山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ササクサ (イネ科) Lophatherum gracile Brongn.

2024年01月12日 | イネ科
  山地の林内や林縁に生える多年草である。葉は笹に似た広披針形で、長さは10 ~ 30㎝、 幅 2 ~ 5㎜、表面にやや光沢がある。 茎の高さ40 ~ 80㎝、稈は束生し硬い。花序は長さ10~30㎝の円錐花序で数本の枝を出し、偏側的に小穂がつく 。小穂の長さは8 ~ 11㎜で、最下の 小花 1 個が両性花で、上方に 4 ~ 6 個の不稔の小花がある。小穂の先端部には不完全小花の芒が6~8本集まり、細かな棘が生えていて衣服に強くまとわり付く。日本では本州(関東地方以西)から琉球まで分布する暖地性植物である。県内では南部町以南の林内に生育しているが個体数は少なく、植生遷移や森林伐採による絶滅が危惧されている。

  2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)  2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅰ A 類(CR)   2017年環境省カテゴリー:なし

    ササクサ 2023年10月 南部町で撮影

    花序は円錐花序で、何本かの枝を出し、その枝に偏側性に花序を付ける。

    葉は狭披針形で表面に光沢があり、笹の葉に良く似ている。

    左がササクサ、右がチヂミザサである。似ているがチヂミザサは枝を出さない。

    ササクサの小穂

    小穂の長さは約1㎝くらい。小穂の先には不完全小花の芒が集まる。

    芒には細かい棘が生えていて、衣服に強くまとわり付く。

 



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キタダケカニツリ (イネ科)

2021年10月09日 | イネ科
 高山帯の礫地に生育する多年草である。茎は直立し、高さ10 ~ 30㎝。円錐花序で小穂は密につく。小花は 2 ~ 3個。護穎の先は 2 裂し、その間から4 ~ 6㎜の芒が出て、外側に曲がる。近縁種のリシリカニツリより全体に毛は少ないか無毛に近く、花序も太く、小穂もやや大きい。北岳周辺に特産する。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)


    キタダケカニツリ 令和3年8月 北岳で撮影


    枯れかけているが、茎に毛が無い。


    別株。


    まだ茎が青い。毛が生えていない。


    リシリカニツリに比べて岩の多い隙間を好むようである。

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リシリカニツリ (イネ科)

2021年10月09日 | イネ科
 高山帯の礫地に生育する多年草である。茎は直立し、高さ10 ~ 30㎝。茎や葉鞘、花序に白色の軟毛がはえる。葉は幅1~4㎜の線形で、両面とふちに少し毛が生える。花序は円柱形で黄緑色~帯紫黄緑色の小穂を密につける。小花は 2 ~ 3個、護穎の先は 2 裂し、その間から5 ~ 7㎜の芒が出て外側に曲がる。山梨県では南アルプスと八ヶ岳に生育しており、個体数はそこそこにある。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    リシリカニツリ 令和3年8月 八ヶ岳で撮影


    礫地を好んで生育している。


    同上 茎に軟毛が生えている。


    令和3年8月 北岳で撮影


    茎に生えた白い軟毛

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ミヤマハルガヤ (イネ科 )

2021年10月09日 | イネ科
 高山帯の草地を好んで生育する多年草である。茎の高さ15 ~ 30㎝で無毛。花序は円柱形、長さ2 ~ 5㎝、直立する。帰化植物(欧州・シベリア原産)のハルガヤに似るが、本種の苞穎は無毛である。利尻山と南アルプスの高山帯に生育しており、山梨県での生育地は限局している。


    ミヤマハルガヤ 令和3年6月 北岳で撮影


    ハクサンチドリとミヤマハルガヤ


    本来は小穂を分解して苞穎が無毛であることを確認しないと確定できないが、そこまでは行っていない。

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ミヤマコウボウ(イネ科コウボウ属)

2021年10月08日 | イネ科
 北海道、および本州中部地方以北の高山帯の砂礫地に生育する多年草である。茎や葉は無毛で、葉は内側に巻いて直系1~2㎜の糸状になる。花序は狭い円錐形で小穂は淡褐色で光沢があり、2個の雄性小花と1個の両性小花から成っている。2個の雄性小花のうち上の1個の外花穎には折れ曲がってねじれた芒がある。山梨県では南アルプスに生育している。

 2018年山梨県カテゴリー : 絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ミヤマコウボウ 令和2年8月 鳳凰山で撮影


    同上


    マクロ撮影。曲がった芒が見える。


    令和3年6月 北岳で撮影


    北岳稜線では比較的個体数が多い。


    花序の拡大。

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ミヤマアワガエリ(イネ科)

2021年10月08日 | イネ科
 高山帯の砂礫地や草地に生育する多年草である。茎の高さ25 ~ 50㎝、束生する。花茎の先端に長さ1.5~4㎝の太い円錐状花序を付ける。小穂は1 小花で長さ5~6㎜、淡褐色で光沢がある。2 個の苞穎は同長で強く2つ折りとなる。葉は幅2~5mmでふちと裏面の脈はざらつく。高山で小穂がこのような形を持つイネ科植物は他にない。山梨県では南アルプスのみに生育している。生育地での個体数は比較的多い。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ハゴロモグサとミヤマアワガエリ 令和1年8月 北岳で撮影。ハゴロモグサを撮影した時に偶然写り込んでいたものである。


    令和3年8月 北岳で撮影


    同上 円柱状の花序


    群生するミヤマアワガエリ。北岳稜線では個体数が多く、良く見かける。


    ミヤマアワガエリと富士山

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ヒゲナガコメススキ(イネ科)

2021年10月08日 | イネ科
 高山帯の砂礫地を好んで生育する多年草である。茎は叢生し、高さ15 ~ 30㎝。葉は内側に巻き細い糸状である。花序は円錐形で、細い柄の先にまばらに小穂をつける。小穂は 淡紫褐色~濃紫褐色で1 小花から成る。護穎の先は 2 裂し、間から長さ約2㎝の太い芒を出し、羽毛状の毛がありねじれる。日本では北岳と白馬岳にのみ生育している。北岳での個体数は少なく、限局的である。


    ヒゲナガコメススキ 令和3年8月 北岳で撮影


    砂礫地の草むらの中に生育していた。


    同上


    羽毛状の長い芒を出し、まさに髭を伸ばしているようである。

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山梨県の絶滅危惧のイネ科植物一覧

2021年01月06日 | イネ科
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のイネ科植物は以下の通りである。

絶滅危惧ⅠA類(CR)

 ササクサ(2018山梨県CR 2017環境省-)
    

 タカネタチイチゴツナギ(2018山梨県CR 2017環境省VU)

 キタダケイチゴツナギ(2018山梨県CR 2017環境省CR)

 ヒゲナガコメススキ(2018山梨県CR 2017環境省EN)
    

 ミヤマカニツリ(2018山梨県CR 2017環境省VU)

絶滅危惧ⅠB類(EN)

 ミヤマコウボウ(2018山梨県EN 2017環境省-)
    

 ミヤマハルガヤ(2018山梨県EN 2017環境省VU)
    

 ミヤマアワガエリ(2018山梨県EN 2017環境省-)
    

 ヒロハノハネガヤ(2018山梨県CR 2017環境省-)

 キタダケカニツリ(2018山梨県EN 2017環境省EN)
    

絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 リシリカニツリ(2018山梨県VU 2017環境省VU)
    
情報不足(DD)

 ハマヒエガエリ(2018山梨県DD 2017環境省-)
 アワガエリ(2018山梨県DD 2017環境省-)

 まだ全く手を付けていない未知の分野である。どうやってこれらの植物を探し同定して行けば良いのかも全く分からない状態からのスタートである。きわめて難しいであろう。

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