観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「タワマン」「保険」「相続」「医者の給与」「国民年金」を考察する予定。

小沢代表降板は誰に得なの?

2009-03-15 06:07:17 | 政局・政治情勢
国策捜査だの何か首相や自民党が検察に指示して小沢代表秘書を逮捕させたということを主張・示唆する政党・報道・ブログなどが目に付くので書く。

まず小沢代表は元々人気がない。危ない橋を渡ってまでも(可能かどうかを別にして)、小沢代表降板につながることを自民党が画策する説得力ある理由は有るでしょうか。自民党の手柄で追い込めるのなら話は別ですが、検察の手柄で代表辞任に追い込んで何か得するのかという話です。怪しいものでしょう。民主党自体にはクリーンなイメージもあって、実際そのイメージは今度の事件でさして傷ついていないというか、政治とカネの問題が争点になれば、最終的には、権力の座に長くいる自民党が不利になるのは明々白々です(私は政治とカネの問題で自民党が不利と承知しながら、その他の論点を重視して自民党支持の立場)。お金にクリーンな後継者が現れれば、リカバリー可能だということも誰でも考えそうなことです。明確に民主党よりに思えるメディアが、今頃になって(今までは概ね封印していました)一々小沢代表に厳しいのも、民主党にとっては変えたほうがいいという考えの状況証拠になり得ます。連合笹森清氏が発端の済州島を買っちまえ発言(小沢氏は否定で信憑性に疑問)をメディアが一斉に報道したのは不審極まりないでしょう。こんなもの問題になるに決まってます。

次に、小沢代表には第7艦隊発言(代表秘書逮捕より前)がありました。これは不味い失言で、辞められたら有耶無耶になります。民主党内左派に代表が移れば(禅譲だの岡田氏がどうしただのという話が出ても、報道では党内選挙のせの字もでません)、代表的右派前原氏は二大政党制堅持論者なので、民主党内の外交・防衛論事情を知る政治家・人間にとっては説得性のある民主党(一派)空中分解論が選挙の前に消えてなくなってしまいます。その分民主党は左派で社会党政権なのである論が説得性を持つということにはなるのですが。いずれにせよリスクを冒す理由には乏しいでしょう。

一応前提となる知識を付け加えておくと、小沢代表は「首相をやる」とそのことを主張するために本を出しています。なるのかならないかという問題に決着をつけるためでしょう。連立話が立ち消えになった時も小沢氏はあっさり辞任を切り出しました。つまり、衆院選に勝っても代表は首相にはならない、乗り気でないという話は以前から多々あったということです。この問題で小沢氏が辞めかねないというのは、政治に一定の知識・関心のあるものであれば、誰でも知っている話であるのです。

小沢氏の問題は元秘書高橋嘉信氏が追及する予定であったというのもあります。自民党が国策捜査のリスクを冒してまで(冒せるとしてですが)、選挙前の小沢代表交代につながるようなことをしなければいけない理由はなんでしょう。まだ、高橋氏の舌鋒鋭い批判はろくに聞いていません(氏は反小沢として立候補する予定です)。献金の問題でないにしろ、いずれは小沢氏が苦しい立場に立つのではないかということは予測がついていたことです。逃げるための国替えという話もあったぐらいです。
毎日jpより(一例として)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090315k0000m040093000c.html
高橋嘉信氏の話はもっと聞いてみたいところです。

また、民主党が主張するように現在明らかになっている段階では行政処分で済むかも知れない問題で、自民党が検察に指示するリスクを冒す(可能かどうか別にして)理由も乏しいと言えます。これはより大きな問題に発展すれば話は別ではあるのですが。

建設関連にまつわるカネの問題を自民党(並びに自民党に支えられる麻生政権)がわざわざ争点にする理由も明らかに乏しいでしょう。争点になった以上はなるべく対処していった方がいいとは私は思いますけども。

漆間巌官房副長官が質問に答えただけ(と報道自身は明らかにしている)で、自民党に及ばないなどと発言したと問題捏造された件も不審極まりないです。答えること自体が問題になる質問を報道がして、厚顔無恥にも報道が追及するという珍現象の謎も改めて指摘しておきます。質問されて答えたら、答えたこと自体が間違いだと厳しく糾弾されたら誰もが「気違いだ」と思うでしょう。

以上のような理由で、この西松献金問題が偶然でないとしたならば、民主党・政権交代に与するものが絡んだと考える方がよほど説得性があると考えます。(民主党政権ができるとして)小沢氏が退任して民主党が強くなれば報復などないのだから(最悪退任しなければ秘書を解放して、自民党のせいにするなり民主党に謝罪するなりする)。国策国策と言うのであれば、検察を詳しく調べてみたい気がしないでもないです。