山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

やっと出会えたハシナガカンスゲ 令和6年4月21日

2024年04月23日 | 渓谷
 天候がいまひとつで午後か夕方には雨が降り出しそうである。折角の1日休みなのだが植物探索に行くかどうか迷っているうちに時刻は10時になってしまった。
 情報をたくさん提供していただいている花博士からさらにビッグな情報を提供していただいた。既に4~5回探索に出かけている南部町に生育しているはずのハシナガカンスゲであるが、全く感触が無く見つかる気がしなくなっていた。ところが、いつも探している場所とは遠からずとも近からぬ場所に生育しているのを確認してきてくれた。これは見に行かないわけには行かない。出発時間が遅くなってしまったが出かけてみる。

    目指すのは渓谷の奥

    南部町らしく、カナクギノキが生えていた。

    花はまだ咲き始めたばかりである。

    ミツバツツジはほぼ満開

    ヒメウツギもほぼ満開

    白い花が鮮やかなヒメウツギ

    苔の岩壁に咲いたタチツボスミレ

    ツルシロカネソウが満開になっていた。

    花が終わっているテンナンショウの仲間。葉が細長い。

    おそらくこれはヒガンマムシグサであろう。

    ホソバテンナンショウ?と思ったが葉軸の別れ方がちょっと違うように見える。

    これは山梨県側では珍しいウメガシマテンナンショウらしい。

    しばしば目にしているやや大型のスゲ、ミヤマカンスゲ。

    鱗片が茶色いものが多く、果胞には毛が生えているはずである。

    こちらはさらに大型で葉の幅が広いカンスゲ

    雌小穂は黄緑色で剛直な感じがする。

    岩壁にやや小型の葉が柔らかそうな感じのスゲが生えていた。

    これこそが再三探しても発見出来なかったハシナガカンスゲであろう。

    想定していたよりも小さかった。生育環境も森の林床に生えると思っていたが岩壁に生えていた。

    先端が雄小穂、その下が雌小穂

    雌小穂は嘴がやや長く、外側に曲がる。果胞には毛が生えていない。

    違うタイプのハシナガカンスゲが生えていた。

    こちらは鱗片が茶色いタイプ

    こんな岩壁にこのように群生しているとは想定外だった。

    近くにはイワユキノシタが群生していた。

    もうすぐ咲きそうなイワユキノシタ

 半ば諦めかけていたハシナガカンスゲだが、花仲間の花博士のおかげで出会うことが出来てとても感動した。生育環境が分かったので今度は別の場所で探せるかも知れない。しかし、ヒメカンスゲやスルガスゲに似ており、一見しただけで判別できるかどうかはまだ全く自信が無い。もっとたくさん見てたくさん勉強しなければならないであろう。


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咲き始めたコシノコバイモ  令和5年3月10日

2024年03月13日 | 渓谷
 毎年恒例になっている渓谷沿いに咲くコシノコバイモを見に行ってみる。午前中から出かける予定だったのだが、自宅でやるはずだった確定申告に手こずり、しかも完成できずに結局は後日税務署に行くことになってしまった。出かける前から心が折れてしまった感じである。

    10日ほど前に訪れたセツブンソウをまず見に行ってみるが、あまりたくさん咲いたわけでは無かった。

    かつてはあふれんばかりに咲いた時もあったのだがここ数年は寂しい。

    花はもう大部分が終わってしまっている。

    終盤のセツブンソウ

    トラノオシダ。珍しいものでは無い。

    渓谷の岩壁にぶら下がるサクライカグマ

    以前よりもだいぶ増えてきた感じがする。

    ナンタイシダやホソバナライシダに感じが似ているが、第一羽片がやや弓型に曲がるのが特徴であろう。

    谷の中はまだ寒々しい感じがする。

    咲き始めていたコシノコバイモ

    前日の強風に煽られたか、可哀そうに茎が折れてしまっている。

    こちらはまだ蕾である。

    渓谷を見下ろす位置に生えたコシノコバイモもまだ蕾である。

    明日にも咲きそうな花

    開花した花を見つけたが、花弁を虫に食われたか痛んでいた。

 まだ顔を出していない株もあるだろうから、足元に気をつけてあまり踏み荒らさないように慎重に歩いて撤退する。見ごろはあと1週間くらい先になりそうである。


    
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ナツエビネは今年も夏バテ  令和5年8月10日

2023年08月13日 | 渓谷
 10日ほど前に花仲間が訪問してくれたナツエビネであるが、その際にはまだ蕾で花は咲いていなかった。時期的に間違い無く咲いているはずであるが、暑い日が続いており夏バテで立ち枯れしてしまっているのではないかと心配である。昨年も大部分の花が立ち枯れしてしまっており、今年は昨年以上に暑い。さて、どうなっているだろうか?


    気になっていたこのシダ


    若いサジランではないかと思っていたが何年経っても大きさが変わらず、これはヒメサジランのようである。


    ナツエビネ。残念ながら終わっている。


    茎が曲がっており全開する前に枯れてきたようである。

 
    一番の大株だが・・・


    心配していた通りに立ち枯れしてしまったようである。


    日当たりの悪いところにあったこの株は咲いてくれたようだがあまり元気が無い。


    葉はたくさんあったが花穂が出ていない。


    やっとまともに咲いた株を発見。左側はしっかりと結実してくれている。


    ナツエビネの花

    うっとりするような美しい花である。

    岩壁を見上げると少し変わったシダが着いている。


    これはオクタマシダであろう。


    固まってそれなりにたくさん生えていた。

    谷にぶら下がっていたホトトギスの葉

    スルガジョウロウホトトギスを期待するが、標高が500mに満たないこの谷ではまず生育していないはずである。

 
    トリーミングして見ると茎に毛が生えているようである。たぶんこれは普通のホトトギス。

 暑過ぎる夏はナツエビネにも堪えるようで、昨年に続いて今年も立ち枯れを起こしてしまっていた。生育する斜面の状態も年々乾燥化が進んで下草や苔が生えなくなっているように見える。ナツエビネの小さな個体はだいぶ無くなってしまっているようにも見受けられ、ピンチなのではないかと感じさせられる。


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セキショウの花は咲いたか? 八ヶ岳の谷  令和5年7月26日

2023年08月03日 | 渓谷
 5月にクモイコザクラの観察とともにセキショウの仲間が生育しているかどうか確認に行った八ヶ岳の谷であるが、そろそろ花が咲いている頃ではないかと思う。再訪してみる。


    林道脇にウツボグサがたくさん咲いている。


    こちらはクルマバナであろう。


    タカトウダイ


    たぶんケゴンアカバナ


    これはヤマトウバナであろう


    サワギクの群生があちらこちらで見られる。


    大きなウバユリ


    これはナガミノツルキケマンだと思うがまだ花は咲いていない。


    葉っぱがハート形の木があった。たぶんこれはシナノキだと思う。


    木の幹は縦にヒビが入って剥がれている。


    元々はもっと先のほうまで林道が繋がっていたのだが大雨で崩落してしまった。


    渓谷の中に圧倒的にたくさん生えているのはフクロシダ


    根元近くの羽片が縮小しておりこれはイワイヌワラビではないかと思ったのだが・・・


    ソーラスを見るとヘビノネゴザのようである。


    岩壁の隙間に生育したヒメイワトラノオ


    フクロシダと一緒にナヨシダが生えている。


    黒っぽいソーラスがたくさん付いている。


    ヒメスギランは前回と同様に1株だけ見つかった。


    岩壁にはヒメシャジンがたくさんぶら下がっていた。


    ヒメシャジン


    渓谷内で最も普通に見かけるのがこのスゲ


    これはテキリスゲであろう。


    良く似ているがこちらはレアもののスゲ。


    テキリスゲに比べて果胞が細長く嘴が長い。


    これはザラツキシラスゲ(チチブシラスゲ)であろう。


    下流域で数株だけ見たことがあるが、こちらには群生していた。


    セキショウの仲間が生育している岩壁に到着した。


    望遠レンズを取り出して覗き込んでみるが・・・


    花も花芽も見えない。どうやら咲かなそうである。

 期待していたセキショウの仲間であるが残念ながら花は咲いておらず花芽も付いていなかった。5月に見に来た時も葉が小さくて大株が見当たらないので咲かないのではないかと予想はしていたのだが、やはり咲かないようである。条件が良い年には咲いてくれるのではないかと思う。しかし、チチブシラスゲの群生が見つかったことは大きな収穫だったと思う。

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増富ラジウム温泉近傍の渓谷を散策  令和5年6月29日

2023年07月05日 | 渓谷
 ハシドイを観察した後に日没まで時間があったので益富ラジウム温泉の中を流れている渓谷を散策してみた。


    清涼感あふれる渓谷の流れ


    翁滝


    福禄寿の木。ミズナラの大木だと思う。


    木に着生しているのはノキシノブであろう。


    小さなヤシャビシャクが着生していた。花が散ってトゲトゲの実が付いている。大株を探したが見つからない。


    コアジサイ


    サワフタギの木か?花が咲いていれば・・・。


    ウリノキが生えていた。


    ウリノキの花


    シダが岩にたくさん付いている。


    シノブとミヤマノキシノブのようである。


    近くに生えていたミヤマノキシノブ。光沢が少なく幅が広く、ホテイシダを小さくしたような感じ。


    コケシノブの群生


    何か白い花が咲いている。


    ネットで調べてみるとこれはネジキという木の花のようである、幹が捻れるらしいが良く見て来なかった。

 もっとじっくりと見て回れば、面白いシダや着生植物が生育しているのではないかと思う。雰囲気が西沢渓谷に似ている。

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西沢渓谷散策  令和5年5月31日

2023年06月03日 | 渓谷
 西沢渓谷の目的のひとつだったコハクウンボクは渓谷遊歩道に入る前の道沿いで多く見ることが出来る。コハクウンボクを存分に楽しんだ後に渓谷遊歩道に入り西沢渓谷を周回してみる。いちばん奥にある七つ釜五段の滝のところで遊歩道が崩落して通行不能になっており、現在その手前に迂回路が付けられている。この迂回路を歩くのは今回が初めてである。


    吊り橋から見上げる鶏冠山。天候いまいちで山頂に雲がかかっている。


    ホテイシダとヤシャビシャク。ホテイシダはまだソーラスを付けておらず、ヤシャビシャクは結実している。


    大木に着生したオシャグジデンダ


    これはヒメウツギであろう。


    こちらはウメウツギのはずだがまだ蕾である。


    三段の滝。前日の雨で少し増水している。


    竜神の滝


    これはナンタイシダであろう。この渓谷にはたくさん生育している。


    ミヤマウラボシの群生


    オオクボシダ。いつもの場所で確認したが他にはあまり見つからず。


    ヒメイワトラノオ。あまりたくさんは見かけない。


    ミヤマモミジイチゴであろうが、花はまだ付けていなかった。


    これはカンスゲであろう。やや大型のスゲ。


    もう終わってしまったかと思っていたがまだ果胞が残っていたスルガスゲ


    果胞は丸っこくて先端部が少し外側に曲がる。


    方杖橋。これを渡ると急登になる。


    すぐ下に七つ釜五段の滝下部が見えるが、この先で遊歩道は崩落している。


    通行止めのところから見る七つ釜五段の滝下部


    急登の迂回路


    咲き残りのアズマシャクナゲ


    この階段を昇ると遊歩道に出る。


    遊歩道の橋の上から見る七つ釜五段の滝上部。新緑に囲まれた滝が眩しい。


    トロッコ道の遊歩道を歩き、これにて1周。

 平日なのであまり歩いている人は居らず静かな渓谷歩きだった。ヒメスギランを探したのだが今回は気合が足りず発見出来なかった。時刻は4時半を過ぎ、もう後ろから歩いてくる人は居ないだろうと思ったのだが、2組のハイカーが私の後ろからやって来たのにはちょっと驚いた。何度も歩いている西沢渓谷であるが何度歩いても新鮮な出会いがある。

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咲き始めたコハクウンボク 西沢渓谷  令和5年5月31日

2023年06月02日 | 渓谷
 昨年コハクウンボクを見たくて6月下旬に西沢渓谷を訪れたのだが、既に花は終わってしまって咲き残りのものをわずかに見ただけになってしまった。まだ少し時期が早いのではないかと思うのだが、昨日見たハクウンボクのほうは満開になっていたので、コハクウンボクのほうもそろそろ咲いている頃ではなかと思う。もう少し早く出発するはずだったが午前中の天候がいまひとつで午後には回復して来るらしい。午前10時に西沢渓谷駐車場を出発する。


    駐車場の脇にあるドウダンツツジが満開


    ハクウンボクの花も満開になっていた。


    純白で美しいハクウンボクの花


    ウリハダカエデの花


    黄緑色の花を総状に咲かせるウリハダカエデ


    渓谷沿いに咲くトチノキ


    満開のトチノキ。秋になると丸い実を付ける。


    この白い花はサワフタギ、ないしはタンナサワフタギだと思う。


    コハクウンボクがたくさん生育する場所に到着。


    予想はしていたのだが、花はまだ蕾で少し早かったようである。


    しかし、周辺を探してみると咲き始めているものもあった。


    咲き始めたばかりのコハクウンボクの花


    こちらの木も結構咲いている。


    咲き始めの新鮮な花


    ハクウンボクと同じく純白の花


    別の場所では満開になっている木があった。


    満開のコハクウンボク


    見事にたくさん花を咲かせている。

 少し時期は早かったのだが花の咲いたコハクウンボクにやっとご対面出来た。西沢渓谷にはたくさん生育しているが他の場所ではあまり見かけない稀少な木である。今年こそはと思っていた課題の花だったので、咲いているところを見ることが出来て良かった。

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クモイコザクラ咲く八ヶ岳の渓谷を探索  令和5年5月2日

2023年05月05日 | 渓谷
 クモイコザクラがたくさん咲く八ヶ岳の渓谷であるが、その他にも珍しいシダやまだあまり調査されていないカヤツリグサ科の植物が潜んでいる可能性が高い。また、10年くらい前に歩いた時の画像を見ていたところ、山梨県ではあまり知られていないセキショウの仲間らしき葉が写り込んでいた。さて、どんな植物に出会えるだろうか?


    台風でだいぶ荒れてしまっていると聞いていたので渡渉が心配だったが、水量が少なく比較的容易に渡ることが出来た。


    これはツルネコノメソウであろう。イワネコノメソウもたくさん見かけた。


    ヒゲネワチガイソウがちらほらと咲いている。


    さっそく現れたこのスゲはこれでもかというくらいにたくさん生育している。


    雌鱗片が幅広い。ツクバスゲか、あるいはショウジョウスゲか?それとも八ヶ岳なのでナガミノショウジョウスゲになるのか?まだ分からない。


    カンスゲの仲間であろうが、この段階ではまだ何だか全く分からない。


    探していたシダのひとつ、ヒメイワトラノオ。


    数ヶ所で生育しているのを発見した。


    これはナヨシダと思われるが、まだ幼弱で確定は出来ない。


    このシダに出会えたのはラッキーだった。


    ヒメスギラン。見つかったのはこの1株のみだった。


    まだ満開には至っていないが、クモイコザクラはたくさん咲いている。


    岩壁に生育するクモイコザクラ


    鮮やかな濃いピンク色の可愛らしい花。葉は毛が少なくて切れ込みが深く、葉先が尖っていていかにもクモイコザクラらしい葉の形をしている。


    谷の奥深い岩壁に生育していたセキショウの仲間と思わしき葉。


    イワゼキショウになるのか、それともチャボゼキショウか?花が咲くのは7月下旬か8月ごろであろう。

 カヤツリグサ科の仲間もシダ類もまだ時期が早くて発見出来なかったものが多かった。セキショウの仲間と思わしき植物の葉は確認出来たので、花が咲く頃に再訪してみたいと思っている。その頃にはおそらく全く違う渓谷の姿を見ることが出来るであろうと期待している。

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満開のカヤラン 昇仙峡散策  令和5年4月20日

2023年04月21日 | 渓谷
 昨年昇仙峡で見つけたカヤランがそろそろ咲いているかも知れない。ヤシャゼンマイも葉を展開して胞子穂を伸ばしている頃であろう。


    切り立つ岩壁を見上げながら昇仙峡を散策する。


    この赤紫色のツツジはダイセンミツバツツジであろう。結構数はある。


    満開のヒメウツギの白い花が新緑の中で生える。


    対岸に群生するヤシャゼンマイ


    胞子葉を伸ばすヤシャゼンマイ


    ヤシャゼンマイの葉は柄があって流線型をしている。


    こちらはゼンマイ


    ゼンマイの葉は柄が無くてヨットの帆状の形をしている。


    これが交雑種のオオバヤシャゼンマイ


    葉には柄があってややいびつな長三角形に近い形をしている。


    お目当てのカヤラン。ちょうど見ごろになっている。


    この木には固まって着生している。


    結構な大株で花をたくさん咲かせている。


    満開のカヤラン


    別株。午後の遅い時間だと光が入らず撮影が難しい。


    後ろの薄紫色はフジの花


    これだけの大株だが、ずっと以前から人知れずひっそりとこの場所に咲いていたのだろう。

 満開のカヤランを存分に楽しませていただいた。午後になるとこの場所は光が入らず半逆光になってしまい、撮影が難しかった。

 さて、他にも確認しておきたかった植物がある。


    渓谷の岩に生えているのはナルコスゲであろう。


    これは普通に見かけるカンスゲであろう。渓谷内では大型のカヤツリグサ科植物。


    こちらはヒメカンスゲであろう。


    他にもよく似たカヤツリグサ科植物があり、スルガスゲなど他のカヤツリグサ科植物と見分けるのはなかなか難しい。


    確認しておきたかったカヤツリグサ科植物がこれである。葉の辺縁にザラつきがあり、おそらくコカンスゲであろうと思っていたが・・・


    小穂は先端に雄、手前に雌がある雄雌小穂で複数の小穂を付けている。これはコカンスゲで間違い無さそうである。

 他にも多くのシダが生育している昇仙峡は季節を変えて歩くとまた違う姿を見せてくれる。少し長い距離を歩いて他にカヤランが着生していないか探してみたが、既に発見してあった2本の木以外には発見出来なかった。


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南部町の渓谷をちょっと探索  令和4年10月28日

2022年10月30日 | 渓谷
 中部横断道が静岡まで繋がって南部町へのアクセスは格段に良くなったとはいえ、午後からの訪問ではやはり時間的な制限がある。キチジョウソウを見た後に竹林に生えるヤツシロランの仲間を探しに行く予定だったのだが、曇り空で午後4時近くになるともう竹林の中は薄暗くなってしまい、探すのは容易では無さそうである。そこで、以前から気になっていた渓谷沿いの林道を探索してみることにした。日没が早くなったので1時間程度しか時間がとれない。


    2年前の春に訪れた時は台風で道が流されてガラガラの状態だったが、ほぼ復旧が終わっている。


    この工事現場から下流を探索してみる。シロヨメナと思わしき花があちらこちらに咲いている。


    咲き終えたアケボノソウがちらほらと生えている。


    支脈に咲いていたジンジソウ


    南部町の渓谷沿いではしばしば目にするジンジソウ


    橋の上から渓谷を見下ろす。


    双眼鏡で覗き込んだ時はオオバノハチジョウシダだと思ったのだがリョウメンシダだった。


    キヨスミヒメワラビ。南部町の渓谷沿いでは良く目にする。


    茎には白い鱗片がたくさん付いている。


    オオバノアマクサシダ。オオバノハチジョウシダはほとんど見かけず、こちらが圧倒的に多い。

 あっという間に日が暮れてしまい、予定していた行程の半分も見られずに終わってしまった。静岡県境に近い渓谷なのでおそらく南方系のシダや植物が多数生育しているのではないかと思っている。時間がとれれば、じっくりと歩いてみたい渓谷のひとつである。

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南部町の渓谷に咲くスルガジョウロウホトトギス探索  令和4年9月17日

2022年09月18日 | 渓谷
 9月の3連休後半は台風が通過しそうなので、その前に毎年恒例のスルガジョウロウホトトギスを見に行ってみる。今回訪問するのは昨年発見されたいつもとは違う渓谷の中に咲くスルガジョウロウホトトギスである。ルートが無い急峻な谷で人が入らないためにずっと生育が知られていなかったようである。念のためザイルを携帯し、細心の注意を払って谷に入ってみる。


    登山道脇に生えていたヒカゲノカズラ


    昨年発見した時はエゾヒカゲノカズラだと思ったのだが、今回見ると胞子穂に柄が付いており、ヒカゲノカズラと思われる。


    流れ落ちる滝の下に到着。


    岩壁を念入りに探すと、黄色い花がぶら下がっている。


    スルガジョウロウホトトギス発見


    昨年よりも花付きが悪く、個体数も少ないように見える。


    核心部の谷に入る。まだ蕾のスルガジョウロウホトトギス。夏の暑さに負けたか、葉が傷んでいる個体が多い。


    こちらは満開の花


    岩壁からぶら下がる姿がなんとも谷の雰囲気にマッチしていて美しい。


    登山道に戻ってさらに上部を探索してみる。


    標高1,000mを越える谷ではスルガジョウロウホトトギスは見つからない。


    渓谷に咲いていたホトトギス


    イワシャジンは咲き始めたばかりだった。

 こちらの谷に生育するスルガジョウロウホトトギスは個体数が少なく群生している岩壁は見当たらず、点々と咲いている感じである。急峻な谷だけにあまり安定している岩壁とは言い難く、脱落してしまった個体もあるようである。今後も咲き続けて欲しい貴重な花である。

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渓谷に咲くマネキグサ  令和4年8月27日

2022年08月29日 | 渓谷
 何度か訪問している北杜市の渓谷を訪れてみる。2年ぶりくらいになるのではないかと思う。この渓谷にはキツネノカミソリが生育しており、さらにマネキグサも生えていた。しかし、2年前に訪問した際にはマネキグサは発見出来なかった。無くなってしまったのか?それとも探せなかっただけなのか?ずっと気になっていた。


    まだ咲き残っていたキツネノカミソリ。涼しい渓谷の中は開花が遅く、この時期でも咲いている。


    花弁よりも雄しべが短く、典型的なキツネノカミソリ


    葉柄に痛い棘がたくさん生えているミヤマイラクサ


    渓谷にかかる橋。その向こうにはかなり急峻なハシゴがかかっている。


    豪快に落ちる滝


    滝の脇に生えるシラヒゲソウ


    渓谷を見下ろすオシャグジデンダ


    都合良く目の良い花仲間と遭遇。あっさりとこの花を探し出してくれた。


    マネキグサ。山梨県での生育地はごく限られている。


    たくさん生えているわけでは無いが、確認は出来た。


    葉の切れ込みはさほど深いわけでは無いが、ひょっとしたらこれはキレハのほうになるのではないかと疑っている。

 マネキグサは2年前の訪問時の時期が悪かったか、あるいは探し方が悪かったかだろうと思う。最初に発見した場所にしっかりと生育してくれていた。キレハマネキグサという葉の切れ込みが深いものがあるらしいのだが、このあたりに生育しているのではないかと疑っている。この場所のものはあまり葉の切れ込みが深いわけでは無いが葉先が尖っているのが気になっている。他の場所に生育しているものも見て回ってから検討してみたいと思う。

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渓谷の近傍に咲くアオホオズキ  令和4年8月21日

2022年08月22日 | 渓谷
 渓谷の遊歩道沿いにアオホオズキという珍しい花が生育しているという記事をネットで見たことがあり、何度か探してはいるのだが見つからずにいた。そもそも咲くのは5~6月ごろだと思っていたのでこの季節には歩いたことが無い。ところが、花仲間が渓谷近傍でこの花を探し出してきてくれて情報を提供してくれた。見ごろを少し過ぎているようなので急いで見に行かないと来年に持ち越しになってしまう。午前の仕事を終えて渓谷に移動するが、駐車場に着いて準備をしていると雷が鳴り出してしまう。さらに悪いことに、登山用のズボンを持って来ておらず、止む無くスラックスの裾を膝のあたりまで折り曲げて散策に出かけることとなる。


    ブロック塀に着生したホテイシダ


    橋の欄干に着生したホテイシダ


    アカバナの仲間だが花が白い。


    茎全体に短毛が生えており、これはイワアカバナと思われる。


    渓谷を見下ろすと球形の実をたくさん付けた木がある。


    これはトチノキのようである。


    先端部が切れ込むこの特徴的な葉はコハクウンボクの木。結構たくさん生えていた。


    結実したクモキリソウ。たくさん生えていた。

 途中から雨が降り出してしまい、結局スラックスをカッパに履き変えて散策することになる。教えてもらった場所あたりに到着したがなかなか見つからない。


    ちょっと変わった花が見つかった。


    ナンバンハコベ。絶滅危惧種では無いがあまりお目にかからない花。


    発見、これが探していたアオホオズキ。


    思っていた通りの大きさの花だったが、地味で発見しにくい。


    雨で濡れている。


    アオホオズキの花。薄黄緑色で花弁には細かい毛が密生している。


    別株を発見


    こちらはまだ蕾が付いている。


    たぶんこの大株もそうではないかと思うのだが、花がひとつも付いておらず確信は持てない。

 花が咲いていて確実にアオホオズキを分かるものは2株のみだったが、葉がそっくりで花を咲かせていないそれらしき株は近傍に数株あった。地味な花ではあるがなかなかお目にかかれないアオホオズキをやっと目にすることが出来て感激である。情報を提供してくれた花仲間に感謝したい。

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ミヤマモミジイチゴ (バラ科) Rubus pseudoacer Makino

2022年07月30日 | 渓谷
 山地の薄暗い樹林内に稀に生える落葉小低木である。茎や枝は無毛で普通刺がないが時にはまばらに刺がある。葉は互生し、掌状に深く5~7裂し、裂片の先は尖る。葉質は薄く柔らかい。枝先に小さな白色~やや緑色がかった花を数個付ける。花弁は円形で5弁付く。花期は6~7月。山梨県では山梨市の渓谷沿いで生育が確認されており、生育地は限局的で個体数もあまり多く無い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2005年山梨県カテゴリー:なし  2017年環境省カテゴリー:準絶滅危惧(NT)


    ミヤマモミジイチゴ 2022年6月 山梨市の渓谷で撮影


    葉は深く5~7裂し、裂片の先端は尖る。葉質は柔らかく、棘が無い。


    茎にも通常は棘が無いが、棘のあるものもある。


    枝先に数個の花を付ける。


    ミヤマモミジイチゴの葉と花


    花弁は円形で5弁。白色ないしやや緑色がかった花を咲かせる。

 ➡山梨県の絶滅危惧のバラ科植物一覧

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用水路脇に生えていたヒトツバハギ 山梨市  令和4年7月23日

2022年07月28日 | 渓谷
 花仲間からヒトツバハギという低木の情報を春先にいただいていた。花が咲くのは7月ごろのはずで、もう7月下旬になってしまったので、たぶん結実している頃ではないかと思う。連日の猛暑日で本日も激熱である。あまり歩かなくて良いように近くに車が止められないかどうか探すのだが、なかなか良い場所が見つからない。本来はまずいのであろうが、工事が行われていなかったので、資材置き場の空き地に止めさせてもらって出発する。とにかく暑く、少し歩いただけで汗がダラダラと流れ落ちて来る。北岳の疲れもまだ抜けきっていないようで、足のむくみが少し残っている。


    用水路脇の草むらを進む。


    やがて背丈以上の酷い草むらになる。かき分けて進むが、行けそうも無くて一旦は撤退するが、水を補給して再突入する。


    なにせ見たことが無い木なのでどんな感じなのか分からない。これは結実したツリバナだろう。


    これは違う。


    草むらの先にやっとそれらしきものが見えてきた。


    葉の間から花と実のようなものが出ている。この木で間違い無さそうだ。


    葉は互生し、葉腋から2~3個の花を出している。ヒトツバハギで間違いない。花はもう終わっていた。


    葉は鋸歯が無く、白い葉脈がはっきりしている。


    結実した実


    先端部に雌しべらしきものが残っている。


    木の幹は茶色で小さな斑点が縦方向に並ぶ。


    汗だくになってまた草地をかき分けて戻る。

 場所が分かっていたので簡単に見られるだろうと思っていたヒトツバハギだったが、想定外の草むらの突破に難航し、1時間半ほどの散策だったが汗だくになってしまった。もう1ヶ所立ち寄ろうと思っていたのだがへばってしまい、これで撤退となった。

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