポズポの状態、そして誰もいないだろうと思って避難小屋の扉を思い切り開けると・・・あっとびっくり、まだ4時前なのにヘッドライトを点けた人が扉のすぐ向うで食事をしているところだった。それもそのはず、この小屋は窓がなくて扉を閉めると中は真っ暗な状態になるのだ。さらに奥にツエルトが張られていて、計3人の人が休んでいた。本日ここに宿泊する人たちだ。この先は誰も行っていないらしい。悪天候ならばここに宿泊することを想定していたのだが、夜中に出たり入ったりしていると他の人たちに迷惑になってしまう。一人で先に進むことにした。

    眼前に迫る大室山(左)と雪の丹沢の山山  加入道山から.

 加入道山から先は全くトレースがない。ちょっとした吹き溜まりでは腿まではまってしまう深い雪だ。夏道なら15分で到着する前大室山まで40分もかかり、ここで4時50分、日没になってしまう。ここから大室山山頂までは夏道で1時間、とすると、この雪をかき分けて進むと約2時間かかる。到着はすっかり暗くなった7時になってしまうだろう。体力はまだ残ってはいたが、ここは無理せずに前大室山の雪上でテント泊にした。このあたりにも大きなブナの木がたくさん生えている。

    丹沢の夕暮れ  富士山の右に日が沈む.前大室山から.

 強風に煽られるので、風を避けるようにして大きなブナの根元に、ブナの木に抱かれるようにしてテントを張る。おかげで風からはだいぶ守られて夜を過ごすことができた。日没を見届けた後、テントの中で夕食をとり、早々にシュラフ2枚を被って寝る。この夏用シュラフと3シーズン用シュラフを重ねて寝るシステムは、前回金ヶ岳山頂で試したがかなり暖かい。この日の夜の気温は-15℃くらいだったが、シュラフカバー無し(置き忘れてきた)でも快適に寝ることができた。

    森の上に昇るオリオン座  風で木の枝が揺れ,ぶれて見える.


    ブナの林の向うに見える東京都の灯り

 睡眠薬を前回のテント泊で飲み切り、この日はなかなか寝付けないまま夜が更け、未明2時となる。もう冬の大三角形が西に沈んで行く時間だ。テントから置き出して空を見ると、オリオン座はもう西の空に沈むところだった。風で木の枝が揺れ、良い位置に冬の大三角形がおさまらない。それと、何故かこの日は15mm fisheyeレンズのピントが合わない。悪戦苦闘しているうちに冬の第三角形は沈んでしまい、続いて赤くて明るい火星が西の空に傾いてゆく。そして午前3時、いよいよ月が昇り始める。下弦を1日過ぎた月だがかなり明るくて白く優しく輝く月だ。森の雪原に木々の長い陰が棚引く。風が無ければ、木々の枝がブレずに優しい月影の写真になったであろうが、残念ながらこの日は15~30秒の露光時間では枝がブレたボケたような写真になってしまった。寒いのでテントの中とカメラの立ててある場所を行ったり来たりしながら、そのまま夜が明けてしまう。

    星の降る森  木を横切るオレンジ色の星が火星.左下に見えるのは富士山.


    ブナの森に昇る月


    月光照らすブナの森  優しい月が森を照らし,木々の影が雪原に棚引く.


    月光照らす森  大きなブナの木に抱かれるようにして張ったテント.


    星空に向かって  左の木の中に北斗七星のヒシャクの部分が隠れる.並ぶ木の中央下に光るのが北極星.星に向かって触手を伸ばすブナの木のイメージ.

 夜明け前に早めの食事をとり、足元が見えるようになった6時半から大室山を目指す。前日と同様の辛い1人ラッセルが続く。1時間半ほど進んで大室山山頂直下の富士山の眺望抜群の場所に到着したところで大休憩、存分に富士山を撮影する。休んでいると昨日の避難小屋泊まりの人1人が登って来た。本日は犬越路のほうに縦走するらしい。山頂まで着いて行こうかとも思ったのだが、この場所からの眺望で満足し、山頂は踏まずに下山した。

    林の向うの夜明け富士


    大室山から見る冬富士  丹沢山系からは夕暮れの富士が良いが,朝の富士もまた良い.

 前日避難小屋に宿泊した残り2人はそのまま下山したらしく、11時に加入道山避難小屋を覗いた時には別の若者2人組が休憩していた。順調に下山し、12時15分、無事駐車場に到着。眠い目と体を起こすために道志の湯に立ち寄ったが、眠気は全く醒めず、(毎度のことながら)疲れきった体で甲府に戻った。

    林の向うの朝富士  かつてはこういう木が邪魔でしょうがなかったが,最近はこういう木の入った景色もありかなと思うようになってきた.

 上映会での「となりのトトロ」に今回の映像を何枚か使用し、決して満足できる映像ではなかったが、『妖精の住む森』のイメージは十分に伝わったのではないだろうか。かつては山の上の眺望と星、月の組み合わせでひたすら撮影してきたが、今回のようにこの曲に合わせてこういうイメージで、という撮影も意識的に行なえるようになってきた。また撮影の幅と、写真の面白さが増してきたと感じる。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夕暮れの釈迦ヶ岳 平成22年2月4日

2010年02月08日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年2月4日

 前日の新道峠に続き、芦川から釈迦ヶ岳を訪れた。前日のすずらん峠駐車場からのルートの方が安全、かつ楽なのだが、本日は手前側の西側急峻なルートを登る。
 歩き始めたのは午後3時、山頂まで約1時間半なので、下山は夜になる。それは最初から計算済み、むしろ可能ならば山頂で日没を迎え、オリオン座と冬の大三角形が富士山の上に南中する夜9時まで粘ってから下山したい。以前からずっと狙っている富士山の上に南中する冬の大三角形だが、なかなか機会に恵まれずに撮影できずにいる風景だ。

    最初は林道を歩く。林道から見上げる釈迦ヶ岳。


    1時間ほどで稜線のコルに到着。向こうに見えるのは大栃山。


    心配していたロープ場だが、雪は大部分溶けていた。一部凍りついていた。


    頂上直下、もうすぐ日が暮れる。


    冬になると葉の落ちた木々の幹や枝がおもしろい。向こうの南アルプスや八ヶ岳は霞に消える。

 数名登ったトレースがあり、それに従って登る。夜の下山時にトレースを見失わないように、不明瞭な部分は雪の上を何度も踏みつけてトレースを明瞭にしながら登って行く。心配していたロープ場は、雪は大部分溶けているものの一部凍りついている。いつもならロープに頼らずに登るのだが、この日はロープにぶら下がるようにして越える。日没前の4時40分、山頂に到着した。

    日没の釈迦ヶ岳山頂


    残念ながら富士山は雲の中。あきらめて下山の準備をしていると・・・


    雲の上に夕陽を浴びた富士山が顔を出し始める。


    釈迦ヶ岳の夕暮れ  

 甲府を出たときはくっきりと見えていた富士山だったが、この時間にはすっぽりと雲におおわれてしまっていた。これでは夜まで待つ意味もない。気温-7度、結構寒い。5時過ぎ、三脚をたたんで帰りの準備をしていると・・・見えだした。夕陽の射す富士山が山頂の部分だけ雲の上に顔を出している。また三脚を取り出して撮影していると、しだいに裾まで姿をを現すようになってきた。望んでいたがなかなか見られなかった風景が目の前に広がる。

    山頂西側から見る夕暮れの甲府盆地。うっとり見とれてしまい、下山が遅くなってしまう。


    登りながら見た木は夜になるとまた違う雰囲気になる。

 このまま夜まで待つこともできなくはなかったが、さすがに凍りついたロープ場を真っ暗の中を下りるのは辛い。甲府盆地に明かりが灯るギリギリの時間まで辛抱し、まだ薄明かりであたりが見えるうちに下山を開始。途中から見る甲府盆地の夜景が美しく、結局ロープ場を越えるのは真っ暗な時間になってしまったが、なんとか無難に越えることができた。林の中から空に輝くオリオン座と冬の大三角形、そして今ひときわ赤く明るく輝く火星を頭上に眺めながら、ヘッドライト点灯してすっかり暗くなった7時、下山した。
 テントを張るような山ではないのだが、この山の山頂からほぼ真南に位置する富士山と冬の大三角形、そしてひょっとしたら一瞬だけ見えるかも知れないカノープスを見てみたいと思っている。さそり座もこれから良い季節になる。いつになるか、しかしいつか・・・一夜を過ごしてみたい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新雪の新道峠へ 平成22年2月3日

2010年02月08日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年2月3日

 前日の雪はもうだいぶ溶け、積翠寺の樹氷は1日にして終わってしまった。三つ峠ライブカメラでも、樹氷ではなくて木の上に雪が乗っかっているような風景になってしまっている。美しい樹氷の風景を楽しめたのは1日だけだった。おそらく、カメラマンのメッカ、新道峠を訪れた人もたくさんいたのでは?1日遅いが、午後時間が空いたので芦川から新道峠を歩いてみた。
 芦川からすずらん峠に向かう道に入ったあたりから雪が積もっており、30cmほどの積雪の道が続く。車は何台も入っているようで、轍の跡がしっかりとついておりそれに従って走り、すずらん峠下の大きな駐車場に車を止めた。すれ違った車は1台のみ、駐車場に止めてある車もない。この季節は新道峠へ向かう林道のゲートは閉じており、この駐車場からゲートまで歩いて15分ほど、さらに林道を1時間ほど歩いてようやく林道終点だ。ゲートの先まで車の轍が続いていたが、駐車してある車は1台もいなかった。出会った人はゲートの手前で一人だけ、やはり大きな三脚を担いでいる人だった。ゲートを越えて林道を歩いて行くが、以外にも踏み跡が少なく、2~3人歩いたかどうかといった程度だった。黒岳登山道の分岐点に差しかかると、黒岳方面への足跡は全くなし。足跡をたどって新道峠に行くのは楽だが、さて、どうするか?折角のトレースのない新雪を踏むには絶好の機会ではないか?迷って一旦はトレースを踏んで新道峠に進んだが、思い返して引き返し、トレースのない黒岳への登山道を進む。

    黒岳分岐点  黒岳方面へのトレースはない。


    30cmほどの雪。くるぶしから膝下くらい。


    若干崩落している沢筋をまわり込む場所。下には石がゴロゴロしているはずなので注意して通過するが、全く問題なし。

 ふかふかの新雪、時折ズルッと滑るが、膝下の踏むとギュッと鳴る雪で快適だ。途中でトレースがあり、それに従って進んで行ったが、途中で林の急斜面にそのトレースは消えていった。良く見れば、蹄の跡・・・大きな鹿が何頭か歩いた跡だった。どうりで、登山道から少し外れたトレースの訳だ。登山道に戻って進み、いちばん警戒していた沢を回り込む場所をスリップしないように気をつけて通過し、約1時間で尾根道に抜け出た。

    破風山 富士山方面は全く見えず。


    反対側は青空が見えている。


    つららの垂れ下がる木


    クリスマスツリーに飾りをつけたようだ。

 こちらはしっかりしたトレースがあるが、黒岳への足跡は一人分だけ、あまり歩いていないようだ。時間は3時半で、雲が沸いて富士山は全く見えない状況だったので、黒岳はあきらめて新道峠に向かう。積雪は30cmほど、トレースをたどって快適に歩ける。破風山周辺のモミの木は雪が溶けてつららがぶら下がっており、クリスマスツリーに飾りをつけたようだった。富士山が見えれば良い風景だったのだろうが、全く姿を現しそうもない。

    新道峠の有名な木。なかなか樹氷の風景になってくれない。


    夕陽射す釈迦ヶ岳


    空から降るように時折雲が巻きつく。


    芦川の夕暮れ


   夕焼け雲流れる

 新道峠の有名な木はもう雪が溶けて落ちてしまっていた。この木に雪や霧氷がまとわりつき、その向こうに富士山が立つ風景を狙っている人はたくさんいることだろう。なかなかそういう情景を見せてはくれない。たくさんついていたトレースは、以外にも芦川方面からのトレースではなく、大石側からのトレースだった。林道に下り立つと、その先のトレースはほんの数人だけ。稜線を歩くよりもこの林道のほうがむしろ歩きにくい。ちょうど夕暮れの光が射し込んでいた釈迦ヶ岳は、夕陽を浴びて金色に輝き、わずか1600mほどの低山とは思えない美しい姿で空に向かって立っていた。やがて空が赤く焼け、夕暮れとなる。空にはおおいぬ座のシリウスが輝き出す。暗くなった林道を急ぐこともなく、そしてヘッドライトを点けることもなく、存分に楽しみながら歩き、駐車場に到着。午後6時。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪の積翠寺の里 平成22年2月2日

2010年02月05日 | 番外編
 平成22年2月2日
 
 新年になって2度目の雪だが、今回は少しまとまった雪が降った。前日の夕暮れ過ぎから甲府の街中でも雨から雪に変わり、日が変わった未明ごろにはもう止んでいた。冷え込んだ翌朝、あたりの山や田畑は雪化粧し、年に数回だけ見られる白い朝を迎えた。こんな時に三つ峠あたりに登っていればきっと凄い景色が見られるのだろうなと思いつつ、携帯電話のライブカメラで三つ峠を見ると、予想通り、白く雪がついた尾根の上に朝の富士山が浮かんでいる。残念ながら本日は平日、行けない。積翠寺の里もなかなかの美しい雪化粧をしており、6時半から1時間半ほど三脚とカメラを担いで辺りを散策した。

    雪の積もった我が家の前の田畑と山


    雪化粧した要害山


    石神様  新年には町内会の人たちが集まって互例会が行われる.


    残月と桜の樹氷


    真っ白に雪化粧したケヤキの木

 北東側にある要害山は目立たない山だが、山梨百名山の一つで、山頂には武田氏の城があった歴史のある山だ。要害山から山の中腹を延びる武田の杜遊歩道は武田神社、竜が池から延びてきており、甲府市の北部を回り込むようにして千代田湖、湯村山を経て緑ヶ丘運動公園につながっている。その下には舗装された東農道が平行するように走っており、今回はそこを散策した。

    樹氷の梅畑と甲府盆地


    雪化粧した積翠寺の里  我が家も写ってます.


    樹氷の梅の木


    朝日の射す白山  あの裏側が千代田湖になる.


    雪を纏った栗の木


    白雪の相川と霧の湧く要害山

 この東農道は農業振興のために整備された道だが、実際にはあまり使われていないのが現状だ。積翠寺は梅の里で、春になると農道の周囲には梅の花畑が広がる。甲府盆地の向うに南アルプスの山々がずらりと見渡せる。雪化粧した梅の畑が美しく、南アルプスには朝日が差し込み始めた。ゆっくり見ていたい景色だったが、出勤しなければならないので、ギリギリの7時50分、自宅に戻った。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする