稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

危ういマリーヌ・ル・ペンの現在

2017年04月28日 | 日々
 仏大統領選は5月7日に決選投票となった。

 自国第一を叫び、排外主義を掲げる国民戦線。
 その勢いの強さをぼくは危惧する。

 ファシズムに向かった過去の歴史によく似ているからだ。

 ただ、新聞やテレビで紹介されるマリーヌ・ル・ペンの手腕は驚きでもある。
  * NHKスペシャル「激震 トランプ時代」

     

 元々国民戦線は45年前、ル・ペンの父 ジャンが創設。
 けれども、排外主義や人種差別の暴言などで支持は低迷し、多くの国民からは拒絶さ
れてきたそうだ。

 ところが2011年、二代目党首になったマリーヌ・ル・ペン。
「思想は正しいが、一部の右派だけの支持では限界」と改革に乗り出す。

 そのひとつが「差別的な極右」というイメージを払拭すべく、過激な言動のつつしみ
を徹底したこと。

 そのため地方党組織を回り、これに従わない支部代表30人以上を更迭。

 さらにブログ、ツィッターなどネットの活用。

 また、EU傘下にあるが故の困窮として農家、失業者に訴え、支持を拡大。

     

 こうした活動のなかで飛躍的に得票を伸ばし、今日に至っているようだ。

 関係者は「基本理念を少しも変えず現代化」と考えているという。

 この転身は自己を徹底的に客体視し、冷静に分析した上に成り立っていると思える。

 また、古い幹部を更迭した統率力、決断力も注目に値する。
 何しろ初代党首 ジャン(マリーヌの父)さえ反ユダヤ主義発言で除名したというのだ
から。

 日本で安倍一強が語られ、野党の低迷が続く今、野党諸氏もこういう転身を参考にさ
れては?とつくづく・・・。

     

 それはさておき、決選投票の行方は大いに関心のあるところ。

 が、ぼくとしては底流に排外主義をもつこのル・ペンさん。
 
 さらなる伸長の先行きは不安。
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