山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

初めて見るヒョウタンボクの花 櫛形山  令和1年5月29日

2019年05月30日 | 山に咲く花
 櫛形山近傍までやって来たのでこの花を見ないで帰るわけには行かない。登山口まで移動して歩き出すと、ヒョウタンボクの花が咲いていた。何度か花を見に来ているが時期が合わず、咲いているのを見るのは初めてである。


    ヒョウタンボクの木


    花が咲いている。


    赤紫色と緑が混ざった花。


    内側は主に緑色である。


    開花しているものは初めて見た。スルガヒョウタンボク。


    ホソバノアマナ


    まだ咲き始めたばかりだ。


    花弁に緑色の筋が入る美しい花


    ミヤマエンレイソウ


    ウスバサイシン

 見ないで帰るわけには行かない花とはこの花。保護柵で囲ったまでは良かったが周辺の草が背を伸ばして日当たりが悪くなり、年々衰退しているように見える、日本では櫛形山だけに咲く花である。


    まだ葉が大きくなっていない。出始めたばかりといった感じだ。


    別角度から別の株。全部で10本くらい出ているように見えるが、これからもう少し増えるかも知れない。


    花が咲くのはもう少し先になりそうだ。

 昨年はひとまわり小さくなったうえに数も減っていてどうなることやらと心配していたが、今年も無事に出てくれたようだ。周辺に生えていたバイケイソウなどの草が一部取り除かれて少し日当たりが良くなったようにも見える。しっかり結実して個体数が増えてくれると良いのだがなかなか難しいのかも知れない。
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花を探して藪を漕ぐが・・・失敗 櫛形山近傍  令和1年5月29日

2019年05月30日 | 山に咲く花
 先日の櫛形山探索でようやく見つかった花が別の場所でも咲いていたという情報を10日ほど前にいただいた。まだ蕾もあったというので見られるのではないかと出かけてみるが、詳細な場所は聞いておらず、だいたいこの辺りということしか分からない。果たして見つかるかどうか?普通のルートを行かずに途中にある池の周辺を散策しながら現地まで行ってみることにする。


    新緑の池と遊歩道


    池の周辺に咲いていたネコノメソウ属。残っている葯の様子からどうやらニッコウネコノメソウ。


    ワチガイソウがたくさん咲いていた。


    小さなツルシロカネソウ。トウゴクサバノオと間違えそうである。


    群落を形成していたツルシロカネソウ。


    階段激登り。


    展望台があったがほとんど展望無し。


    今度は沢に向かって激下り。


    沢の源流に下り立つ。


    シロバナノヘビイチゴが一面に咲いていた。


    シロバナノヘビイチゴ


    ニリンソウ


    源流の流れの脇にはハナネコノメソウ。

 そのまま遊歩道に沿って歩けば林道、あるいは登山道に抜け出るはずだが、ここは遊歩道を使わずに沢の源流に沿って稜線まで登り上げてみることにする。登山道は無いのでお決まりの藪漕ぎになる。


    源流部。この先で沢の流れは無くなる。


    もう少し豊かな花園を期待したが待っていたのはシダだらけの斜面。お決まりの藪漕ぎで上の稜線を目指す。


    藪の下にはセリバオウレンの葉。この界隈は高度を少し上げると普通にセリバオウレンが生育しているようだ。


    尾根にあるまともな登山道に出た。


    遥か向こうに見える山頂まで行く時間も気力も無い。


    シダの茂る静かな森。しっとりしていて、あるとすればこんな場所のはずだ。


    笹に飲まれそうなツバメオモト


    終盤のミヤマスミレ


    コミヤマカタバミ


    ルイヨウボタン


    ミヤマエンレイソウ

 目的の花は見つからず、情報を提供していただいた花仲間に電話で聞いてみようとしたのだが圏外で電話が繋がらず諦める。この日の夜に会合があって本人と一緒になり、場所を詳細に聞いたところ、やはりこのあたりだろうと思っていた場所とほぼ同じ場所だった。花がもう終わってしまっていて見つからなかったようだ。撮影してきた広角画像の写真を拡大して見なおしてみると、何となくそれらしきものが写っていた。


    トリーミング画像。エンレイソウの左上、シダの隣に花の咲き終えたそれらしき葉がある。花の付き方がルイヨウボタンとは少し違うように見える。

 探していたのはチチブシロカネソウである。個体数は多く無いが櫛形山界隈の山には生育している可能性が高く、メールで送っていただいた画像は間違い無くチチブシロカネソウだった。源流から藪を漕いだのも環境的にそのあたりに生育している可能性が高いとみたからであるが、残念ながら今回の探索では見つからなかった。花はもう終わってしまっているのでまた来年会いに来てみたい。
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カモメラン保護作戦 保護ネットを展開  令和1年5月26日

2019年05月29日 | 山に咲く花
 4月中旬から5月初旬にかけての気温が低かったために花の開花が遅れているが、数日前から30℃を越える暑さが続く天気となった。初夏の花が一気に咲き出してくるかも知れない。5月中になんとしても行っておかなければならない作業が御坂の某山に設置してある保護柵の保護ネット展開である。冬季の倒木や木の枝の落下によりネットの破損やポールの転倒が起こるため昨年の秋にネットを外してポールだけ設置した状態になっている。登山者がやって来る週末を避けて平日の午後から夜中にかけて作業を行う予定だったが、日程的に難しそうである。この日を逃してしまうと6月に入ってしまい、既に花が咲いてしまっているかも知れず、日曜日であるが作業に行くことにする。滅多に腕章は付けないのだが、今回は自然公園指導員の腕章を着けて入山する。


    登山口近くに咲いていたマムシグサ。まだあまり生えていないところを見ると、おそらくカモメランも咲いていないだろう。


    ユモトマムシグサ。葉っぱが5枚で葉軸が短い。


    いつも固まって咲いている場所だが何かおかしい。


    仏炎苞がちぎれており葉もかじられた痕跡がある。毒草のはずだがこんなものまで食害に遭っているようだ。


    ツクバキンモンソウがたくさん咲き出していた。


    咲き残りのエイザンスミレ


    咲いたばかりのミヤマカタバミ

 カモメランの咲く場所まで登って来た。まずはネットを張っていない場所を覗いてみると、昨年よりもさらに斜面の乾燥化が進んでいるように見える。一応葉は出ているが確認できた葉数は30~50個ほどで、昨年と同じかやや減少している印象である。花芽が確認できたのは1株だけだがこれからもう少し出てくるだろうと予想している。それにしても、ネットの外は危機的な状況が続いている。


    ネットが設置されていないカモメラン生育地。下草がほとんど無く乾燥化が進んでいる。


    葉は確認できたが、昨年と同数かやや減少している。


    本日の荷揚げ。ポール10本とネットを2枚。資材は昨年ネットを解除した際に置いたままになっているので足りなくなった場合に備えて持って来た。


    ネットを大部分解除してあった保護柵だが、ネットが残っていた部分に枯れ枝が落下して一部倒れていた。修復してポールで補強し、ネットを展開する。


    完成。


    保護柵内のカモメランの状況を確認する。ざっと数えて70~100株くらいある。小葉がたくさん出ており明らかに復活している。


    花芽も10株以上出ていた。

 1時間もあれば終わるだろうと思っていたのだがネットをポールに固定するワイヤーの巻き付けが思った以上に手間がかかり、2時間以上かかってやっと1ヶ所目の展開が終わった。

 展望台に行って休憩である。地元の3人組のお嬢様たちが休憩中で手作りのおやきや海苔巻き寿司をご馳走になった。この周辺の土地の事情について詳しく、ネットを設置している場所の地主さんや管理人さんの情報を教えていただいた。


    期待していた展望台のミツバツツジはまだ蕾だった。

 さて、2ヶ所目の作業に移るが、こちらも2時間以上時間を費やし、作業時間だけで5時間ほどかかってしまった。平日の午後からだとやり切れなかった公算が高く、午前から登って来て正解だった。


    2ヶ所目のネット展開後の保護柵。


    ユキザサやショウマ類など、多種多様な植物がこの保護柵内で生育している。


    保護柵内に咲いていたツルシロカネソウ。


    カモメランも昨年同様に元気である。


    もう1ヶ所の保護柵内も元気な葉が出ている。


    花芽は昨年よりも多いような気がするが、咲いてみないとまだ分からない。

 2~3時間の作業を予定して水はあまり持って行かなかったが予定以上に時間がかかったうえに暑かったので水が無くなってしまった。しかし、日没前にはなんとか作業を終えることが出来た。夕陽を見ながら下山だが折角なので双眼鏡を取り出して以前に見つけられなかった着生植物を探しながら下山する。


    大きなブナの木に居ました。着生植物。


    トリーミング。これはヤシャビシャク。以前に偶然一度見かけて以来見つけられなかった植物。3ヶ所で確認できた。


    夕暮れの春の森

 この場所を含めて現在4ヶ所で保護作戦を展開している。他にもやっておきたい場所は何ヶ所もあるのだが、メインテナンスに手が回らずこの4ヶ所で手いっぱいの状況である。手伝いを申し出てくれる方たちが多数居るのであるが設置許可の申請手続きが繁雑で間に合わない状態である。いつか大手を振って協力を得ながら作業が行えるようにしたいと思っている。さあ、今年はどのくらい咲いてくれるのか、楽しみである。





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交雑のスミレ? 横尾山  令和1年5月25日

2019年05月28日 | 山に咲く花
 交雑種らしき紫色のスミレがあるらしいのだが、見たことが無いのでおそらくは判別できないのではないかと思うのだが、他に見ておきたい花もあったので長野県との県境にある横尾山を訪問してみた。この山は比較的簡単に登れるうえに展望が抜群で、さらには植物の宝庫でもありかつ山梨百名山の一座でもあるたいへん登り得な山である。まずは咲いていた花と展望を紹介する。


    登山口に咲いていたタチツボスミレ


    サクラスミレはちょうど見頃。


    普通のスミレ


    樹林帯に咲いていたワダソウ


    ミヤマハコベ


    タケシマラン


    フデリンドウ


    ヒメハギとミツバツチグリ


    ウスバサイシン。ヒメギフチョウの姿も見かけた。


    稜線の林床にはヒメイチゲがたくさん咲いていた。


    ヒメイチゲの可愛らしい花。


    1時間ほどでカヤト野原に抜け出る。ここまで登ると大パノラマが広がる。向こうに見えるのは八ヶ岳。


    瑞牆山と金峰山


    南アルプス。中央右寄りの山が甲斐駒ケ岳、左寄りのいちばん高い山が北岳。


    カヤト野原越しに見る奥秩父山塊


    富士山


    横尾山山頂。登山者にたくさん出会ったが私が到着した午後2時ごろは誰も居なかった。

 普通に歩けば信州峠から2時間もあれば横尾山山頂に到着出来るのだが、カヤト野原の中を散策して写真を撮りながら3時間半かけて山頂まで登って来た。この季節にしては雲が出ずに展望が良好で、ずっと富士山が見えていた。しかし日差しが強くて暑かった。

 さて、問題のスミレだが予想していた通り、それらしきものは咲いているのだが交雑かどうかは全く確信が持てず、とりあえずは写真を撮って来た。


    カヤト野原に咲いていたサクラスミレ


    サクラスミレの変わり者、チシオスミレ。


    チシオスミレ。葉に赤紫色の筋が入っている。アカフタチツボスミレのサクラスミレバージョン。


    これは普通のスミレだと思って撮って来たのだが??


    花弁がやや大きくてふっくらしていたので、これが探していた交雑スミレ?かと思ったが。


    近くにあった別株。葉を見直してみると翼が出ている。たぶんこれは普通のスミレだろう。

 探していたのはサクラスミレとスミレの交雑種、アルガスミレというスミレである。葉っぱを見ればすぐにわかるだろうとあまり予習して来なかったのだが、実際に咲いているスミレを見るとサクラスミレ以外はみな普通のスミレに見える。なんとなく花弁の紫色が薄目でふっくらした花があるので撮影してきてネットで調べてみると、葉に翼があるのはどうやら普通のスミレのようでアルガスミレには翼が無いらしい。そういう目でもう一度撮って来たスミレの写真を見直してみるとそれっぽいのがいくつか写っていた。


    花弁の色が濃い紫色だったスミレ。葉茎を見てみると翼が無くなんとなく葉の形もサクラスミレに近い。


    撮っている時は絶対にスミレだと思って撮影してきたものだが、これも葉に翼が無く、花もやや大型でサクラスミレに近い。

 確信は持てないが見てきたスミレの中にはアルガスミレと思わしきものがありそうである。判別が難しい交雑スミレなのでとりあえずは保留にしておきたいと思う。

 本日の本命がこの花、タンポポに似た薄紫色の菊である。


    ネットにしばしば登場して来るので時期さえ間違えなければ探すのはそれほど難しく無い。


    アズマギク。咲き始めたばかりのちょうど良い時期に出会えた。


    薄紫色の美人さん。


    園芸種では無いこんな綺麗な菊が山の稜線上に咲いていることに感動する。

 山梨県ではあまり見かけないこのアズマギクは不思議と登山道の近くを好んで咲いている。日当たりの悪いカヤト野原の中は居心地が悪く、日当たりの良い登山道周辺を好んで咲くのだろう。中には登山者に踏まれそうな場所に咲いているものもある。これからもずっと咲き続けて欲しい大切な花である。
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やっとハルリンドウ 八ヶ岳  令和1年5月22日

2019年05月23日 | 山に咲く花
 先週末にハルリンドウを探して歩いたがとうとう出会えず、情報をいただいた方に連絡をとって今度はかなり詳細な場所を教えていただいた。想定していた場所とは違うところで、おそらく一人で探しても見つけられなかっただろう。まだ右足首が痛いが痛み止めを飲んでだいぶ和らいできている。本日は湿布を張りサポーターを装着しての入山である。


    駐車場の土手に固まって咲いていたナルコユリ


    こちらの沢沿いにも前回正体不明だったネコノメソウ属の葉があった。


    しかしこの場所は散った後の花の残骸が残っていた。これは予想していた通りハナネコノメだ。八ヶ岳にもハナネコノメが生育していた。


    登山道沿いの草地ではサクラスミレが満開。


    サクラスミレ


    大き目でゴージャスな花はスミレの女王の名にふさわしい。


    タチツボスミレもたくさん咲いていた。


    登山道脇の砂礫帯にあった毛の生えた葉っぱ。


    周辺を探してみるともう花が散った後の株があった。


    さらに探してみるとまだ咲いている株が1輪。こちら側にもオキナグサが生育していたが数は少ない。


    途中の尾根沿いの草地に咲いていたリンドウ。茎の途中から花柄が分岐していて一瞬ハルリンドウかと思ったが・・・


    周辺にあるのは全てフデリンドウ。環境的にも水辺では無く、どうやらちょっと変わり者のフデリンドウだったようだ。


    やっと到着した教えていただいた水辺。薄いブルーのリンドウ咲いている。


    穂の先に1輪ずつ花が咲く。これこそ探していたハルリンドウである。


    根生葉があるが、ほとんどの株は草に隠れていて葉は見えず、根生葉の有る無しでフデリンドウと見分けるのは難しい。


    フデリンドウのように存在感をアピールしている感じではなく、どちらかというと水辺にひっそりと咲いていて奥ゆかしい感じがする。


    花弁の色は少し薄目でやや細めに見える。

 今年の春に咲く花はトウゴクサバノオ、コミヤマスミレ、そしてこのハルリンドウが課題であった。もう一つの課題が山梨県に咲くのはクモイコザクラか、コイワザクラかという問題である。これから南アルプスと奥秩父(予定では瑞牆山)に咲いている花を見に行きたいと思っているのだが天候や日程の都合で今年は調べ切れない公算が高い。ひとまずは課題だったハルリンドウに出会うことが出来た。良き花仲間たちに恵まれたからこその課題達成である。
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八ヶ岳山麓の公園に咲いていたイヌノフグリに似た花  令和1年5月19日

2019年05月21日 | 里に咲く花
 前日クモイコザクラを観察に行った際に途中でこの界隈に咲く花についてかなり詳しい3人連れにお会いした。クモイコザクラの情報の他にハルリンドウの情報もいただくことが出来、その日に近場の1ヶ所を訪問してみたがもう日没近くで時間が遅く、花が閉じてしまっているようで発見できなかった。もう1ヶ所がこの公園内にあるらしい。さらに、ハルリンドウが咲いている環境は水辺の周辺だという貴重な情報もいただいた。公園内の探索に出かけてみるが既に時刻は午後3時を過ぎたのでハルリンドウの花はもう閉じてしまっているかも知れない。


    広い公園と広大な牧場が併設されている。


    駐車場の脇にはタンポポがたくさん咲いているがセイヨウタンポポだった。


    公園内の牧草地を散策してみると小さな白い花が目に留まる。


    普通に見かけるオオイヌノフグリに似ているが小型で花の色が白い。これは探していたが見つからなかったイヌノフグリではないか?


    地面を這うように咲く花だと思っていたが環境が良いと立ち上がって咲くらしい。


    まだ蕾が多い。一斉に花を咲かせるのではなく下から数輪ずつ順に咲かせるようだ。


    タチイヌノフグリと並んで咲いている。


    こんなにたくさん咲くものなのか?ほとんど雑草である。

 山梨県絶滅危惧ⅠB類のイヌノフグリは甲府市の北部にもあるらしく、自宅の周辺の田んぼや黒平の畑や土手を覗き込んでみたがあったのはオオイヌノフグリだった。まさかのこんな公園内に咲いているとはと思ったのだが、この花は探していたイヌノフグリではなく外来種のコテングクワガタという花であるとご指摘をいただいた。ここはオオイヌノフグリは見当たらずこのコテングクワガタばかりである。肝心のハルリンドウだが、おそらくはこの辺りと思われる場所はあったが残念ながら花は見つからなかった。既に花が閉じているか、タンポポが大部分終わっているので時期が遅かったと思われる。


    こんな感じの水のある所に咲いていると思うのだが・・・見つからず。


    ニョイスミレ


    アカネスミレがまだ残っていた。

 探していた花には出会えず、やっと出会えたと思ったイヌノフグリは別の花だった。残念。また探索しよう。
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天女山界隈と八ヶ岳横断道を散策  令和1年5月19日

2019年05月20日 | 山に咲く花
 前日に続いてハルリンドウ探索である。先週お会いした花仲間から八ヶ岳横断歩道でハルリンドウらしき花を見たと伺いスマホの画像を見せていただいたが間違い無さそうだ。しかし失敗だったのは場所をあまり聞かなかったことだ。天女山の周辺だろうということはわかるのだが八ケ岳横断歩道は経路が長く1日で往復するのは困難である。せめて天女山から右に行くのか左に行くのか聞いておけば良かったのだが失敗である。もうひとつ気になっていたのがこの界隈に咲くオキナグサである。葉は何度も確認しているが花が咲いているのはまだ見たことが無い。まずはハルリンドウを探しながらオキナグサの自生地まで行ってみる。


    天気は良かったが富士山はちらりと見えたのみ。


    これは茎の無いツバメオモトか?


    天の河原付近にあったのはフデリンドウだった。


    サクラスミレが少しだけ咲いていた。


    白いエイザンスミレ


    タチツボスミレはたくさん。


    嬉しいことに目の前にヒメギフチョウが舞い降りてきた。八ヶ岳でこの蝶を見るのは何年ぶりだろうか。


    賽の河原に咲いていたのもフデリンドウだった。


    元気の無いオキナグサの葉。花はひとつも咲いておらず個体数も激減。1ヶ所は葉も見つからず消滅したらしい。

 草地の中を探索していたところ偶然にもこの周辺の調査や保護を行っているグループのメンバーと遭遇し、一行の中には山岳連盟の知り合いの人も居た。オキナグサの情報を聞いてみたところ、前日調査が行われたばかりで標高1,700m以上の場所はオキナグサが消滅してしまっているらしい。昨年咲いた株もほんの数株だったらしい。保護柵で囲ったこともあったがうまく行かなかったようで撤去したそうだ。食害もあるだろうがそれ以上にこちらの場所は環境の変化が減少する原因になっているようだ。茅ヶ岳のオキナグサはひとまず保護に成功しており、幸運だったと言って良いのだろう。

 残念ながらこちら側ではハルリンドウを発見できず、ルートを戻って八ヶ岳横断歩道に入ってみる。公算としては八ヶ岳牧場側のルートのほうが出会えそうだが、ここは未だ歩いたことが無い観音平側に入ってみる。


    日当たりの良いこんな沢沿いが怪しいと思ったのだが見つからない。


    ネコノメソウ属が生えていた。葉は対生している。


    雄しべが4本、どうやらネコノメソウのようだ。


    別の沢沿いに居たのはツルネコノメソウ。


    花が咲いておらず不明なのがこのネコノメソウ属。


    茎に毛が多く、形から見るとハナネコノメソウのようだが花芽や花帆が全く出ていないのもおかしいような気がする。花を見ないと正体不明である。


    沢筋で見たこともない花に出会ったと思ったのだが・・・


    良く見れば花が咲き始めたばかりの背の低いタチカメバソウだった。


    ちょっと色っぽいフイリフモトスミレ


    展望台・・・だが。


    木が伸びてあまり展望は良く無い。


    そしてここに生えていたのもフデリンドウだった。留まっている蝶はミヤマセセリ。

 予定ではさらにその先の尾根を越えて回り込み向こうの谷まで行く予定だったが尾根の登りで心が折れた。2~3週間前から痛みのある右足首の状態もあまり良く無く、本日はテーピングを施しての入山である。目的のハルリンドウに出会えるような環境には見えず、無理せずに引き返すことにした。


    最後に意外なところで出会えたオキナグサ。周辺には葉も含めて見当たらず、花も元気無いように見える。

 この界隈のオキナグサはかなり減少しているという印象を受けており、危険な状態になりつつあるのではないかと思う。ハルリンドウはまたしても探索失敗、そう簡単には姿を見せてくれない。
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八ヶ岳に咲くクモイコザクラ  令和1年5月18日

2019年05月20日 | 山に咲く花
 5月連休に十二ヶ岳で見てきたコイワザクラ(クモイコザクラ?)と八ヶ岳に咲くクモイコザクラはどこがどう違うのか?おそらく見ても分からないだろうと思うのだが比べてみることは必要である。今回の目的はこのクモイコザクラであるが、もうひとつまだ見たことが無いこの界隈に生育しているはずのハルリンドウを探すことである。ある程度の情報はいただいたが見つかるかどうかは分からない。


    美しが森から見下ろす景色。富士山は見えなかった。


    サクラスミレが数輪咲いていた。


    ミツバツチグリ


    ハルリンドウを期待していたのだがここに咲いていたのはフデリンドウだった。


    ミズバショウが咲く湿地。植栽であろう。


    ちょっと色の濃いニョイスミレ


    フモトスミレ


    ピンク色のエイザンスミレ


    この池の周辺が怪しいと思ったのだが、まだ時期が早かったようで何も咲いていなかった。


    こんなところにもミズバショウ。聞いた話ではここは人工池らしい。

 少し登ったところにある池の周辺が怪しいと思っていたのだが残念ながら目的のハルリンドウには出会えなかった。

 次にクモイコザクラの咲く場所を訪れてみる。


    岩壁に咲いているクモイコザクラ。


    岩の溝に根を出して咲くその姿はたくましさを感じる。


    クモイコザクラ。十二ヶ岳の花よりもひとまわり大きく感じる。


    葉もひとまわり大きく感じる。


    もう1ヶ所別の場所を訪れる。昨年の台風で林道が破損して消滅していた。


    上流の堰堤から見下ろす。林道がすっぽりと崩れ落ちている。右岸に巻き道とロープが設置されていた。


    クモイコザクラ。群生している岩壁があったが岩が崩落した場所もあって数は減ってしまっていた。


    八ヶ岳なのでクモイコザクラで間違い無し。


    さて、この葉をどう見るか?

 花も葉も十二ヶ岳のものに比べてやや大き目である。葉の切れ込みはどうなのか?確かに葉の3分の1まで切れ込んでいるものもあるがそうでは無いものもある。葉茎や花茎に生えている毛もいずれも同じくらいである。大きく違う点は葉の表側に生えている毛の量だろう。十二ヶ岳のものは毛が多いが八ヶ岳のものは少ないか、葉の辺縁部にしか生えていない。ひょっとしたらこの葉の表面の毛の生え方である程度の区別が可能なのかも知れない。南アルプスや奥秩父などの他の山域の花と比べてみる必要があるが、今シーズンだけで見回って来るのは時間的に難しそうである。答えを出すには数年かかると思うが、答えは出なくても良いと思っている。


    一緒に観察してきた。雌しべが突出している雌花


    雄しべだけ見える雄花

 もっと上流部にある核心部まで行きたかったのだが出発時間が遅かったことと山の上に真っ黒な雲がかかり小雨が降り出したため、夕立を恐れて撤退した。とりあえず八ヶ岳のクモイコザクラは観察してきたので、時間と日程がとれるならば他の山域の花も見て回りたいと思っている。
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山梨県北部の高原を再訪する  令和1年5月16日

2019年05月17日 | 里に咲く花
 5月初旬に訪れた際はまだミヤマスミレがほころび始めたばかりだったが、そろそろ見ごろを迎えているはずである。おそらくサクラスミレも咲いているはずだ。夜勤明けの眠い体を無理矢理たたき起こして出かけてみると、現地では花仲間たちが何人か集ってスミレ散策している真っ最中だった。一行に混ぜてもらって散策に出かける。


    タチツボスミレ満開


    タチツボスミレ


    前回は全く見つからなかったサクラスミレが見ごろになっていた。


    サクラスミレ


    接写


    こちらも見ごろを迎えていたミヤマスミレ


    ミヤマスミレ


    たくさん咲いているように見えるが、昨年に比べるとだいぶ少ない。


    いちばんのお目当てだったのがこのギザギザの葉をしたスミレ。


    交雑のスミレだが残念ながらもう終わっていた。

 花仲間が居てくれたおかげで昨年は見つけられなかったギザ葉の交雑スミレに今年は出会うことが出来たが、残念ながら訪問時期が遅くもう終わっていた。また来年見に来てみよう。

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櫛形山花探索  令和1年5月12日

2019年05月14日 | 山に咲く花
 本日は花仲間たちと櫛形山の花探索に訪れた。やや人数が多かったので秘密の花の生育地に踏み込むのは気が引けたが、植物の調査と保護を行っているグループなので生育地には細心の注意を払ってもらい、足元に十分に注意のうえ、核心部の一角だけ見てくることにして入山する。


    沢の中に咲いていたコチャルメルソウは満開。


    ニッコウネコノメソウはそろそろ終盤である。


    山の斜面をトラバース。道は無く獣道を歩く。


    斜面はバイケイソウばかり。鹿の食害後で目ぼしいものはあまり残っていない。


    フタバアオイ。これも食べないようだ。


    やっと見つけたこの稀少な花はまだ蕾だった。数株を確認したのみでこの場を去る。

 もう1ヶ所訪問する。こちらで探すのは別の花だが、ひとつは見つかる可能性がきわめて低く、もうひとつはだいたいこの辺りという話は聞いていて何度か歩いているが未だ見たことが無い。参加者で横並びして疑わしき斜面のローラー作戦を展開するがやはり一つ目の花は見つからず撤退。もう一つの花を探しに行く。


    入り口に咲いていたラショウモンカズラ


    イチリンソウ


    こんな感じの沢沿いに咲いているだろうと思ったのだが・・・双眼鏡で探すが見つからず。


    櫛形山では数が少ないハナネコノメソウ。


    こちらの沢沿いには群生していた。しかしこの花が咲く頃には林道ゲートが空いておらず下から登ることになるので見に来るのは大変である。


    ウスバサイシン


    たぶん居るだろうと思っていたミヤマスミレ。まだ咲き始めたばかり。


    この時期に見られるとは思わなかったナガバノスミレサイシン。


    まだカタクリが咲いていた。

 おそらくこの辺り・・・と目星を付けていた花はそこには無く、これは見つからないだろうと諦めかけた頃に、登山道脇にあった白い花の蕾が目に留まる。この葉っぱは間違い無く探していた花の葉だ。周囲を見回してみると花が咲いていた。なかなか姿を見せてくれなかった純白のその花、今度こそ出会うことが出来た。


    探していたのはこの花。


    純白の美しい花、チチブシロカネソウ


    個体数もそれなりにあることを確認した。

 山梨県東部に咲くこの花はほぼ沢沿いに咲いているのでこちらでもそのような環境の場所に咲いているだろうと予想していたのだが、この場所は沢沿いでは無く山の中腹の斜面だった。櫛形山は空気湿度が高く沢沿いでは無くてもこの花が咲く環境にあるのだろう。念願の出会いに思わずバンザイした。

 さて、日没にはまだ少し時間があったのでもう1ヶ所訪問してみた。行ってみてあまりの環境の変化にビックリした。


    膝上まで草が生い茂るボウボウだったはずの用水路の周辺がすっかりテカテカになっている。


    とりあえず目的の草は残っているが・・・


    花がひとつも付いていない。

 湧水の脇に好んで咲くこの花はヒメザゼンソウである。このあたりがこの花の南限になっている貴重な場所であるが、湧水の水量が減ったうえに鹿の糞だらけで周辺に茂っていた草は食べられてしまったようだ。湿ったところを好むこの草は乾燥した地肌の変化に対応できず花を付けなくなってしまったようだ。昨年見に来た人の話では草は茂っていたが花はひとつも確認できなかったらしい。このままだと絶滅してしまう可能性が高いのだが何をどうすれば良いのか。個人の田畑の脇なので柵で囲って良いような場所でも無く、手をこまねいて見ているしかないのが残念である。


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山梨県県南部の林道沿いを散策  令和1年5月11日

2019年05月14日 | 里に咲く花
 本日は午後から法要があると思っていたので早めに林道沿いの花散策を切り上げて携帯電話の電波が届くところまで戻って来た。自宅の妻に電話して確認したところ、日程を間違えていて本日では無かった。こんなことならばもう少し上流まで散策してくるんだったと後悔しつつも、それならばと少し北上して別の林道に入ってみる。山を挟んで反対側の渓流なのだが環境的には似ているのでコミヤマスミレが生育していてもおかしく無い。


    林道脇に車を止めて散策する。


    目を見張るようなシャガの大群落があった。


    祠と少し離れたところにお地蔵さんがあった。


    シャガの海


    こちらに居たのはスルガテンナンショウでは無くて普通のマムシグサだった。


    岩壁に咲いていた満開のイワユキノシタ。こんなに咲いているのは初めて見た。


    イワユキノシタ


    線香花火のような美しい白い花。


    沢に下りてみる。こちらも清涼な渓谷の流れ。


    さらに上流部で出会ったのはツルネコノメソウ。


    花が散っているがおそらくはイワボタン。

 スミレはあまり出会えず、咲いていたのはタチツボスミレくらいだった。山を隔てて北側の沢にはどうやらコミヤマスミレは居ないようである。テンナンショウ属もスルガでは無くマムシグサで、沢の感じは似ているが植生の環境はだいぶ違うようである。

 さらに北上してもう1本林道を訪れてみる。長年閉鎖されていた林道が5月に入ってから開通したようでゲートが開いていた。


    崩落してもう開通することは無いだろうと思っていた林道が数年ぶりに開通した。


    この林道からは富士山が見える。


    雲に巻かれつつもなんとか姿を見せてくれた富士山。


    こちらに生えていたのも普通のマムシグサ。ヒトツバテンナンショウがあるのではないかと期待したが出会えず。


    圧巻だったのがこの白い花の群落。


    ミヤマハコベ


    茎が緑色で毛が生えている。


    もう散りかけていたがネコノメソウ属の群落があった。


    花が開かず葯が黄色い。典型的なイワボタン。


    咲いていたのは小さなスミレ。


    トウカイスミレ。今年は初見である。

 こちらの林道は沢を高巻いてどんどん高度を上げるため沢筋に下りられるのは下流の一部だけである。双眼鏡で橋の上から沢を覗き込んだがそれらしきスミレは見当たらず、環境的にもこちらには生育していないのではないかと思う。結局コミヤマスミレに出会えたのは最初に入った林道沿いだけだったことになるが、その沢は支脈が多くおそらくは同じ水系の支脈には生育しているだろうと予想される。今後も探索を続けてみたいと思う。
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渓流沿いに咲く白いスミレ コミヤマスミレ  令和1年5月11日

2019年05月13日 | 里に咲く花
 早朝から朝霧高原にティアラ撮影のため出かけたが富士山は見えていたものの裏側に雲が出てしまいティアラ撮影は絶望的だった。日が昇って来る時間を待たずに諦めて撤退し、向かった先は南部町である。どこかの沢沿いのどこかにまだ出会ったことの無い白いスミレが咲いているはずである。高尾山の記事を見る限りではそれほど難無く出会えるようであるが山梨県では絶滅危惧種Ⅱ類に入っている稀少なスミレである。林道が通じている沢の上流部まで行って林道脇スペースに車を止めて散策を始める。


    綺麗な清流。こんな感じのところに居ると思うのだが・・・


    この辺りに生えているテンナンショウ属は皆スルガテンナンショウだった。


    付属体の先端部が鍵型に丸くなっている。


    沢沿いに咲いていたヒメレンゲ


    ヒメレンゲ


    タニギキョウがたくさん


    ツルシロカネソウがポツポツと咲いていた。


    このあたりはカギガタアオイの生育地かと思っていたがこれはどうやらランヨウアオイ。初めて見る花だ。


    少し湿った林道脇の斜面であっさりと出会えたお目当ての白いスミレ。


    コミヤマスミレ。花だけでなく葉も美しい。


    葉はたくさんあるが花は少ない。今年は外れ年と見て良いだろう。


    沢筋に咲くその姿はほれぼれする美しさ。


    葉の裏側は赤紫色。


    側弁には毛が生えている愛嬌のある顔だち。

 昨年から探す機会を伺っていたコミヤマスミレであり、甲府市北部の沢沿いにもあるのではないかと探索に行ったが見つからなかった。今回は最も出会いやすいであろう県南部の沢を散策したが1本目であっさりと出会うことが出来た。おそらくこの界隈の沢の上流部では普通に出会えるスミレなのではないかと思う。
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恒例の湯村山エビネパトロール  令和1年5月9日

2019年05月10日 | 里に咲く花
 湯村山のエビネは盗掘も然ることながらはびこりつつある笹に飲まれて個体数が減少してしまっている。ここ数年は毎年のように見に行っているが登山道沿いのエビネは全て消失してしまい藪の中でしか見られなくなってしまっている。今年は無事に咲いてくれたのだろうか?


    今年は下刈りがされていないようで、下草や低木がだいぶ伸びているエビネ自生地。


    笹薮に飲まれつつも今年も咲いてくれたエビネ。


    このあたりでは最大の株。数は昨年と同じ程度に見える。


    もう散りかけている。

 いちばんの大株がある場所は今年も例年通りに咲いてくれた。かつてはこの周辺にも小中の株が散在していたのだが今では笹が生い茂り見かけなくなってしまった。この株も周辺の笹を刈ってやらないといけないのだろう。さて、今回はまだ歩いたことの無い斜面に分け入ってみたいと思う。


    変わったテンナンショウが生えている。昨年も見かけているが正体不明だったもの。


    仏炎苞が普通のマムシグサに比べて長めで中にある付属体が真っ黒である。


    おそらくこれはヤマトテンナンショウと呼ばれているものだと思う。(➡ヤマザトマムシグサと教えていただきました。)


    キンランが2本生えていた。葉の一部が食害でちぎれていた。


    やっぱり居ました。エビネ。


    湯村山らしいピンク色のエビネ


    ピンクエビネ


    別の場所にもピンクのエビネ


    やや大き目の株


    こちらは毎年見に行っている株。今年は花数が少ない。


    このあたりで一番の大株。昨年と変わらない。

 別の斜面でもエビネの生育が確認され、湯村山らしいピンク色の個体にいくつか出会うことが出来た。少しずつ笹が生い茂って来ている場所であり今後が心配である。

 他の花も見て回りたかったが時間的に厳しく、見られるものだけ見てきた。


    タカサゴソウ。もう終わりかけているが数がずいぶん減ってしまっていた。


    タカサゴソウ


    もう1ヶ所は数本しか見当たらず、消滅寸前である。


    草むらの中に大株が一つ見つかった。


    カザグルマ


    咲いてくれたようではあるが・・・


    やはり以前比べるとだいぶ花数が少ない。


    1ヶ所だけたくさん咲いてくれた場所があったのが救いである。

 花の宝庫である湯村山だが、簡単に行けるだけにいろいろと弊害が出てしまっていることが残念である。盗掘、食害、環境の変化、どうやって対処すれば良いのか分からないことだらけ、どこまで手を出して良いのかも分からない。当面は変化を見にパトロールに行くしか無いのだが、花が減り始めた時にはもう手遅れになっているのかも知れない。
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茅ヶ岳に咲く花たちとオキナグサ保護作戦その後  令和1年5月6日

2019年05月08日 | 山に咲く花
 長いと思っていた10連休もあという間に最終日を迎えてしまった。県外に行く計画も立ててはいたが結局は山梨県内の近場を巡っただけで終わってしまった。連休最後に見に行くのは設置した保護柵の確認とその中に咲いているオキナグサがどうなっているかだ。林道が開いているので中腹から登り始められるのであまり急ぐ必要は無いのだが、前日の十二ヶ岳がかなり体に堪えたようで足は大丈夫なのだが体がだるくて重過ぎる。おそらく軽い脱水だろう。いつも以上にピッチを落として登る。


    樹林帯を横切りながら女岩側の登山道に入る。林床にはワダソウが点々と咲いていた。


    尾根道ではほとんど見かけなくなったワダソウだが樹林の中でしっかりと咲いていた。


    キケマン


    ムラサキケマン


    そしてユキヤブケマン。3種類のケマンソウが楽しめる茅ヶ岳。


    ニリンソウが見ごろ。


    苦手のハコベの仲間。茎が緑色で毛が生えておりどうやらミヤマハコベらしい。


    ヤマエンゴサク


    勢力を伸ばしつつある黄色いネコノメソウ属の花。


    コガネネコノメソウ。山梨県絶滅危惧ⅠB類とは思えない群生の仕方である。


    この一角は色の濃い個体が多い。


    アケボノスミレ(クロバナアケボノスミレ)


    白いエイザンスミレ


    ピンク色のエイザンスミレ


    やっと見つけたヒメスミレサイシンは踏まれたのか痛んでいた。


    シダは調べても全く分からず。胞子嚢の葉が外側に出ている。


    4時間もかかってやっと山頂に到着。連休最終日だというのに誰も居なかった。時々小雨が降った。


    しばらくメインテナンスしていないのでだいぶ痛んでしまっている山頂の標柱。次に来るときは道具を持って来よう。

 かなりのスローピッチで登って来たのでさほどの疲れも無く、山頂では休憩せずに保護柵を設置した場所まで下りて昼食にする。心配していた柵はしっかりと立っていたが1本だけグラついているポールがあったので修復した。


    しっかりと立っていた保護柵。今シーズンは十分に持ち堪えてくれそうだ。


    食害に遭わずしっかりと咲いてくれたオキナグサ。


    このあたりはポツポツだが・・・


    少し上のほうは葉がたくさん出ている。


    花数も昨年とほぼ同じくらい咲いてくれた。


    なんとか今年も保護に成功。


    茅ヶ岳のオキナグサ。

 柵の周辺には踏み跡がいくつかあり、この花を心配して見に来てくれている人たちが何人も居ることを知っている。励ましの言葉や手伝うと言ってくれる人たちにも何人も出会っている。それだけこの山を愛する人たちがたくさん居て、花たちを心配している人たちが居るということである。オキナグサ保護作戦は決して一人でやっているのではなく、多くの人たちが支えてくれて見守ってくれている作戦なのである。

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スミレとコイワザクラ咲く山へ 十二ヶ岳  令和1年5月5日

2019年05月08日 | 山に咲く花
 コイワザクラが咲き出したらしい。おそらくヒメスミレサイシンも咲いているだろう。花を見に行くのが最大の目的ではあるのだが、もうひとつ確かめておきたいことがある。それは、この山に咲くコイワザクラと思ってきた花は本当にコイワザクラなのか?ということである。コイワザクラとクモイコザクラはどこがどう違うのか?十二ヶ岳はコイワザクラなのに何故に同じ環境の三ツ峠はクモイコザクラなのか、ずっと疑問に思ってきた。形態的な分類なのでおそらくは決着が着かない議論であろうが、今年はこの2つの花を追いかけてみたいと思っている。

 まずは見てきたスミレを主に。


    フデリンドウがたくさん咲き出していた。


    タチツボスミレに混じって数株オトメスミレが咲いていた。


    登山道から少し入った日当たりの良い林の中にはヒゴスミレがポツポツと咲いていた。


    薄い赤紫の筋が入ったヒゴスミレ。純白も良いがこんなヒゴスミレも美しい。


    この季節にまだ会えるとは。ゲンジスミレ。


    登山道のど真中に咲いていたゲンジスミレ。


    アカネスミレ。今年はあまり見かけない。


    稜線に出るとエイザンスミレ。


    フモトスミレは少しだけ。


    この山の代名詞のようなスミレ、ヒメスミレサイシン。


    ヒメスミレサイシン


    フジマメザクラと雲のかかる富士山。毛無山から。

 様々なスミレを楽しみながらきわめてスローペースで登る。以前にもゲンジスミレは数株見かけたことがあったが、思っていたよりも数は多かった。また、ヒゴスミレが結構咲いていることは新たな発見だった。連休だというのに思っていたほど登山者は多く無かった。

 さて、問題のコイワザクラである。ポイントとなるのは葉の形と切れ込みの深さということになるのだろう。


    咲き始めたばかりのコイワザクラ


    しかし核心部はまだ蕾だった。


    写真で見ると大きく見えるが実際には小さな花。


    さて、この葉をどう見るか?

 インターネット上の記述を見るとクモイコザクラの葉は約3分の1裂して葉の先端が尖ると書かれている。この葉は3分の1裂まで深く無いが葉の先は尖っているように見える。他の葉を見てみると尖っているものもあればそうでないものもあり、葉の切れ込みが深いものもあれば浅いものもある。つまり、これだけでは区別できないのではないかと思う。クモイコザクラはそもそもコイワザクラの変種という扱いになっており、某図鑑の記載では秩父山系、八ヶ岳、南アルプスに分布すると書かれている。その記述からすると御坂山系はコイワザクラになるのだろうとずっと思ってきた。しかし、山梨県の植物に詳しいグループの見解では山梨県は全域がクモイコザクラだという意見もある。遺伝子学的な解析でも両者の区別は難しいという話も聞いたことがある。つまり、はっきりした区別は付けられないのではないかと考えるに至っている。他の場所のこの花を良く見てくる必要がありそうだが、当面は図鑑の記述による分布域からこの場所に咲いているのはコイワザクラとしておいて良いだろうと考える。

 さて、もうひとつ確かめておきたいことがあった。私の考えが正しければ、サクラソウがそうであるようにこの花には雄花と雌花があるはずである。


    サクラソウ科のこの花。雄花と雌花はあるのか?


    中央部に1本だけ柱が突出している花。これは雌しべで雌花になるだろう。


    一方こちらは中央の柱が見えず5本の突起が見えている。雄花と見て良いだろう。


    奥が深いサクラソウの仲間。

 サクラソウの遷移と保護について書かれた本を読んだ際にサクラソウには雄花と雌花があることを知り、一つの株はそのいずれかに分かれていることを知った。個体数が多い時には雄花と雌花があるが個体数が少なくなると両性花に変わって来るとも書かれていた。個体数が多い十二ヶ岳のこの花は状態が良く、雄花と雌花に分かれていると言って良いだろう。

 存分に花を見て回り、コイワザクラも楽しませてもらった十二ヶ岳。9時間かけての一人花見山行を満喫した。
    

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