山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

エゾノコリンゴ (バラ科) Malus baccata (L.) Borkh. var. mandshurica (Maxim.) C.K.Schneid.

2022年07月31日 | バラ科
 標高の高い原野に生育する 落葉小高木である。葉や花はズミ(コリンゴ)に似ているが、エゾノコリンゴは幼葉が両縁から内側に巻き込むように出るのに対して、ズミは中央で折れ曲がるか、あるいは和服を纏うように折れ畳んで出る。また、成葉ではズミに欠刻状の葉が混じるのに対してエゾノコリンゴはない。葉質はズミよりもやや厚くて革質で、やや光沢がある。花は白色で5弁であるが、ピンク色が混じるものもある。果実は径 8 ~ 10㎜、赤熟する。花期は 5 ~ 6 月。山梨県では八ケ岳や奥秩父、南アルプスに散在しており、清里の美ヶ森は観察するのに適地である。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2005年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし


    エゾノコリンゴ 2022年5月 清里美ヶ森で撮影


    満開のエゾノコリンゴ


    エゾノコリンゴの花。花が満開の頃にはまだ葉は十分には展開していない。


    幼葉は葉の両側からくるりと巻いて出て来る。良く似たズミは和服の襟のように両側を折れ畳んで出る。


    ピンク色が混じることがあり、花が開くとともに色は薄くなる。


    薄ピンク色の花


    木の幹はうろこ状にひび割れる。


    果実は赤みを帯びる。 2022年6月に撮影。

 ➡山梨県の絶滅危惧のバラ科植物一覧

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物


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アオナシ (バラ科) Pyrus ussuriensis Maxim. var. hondoensis (Nakai et Kikuchi) Rehder

2022年07月30日 | バラ科
 山地帯低木林または落葉広葉林中に生育する落葉小高木である。葉は長さ5~8㎝、ふちには芒状の鋸歯がある。花弁は白く5枚。果実は径3㎝ほどで黄緑色に熟し、頂部に萼片が残る。硬くて渋く、酸味が強く食用には適さないようである。本州の群馬県以西、および四国に分布し、特に中部地方に多い特殊な分布型植物である。清里のまきば牧場には巨木が生育している。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2005年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    アオナシの巨木 2022年5月 清里まきば公園で撮影


    満開のアオナシの花


    花が満開の時に葉もほぼ展開している。


    木の幹。うろこ状にひび割れる。


    2022年5月 清里清泉寮で撮影


    花弁は楕円形で5弁、白色である。葉のふちには芒状の鋸歯があるが、この画像では分かり難い。

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イワシモツケ (バラ科) Spiraea nipponica Maxim. var. nipponica

2022年07月30日 | バラ科
 石灰岩地や蛇紋岩地の岩場を好んで生育している落葉低木で、高さ1 ~ 2mほどである。若い枝は赤褐色で稜があって無毛、古い枝は灰黒色である。葉は互生し、葉身は 1 ~ 3㎝の倒卵状長楕円形~円形、葉の辺縁は全縁又は先端に鈍い鋸歯が数個付く。変異が多い。葉質は厚く両面とも無毛。5 ~ 7月に散房花序を出し、直径 7 ~ 10㎜の白い花を多数つける。山梨県では御坂山系の岩場の一部および北杜市の石灰岩地で生育がl確認されており、個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ A 類(CR) 2017年環境省カテゴリー:なし


    石灰岩の岩場に咲いたイワシモツケ 2022年5月 北杜市で撮影


    イワシモツケ


    枝の先に固まって花を付ける(散房花序)。葉は互生する。


    イワシモツケの散房花序。円形の花弁を5枚付ける。


    葉は全縁であるが先端部に鋸歯があるものもあり、変異が多い。


    結実したイワシモツケ 2021年7月 北杜市で撮影


    同上

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ウラジロキンバイ(バラ科)

2020年11月07日 | バラ科
 高山帯の岩塊地に生育する多年草である。花期は7~8月。キンロバイに似るがこちらのほうがやや背が高く、葉裏に白い毛を密生させて白く見える。山梨県では北岳周辺に生育しており個体数はそこそこにある。


    ウラジロキンバイ 平成23年7月 北岳で撮影


    同上


    平成29年7月 北岳で撮影。上記とほぼ同じ場所。


    同上 この場所が一番花に近付けて撮影し易い。


    同上 葉の裏側は白い。

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 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~


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ヒロハノカワラサイコ(バラ科)

2020年11月06日 | バラ科
 草原のやや固い地面の上を好んで生育する多年草である。花期は7~9月。花はキジムシロに似た黄色い花で地面を這うように生育するところも似ている。葉の形に特徴があり、奇数羽状複葉で互生し、7~15枚程度の小葉からなる。良く似たカワラサイコに比べて背が低く立ち上がらず、小葉の幅が広くて小葉間の隙間が狭いところが異なる。山梨県では富士山麓の草原で生育が確認されているが他の場所にも生育している可能性がある。


    ヒロハノカワラサイコ 平成30年8月 富士山麓で撮影


    同上 花はキジムシロに似ている。


    同上 地面を這うように茎を伸ばす。


    同上


    同上 


    令和1年8月 同じ場所で撮影


    同上 草むらの中では無くタイヤ痕の周辺のやや固い地面を好んで生育している。


    同上 葉は奇数羽状複葉で互生する。カワラサイコよりも小葉の幅が広くて隙間が少ない。

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キンロバイ(バラ科)

2020年11月06日 | バラ科
 高山帯の岩礫地を好んで生育する落葉小低木である。花期は7~8月。山梨県では北岳周辺に多く生育しているが八ケ岳にもあるらしい。


    キンロバイ 平成20年7月 北岳で撮影


    同上 キンロバイ咲くお花畑と間ノ岳


    平成29年7月北岳で撮影


    同上 折角の満開で良い状態だったが霧で霞んでしまった。


    令和1年8月 北岳で撮影


    同上 折角の満開かつ青空広がる好天だったのにカメラ電池切れでスマホで撮影。結構写るものだと感心した。

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タテヤマキンバイ(バラ科)

2020年11月06日 | バラ科
 高山帯の砂礫地に生育する落葉小低木である。花期は7~8月。3枚の小葉の先端部は鋸歯状で、黄緑色の大き目の萼片に包まれた細めの黄色い花を咲かせる。山梨県では北岳周辺に生育し、個体数はそこそこにある。また、富士山にも生育しているが個体数は少ない。


    タテヤマキンバイ 平成29年7月 北岳で撮影


    同上


    令和1年8月 北岳で撮影


    同上 花弁よりも萼片のほうが大きく、花っぽくない花。


    令和1年9月 富士山で撮影。


    同上 花は既に散っておりまだ確認出来ていない。

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山梨県の絶滅危惧のバラ科植物一覧

2020年10月23日 | バラ科
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されているバラ科の植物は以下の通りである。

絶滅危惧ⅠA類(CR)

 ギンロバイ(ハクロバイ)(2005山梨県EN 2017環境省-)

 イワシモツケ(2005山梨県CR 2017環境省-)
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絶滅危惧ⅠB類(EN)

  
ハゴロモグサ(2005山梨県EN 2017環境省VU)
    

 キンロバイ(2005山梨県EN 2017環境省VU)
    
 ウラジロキンバイ(2005山梨県EN 2017環境省VU)
    
 ミヤマモミジイチゴ(2005山梨県- 2017環境省NT)
    
 タテヤマキンバイ(2005山梨県EN 2017環境省-)
    


絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 カナウツギ(2005山梨県VU 2017環境省-)

 リンボク(2005山梨県VU 2017環境省-)
    

 サンショウバラ(2005山梨県VU 2017環境省VU)
    

準絶滅危惧種(NT)

 エゾノコリンゴ(2005山梨県NT 2017環境省-)
    

 アオナシ(2005山梨県NT 2017環境省VU)
    


情報不足(DD)

 ヒロハノカワラサイコ (2005山梨県- 2017環境省VU)
    

 まだ見ていないものが多数ある。完成するのは何年も先になりそうである。


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ハゴロモグサ(バラ科)

2020年10月23日 | バラ科
 高山帯の草地に生育する多年草である。花期は7~8月。山梨県では北岳周辺の南アルプスにのみ生育している。個体数はそこそこにある。


    ハゴロモグサ 令和1年8月 北岳で撮影


    同上


    同上 折角の満開で良い状態だったのにカメラ電池切れでスマホの画像しか撮れなかった。

 撮影が不十分でいつか必ず再写に行かなければならない植物のひとつである。

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