山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

初見の樹、カナクギノキ 南部町  令和6年4月14日

2024年04月19日 | 樹木類
 どこに生えているのか全く分からなかったカナクギノキであるが、花仲間が情報を提供してくれて、さらには下見にまで行ってくれて開花状況を知らせてくれた。5月連休ごろに訪問すれば良いのかと思っていたのだがそれよりももっと早い時期に花を咲かせるようである。今頃訪問すれば、おそらく満開の花が見られるはずである。天気も良く、たぶん良い状態のカナクギノキの花が見られるのではないだろうか。

    一般車通行止めの林道を歩いて進む。

    側面から滝が流れ込む。

    ミツマタの群生。花はもう終盤である。

    こちらも終盤のハナネコノメソウ

    ツルシロカネソウは満開

    林道脇の土手に生えていたカナクギノキ。これはあまり大きくない木。

    花が咲いている。枝は茶色いものだと思っていたがこれは緑色で、クロモジとの区別が難しい。

    雄花と雌花があるはずだが、見てもさっぱり分からない。

    林道の法面の上に生えていたカナクギノキ

    花が咲いているがかなり遠い位置である。

    超望遠レンズを取り出す。茎は黄緑色、雄花か雌花かまでは判別できない。

    葉の色が違うものが出ている。

    超望遠レンズで見てみると、花は良く似ているが別物の棘の生えた蔓性の植物がからみ付いているようだ。

    法面の上にはそれなりの数のカナクギノキが生育していた。

    さらに林道を進むとやや大型のカナクギノキが生えていた。

    たくさん花が付いている。

    これも茎は黄緑色である。

    黄色い葯のようなものが見えるが花粉は付いていないように見える。これが雌花だろうか??

    別の木の花。こちらは先端部が黄色い葯が付いている。これは雄花で良いのではないだろうか?

    中くらいの太さの木では幹の縦縞といぼのような突起が目立つ。

    本日一番の大きさのカナクギノキ。背丈は10mを越えている。

    花付きが凄く、今まさに満開状態。

    茎は茶色っぽい色をしていて、これならばカナクギノキと判別が出来る。

    花がたくさん付いている。しかし、どれを見ても雄花に見えてしまう。

    太い木の幹は樹皮が剥がれ落ちている。

 今年の課題のひとつであったカナクギノキはちょうど満開の良い状態の花を存分に観察することが出来た。しかし、雄花と雌花の区別は簡単では無く、見分けるには花を採取して細かく観察しないと難しそうである。花を採取するのは木が可哀そうな気がしてあまり気がすすまない。

 別の場所も覗き込んでみる。

    ツルシロカネソウが満開でたくさん咲いていた。

    こちらのスミレも咲いているのではないかと期待したが、まだ葉っぱだけだった。

    ミヤマカンスゲが穂を伸ばしている。

 コミヤマスミレはまだ咲いていなかった。コミヤマカンスゲは果胞が成熟し始めている。何度か探索したが見つかっていないハシナガカンスゲもそろそろ見ごろを迎えるのではないだろうか。今年はたぶん出会えるのではないかと期待している。


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リンボク (バラ科) Prunus spinulosa Siebold et Zucc.

2024年01月16日 | 樹木類
 暖温帯の常緑広葉樹や落葉広葉樹混交林内に生育する常緑広葉樹である。高さ5 ~ 10m、径 30㎝ほどになる。樹皮は紫色を帯びた黒褐色で、横に長い皮目がある。葉は互生、狭長楕円形、先端は尾状に尖り、縁は波打つ。表面は光沢があり裏面は無毛。密腺は目立たない。葉がヒイラギの葉に似ていることからヒイラギガシの別名がある。花期は 9 ~ 10 月で、総状花序を出し、白い花を多数付ける。暖温帯の植物なので、県南部のみに生育する分布限界種である。個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2017年環境省カテゴリー: なし  

    リンボク  2024年10月 南部町で撮影。樹高が高く逆光で撮影が難しい。

    樹皮はやや紫色を帯びた黒褐色。縦横にうろこ状にひび割れる。

    リンボクの葉。表面に光沢がある。

    既に落下してしまっている花

    球形の実を多数付ける。

    葉は先端部が尖り、縁が脈打つ。

 花期を逃してしまったうえに樹が高く撮影も不十分である。次の機会にきっちりと撮影し直してきたいと思っている。






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紅葉の木々とオオバボダイジュ 御坂山系  令和5年10月30日

2023年11月05日 | 樹木類
 オオバボダイジュが見つからずに苦戦している私のブログを見て、花仲間が生育場所を教えてくれた。大菩薩山系に多いのかと思っていたのだが教えていただいたのは御坂山系の山だった。さっそく行ってみることにするが、勉強のために紅葉している他の木々も見て回ってきた。

    おそらく並んで生えているこの高い木がオオバボダイジュであろう。この木を観察する前に他の紅葉している木々を見て回ってみる。

    黄色く染まっているこの木は?

    葉の形から見てこれはウリハダカエデだと思う。

    木肌を見てみるとやはりウリハダカエデであろう。

    茶色っぽくなっているこの木

    これもおそらくウリハダカエデであろう。

    赤く染まっているこの木


    これはオオモミジではないかと思う。

    赤く染まっているこの木

    少し大きめの葉で、葉の形から見てハウチワカエデであろう。

    少し茶色く黄葉しているこの木

    葉の形はハウチワカエデに似ているが葉は小さい。おそらくコハウチワカエデではないかと思う。

    黄色く黄葉している背の高いこの木は?

    葉の大きさが大きくて切れ込みはあまり深く無い。イタヤカエデではないかと思う。

    黄葉している葉。カエデの仲間では無さそうである。

    この葉の形はダンコウバイではないかと思う。

    黄葉しているこの木

    たぶんブナだと思う。



    たくさん実を付けているこの木はサワシバであろう。

    さて、目的のオオバボダイジュに戻る。葉は黄葉して半分ほど落ちてしまっている。

    落葉しているオオバボダイジュの葉

    まだ青い葉も残っていた。

    ハート形をしていてシナノキに比べると葉はひとまわり大きい。

    木の幹

    縦向きに縞が入るがシナノキのように深く無く、剥げ落ちない。

    別株の木の幹も同様。

    木の高いところにはまだ種が残っていた。

    結実した大ボボダイジュの実

    球形の種がぶら下がって付く。

    新鮮そうな落ち葉を拾って調べてみる。

    葉の裏側

    少し白っぽくて毛が生えているようである。

    さらに接写してトリーミング。葉裏にも葉脈にも星状毛がたくさん付いている。この葉裏の星状毛がシナノキとの違いである。

    御坂山塊の黄葉は今が真っ盛りであるが、色付きはあまり良く無いように思う。

 花仲間に生育地を教えていたおかげで今年の課題だったオオバボダイジュは落葉してしまう前になんとか観察できた。来年は花の咲いている時期に見に来てみたいと思う。


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これがリンボク 円蔵院を再訪する  令和5年10月27日

2023年10月30日 | 樹木類
 何度訪れても花が咲いていないリンボクと思わしき木、おそらく誤認しているであろうと思い始めていた。そんな折に花仲間がリンボクを見に行ってくれて情報を提供してくれた。もう花は終わって結実しているようである。送っていただいた写真を見て、ずっとリンボクだと思って追いかけてきた木は誤認であって、おそらくは良く似たイチイガシであろうと思えてきた。今度こそリンボクを見ようと、円蔵院を訪れてみる。

    懲りずに円蔵院を訪れる。

    リンボクだと思って追いかけてきたこの木、おそらくイチイガシだと思う。

    その下にあるこの木、実の付き方からおそらくシラカシであろう。

    これがリンボク??

    しかし、枝先をいくら探しても実が見当たらない。

 今回もリンボクは見つからないのかと半ば諦めかけていたところ、救世主が現れた。カギガタアオイを見に来たと言う花仲間がやって来て、リンボクの在り処を知っているとのことで案内してもらった。探していた場所からは少し離れたところに数本のリンボクが生えていた。

    これがリンボクだと教えていただいた。林の中に生えていた。

    鱗片状の樹皮は追いかけてきたイチイガシに似ているが色が黒っぽい。

    背丈が高いうえに逆光で観察しにくく、結実した実が見えない。

    リンボクの葉。やや細身で緑色が鮮やかで光沢がある。

    別の木を見てみると実が付いているようである。

    リンボクの実。

    枝の途中から分かれて数個付くこの実の付き方はリンボクで間違いないであろう。

 偶然に花仲間がやって来てくれたおかげで探していたリンボクにやっと出会うことが出来た。今日は超ラッキーである。

    コヒロハハナヤスリはまだ青々としている。

    胞子はまだ放出していないようである。

    もうひとつ、調べておきたかったのが前回発見したこのササクサ。

    小穂の先端部の突起を撮影したかったのだが風で揺れてうまく撮れず。

    止む無し。花穂を1本採取する。

    ササクサの小穂。先端部に何本かの突起がある。

    この突起は側面がノコギリ状になっていて、この突起で強烈に服に突き刺さってなかなか取れない。

 やっとリンボクの木が確認出来た。花は終わってしまっているので来年こそはこの木の花を見てみたいと思う。


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オオバボダイジュ探索失敗 嵯峨塩の森  令和5年10月26日

2023年10月28日 | 樹木類
 山梨の森100選の中のひとつ、嵯峨塩の広葉樹林は同時に山梨県の自然記念物に指定されている。この場所には探しているオオバボダイジュが確実に生育しているはずである。笛吹市方面に出張があったので午後から嵯峨塩の森を訪れてみる。

    嵯峨塩の広葉樹林の看板

    自然記念物の看板。オオバボダイジュ、モイワボダイジュ、ハルニレが生育している、はずである。

    ハルニレは看板が立っていて大きな木なのですぐに見つかる。

    ハルニレの幹。主に縦方向にひび割れる。

    下から見上げるハルニレの大木。葉はだいぶ散っている。

    ハルニレの葉

    地面にハート形の葉がたくさん落ちていたので木に近付いてみる。これがオオバボダイジュ??

    木を見上げる。もうだいぶ葉が散ってしまっている。

    楕円形、ないしはハート形をした葉のようである。

    地面に落ちた葉はハート形。だが大きさが小さい。

    裏側を見てみる。葉脈にも葉裏にも毛が生えておらず、これはおそらくカツラであろう。

    これはブナの木と思われる。

    紅葉目前のブナの木の葉だが、色付かずに散ってしまいそうである。

    黄色く黄葉している木があった。葉の形はハート形に見える。

    幹は先ほどのカツラの木に似ている。

    葉はハート形に近いが・・・

    葉裏にはやはり毛が無く、これもカツラであろう。

 木を見上げて思うことは、まだ全く力不足でオオバボダイジュを探すだけの能力が付いていないということである。幹を見ても葉を見てもほとんど分からない木ばかりである。もう少し森の中に入り込んで探せばオオバボダイジュが見つかったかも知れないのだが、あまりに力不足を感じたのでもう少し勉強してから再訪してみようと思っている。


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リンボクの花は確認出来ず 南部町円蔵院  令和5年10月20日

2023年10月21日 | 樹木類
 2週間ほど前にもリンボクの花が見たくて訪問している南部町の円蔵院であるが、10月も下旬に入ったのでもう咲いている頃ではないかと思う。

    円蔵院の奥に生えている木。下から見上げても花が見えないのでお寺の門のところから望遠レンズで狙う。

    どうやら花は咲いていないようである。

    超望遠で観察してみるがやはり花らしきものは見当たらない。

    別の木

    こちらにも花は見当たらず。

    トリーミング画像。丸く膨れているのは花芽ではないのだろうか?

    この木は幹の様子から見て探しているスダジイではないかと思うのだが・・・

    背丈の高い木で葉や種子の様子までは観察できない。

    見つからなかったコヒロハハナヤスリが今ごろになって胞子穂を伸ばしていた。

    昨年に比べるとだいぶ少ないが、無くなってしまったわけでは無かったようである。

    カギガタアオイはいよいよ花が咲き出した。

    カギガタアオイの花

    中にタコ足状の雌しべが見える。
 10月下旬になってもこの場所は藪蚊が多く、虫よけスプレーを散々肌にかけていったが数ヶ所刺された。リンボクは今年こそ花を見て確定しようと思っていたのだが、今年は花が咲かないのか、それとも誤認しているのか。ひょっとしたらこの木はリンボクでは無くてイチイガシのほうではないのかとも思えてきた。もう少ししつこく様子を見に来てみたいと思う。そろそろキチジョウソウの花が咲き始める頃ではないかと思っていたのだが花芽も確認出来なかった。キチジョウソウが咲く頃に再訪してみたいと思う。


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リンボクの花はまだ咲いていなかった 南部町  令和5年9月10日

2023年09月17日 | 樹木類
 身延町のカリガネソウを見た後は少し足を延ばして南部町の円蔵院を訪れてみる。リンボクの花が咲くのは9月か10月ごろと記憶していたので、そろそろ咲いている頃ではないかと思う。

    南部町円蔵院。寺の裏側にリンボクが何本か生えている。

    リンボクの幹

    樹皮が縦横にひび割れて鱗のようになる。

    下から見上げるリンボク

    残念ながら下からだと花が咲いているかどうかは分からない。

    そこで遠距離から望遠レンズを使って撮影を試みる。真ん中に生えているのがリンボクのはずである。


    これがリンボクのはずだが花らしきものは見えない。

    トリーミングしてみると、花芽らしき丸っこいものがたくさん付いている。咲くのはまだ2~4週くらい先になりそうである。

    隣に生えていたこちらはシラカシであろう。

    トリーミング。小さな青い実をたくさん付けている。

    右の大きな木はクスノキ、左側の木はたぶんアラカシではないかと思う。

    葉に光沢があり幅が広めで真ん中から先に鋸歯がある。

    何度も訪れているのにカゴノキが生えているのには全く気付かなかった。

    カゴノキ。幹に鹿の肌のような模様が入る。

    これはキチジョウソウであろう。

    まだ花や蕾は見えない。

    ここに生えていたコヒロハハナヤスリは影も形も無い。おそらく雑草としてむしり取られたのではないだろうか?

    カギガタアオイの葉がたくさん出ている。

    花芽はまだ見えなかった。

 期待していたリンボクの花は残念ながらまだ早かった。10月に入った頃に再訪してみたいと思っている。おそらくスダジイもこの場所にあるのではないかと思っているのだが見つけられていない。なにせ虫よけスプレーをものともしない藪蚊がたくさんやって来て、とてもではないが林の中でじっくりと探している気にはなれない。


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ハシドイ (モクセイ科 )Syringa reticulata (Blume) H.Hara var. reticulata

2023年08月16日 | 樹木類
  山地帯の谷間や谷川沿いの湿ったところに生育する落葉小高木で、高さ6 ~ 7mになる。樹皮は灰白色で、楕円形の皮目が横に並び、サクラの樹皮に似る。葉は対生し、長さ6 ~ 10㎝、幅 5 ~ 6㎝の広卵形で全縁、基部は円形で先は急に鋭く尖る。裏面の脈上に短毛あり。6 ~ 7 月、 白色の花が円錐花序に多数つき芳香がある。花冠は径 5㎜の漏斗型で 4 裂する。 生育地での個体数は比較的多い。
 
  2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2017年環境省カテゴリー: なし


    ハシドイ 2023年6月 北杜市で撮影


    ハシドイの花。白色の花が円錐花序に多数付く。


    枝先に多数の花を付けたハシドイ



    ハシドイの花。花弁は漏斗型で4裂するがこの大きさでは確認が難しい。


    ハシドイの木の幹


    高さ6~7m、あるいはそれよりも多きくなる。幹は横縞が入りサクラの樹皮に似ている。

    ハシドイの葉。広卵形で全縁、先端部は尖る。

 




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コハクウンボク (エゴノキ科 )Styrax shiraiana Makino

2023年06月13日 | 樹木類
 山地帯の林縁を好んで生育する落葉小高木である。高さ4 ~ 10mになる。若枝は星状毛が密生する。葉の長さ5 ~ 8㎝、幅 4 ~ 7㎝の倒卵形で、上半分に不規則な大形の歯牙ある。表面の脈上に星状毛が散生。6 月頃、枝先に総状花序を出し、白い花を数個つける。花弁は漏斗状鐘形で 5 中裂する。山梨県の生育地は限られているが生育地での個体数は多い。

 2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ B 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし


    コハクウンボクの木  2023年5月 山梨市で撮影


    白い花を多数付ける。


    コハクウンボクの花


    枝先に総状花序を出し数個の白い花をつける。


    花は漏斗状鐘形で 5 中裂する。

 ⇒山梨県絶滅危惧の樹木類一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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ユズリハ (ユズリハ科 )Daphniphyllum macropodum Miq. subsp. macropodum

2023年06月12日 | 樹木類
 福島県以西の暖温地の山林に生育する常緑高木である。樹高は 4 ~ 10mになる。雌雄異株。葉は互生し有柄、葉身は長さ15 ~ 20㎝の長楕円形から倒卵状長楕円形で全縁、厚い革質で表面は光沢があり、裏面は帯粉白色。花は総状につき、花弁はなく、萼片も欠くことがある。果実は長さ1㎝くらいの楕円形、秋に暗青色に熟す。花期は 4 ~ 5 月。山梨県では身延町以南に生育する分布限界種で、植栽のものは多く見かけるが自生のものは稀である。

 2018:山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ B 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ユズリハ  2022年4月 南部町で撮影


    葉には光沢があり全縁、葉柄は赤色を帯びることが多い。


    樹皮は灰白色で縦に筋が入り、楕円形の皮目がある。


    2022年4月 甲府市で撮影。おそらく植栽のものであろう。


    先端部の葉腋に花が付いている。


    おそらく雄花ではないかと思う。


    2022年7月 甲府市で撮影。 成熟する前の緑色の実が付いている。

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アカガシ (ブナ科) Quercus acuta Thunb.

2023年06月12日 | 樹木類
 暖温帯に生育する常緑広葉樹で高さ20m、幹の径は 80㎝ぐらいになる。葉は互生し、長楕円形革質で左右は不ぞろい、先端部は尖る。ふつうは全縁である。樹皮は灰白黒色で皮目は目立たないのが普通であるが、老木になると割れ目が目立ち、剥げ落ちると赤い樹皮が現れる。堅果は 約 1.5㎝ぐらいの卵球形で、1年目の実は小さいが2年目から大きくなり、秋に成熟する。山梨県では県南部に生育し、分布限界種である。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    アカガシ  2022年1月 南部町で撮影


    老木になると樹皮の割れ目が目立ち剥げ落ちる。剥げ落ちた後に赤い樹皮が現れる。


    アカガシの葉裏。やや白っぽい。


    葉は革質で硬く光沢がある。先端は尖り辺縁は全縁である。

 堅果はまだ撮影出来ていない。

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ハンノキ (カバノキ科) Alnus japonica (Thunb.) Steud.

2023年06月12日 | 樹木類
 山地帯の日当たりのよい湿地に生育する落葉高木である。高さ20m、径 50㎝ぐらいになる。樹皮は紫褐色で不規則に浅く裂けて剥がれる。葉は互生し、卵状長惰円形で基部は広い楔形、先端部は鋭く尖り、縁には不揃いの浅い鋸歯がある。裏面脈腋に毛叢がある。葉のでる前に雄花穂は枝先について、雌花穂はその下部につく。山梨県では主に八ヶ岳周辺および富士山麓に生育している。三分一湧水公園が観察し易い。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2005年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし
 

    ハンノキ  2022年6月 三分一湧水公園で撮影


    幹は不規則に浅く裂けて剥がれる。


    葉は卵状長楕円形で先端部は尖り辺縁に浅い鋸歯がある。


    冬期のハンノキ。 2022年3月 三分一湧水公園で撮影。


    ハンノキの幹


    落葉した枝の部分


    垂れ下がった雄花と果実が残っている。

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ヤエガワカンバ (カバノキ科) Betula davurica Pall. var. davurica

2023年06月12日 | 樹木類
山地帯高原に生育する落葉高木で、高さ15~25m、径 は20~50㎝(径 1m 近くになるものもある)になる。樹皮は灰色を帯びた褐色または灰色で、鱗片状に幾重にも剥げ落ちる。ヤエガワ(八重皮)の名はこの樹皮に由来がある。葉は卵形~やや菱形状の卵形で先端は鋭く尖り、ふちには不揃いな鋸歯がある。花は雌雄同株で4~5月ごろ葉の展開とともに開花する。雄花序は枝の先に2~3個ずつ垂れ下がって付き、雌花序はその手前に直立して着く。中部日本高原に分布し、清里、南ア北部、秩父山地西部、特に県境付近に多く生育する。

 2018年山梨県カテゴリー準絶滅危惧(NT) 2005年山梨県カテゴリー準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:準絶滅危惧(NT)

    ヤエガワカンバ  2022年6月 乙女高原で撮影。

    幹の樹皮は幾重にも剥げ落ちる。

    幹だけでなく枝の部分の樹皮も幾重にも剥げ落ちる。

    ヤエガワカンバの葉。卵形で先端が尖り、不規則な鋸歯がある。

    2022年6月 八ケ岳美し森で撮影

    樹皮は幾重にも剥げ落ちる。個体数は多い。

    ヤエガワカンバの葉。こちらはやややや菱形状の卵形をしている。

    雄花序の冬芽。 2022年8月 乙女高原で撮影。夏になるともう冬芽が出ている。




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カゴノキ (クスノキ科) Litsea coreana H.Lév.

2022年11月17日 | 樹木類
 関東、福井県以西の暖地に分布し、林内に生育する常緑高木である。雌雄異株。幹の周皮は鹿子の肌模様のようにはげ落ちることからカゴノキ(鹿子の木)の名前がある。葉は互生し有柄、葉身は長さ5~9㎝の倒披針形で、全縁で鈍頭、薄い革質である。花は葉腋に散形状につき黄色、雄花序はやや大きく、雌花序は小さい。果実は長さ7 ~ 8㎜の倒卵状球形で翌年の秋に紅熟する。花期は 9 月。山梨県内では南部町以南に分布し、個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    カゴノキの大木 2022年1月 南部町で撮影


    幹は鹿子の肌の模様を呈する。


    枝と葉。葉は互生し、倒披針形で全縁。


    南部町の神社に生育するカゴノキ。2022年10月撮影。


    カゴノキの幹


    花が終わった頃のカゴノキ


    花が終えた頃の雌花。葉腋から散形状に花を付ける。

 ⇒山梨県絶滅危惧の樹木類一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物


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ヒトツバハギ (ミカンソウ科) Flueggea suffruticosa (Pall.) Baill.

2022年11月16日 | 樹木類
 北海道を除く各地に分布し、草原や原野、土手などに生育する落葉低木である。枝はよく分岐し、高さ 2 ~ 3mになる。葉は互生し有柄、葉身は長さ4 ~ 7㎝の長楕円形で縁は全縁、両面とも無毛である。花は雌雄別株。花には花弁がなく、萼片は 5 個ある。雄花は葉腋に多数束生し、雌花は 1 ~ 5 個つく。果実は径 4 ~ 5㎜の扁球形。花期は 6 ~ 8 月。

 2018年山梨県カテゴリー絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    用水路の土手に生えていたヒトツバハギ 2022年7月 山梨市で撮影


    ヒトツバハギの若い実


    結実したばかりの実


    拡大


    葉は全縁で無毛


    枝は淡緑色、ときに紫褐色を帯びる。太い幹は灰褐色で樹皮に縦の割れ目が入る。

 ⇒山梨県絶滅危惧の樹木類一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物


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