山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

紅葉の黒富士裏ルート マウントピア黒平から黒富士へ  平成24年10月27日

2012年10月29日 | 山梨百名山
 ようやく本格的な紅葉が始まった甲府市周辺の山々、予定では28日の日曜日に十二ヶ岳と節刀ヶ岳短絡ルートを予定していたのだが、天気予報では雨。天気図、雲画像からみても、まず雨になることは間違いなさそうだ。そこでその前日の27日土曜日に別の山の計画、マウントピア黒平から登る黒富士裏ルートを提案した。ゲストは6月の瑞牆山以来の豪華メンバー、sanaeさんご夫婦とみちほさんご夫婦だ。さらに相棒植田さんを加えて6人で出かけることとなった。このルートは昭文社の地図にも、国土地理院の地図にも載っていない、できてからまだ5年ほどの新しいルートである。随所にテープがつけられていて道迷いの心配は無いが、知られていないためにほとんど登る人がおらず静かな山旅が楽しめる。人の多いところが苦手な私にとってはたまらない魅惑のルートである。


    登山口のマウントピア黒平。カーナビで検索すると「甲府市役所マウントピア黒平」と出るらしい。


    マウントピア黒平駐車場に集結、本日のゲストはsanae隊とみちほ隊。

 前夜泊のみちほさんたちとは昇仙峡で合流、さらに前夜泊のsanaeさんたちとは登山口のマウントピア黒平の駐車場で合流し、8時にマウントピア黒平から出発する。道脇に栗が落ちており、まずは登山の前に栗拾いをする。コテージが並ぶ一角に黒富士を示す看板があり、その方向に進むと沢に沿って道がついている。なだらかな沢沿いの道を1時間ほど歩くと沢の終点、水場に到着する。以前にここの水を飲んだ時は雨の後だったためか、若干泥臭い印象があったが、今日は全く臭み無くおいしい水だ。


    沢沿いの道に沿って進む。何度か沢を渡り返すが靴を濡らさずに容易に渡れる。


    途中に大きな木と落葉。これは何の木??

 水場から先はガレた沢の中を進み、若干ルートがわかりにくくなるが、テープがこれでもかというくらいたくさん付けられている。もともとは沢の左側(右岸)にルートがあったのだが、2年ほど前に歩きやすいように右側(左岸)に新しくルートが作られた。マウントピア黒平の管理人さんや山梨大学山岳部の人たちがボランティアで集まって切り開いたと聞く。感謝なことである。ルートを進むと、やがて鹿の広場というカラマツ林の広場に出る。ここのカラマツはもう落葉してしまったのか、それとも枯れているのか、ずいぶんと葉付きが悪く、以前よりも林が明るく透けてしまったように感じる。小休止後、笹原の急斜面を登って黒富士峠に到着する。


    鹿の広場。カラマツの葉がもう既にだいぶ落ちてしまっていて、林が透けてしまったように感じる。


    黒富士峠。天気が良ければバックに八ヶ岳が見えるのだが、この日は雲の中。


    黒富士峠から見る黒富士。鋭く尖って格好良い。天気が良ければその左に富士山が並ぶ。

 反対側の曲岳や茅ヶ岳から見ると横長の山容に見える黒富士だが、黒富士峠から見るその山は鋭く尖って富士山をスマートにしたような格好良い姿を見せてくれる。天気が良ければその左側に富士山が並び、雪を抱いた白い富士と黒富士が並ぶ絶景を見ることができる。残念ながらこの日、富士山は姿を現してくれなかった。
 左方向に進み、稜線の紅葉を楽しみつつ、升形山の裏側を山頂に直登する。最後の岩の乗り越えが若干厄介だが、ルートには木に赤ペンキが塗られ、細い踏み跡がある。11時半、升形山山頂に到着する。この山頂からの360度の眺望は素晴らしいが、山頂が狭く休憩にはあまり向かないので、昼食は黒富士まで行ってからとることにする。


    升形山山頂と右に黒富士


    升形山から金峰山方面の眺望。金峰山は雲の中、中央の切れ立った岩場が帰りに立ち寄る撥岩(ばちいわ)。

 稜線は紅葉が見頃だが、陽が差し込まないので写真で撮るとどうしても彩度がいまひとつになってしまう。それでも、カエデやモミジの紅葉は美しく、日本百名山とは違って人が少なくゆったり静かに山を楽しめるところが良い。最後の急登を登り、黒富士に到着する。先客が3名ほどおり、食事休憩中だったのでその先の富士山展望台で大休憩、昼食となる。いつもながら、sanaeさんのザックからはどらえもんのポケットのように次々とおつまみが飛び出してくる。そしてみちほさんのザックからも。


    黒富士稜線の紅葉


    黒富士への最後の急登


    黒富士の富士山展望台からの眺望。紅葉は綺麗だったが富士山見えず。


    黒富士山頂で記念撮影


    展望岩に並んで写真を撮ってもらっているところを逆激写。

 お腹いっぱい食べて下山開始するが、その途中ヨッシ-の隠れ家、撥岩(ばちいわ、人面岩とも言うらしい)に立ち寄る。この場所は初めて黒富士裏ルートを歩いた時に道を間違えて偶然に登り着いた(というよりも強引に登った)展望場所だ。道は無いので地図に精通していないと行けない場所である。(sanaeさんのページにGPSの軌道が掲載されると思うので、そちらをご参照ください。)黒富士峠から鹿の広場に下りずにそのまま笹原をかき分けて進み、右側のピークに着いたところで左に曲がって稜線伝いに進むと岩の上にたどり着く。岩の上は数人しか入れない狭いところだが、切り立つ黒平の谷が足元に広がり、右に見える黒富士と並んで富士山が見える絶景地だ。この山域で私が最も気に入っているのがこの場所である。


    撥岩から見る黒平の谷


    黒富士  天候が良ければ左側に富士山が並ぶ。

 下山は黒富士峠には戻らず、道無き尾根を直下りする。急斜面の林の中を30分ほど歩きやすそうなところを探しながら下ると、朝登って来た登山道の脇に下り着く。この尾根を下るのはこれで3度目となるが、それでもなおひょっとしたら想定外の場所に出るのではないかという不安が2割くらいつきまとう。だが、そういうスリルもまた山歩きの楽しさだろうと思っている。


    道無き急斜面を直下り。皆さん不安に思ったのでは??おつきあいありがとうございました。

 午後4時半、マウントピア黒平に到着する。朝は会えなかった管理人さんのところにご挨拶に伺うと、大歓迎してくれ、みんなでお茶をいただいてきた。おつまみに出してくれた大根のつけものは今年採れたばかりのもので、昨日漬けたものだそうだ。シャキシャキの歯ごたえが良くとてもおいしくいただいた。さらに、明日ここでイベントがあるらしく、その打ち合わせにいらっしゃっていた地元の方から八幡芋という地元でとれるサトイモに似た芋をご馳走になった。これもツルリと皮がむけて醤油につけて食べると絶品。すっかりご馳走になり、すっかり日が暮れて真っ暗になった6時ごろ、マウントピア黒平を後にする。

 ゲストの皆さんが要害温泉で入浴している間に私は急に入った業務を片付け、8時ごろから駅前の焼鳥屋に移動して宴会となる。たぶん明日の天気は雨(と決めつけて)、11時近くまで焼鳥屋で山談義し、アルコールもかなり入ってすっかり酔ってしまう。雨で無くても二日酔いでもう歩けなそうだ。楽しい1日を過ごすことができた。

 ブログをやっていたからこそ、このようなおつきあいが出来るわけで、写真を編集したり文章を書いたりと手間はかかるのだが、それに見合うだけのおつきあいの幅が広がることをつくづく感じた。もともとは文章作成は大の苦手だったことも、かなり解消された。




 おまけ:以前に訪れたこのルートの映像


    黒富士峠から見る黒富士と白富士(平成19年12月2日)


    撥岩から見る黒富士と富士(平成19年12月2日)


    撥岩から見る黒富士と富士(平成20年10月19日 望君が同行)


    升形山から見る黒富士と富士(平成20年10月19日 望君が同行)

コメント (10)
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紅葉の御坂山塊 天下茶屋から黒岳  平成24年10月21日

2012年10月22日 | 山梨百名山
 雲ひとつない青空が広がった甲府盆地。しかし、まだ気温が高いのか、盆地の中には霞が残っている。甲府盆地から見る富士山もなんとなく白く霞んでいる。こんな時は富士山を遠くから眺めるのではなく至近距離から眺めたほうが良い。そこで向かった先は通い慣れている御坂山塊黒岳。だが、いつもの新道峠からのルートは簡単に登れ過ぎるので、今回は反対の天下茶屋から登ってみることにした。こちら側のルートは今回で2度目となる。

 9時半に御坂峠天下茶屋に到着すると富士山をバックに記念撮影している人たちが何組かおり、その後も続々と車がやって来る。バスから降りた7~8人の団体客は登山者で、黒岳に向かうらしい。準備体操してさっそく登って行った。私は三脚を出して景色を撮影後、準備して10時に出発した。


    御坂峠から見る紅葉と富士


    登山道の下部はまだわずかしか紅葉していない。

 最初は急斜面につけられたジグザグの階段道。ところどころ紅葉しているがまだ始まったばかりだ。30分ほど歩いて尾根にたどり着き、左に曲がって旧御坂峠・黒岳方面に向かう。一つ目のピークを過ぎたところで眺望が開け、眼下に河口湖大橋、その向こうに富士山が見える。秋晴れの良い天気ではあるが、やはり空気は少し霞んで透明度が悪い。

    見下ろす河口湖大橋と富士山

 このあたりの標高は1400m~1500mくらいだが、紅葉には若干早い。残念なのは夏の暑さが長引いたためか、まだ色付く前に茶色く丸まってしまっているナラやクヌギの葉が目立った。しかし、カエデやモミジはそれなりの紅葉を見せてくれそうだ。

    ナラの大木


    森の守り神  ブナの大木


    咲き残っていたトリカブト


    御坂山山頂。標高1596m。

 最初のピークから一旦下がり、また登り返して11時15分、御坂山(標高1596m)に到着する。黒岳の標高が1792mなので、あと200m登れば山頂、と思いきやそうではなく、ここから旧御坂峠までは結構下る。途中に送電線が横切るところがあるが、そのあたりは眺望が開けて眺めが良いのだが、いかんせん送電線が邪魔になって写真撮影には向かない。足元にはリンドウ(オヤマリンドウか?)が数輪咲いていた。そこから少し下がって11時45分旧御坂峠に到着する。

    尾根を送電線が横切る。向こうの中央に見えるのが黒岳。


    送電線をカットして撮影しているが、画像のすぐ上を送電線が横切っている。


    リンドウと富士山

 旧御坂峠はいにしえの道、鎌倉往還が通っているところで、かつては御坂山塊を越える主要路だったところだ。峠の茶屋という店は当に廃業して使用不能状態、少し先にトイレもあるがこれも使える状態ではない。小休止して黒岳山頂を目指す。標高差はあと300mほどだが、道標には山頂まで1時間10分と記されている。

    旧御坂峠。鎌倉往還の良い道が横切る。左が廃業している峠の茶屋。


    木の根が張り出した登山道


    中腹の紅葉と富士山


    頂上直下は若干の岩場と急登あり。

 尾根通しの明瞭な道を進むと、黒岳がどんどん迫って来る。最後の登りだけ急登、若干の岩場があるが、鎖やロープなどは無く容易く通過できる。頂上直下あたりはモミジやカエデが色付いている。そして午後1時、山頂到着、ジャスト3時間かかった。

    黒岳山頂。もう何度登ったことだろうか。その大半が撮影目的での新道峠からのルート。


    黒岳展望台から見る河口湖と富士山

 山頂は天下茶屋でバスを降りた人たちだろうか、これから新道峠側に下山して行くところだった。山頂はスルーして展望台に向かう。こちらも5~6人の人たちが休憩しており、三脚を立てられるような状況では無かったので手持ちで撮影してさらにその先の斜面を少し下る。こちらは急斜面で休憩しにくい場所ではあるが、あまり知られていない富士山展望の絶景場所である。ちょうどツツジの紅葉が真っ盛りだったので、食事休憩しながら三脚をセットし、存分に撮影する。

    ツツジの紅葉と富士山  黒岳展望台の少し先の斜面から撮影。


    紅葉と富士

 展望台が空いてきたところでそちらに移動してさらに休憩。混雑していた探訪台も午後1時半を過ぎると、ラーメンを食べている若者と私だけになった。午後2時、下山開始。太陽に背を向けて下山する形になるので、陽の射し込む森の良さそうな場所を探しながら歩き、午後4時10分、天下茶屋に到着した。

    双子のブナの木


    木漏れ日射す森


    隙間から見上げる三つ峠

 次週辺りから御坂山塊は紅葉真っ盛りとなりそうだ。気になるのが今日のような空気の霞だ。これも地球温暖化の影響なのだろうか。富士山が雪化粧したことだし、綺麗な紅葉と青空にくっきりと立つ富士山を眺めてみたいものだ。
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りゅう座流星群の夜 赤城山地蔵岳  平成24年10月7‐8日

2012年10月15日 | 日本百名山
 日光白根山から下山し、日帰り温泉でひと風呂浴びるともう時間は夜の7時半になっていた。日光白根山で出会った若者が今晩は天候回復して凄い星空になりそうだと言っていた通り、空を見上げれば雲が晴れて頭上に夏の大三角形が輝いていた。やはり・・・日光白根山の避難小屋に宿泊すべきではなかったのか。少々後悔する。が、まだあきらめたわけではなかった。9月に一夜を過ごしたがガスに巻かれて夜景も月も不発に終わった赤城山地蔵岳、あそこならば30分もあれば登れる。車を赤城山に向かって走らせる。

 小沼の少し先にある地蔵岳登山口に8時半ごろ到着した。こんな時間なのに車が数台止まっており、登る準備をしているとその後さらに2台やって来た。何かと思えば、マウンテンバイクで山上を走り、ここで回収して帰るための待ち合わせだそうだ。今から登ると言ったら驚いていた。といっても道は良く整備されていた地蔵岳山頂までは30分とかからない。一晩中起きているわけには行かないのでテントを持って行く。10分ほど登って中腹辺りで睡眠導入剤を持ち忘れたことに気付き、取りに戻る。そして地蔵岳山頂に到着したのは午後9時50分、東の空にプレアデス星団、その下に木星が昇って来ていた。9月のガスに巻かれた時とは違い、今度は前橋から関東平野の夜景がきれいに見える。

    前橋市と関東平野の夜景


    同上(ズーム)


    夜空に流れる天の川と夏の大三角形

 テントを設営する前にまず撮影。とにかく夜景が眩しいほどに美しい。夏の大三角形と天の川のところに流星が流れるのを期待してカメラをセットし、再三シャッターを切るが全く流れてくれない。それどころか、周りの空にもほとんど流れず、結局肉眼ではひとつも流星を見ることができなかった。後に撮影画像をパソコンで見ると肉眼では見えないような極小流星が1個だけ写っていた。

    電波塔と天の川(私はNHKの回し者ではありません。)


    この位置で流星が流れるのを期待したが・・・・不発。

 やがて東の空、黒檜山の右手から月が昇り始める。今宵の月はほぼ半月、昇るにつれてあたりを明るく照らし、影が映るほどだ。テント設営して食事をとる間、カメラはオートで連続撮影にセットしておいたが、これはあっという間にレンズが結露して数枚しか撮影出来ていなかった。霧は見えないが見た目よりも湿度が高そうだ。またテントの外に出て撮影していると、気が付けば時間は深夜12時。少し寝ておかないと明日の帰りに響くので、睡眠導入剤を飲んで眠る。

    赤城山に昇る月


    夜景と月とオリオン座

 目覚ましをセットしたのは未明の4時半。この時間はオリオン座と冬の大三角形が南の空高く南中している頃で、空気が澄んでくれれば南の超低空にあのカノープスが見えるはずだ。パソコンソフトの計算上だと群馬の山からだと余裕で見える。期待しつつ予定通り4時半起床して外に出ると・・・あいにくの低空の雲。肉眼ではカノープスは確認できない。しかし、解像度の良いレンズを通してでの画像だと写ることはしばしばある。何カットか撮影して持ち帰り、パソコンで画像調整してみると・・・それらしきものが雲の中に写ってはいる。しかし本当にカノープスかどうかはもっと条件の良い時でなければ確定できない。

    薄明に南中したオリオン座と冬の大三角形と月


    別の画像で低空を拡大してみると・・・それらしき星が雲の中にうっすらと光っている。


    薄明の空高く昇った月とオリオン座と冬の大三角形

 しだいに空が明るみ、星は夜明けの空に消えて行く。そして日の出。見渡してみれば、夜間に見えていた群馬の夜景はすっかり雲におおわれていた。標高1,600mほどの山でこんな一面の雲海が見られるのも珍しい。

    赤城山の夜明け


    日の出


    赤城山地蔵岳のお地蔵さんと電波塔、そしてテント。


    前夜の夜景はすっかり雲海におおわれる。


    雲海躍動する赤城山地蔵岳

 テントに戻って食事し、横になって休んでいるともう登って来た人の足音が聞こえた。登山者の迷惑にならないように6時半にはテントを撤収する。雲海がきれいだったので三脚を担いだまま下山する。朝のテント内の気温はちょうど0℃だったが、木の階段の上にはもう霜が降りていた。

    霜の下りた階段


    小沼を照らす朝日と躍動する雲海


    雲海迫る

 撮り歩きながら1時間近くかけて下山し、7時50分に登山口駐車場に到着した。その頃には地蔵岳山頂を目指すハイカーや、マウンテンバイクを担いで登って行く人たちの姿が見られた。
 車内で2時間ほど眠り、日帰り入浴施設を探して立ち寄る。そして昼食をとり、向かった先は・・・前橋市市民ホール。そこで開催されたのは、またしても1966カルテット演奏会だ。当初は下山後時間があれば立ち寄ろうと思っていたのだが、川越公演があまりにも素晴らしく、こちらの公演もなんとか間に合わせて聴きに行こうと思っていたのだ。日光白根山の避難小屋に宿泊したとすると、おそらくはギリギリの時間になっただろうが、赤城山ならば余裕だ。流星群は不発だったが、素晴らしい演奏を2度聞けたので今回の山行はこれで良しとしよう。    
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紅葉の日光白根山(後編) 五色沼~前白根山~金精山を経て下山

2012年10月14日 | 山梨百名山
平成24年10月7日

 菅沼登山口を朝7時前に出発したにもかかわらず、山頂に到着したのは11時半、4時間半以上もかかっている。その大半は三脚を立てて光が射し込むのを待っていた待ち時間だ。しかし、その割には撮った写真はいまいち・・・。出発の前に迷ったのが避難小屋宿泊用の装備を持って行くかどうかということだった。なにせこの日の夜はりゅう座流星群が極大を迎える頃なので、空が晴れれば日光白根山とりゅう座流星群を撮れるかもしれなかった。あいにく天気予報は曇り、この日の朝は小雨がまだ降っており、容易に晴れてくれそうには見えなかった。そこで非常事態のためにシュラフカバーだけは持って行き、食料も3食半だけ持って日帰りすることに決めて登って来た。

 日本百名山であり登り易い日光白根山は混雑することを予想してはいたが、想定以上の大混雑に少々驚きつつ、山頂では休憩せずにそのまま五色沼に下る。少し下れば到着できそうなイメージだったが意外と遠く、1時間ほどかかり、12時35分に五色沼に到着した。途中の五色沼避難小屋は新しくて綺麗な小屋だった。小屋の中も綺麗で20人くらいは泊れそう、毛布はあまり綺麗そうには見えなかったが、数枚手すりに掛けて干されていた。自分の持ってきた装備でもこの小屋ならば一晩ならなんとか過ごせそうだ。

    大渋滞の山頂待ちの行列


    五色沼に下る。こちら側の斜面には草むらが広がる。


    五色沼避難小屋。きれいな小屋で、中には毛布が何枚か置かれていた。


    五色沼と沼周辺の広場

 五色沼で昼食をとり大休憩(といっても写真を撮りながらひたすら休憩しているので全く疲れていないが)する。たくさんの人が休憩してはいるが、山頂の混雑に比べるとまだ少ない。対岸の美しい紅葉を眺めながら食事をとる。

    五色沼と対岸の紅葉


    五色沼と白根山

 ほとんどの登山者はここから弥陀ヶ池経由で下山していったが、私は水場の状況と前白根山から見る日光白根山の景色を見たくてそちらの方向に進む。水場は湧き水ではなくて五色沼に流れ落ちる沢水、水量は豊富だ。その脇を通り過ぎて急斜面を登ると五色沼外輪の尾根道に登り着く。途中で避難小屋泊りの若者と出会い、りゅう座流星群の話をすると、今晩は天候が回復して澄んだ星空になる予報だと教えてくれた。この若者も流星群を狙っているらしい。さて、どうするか?シュラフカバーの中にもぐり込んで小屋にある毛布を被れば寝るには問題無い。食料もギリギリ下山までは足りるだろう。しかし問題は眠れるかどうか・・・。ひとまずは前白根山まで登ってから考えることにする。

    水場は五色沼にそそぐ沢水。


    前白根山中腹から見る五色沼と白根山。白根山がほぼ東に位置し、星空を撮るならこの角度が良さそうだ。


    前白根山山頂。向こうは雲のかかる白根山。

 前白根山に登り着き、コンパスで角度を見るとほぼ東の位置に白根山が位置している。この角度だとちょうど白根山の上にオリオン座と冬の大三角形が昇って来るはずだ。画角的にも17mmレンズでちょうど良い。避難小屋泊りを選択するべきだったのだろうが・・・宿泊装備以上に問題だったのは睡眠導入剤を忘れてきてしまったことだ。オリオン座が昇って来るのは未明3時、2時には起床しなければならないが、寝付きの悪い私は早い時間に寝付くには睡眠導入剤が不可欠。これがないとおそらくは徹夜で撮影することになってしまうだろう。そうすると帰りの車の運転に大きな支障が出てしまう。かなり迷ったが、ここは下山することにした。帰路は金精峠経由のほうが近そうだったのでそちらに下山することにする。
 地図をあまり確認しないで、前白根山山頂の看板を見て湯元方面に進んだがどうも方向がおかしい。10分ほど歩いて地図を確認すると、この道はまさに湯元に直下りする道、金精峠に行くには五色山で左に曲がらなければならない。その先の国境平というところでまた湯元方面と金精峠方面の道が分かれている。時間を20分ほどロスし、前白根山に戻って五色山に進む。

    五色山への稜線から見る五色沼と前白根山。五色沼が真下に見える。


    五色山。ここで道は二手に分かれる。

 五色山に到着したのは午後2時50分。下山にはまだ2時間はかかるので、日没ギリギリの午後5時ごろになりそうだ。混雑した山頂が嘘のようにこちらを歩いている人はほとんどいない。出会ったのは3人のみだ。五色山山頂の看板にも湯元と書かれていた。今度は大丈夫か?地図を確認するが今度は間違いない。小休止後出発すると、今度は間違い無く、国境平の分岐に出た。

    五色山の少し先から見下ろす日光中禅寺湖。男体山、女峰山は雲の中。


    国境平到着。

 時間が時間だけに休憩せずに金精峠目指して進む。気になる看板があり、金精山付近は登山道に亀裂があるので注意するように書かれている。国境平までは新しい靴跡がついていたが、金精峠側に進むとほとんど歩いた形跡が無い。その理由は、金精山を通り過ぎてから初めてわかった。

    金精山。山頂は中禅寺湖方面の絶好の展望台になっている。


    雲がなければ男体山、女峰山、中禅寺湖を見渡す絶景なのだろう。

 金精山を過ぎると急下りになる。1本目のロープ場があり、亀裂とはこれなのか、と思ったのだがそんなに甘くはなかった。その先も急下りが続き、滑り落ちたような斜面に出くわし、そこにもロープ、さらに滑り落そうな細いトラバース、そしてロープ、ハシゴ・・・雨の後でスリップしそうだったので慎重に通過する。距離は短いが、こちらの道を歩く人が少ない理由がここでわかった。

    1本目のロープ場。こんなものか・・・とこの時は思った。


    細くて滑りそうなトラバース道、その先にハシゴ。 


    ハシゴとロープ場。左側のハシゴは折れていて使えない。


    さらに急斜面のロープ場。濡れていて滑りやすい。


    金精峠到着。左の建物は金精神社。

 午後4時15分、金精峠に到着。もう少し早く着くと思ったのだが、急斜面の通過に時間がかかった。ここから先は歩きやすい道になる。小休憩後菅沼登山口方向に歩いて行くと、出た場所は駐車場ではなくて金精トンネル側の道路だった。時間は午後5時、ちょうど西の山に陽が沈んで行くところだった。これで日光白根山一周制覇。標高差800m少々で甘く見ていたが、後にカシミール3Dで調べてみると、このコースだと沿面距離11.3km、累積標高差1,180m、中の上級くらいの行程になった。登りはかなりダラけていたが五色山を過ぎてからの帰りはかなり気合いが入った。侮るなかれ日光白根山!

    西の山に陽が沈んで行く。


    出たところは道路脇。駐車場まで約5分。

 この日の夜は前述のようにりゅう座流星群極大の日だ。今までに何度か山の上でこの夜を過ごしているが、りゅう座流星群は実はあまりたくさん流れたのを見たことが無い。しかしそれでも期待してしまう流星群。車で沼田インター方面に向かい、途中の温泉でひと風呂浴びると時間はもう夜7時を過ぎていた。山上で出会った若者の情報通り、空は晴れて星空が見え始める。星空を見ながら眠るにはこの時間からでは限られた場所しか無い。そして向かった場所は・・・(次の記事に続く)



    今回歩いた行程(反時計回り)




    標高差 
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紅葉の日光白根山  平成24年10月7日

2012年10月11日 | 日本百名山
 前日の10月6日、川越市民会館で1966カルテットという女性4人グループの演奏会があった。入間に続いて聞きに行くのは2度目となるが、今回は前から3列目中央の絶好の席を確保できた。客席は空席が目立ったが、演奏は素晴らしかった。ビートルズとクイーンの曲をヴァイオリン2台、チェロ1台、ピアノ1台でクラシック調にアレンジして演奏するのだが、原曲など知らなくてもその快適なリズム、弾ける音、躍動する演奏者4人、素晴らしい出来栄えである。特に今回は客席の様子を見てプログラムを一部変更し、11月に発売するマイケル・ジャクソン・クラシックスの中から2曲を演奏したが、そちらの演奏も素晴らしかった。胸にジーンとくる感動を抱きながら、日光白根山菅沼登山口に向かう。

    頂きました。川越公演大ポスターにサイン! 機会がありましたら皆様是非聴きに行ってあげてください。


 沼田インターで高速を下りて食事をとった後、菅沼登山口には午後8時ごろに到着した。天気予報通り、その頃には雨が降り出した。可能ならば暗いうちに弥陀ヶ池あたりまで登り、星空を撮影したかったのだが、この雨は夜明けまで降り続いた。ようやく小雨になった朝6時、車から起き出して準備を始める。次々に登山者の車がやって来て、続々と出発して行く。6時45分、霧雨が降る中をようやく出発する。駐車料金1,000円と表示されているが、料金を徴収するのは入山ゲートのところで、実際には入山者のみ料金をとっているようだ。

    5分ほど歩いて林道終点。ここから登山道。山には雲がかかる。


    山の紅葉


    落ち葉の道  ダケカンバはだいぶ落葉してしまっていた。

 登山道は整備されているが、ゴツゴツの溶岩が露出した急斜面もある。やがて雨は止み、時折覗かせる青空を見上げて晴れることを期待しつつ道を進む。途中から見える山の斜面は紅葉が見頃を迎えているが、曇り空なので色彩がいまひとつぱっとしない。2時間少々歩いて弥陀ヶ池に到着する。池の周辺は紅葉真っ盛り、時折雲が晴れて白根山が全容を現し、弥陀ヶ池に映し出される。

    弥陀ヶ池と日光白根山


    紅葉と日光白根山を映す弥陀ヶ池


    中腹から見下げる弥陀ヶ池

 弥陀ヶ池のほとりで撮影していると、続々と登山者たちがやって来た。この場所まで登ると突然眺望が開け紅葉と白根山が見えるため、皆「おー」という歓声を上げている。ただ、青空が見えず陽が射し込まないのが残念だ。


    雲の巻く日光白根山を見上げる


    弥陀ヶ池と周辺の紅葉  なかなか陽が射さず、20分ほど待って撮影した1枚。


    急斜面を登る。下から見るほど大変な登りではない。

 弥陀ヶ池を過ぎるといよいよ日光白根山の核心部、岩混じりの急登となる。既にたくさんの登山者が斜面に取り付いて行列になっているのが見える。下から見上げると大変そうに見えるが、行ってみると岩の間をうまく道が付けられていて、見た目ほど大変ではなかった。見下げる弥陀ヶ池とその周辺の紅葉が美しいが、雲がかかってなかなかすっきり見えず、中腹で三脚を構え、30分近く陽が射し込んで来るのを待って撮影する。そして山頂に向かうが、急斜面を登った先はあふれんばかりの人だった。


    一瞬の青空と白根山山頂


    山頂周辺は人がたくさん。


    山頂に続く行列。


    行列は山頂付近だけかと思ったら、その後ろまで長い列が続く。


    山頂の白根山神社

 山頂を踏んで下山、と思っていたのだが、側面の岩を登って行列に入ろうとするとその向こうにも遥かに行列が続いていた。割り込むのも申し訳ないので、ここは山頂をあきらめ、その下にある神社をお参りして下山することにした。菅沼登山口よりもロープウェイを使ってアプローチする登山者が多いらしく、山頂周辺はとにかく人だらけ、昼食は五色沼まで下りてから摂ることにする。

(後編=前白根山、金精山経由で下山編に続く)
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嵐の前に山へ 曲岳  平成24年9月30日

2012年10月01日 | 山梨百名山
 夕方から関東地方は台風の直撃を受け、大荒れの天候となる模様だ。しかし、朝のこの青空は何なのだろう。まだ風も穏やかで嵐の気配などほとんど感じられない。午後3時までに下山できそうな山へ、ということで、八丁峠の短絡ルートを使って曲岳に行ってみることにした。

 車を観音峠に向けて走らせるが、もう少しで観音峠というところで、大明神林道を過ぎたところで林道補修工事のために通行止めになっていた。どうやら崩落があったらしい。ここから歩いて曲岳の西側斜面を登ることも考えたが、車道歩きは疲れて面倒なので、1時間ほど余計に時間がかかるが、ここは平見城黒富士農園からの正規ルートを登ることにした。

    黒富士農園から見る茅ヶ岳山塊。まだ青空が広がる。


    曲岳・八丁峠方面に向かう。

 9時50分に黒富士農園の駐車場を出発し、案内板に従って曲岳・八丁峠方面に進む。この道は歩く人も多く、明瞭で歩きやすい道だが、峠までは意外と時間がかかる。途中の林の中には(フイリ)ヒナスミレと思わしき葉が群生しており、花の咲く春が楽しみだ。峠近くのカエデと思わしき木は紅葉する前に既に葉が半分以上落ちてしまっていた。今年の秋の紅葉はどうなるのだろうか?1時間50分かかって峠に到着した。

    この白い筋が入った葉っぱはフイリヒナスミレではないだろうか。たくさん群生している。


    峠のすぐ下の草地付近。落ち葉はたくさんだが色付いておらず、紅葉する前に葉が落ちてしまっている。


    峠に到着。短絡ルートを使うとここまで1時間とかからずに到着できる。

 峠から先は気持ちの良い樹林帯の尾根歩きとなる。あちらこちらにキノコが生えており、知識が無いので採取はできないが、おいしそうに見えるキノコも生えていた。コブを3つほど越え、さらに下山で使えそうな尾根をチェックしながら曲岳基部にたどり着く。最後の登りは見上げるような急登だが、木の根っこがうまくステップになっていてあまり危険は感じない。

    気持ちの良い尾根道を進む。向こうに平べったい山が見えるが曲岳はあれのさらに向こう。


    登山道をちょっと外れて下りられそうな尾根をチェック。その途中の草地から見上げる曲岳。


    山頂直下は見上げるような急登り。木の根がうまくステップになっている。


    曲岳山頂。
 12時30分、黒富士農園から3時間ほどで曲岳山頂に到着した。眼下に黒富士農園とその向こうに太刀岡山がひょっこりひょうたん島(知らない人のほうが多いかもしれませんが・・・)のように聳えている。天気が良ければその向こうに富士山が見えるのだが、さすがに台風が接近しているので富士山は見えない。空もしだいに黒い雲が蔽い始め、風も強まって来た。昼食をとって早々に下山する。

    ここの標柱は中央で分割して運んだらしく、金具のところで接合されている。


    黒富士と鬼頬山


    太刀岡山と黒富士農園。カラマツが少し色付いてきている。


    うまそうに見えるキノコ


    これは食べたら腹を壊しそうに見えるが・・・


    これもうまそうに見えるキノコだが・・・


    ブナハリタケだろうか?日向八丁尾根を歩いた時のリーダー小池師匠が採って来て食べたのがこれだと思う。

 空模様を気にしつつも、それほど急ぐわけでもなく下山、途中の道脇には山栗がたくさん落ちており、これを拾いながら下山する。歩きながらでもどんぶりにあふれるくらいの栗を拾うことができた。雨がパラパラと降り出した午後2時20分、駐車場に到着。着替えて車に乗り込んだ直後から本降りの雨が降り出した。

    下山した時には空はもう真っ黒な雲が覆い尽くす。すぐに本降りの雨が降り出した。

 その後雨は降り続き、風も強くなった。夜の10時ごろまで雨が降ったが、台風は足早に通り過ぎて行き、翌朝には三つ峠ライブカメラで綺麗な富士山が姿を現した。強風で山の木々の葉もだいぶダメージを受けたことだろう。綺麗な紅葉になってくれることを期待する。
コメント (2)
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御坂山塊の紅葉はいかに? 釈迦ヶ岳  平成24年9月27日

2012年10月01日 | 山梨百名山
 もう9月も終わりだというのにまだ暑い日が続いている。しかし、何故か我が家の庭に植えてあるドウダンツツジは紅葉が始まった。甲府市内から見上げる周辺の山々はまだ色付いているようには見えないが、実際はどうなのだろうか?御坂山塊の紅葉状況を見るために、登り慣れている釈迦ヶ岳を訪れる。

 釈迦ヶ岳は簡単に登れる割には眺望に恵まれた良い山である(と思っている)。いくつかコースがあるが、最も簡単なのは東側の日向坂(どんべい)峠、ないしはスズランの森駐車場から登るコースだろう。明瞭な尾根道を進めば最後のところだけロープのつけられた急登になっているだけだ。今回登る西側からのコースはロープ場が2ケ所あり、アルペン気分が若干味わえるコースだ。登山を楽しむなら裏側(北側)の檜峰神社からのコースが面白い。やや荒れたコースではあるがロープが張られていて迷うことは無い。神座山、大栃山を周回して戻ることも可能である。

    林道終点の釈迦ヶ岳登山口。このあたりはまだほとんど紅葉が始まっていない。

 台風が接近しており、明日の夕方には大荒れの天気になりそうだが、この日は朝から青空が広がり、三つ峠ライブカメラで綺麗な富士山が見えていた。12時過ぎに釈迦ヶ岳登山口に到着し、道路脇に車を止め、12時20分出発。最初はセメントの林道を30分ほど歩き、林道終点に到着する。紅葉はまだほとんど始まっていなかった。尾根に登り着き、さらにロープ場を2ケ所越えて登って行くと、少しだけドウダンツツジとミツバツツジの紅葉が始まっていた。しかし、ナラ、クヌギなどは全く色付いていない。

    ロープ場。昇りでは使う必要無いが、下りや岩が濡れている時は使ったほうが無難。


    上部の色付き始めたドウダンツツジと富士山。


    山頂付近。ミツバツツジが少し紅葉している。


    釈迦ヶ岳山頂の夫婦地蔵と富士山。

 14時5分、山頂に到着する。山頂の夫婦地蔵はエプロンが新しいものに衣装替えしていた。台風接近のためか、雲が広がりつつあるものの空気が澄んで午後になっても富士山が姿を見せていた。山頂もツツジの紅葉が始まったばかり、本格的な紅葉は2~3週間先になりそうだ。

    夫婦地蔵はエプロンが新しいものに変わっていた。


    黒岳稜線はまだ全く色付いていない。今回は手前に見えるダイレクト尾根を下る。

 昼食をとって14時40分、下山を始める。来た道を戻るのは容易いが、春に来た時、中腹で出会った猟師さんが、ダイレクトに釈迦ヶ岳山頂に登り着く尾根も若干時間はかかるが登れると言っていたのを思い出す。また、某アウトドア店の店員さんが、釈迦ヶ岳山頂で休んでいたら籔の中から人が現れて、熊が出たかと思ったという話も聞いたことがある。おそらく道は無いであろうがこの尾根を歩くことはできるのだろう。意を決して、籔の中に突入する。

    岩と低木の籔尾根を進む。


    下に見える小コブをめがけて進んだつもりだったが・・・


    歩きやすそうな林の中を選んで下りる。


    岩の露出した美しい斜面が途中にあった。

 いきなり岩と低木の籔尾根、もちろん道は無く、尾根を外さないように(といっても両脇急斜面でそこしか歩けない)真直ぐ下りる。少し行くとさらに傾斜がきつくなり、左側の林の中を歩きやすいところを探して歩く。右手に見える尾根から離れないように右向きを意識しながら歩いて行くと、イメージでは途中で尾根の傾斜が緩くなるはずだったのだがどこまで行っても急斜面だ。木の切れ間から振り返ってみると、越えるはずだった小コブがちょうど斜面の左側に見えていた。どうやら尾根を外して下りてしまったようだ。そのまま下りて行くとペットボトルの突き刺さった小木があり、まだ新しいことから、おそらくはキノコ採りの人の仕業だろう。さらに下りて行くとその先に登りで使った林道が見えてきて、あっさりと林道に抜け出た。15時25分、予定したよりもかなり上部の林道に抜け出る。あとは林道を歩いて15時40分、無事下山。

    小木に刺されたペットボトル。まだ新しい。


    林道の上部に抜け出る。

 暑い夏が続いた今年の紅葉はだいぶ遅れそうだ。今週の新聞に北海道大雪山のウラシマツツジ紅葉が見ごろになってきたとの記事を見たばかりだ。良い色に染まってくれることを願いたい。


    今回歩いたと思われるルート(右回りに歩く)
コメント (1)
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