山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

新たに見つかった羽蝶の蘭  令和1年7月28日

2019年07月30日 | 山に咲く花
 御坂山系では無い別の山域でウチョウランが見つかったという情報が入ってきた。台風6号が熱帯低気圧に変わって足早に通り過ぎたばかりなので空模様を心配していたが以外にも朝から青空が見えている。悪天候を予想していたので少し遅めの出発となってしまい、林道の奥まで車を乗り付けて短絡して登り始める。


    タマゴタケ・・・だろう。自信が無いのでとても採って帰ろうという気にはなれない。


    花が葉より下にあっていつも見ているマムシグサとは葉の感じも違う。ユモトマムシグサか?


    登山道脇で普通に見かけるこんな花も名前を知らない。おそらくウマノミツバ(セリ科ウマノミツバ属)。


    イチヤクソウ


    花は散ってしまっているがおそらく寄生植物のムヨウイチヤクソウ。


    小さな葉が付いている。近くにキノコ(ナラタケ?)があり、このキノコの菌と共生していると思われる。


    キリンソウが満開


    シモツケ。登山道脇にはシモツケソウも結構あったがまだ蕾だった。


    チダケサシ(だと思う)


    咲き出したばかりのタカネママコナ


    ウツボグサ


    イブキトラノオ。後ろはカワラマツバ。


    一輪だけアヤメ


    サルオガゼの木


    イワキンバイ

 核心部の岩場まで登って来た。予想していた以上に気温が上がって暑く、額から汗がしたたり落ちる。岩の周辺にある草地を探すとあっさりと1株目が見つかった。


    目立つ場所に生えていたウチョウラン


    別角度から


    崖の先の草むらで咲いていたウチョウラン


    登山道から離れた場所で咲いていたウチョウラン


    まだ蕾のミヤマモジズリ


    まだ蕾なので何だかわからないワカラン。

 見つかったウチョウランは5株ほどだったが近付き難い岩壁の間にはおそらくまだ生育していると思われる。盗掘が減ったことがあるのか、この花は少しづつ数を増やしているような印象を受ける。午後3時ごろから向かいの山とさらには後ろの山で雷鳴が轟き出し、もう少しゆっくり探したかったが足早に撤退することとなってしまった。
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ほころび始めた風の蘭  令和1年7月27日

2019年07月27日 | 里に咲く花
 台風が接近して朝から雨だろうと思っていたのだが、以外にも朝6時に目を覚まして空を見ると青空が見えている。予報が少し変わったようで雨が降り出すのは午後になりそうだ。南に行くほど天候が悪くなるのはわかっているが、10時くらいまでならなんとか持ってくれるのでは・・・と期待して6時半に自宅を出発して山梨県県南部に向かう。

 現地到着した時にはまだ降っていなかったがカメラを取り出して撮影に出発した頃から雨が降り出しレンズが結露し始める。なんとか1株目を撮影して別の場所に移動し始めた頃には・・・土砂降りの雨に変わる。道の駅でしばらく待機したが上がりそうも無く撤退となってしまった。


    何度も見に来ているフウランが着生している枝垂れ桜。


    緑色の花芽らしきものが出ている。


    トリーミング。3本見える。尻尾が伸びているのが確認できるが開花するのはまだ1~2週間先になりそうだ。


    別角度から


    トリーミング

 花期は7月初旬から中旬ごろだろうと思っていたのだが意外と遅いことがわかった。不順な天候が続いているうえに台風が去った後は猛暑日が待っているようだ。暑さに負けず綺麗に咲いてくれることを願う。
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羽蝶の蘭舞 御坂山系の山  令和1年7月26日

2019年07月27日 | 山に咲く花
 御坂山系の山々で岩場がある場所には何ヶ所かこの花が咲くところがあるが、今回行く場所でこの花を見るのは初めてである。前日も登山口までやって来たが空に真っ黒な雲が広がり雷鳴が轟き出したために撤退している。この日も決して天候は良くは無く時折小雨が降る曇り空である。いつ雷鳴が轟いてもおかしく無い空であるが、明日からは台風6号の接近で荒れた天候になる予報であり、台風が過ぎ去った後ではおそらく花が傷んでしまっていて良い時期を逃してしまうだろう。もし雷鳴が聞こえたらそこまでで撤退することにして花が咲いているであろう山上を目指して出発する。


    本日も空模様が悪い。隣の山は雲の中でおそらく雨が降っているだろう。


    ヒヨドリバナで吸蜜していたアサギマダラ


    岩場に咲いていたフジイバラ。ノイバラとの違いは葉に光沢があるところ。


    岩場の草むらに咲いていたこの可愛らしい花


    ウチョウラン


    別角度から


    予想していた以上に個体数があった。


    この場所ではちょうど見頃だった。


    紫色の蝶が舞う花


    本日いちばん花付きが良かった株

 ウチョウランを見ることが本日の目的のひとつではあるのだが、もうひとつ、来年の山岳レインジャー説明会に向けてどうしても撮っておきたい画像があった。それがハコネコメツツジの横顔接写画像であるが、この場所は個体数が少なかったうえに花付きが悪く、しかももう痛んでしまっていた。


    もうひとつの目的の花、ハコネコメツツジ。


    花付きが悪くしかももう痛んでしまっている。


    花筒に毛が密生しているこの横顔が撮りたかった。チョウジコメツツジと区別する際に重要なポイントとなる。


    おそらくヤマブキショウマ。


    葉脈がはっきりしていて平行に走っている。

 途中で小雨に降られたがさほどの雨では無くすぐに止んだ。雷鳴は轟かず青空が見えた時間もあった。今年は是非とも見に行きたかったウチョランだが、いつもと違う場所で満開の花に出会うことが出来て満足だった。

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花は咲いたが・・・ オオヤマサギソウ再び 芦川スズランの森  令和1年7月25日

2019年07月26日 | 山に咲く花
 別の山に行くはずだったのだが、登山口に到着した途端に小雨が降り出し山の上から雷鳴が轟いてくる。とても登る気にはなれず行き先を変更してオオヤマサギソウを見に行ってみた。


    こちら側はそれほど悪い天候では無かったが、小雨がパラパラと降ってすぐ止んだ。


    やっと咲き出したオオヤマサギソウ・・・だと思っていたがずいぶんと花が小さい。しかし、葉を見る限りではオオヤマサギソウだと思う。


    小さなクリオネだがこの長い尻尾はやはりオオヤマサギソウ。


    柵の中を見に行ってみる。開花はしてくれたが・・・急激な暑さで穂先のほうは花が咲かずに枯れてしまっている。残念。


    こちらはまだ蕾


    1本は木の枝が落下してやられたか、倒れてしまっていた。


    穂先が暑さでうなだれてしまっているが、いちばん状態の良かった株。


    薄緑色のクリオネ


    クリオネ2頭が舞う


    すらりと長い距を持つこの花、格好良い。


    綺麗に花を咲かせてくれなかったことは残念だがそれでも魅力的な美しい花。

 スズランの森の中を散策してみる。来るたびに違う姿を見せてくれるこの場所は何度訪問しても新しい発見がある。


    オオバギボウシ


    クガイソウ


    オカトラノオ


    キリンソウ


    イタチササゲ


    もうすぐ咲き出しそうなタムラソウ


    これはどんな花を咲かせてくれるのか?


    トリアシショウマ


    良く見かけると思うのだが・・・


    図鑑と葉の感じが違うが、ヤマニガナだと思う。

 期待していたオオヤマサギソウは悪天候が続いて涼しかったかと思ったら数日前から急に気温が上がり、残念ながら開花と同時に花が痛み始めてしまった。下草がほとんど生えておらず日差しをそのまま浴びてしまったことも原因のひとつだろう。保護柵の効果を期待してまた来年に期待しよう。
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昨年の移植片はどうなったのだろうか?  令和1年7月某日

2019年07月25日 | 番外編
 昨年7月、苔の生えた木に着生する稀少な植物が苔ごと脱落しているのが発見され、植物保護を行っているわれわれのところに届けられた。どうしたら良いものかいろいろと相談したうえで元々その植物が生育していた近傍の木に戻すのがいちばん良いだろうということになり、脱落した塊を麻紐のネットとともに苔の生えた木に打ち付けてきた。その後どうなっているのかずっと気になっていたが、なんとか訪問できる時間がとれたので花仲間とともに見に行ってきた。


    この日は天気が悪く、いつ雨が降り出してもおかしくない天候である。案の定途中から雨が降り出した。


    木の上を覗き込むとスギランが着生していた。


    トリーミング。ランではなくてシダの仲間である。

 現地に到着し移植片を見に行ってみる。なんとか木に付いてくれてはいるが、出ている株は1株のみだった。昨年の移植片の画像を見てみると5~6株はあったはずだが、やはり移植は難しいのであろう。


    移植した苔の塊。なんとか着生している。


    手前に見えているのはノキシノブ。本来の植物の葉は真ん中にある葉。


    もう少したくさん出てくれるのを期待していたのだが出たのは1株のみだった。復活してくれることを期待したい。


    ちなみにこれが昨年の移植直後の状態。

 しっかり移植出来ているならば痛そうな釘を抜いて来ようと思っていたのだがまだ抜くには早そうである。元々この植物が着生していた木を見に行ってみる。


    なんとか着いているが今にも脱落してしまいそうである。


    少し元気な葉もあるが・・・


    今年は花芽が見当たらず、一株も花を咲かせてくれなかった。


    状態が良ければこんな花が咲くはずだった。

 きわめて厳しい状況にある稀少な着生植物であるが、木の樹皮の栄養状態や劣化によって脱落してしまうのは着生植物の運命であろう。移植は好ましい方法とは思っていないが脱落してしまった個体は他に手段が無いのではないかと思う。むしろ脱落直後に発見されたのが奇跡的だった。これからどうなって行くのか、引き続き見守って行きたいと思う。
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セイタカスズムシソウが咲く草地を再訪する  令和1年7月21日

2019年07月23日 | 山に咲く花
 先週も訪問したセイタカスズムシソウが咲く草地をもう一度訪れてみるのだが、見たかったのはセイタカスズムシソウよりも先週咲き始めたばかりだったツチアケビのほうである。バナナのような実をつけたツチアケビは見たことがあったが咲いている花を見るのは今年が初めてである。おそらく満開になっているはずだ。


    ツチアケビ。


    先週は咲き始めだったが今週は一部が落下している。


    全体的にはグロテスクだが花はそれなりに美しい・・・かも知れない。


    オニノヤガラ


    まだ蕾。


    オカトラノオは散り始めている。


    イヌゴマは咲き始め。


    セイタカスズムシソウ


    この日は別グループが観察に来ていると聞いていたので、花を探すよりも踏み跡を探したほうが発見し易かった。


    本日一番の大株。先週観察した花の一部は斜面が崩落して消滅してしまっていたものがあった。残念。


    別の場所で新たに発見されたこの花を見に行ってみた。既に花は痛んでいて花穂が倒れていた。周辺を探したがこの1株しか発見できず。

 今年はセイタカスズムシソウとツチアケビを存分に楽しむことが出来た。そして絶滅したと思われていた黄色いランも複数の場所で発見され、ひょっとしたら他の場所でも意外とまだ残っているのではないかと期待を持つことが出来た。
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再び八ヶ岳へ  令和1年7月20日

2019年07月22日 | 高山に咲く花
 7月初旬にも訪れている八ヶ岳を再訪である。前回の訪問はいわば下見のようなもので、今回が本番と言って良いだろう。目的は八ヶ岳で見つかった稀少植物の保護に向けての本格的な現地調査である。今回のメンバーは全員が何らかの形で植物の調査や保護に携わっているそれなりのメンバーが揃っており私はいちばんの下っ端である。植物が見つかった当初から保護のためにどうしたら良いかを考えていろいろ手を回してきたが山梨県や環境省がいよいよ保護に乗り出すことが現実味を帯びてきた。


    今回は植物保護に向けての現地調査。台風接近で一時は中止になるかと思っていたが意外と天候は持ってくれた。


    一時は富士山も見えた。雲の上に山々が浮かんでいる。


    やはり食害を受けて無くなっていたエゾスズラン。背が高くて目立つだけに簡単にやられてしまう。


    ケブカツルカコソウも背が伸びて目立つため、昨年はほとんどが食害を受けた。生えてくれて良かったが今後どうなるかわからない。


    登山道から少し離れた場所でひっそりと咲いていたヤマトキソウ。


    一方、登山道脇にあったヤマトキソウは花の前方の草地が踏み荒らされて陽にさらされていた。可哀想な気がした。


    登山道沿いで見つかったコハクラン。笹に隠れているうえに地味な色なのであまり人目にはさらされていないようだ。


    こちらもツガ樹林帯の登山道脇にあったコハクラン2株。


    コハクラン。まだ幼弱な小型である。周辺にはまだ花芽を出していない幼弱な葉が2枚あった。


    一方、草地の中にあったコハクランは酷い状況になっていた。周辺はふみ跡だらけ、かつ撮影のために花周辺の草がむしり取られている。


    ニョホウチドリは斜面の土砂が一部流れ出て数が減っていた。


    ハクサンチドリはちらほらと咲いている。

 調査地は想定していた以上に踏み跡が著しく、小さな葉の植物が踏まれているものも確認された。珍しい植物の周辺の草は写真撮影のためにむしり取られていて陽にさらされてしまっている。これでは鹿の食害と何ら変わりない状態である。ラン科植物は共生している菌の活性が花を咲かせたり成長して行くために重要な役割を果たしており、踏みつけて地面が固くなったり陽にさらされてしまうことで菌活性は著しく障害されてしまう。こういうことをやられてしまうと今後咲かなくなってしまうことが十分にあり得るのである。他にも貴重な植物が生育している場所でありこの周辺にも重要な植物が生育していて、同じように踏み荒らしや周辺の草がむしり取られているのが確認された。こうなっているであろうことは予想していたが、想定していた以上に残念な状況だった。特に草をむしり取るのは花を観察するうえで絶対にやってはいけないマナー違反であろう。環境と植物を守るためにはもはや囲って保護する以外には方法が無いであろうと確信するに至った。


    花の観察や撮影は植物の保護を第一に考えてマナーを守ってください。

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セイタカスズムシソウとフガクスズムシソウ 富士北麓の森  令和1年7月21日

2019年07月22日 | 山に咲く花
 例年ならばフガクスズムシソウはもう終わりかけている頃だろうが、今年は花期が遅れているうえに天候不順で気温が上がらなかったためにおそらくまだ見ることが出来るであろう。ずっと気になっていたがなかなか行く機会が無かった富士北麓の森のフガクスズムシソウを花仲間とともに見に行ってみた。また、昨年訪問した際に偶然見つかったセイタカスズムシソウがどうなっているのかも気になっていた。


    無事に咲いているのが確認できたセイタカスズムシソウ。


    昨年見つけてGPSに登録してあった場所では発見できず、同行したランに詳しい方が探し出してくれた。咲いていてくれて一安心。


    双眼鏡を忘れて探し出すのに一苦労だったフガクスズムシソウ。100㎜望遠レンズをカメラに装着してなんとか発見することが出来た。


    初めてこの森を訪問した時に、たくさん着生しているのを見て感動した木。その後何度か探したが見つからずようやく見つけ出すことが出来た。


    570㎜望遠レンズ+EosRPフルサイズミラーレスカメラで撮影した画像。


    さらに2倍エクステンダー装着し1,140㎜望遠。この組み合わせは相性が良く、超望遠撮影でもそれなりの画像が得られる。


    この場所に白花のフガクスズムシソウが着生していたはずだが?


    1株だけ確認できるがその手前は苔ごと脱落して消滅してしまったようだ。残念。


    マツノハマンネングサ


    倒木に着生していたマツノハマンネングサ。


    あと1∼2週間で咲きそうである。


    こちらも倒木に着生していたフガクスズムシソウ


    逆光で芸術的に撮ったはずだったが・・・ピントが甘かった。


    こちらは倒木に着生していた白花のフガクスズムシソウ。こんなのが見られるとは、本日はラッキーである。

 今年は訪問時期が良かったうえに花仲間が下見しておいてくれ、さらには同行してくれたランに詳しい方が居てくれたおかげで効率良く、存分に2種類のスズムシソウの仲間を楽しむことが出来た。まだ花の撮影に成功していないマツノハマンネングサが満開の頃に再訪出来ればと思う。
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オオヤマサギソウはまだ蕾だった 芦川  令和1年7月17日

2019年07月22日 | 高山に咲く花
 オオヤマサギソウ群生場所の保護柵を設置して1週間以上が過ぎた。御坂山塊の中でもこれだけまとまってオオヤマサギソウが咲く場所は無いであろう。柵が無事なのかどうかも心配だが、そろそろ咲いているのではないかと見に行ってみる。


    小屋の前にも長い花穂を出していたオオヤマサギソウ。無事に咲いてくれれば良いのだが?


    ポールが少し傾いて抜けかけている場所があったがほぼ良好に立っていた保護柵。


    中に入ってみる。だいぶ花穂が伸びている。


    しかし残念ながらまだ蕾。ここのところずっと天候が悪く気温が低かったのでまだ咲かないようだ。


    保護柵で囲ったので食害の心配はまず無さそうである。


    クモキリソウが満開。


    スズランの森の中を散策してみる。オオバギボウシが咲き出していた。


    しかし保護柵で囲われているにもかかわらず、柵内は鹿の食害があちらこちらで見られる。


    クガイソウ


    今年は見られないだろうと思っていたこの花。


    まだ咲き残っていた。ジガバチソウ。

 もう何年も見ていない御坂山系のオオヤマサギソウ、今年は開花が遅れているが確実に見ることが出来そうである。柵内は6本の花穂が出ているのを確認、柵の外でも2本確認した。開花はまだ1∼2週間先になりそうである。
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山梨県ではもう見られないだろうと思っていたランが発見される  令和1年7月某日

2019年07月19日 | 山に咲く花
 2108年版山梨県レッドデータブックでは絶滅危惧ⅠA類から情報不足に変わり、絶滅してもう見られないだろうと思っていたラン科の植物が発見された。花仲間から咲き始めたので撮影してきてくれと何度か連絡が入っていたのだが出張があったり天候が悪かったり夜勤があったりとなかなか行ける機会が無くやっと訪問することが出来た。


    咲いている。


    まだ痛んでいない見頃の花。


    金色、というよりは薄黄色の上品な花。


    ごく限られた場所に限られた個体数しか生育していない貴重な花


    吸い込まれるような美しさがある。


    しかし、懸念していた通り危険な状態にある。


    これは鹿の食害だろう。

 この花が生育している周辺は鹿の通り道が無数に走っており実際に食害に遭っている株も確認された。発見したのは良かったがこれからどうやって保護して行くのが良いのか考えなければならない。既に山梨県庁の担当課には連絡が行っているはずである。希少植物は観察しただけでは済まされず、この花を見た人は誰しもがこの花の保護の重要性を認識しているだろう。
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まだ見ぬ植物を探しに八ヶ岳へ  令和1年7月15日

2019年07月18日 | 山に咲く花
 この日も天候はいまひとつで、いつ雨が降り出してもおかしくない空模様である。あまり出かけたくは無い天気だがいろいろと日程が詰まっておりこの日を逃すと今年は行けなくなってしまいそうである。仕事を片付けて急いで八ヶ岳の登山口に移動して出発する。


    中腹にあったビランジの仲間。これは・・・


    苞に毛が生えている。ビランジのようだが葉が違う。これはタカネビランジ。八ヶ岳には無いはずなのでこれは移植したものだろう。


    ほとんどがまだ蕾だったが咲き始めたものもあった。キソチドリ。


    おそらくコイチヤクソウの葉


    セリバオウレンの葉だが・・・


    葉を良く見てみると3回3出複葉に見える。これはコセリバオウレンだろう。どんな花が咲くのか、白か、それとも薄緑か?来年見に来てみよう。

 探していた一つ目の花はそれほど難無く見つかった。先週訪れた場所では葉も見つからず今年は見られないのではないかと思ったのだがこちらでは2株だけ出会うことが出来た。


    先週は見つからなかった琥珀色のラン。今回は出会えたが特徴的な葉っぱが見当たらず。


    琥珀色のラン


    コハクラン


    もう1株も葉っぱが出ていない。


    根元を良く見てみると葉がちぎれている。これは食害だろう。あちらの場所もこのような状況になっていなければ良いのだが??


    まだ見たことが無いもうひとつの植物はこれではないかと思う。キソチドリの葉に似ているがサイズがかなり小さい。

 探していたもう1種類のラン科の植物はそれらしき葉は見つけたが残念ながら花穂がひとつも出ておらず、本物かどうかは確認には至らなかった。この時期に花穂が出ていなければ今年は咲かないと思われるので、また来年見に来てみたいと思う。

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富士北麓の草原で花三昧  令和1年7月14日

2019年07月16日 | 山に咲く花
 前日も富士北麓の森の近くまで行ったのだが雨脚が強くなって途中で引き返し、結局はドライブしただけで花は観ずに終わってしまった。この日も朝から小雨が降っていてあまり出かける気にはなれなかったが、お昼近くになって雨が止んできた。山の上まで登る気にはなれなかったので、車で花の咲く場所の近くまで行ける草原に出かけてみることにする。

 花の咲く場所を登録したGPS片手に草原の中を移動するが、この日は天候が悪いためか衛星の捕捉状況が悪くGPSの地図上に現在地が出て来ない。何度も電源を入れ直して一瞬だけ捉えられる現在地から、おそらくあのあたり・・・と目星をつけて車で移動するが、ここで良いのだろうか?半信半疑で車から降りて周辺の草地を探してみると、あっけなくその花に出会うことが出来た。また小雨が降り出したので傘を差しながらの花散策である。


    車を止めたすぐ先に咲いていたその花。


    ピンク色の花を咲かせるハタザオ


    ハナハタザオ


    この周辺には思っていたよりも個体数は多かった。


    周辺を散策してみるとたくさん咲いていた。


    結実している部分もあるがおそらくこれで満開の見頃なのだろう。


    こんなにたくさん咲くものなのか?


    これでも絶滅危惧種の花である。

 想定していた以上にたくさんのハナハタザオに出会えて満足だった。もう1種類ラン科の植物が咲いていると聞いていたので草むらの中を覗き込みながら探してみたが見つからなかった。ならば、最近花仲間が探し出してきた別の場所を見に行ってみよう。

 車で現地近くの林道を進んで行くと対向車が走ってきた。こんな場所に何しに来た車か?と思ったら、なんと花仲間の北杜市のお嬢様だった。目的は同じ花で、数株見つけてきて帰るところだったのを無理矢理引き留めて案内をお願いする。


    この花は草むらの中にひっそりと咲いている。目が慣れないと見つけにくい。


    スズムシソウに似ているが花の付き方が違う。これはセイタカスズムシソウ。


    茎から花柄を出してその先に1個の花を付ける。


    半透明の美しい花。


    背高の名が付くが、この場所の個体はあまり背が高いわけでは無い。個体数はあまり多くは無かった。


    近くにはこんな花もあった。


    ツチアケビ。決して綺麗な花とは言えないが・・・


    開花した花はそれなりに美しい。

 昨年別の場所で偶然セイタカスズムシソウを発見したが既に時期が遅く痛んでしまっていた。今年は新鮮な花を見てみたいと思っていたのだが、花仲間からの情報でちょうど良い時期に花に出会うことが出来た。良く探してきたものだと思うのだが、何故にメインルートから外れるあんな場所を歩いているのか不思議である。小雨の中を2ヶ所の草原を巡り歩いたため、服は露でびしょ濡れになってしまったが、良い時期に良い花に出会うことが出来た。
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梅雨の合間にアヤメ鑑賞 櫛形山(夜の部) 令和1年7月12日

2019年07月15日 | 山に咲く花
 池の茶屋登山口から午後から入山して裸山のアヤメと富士山を堪能し、アヤメ平に到着したのは午後5時半になった。アヤメ平を散策して下山開始したのは7時近くになり、ヘッドライトを点灯しての下山となった。まずは裸山に登り返すが、途中で半月を少し過ぎた丸くなりかけた月が輝いていた。そのすぐ下には明るい木星が輝いているのが見える。裸山の山頂に登ってみるとまだ富士山が見えていた。どうせ暗い中を下山するのだからもはや何時になろうが時間はあまり関係無い。これは接近した月と木星を眺めつつ、この季節は滅多に姿を現さない富士山を堪能していったほうが良さそうだ。


    裸山山頂から見る夕暮れの富士山。少し焼けていた空は裸山山頂に到着したころには終わっていた。


    接近した月と木星。さらに富士山の上で輝いているのは土星。この日は2惑星と月が斜めに並ぶ天体現象が起きた。


    裸山のアヤメと夜富士


    同上。ヘッドライトを弱発光して照らしながら撮影


    櫛形山山頂から見る雲海に浮かぶ富士山。木の間に木星と土星が輝く。


    山頂付近の展望地から見る富士山


    雲海に浮かぶ月光富士


    稜線から見る月光雲海富士。左手の木にはサルオガゼがたくさん着生しているがあまり写らず。


    展望台から見る月光の白根三山

 このような展開になるとは思いもよらず、偶然持ち歩いていた明るいレンズがあったのでなんとか星を撮り歩くことが出来た。池の茶屋下山は夜10時半になってしまったがそれでもまだ撮り足りないくらいの素晴らしい月光夜だった。自宅到着は12時になった。


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梅雨の合間にアヤメ鑑賞 櫛形山  令和1年7月12日

2019年07月13日 | 山に咲く花
 いつになったら梅雨が明けるのか?梅雨前線や低気圧の雲がずっと日本列島を覆っておりスッキリ晴れる気配は全く無い。そんな中でも、この日は衛星画像を見ると午後から雲が切れそうな気配がある。午後出発し、櫛形山池の茶屋登山口に到着したのはもう午後2時になってしまう。途中の林道から雲の上にちらりと富士山の頭が覗いていた。ひょっとしたら富士山が見えるかも知れない、そんな期待を抱きつつアヤメが咲く裸山を目指して登り始める。


    新しく設置された保護柵。かつてこの場所は腰から胸あたりまで草が生い茂っていたそうだが今は見る影も無い。どこまで復活してくれるだろうか?


    櫛形山稜線に登り着くと、雲海に浮かぶ富士山が姿を現していた。この季節ほとんど富士山は見えてくれないので、きわめて幸運な日に登って来たことになる。


    クサタチバナが生い茂る斜面に立ち寄る。富士山が見えているがクサタチバナの斜面が暗くて富士山が白飛びしてしまう。


    画像を調整してやっとこの程度。


    ここ5年くらい定点撮影している裸山のアヤメが咲く場所。満開を期待していたがまだ蕾が多く、1週間ほど早かった。


    別の斜面はアヤメが8分咲きといったところだろうか。


    年々数を増やしている裸山のアヤメ。紫色の草地がだいぶ蘇った。


    こちらは囲われて3年目の山頂側斜面。だいぶアヤメが増えてきた。

 あちらこちら撮り歩いてきたこともあるのだが裸山山頂に到着したのは午後4時半になった。時折真っ白な雲が流れてきて視野が遮られるが雲が流れ去ると富士山が見えてくる。アヤメを前景にしてこの季節はあまりお目にかかれない富士山を撮るのだがアヤメ咲く斜面が暗くて富士山がうまく写ってくれない。陽が射してくるのをじっと待って、なんとかアヤメと富士山を撮影する。


    アヤメと霧に霞む富士山


    裸山のアヤメと富士山。陽が差し込むのを待って撮影したが、既に西に陽が傾き木の陰でアヤメに射す光はまだらである。


    アヤメが復活していつかこういう景色が見られるようになるのを期待していたが、ようやくここまで復活してくれた。

 5時10分まで裸山山頂で粘り、アヤメ平に到着したのは5時半になった。もう太陽の位置はだいぶ低く、アヤメ平はもうすぐ陽が陰りそうである。しかし日没は7時ごろなのでまだ1時間は時間の余裕がある。急ぐことなく木道を歩いて花を観察する。


    5時半にアヤメ平到着。


    もう影が長く伸びている。


    キンバイソウが咲き始めていた。


    ここにあった柵は撤去されていた。ハンゴンソウが茂っている。


    アヤメの葉がだいぶ増えてきてはいるがまだテガタチドリがだいぶ目立っている。


    テガタチドリが咲く草地


    テガタチドリ


    接写

 予想ではアヤメ平のアヤメがもっと復活しているだろうと思っていたのだが、意外とテガタチドリや他の植物が頑張っていてまだアヤメの天下とはならないようである。厳しい植物界の生存競争の中にあって、そう簡単にアヤメに陣地を明け渡すわけには行かないようである。


    周辺に生えていた草が刈られて少しスッキリしたホザキツキヌキソウ。数えられる限りでは10本。


    既に結実している。生えてはくれたがまた茎が細くなり葉が小さくなった感がある。

 6時50分までアヤメ平で過ごし、ヘッドライトを点灯して下山を開始する。空には半月を過ぎて少し丸みを帯びた月が輝き出した。その左下には木星が明るく輝いている。どうせ夜道を下山するのだからこの月と木星を楽しみながら下山することにしよう。(夜の部に続く)


    裸山山頂から見る夕暮れの富士山

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オオヤマサギソウ保護作戦 御坂山系  令和1年7月8日

2019年07月09日 | 高山に咲く花
 2006年版山梨県レッドデータブックでは絶滅危惧ⅠB類だったオオヤマサギソウはやや大型で目立つ花だけに鹿の食害が著しく減少の一途をたどっており、2018年版ではⅠA類に格上げとなった。かつては黒岳の山頂付近や釈迦ヶ岳で見られたが今では時々葉が見つかるものの花を咲かせている個体に出会うことはほとんど無くなってしまった。ところが今回、数年前に発見して時々見に行っていた場所で7株ほど生えているのが確認され、花芽を付けている株も5株ほど見つかった。放置しておくと食害に遭って咲かない可能性が十分にあり保護柵設置が必用であろうとずっと気になっていた。もうそろそろ花穂を長く伸ばして目立っている頃で最も食害に逢い易い危険な時期である。午後の内科受診を出来るだけ早めに済ませてもらって現地に向かう。


    本日も良い天気とは言い難い。


    長い花穂を伸ばしているオオヤマサギソウ


    だいぶ目立っている。


    根元に近い場所に付く葉は先端部が円くなっているのが特徴。


    千切れている葉があり、おそらくは食害だろう。他の株は危機一髪難を逃れている。


    元気に花穂が育っている。


    あと2週間もすれば咲きそうである。


    持って行った荷物。ポールは180㎝の長さのものを20本。木にくくりつけることを想定してシュロ紐を持って行ったが使わなかった。


    3時間かかって夕方7時に完成。


    決して立派な柵とは言えないが、今シーズンはなんとか持ち堪えてくれるだろう。

 もう何年も見ていない御坂山塊の白緑色のクリオネが舞う花、今年は見られそうである。咲くのが楽しみだ。

コメント (2)
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