稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

大曲の花火

2011年08月30日 | 
 8月27日、念願の秋田大曲の花火大会へ。

 人口4万人の町が一挙に70~80万人にふくれ上がるというこの日。覚悟はしていたが予想以上。
 バス駐車場から会場桟敷席に向け延々1時間を歩く。
 和歌山県から来たという腰の曲がったおばあさん。「大丈夫かいな」と思ったが、歩ききった。

 夕暮れの会場、人、人、人。



 この花火大会。普通のものとは違い、27の花火の作り手たちが日本一を目指して競い合う。

 市長の開会あいさつに続き、第1発。

 「割り物」と「創作モノ」が打ち上げられる。それぞれが粋をこらした個性的な花火。湧き上がる歓声と拍手。ひとつひとつに見ごたえがある。約3時間だが、見る側にも期待と緊張が途切れない。大曲だからこそなのだろう。



 十分に堪能して閉会。
 帰りがまた大変。会場から出るにも、ちょっと歩いては待機、これを繰り返し、2時間かけてバスへ。幹線道路は動かぬ車列が延々。
 ホテル到着は午前1時。

 十和田湖
 28日は八幡平を通って十和田湖へ。



 十和田湖は古来、魚の住まぬ湖だったそうだ。
 今生息するヒメマスは明治時代、和井内貞行氏が私財を投げ打って北海道支笏湖から取り寄せ、放流したものだ。そういえば、小学校の教科書だったか、偉人伝だったかで読んだことがある。
 和井内さんが大きくなったヒメマスが遊泳するのを見て感激したという記述。それを思い出した。

 奥入瀬川
 十和田湖周辺はすべてそうだが、原生の森。
 奥入瀬川べり。ブナ、カエデ、ケヤキ、トチ、ホウなどの広葉樹。どれもこれも光を求め合ってか、背が高い。ぼくが渓流釣りで通う川べりとはまた違う。
 見るからに豊かな森だ。



 この川は十和田湖から流れ出し、太平洋にそそぐ。

 魚が十和田湖に遡上できないのは魚止めの滝があるからと聞いている。
 どんな滝なのか一度見たいとぼくは思ってきた。それがこれだ。



 一見、コンクリートの堰堤に見える。しかしよく見ると、垂直に立ち上がった岩なのだ。柱状溶岩が横に並んだような線が見えていた。



 翌朝、誰かトラウト釣りをしていないかと湖岸を歩いてみた。
 残念ながら釣り人の姿なし。



 でも、奥入瀬川で一度釣りをしてみたいもの。

 この原生の森を初めとする自然の豊かさ。
 いつまでも残ってほしい姿だ。
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今は昔 夏の終わりに

2011年08月27日 | 日々
 ぼくが串本小学校に通っていたころ。
 7月に入ると授業は午前中でおわり。午後は先生の引率で、2列になって海水浴に向かった。 当時のぼくらの小学校にはプールがなかったのだ。

 ラジオ体操の後で海へ。梅雨明けしていない頃は肌寒く、唇の色が変わってふるえたことも。 それでも待ちに待った海水浴だった。

 水泳の等級試験があり、7級5メートルから1級1000余メートルまで、ぼくらはその階梯を上がっていった。
 等級を示す帽子の色や線の数は、そのまま海でのステイタスでもあった。


(今は埋め立てられ、国道や街となってしまった元砂浜の姿)

 夏休み
 夏休みになると、先生はいなくなり、代わってPTAが輪番で町内3箇所の浜(大水崎、須賀の浜、袋の浜)で監視。その他の海や川は保護者同伴でなければ遊泳禁止だった。

 ぼくらは友だちと誘い合って、毎日泳ぎに行った。

 口やかましく言われていた準備体操などは勝手に省略。
 砂利の上にシャツを脱ぎ捨て、走って波に向かうときのうれしさは今も忘れられない。


(大水崎の北側に残る砂浜)

 毎日飽きもせず通った。
 台風など悪天候のときは町内放送で「今日はとりやめます」。
 がっかり。
 お盆の3日間も泳げなかった。「ご先祖様が連れに来るから」と。
 お盆が終われば待ちかねたように、また海へ。

 海から帰れば、着替えてみんなで桟橋へアジ釣りに。半ズボンにランニングシャツ。夜に高い熱が出ることも。
  典型的な熱中症。
 「ホンマニ、遊んでばっかりいるさか」とおこる母。

 お盆すぎになると、大人たちは「もう朝晩涼しいのう、もう秋やのんし」などと挨拶を交わすようになる。
 『そんなことはない、夏はまだ半月もあるんやでエ』とぼくは必死で打ち消した。


(今も昔のままの須賀の浜)

 8月31日 学校水泳の終わる日
 この日も3時頃にはPTA監視員が鐘を鳴らす。
「オーイ、あがれよオ、時間やア」と。
 この瞬間、ぼくらはみんなで沖に向かってしゃにむに泳ぎだす。「もうちょっとだけ」と言わんばかり。来年の夏までもう泳げないのだ。
 が、結局鳴り続ける鐘に海からあがる。だらだらと。
 監視員は子どもらが帰り始めるのを確かめ、引き上げる。だが、ぼくらはシャツを着て、泳ぎこそしないが、砂で遊んだり、石を投げて水面を滑らせてはその距離を競ったり・・・。

 傾き始めた陽の下、あたかも過ぎていく夏にしがみつくかのようなひとときだった。



 泉南での事故のこと 
 ところで、今年も泉南市の学校のプールで小学校1年生の男児がおぼれ死ぬという事故があった。調査の結果、市教委にも管理を委託された会社にもいろいろ手抜かりがあったようだ。

 けれども、こうした学校のプールを開放しているところは少数らしい。

 この種の事故が起こるたび、自治体が守りの姿勢を固めていくからかもしれない。

 子どもたちのためには惜しいことだ。
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2011年 南紀のメッキを占う

2011年08月23日 | 
 メッキの接岸は黒潮の流れ方に左右されるという。
 確かに、年によってメッキの釣れ方は違うように思える。

 8月、メッキはまだ小さいが占ってみる。

  串本で
 8月21日の早朝。串本の海。いつも必ずと言っていいほど釣れるところ。
 ポッパーの1投目、重たい!
 『ンッ、これは・・・』、しかし動きがない。
 大きなビニール袋。
 その後も沈黙。あとはボラが楽しそうにはねるだけ

 古座で
 これはいかん!とあきらめ、ただちに古座へ。
 ここでもポッパーで広くさぐる。が、反応なし。おかしい!
 ミノーに切り替え、トゥイッチング。5~6匹が群れになって追いかけてきた。
 『おるおる』
 けど食わない。その次も同じ。
 が、これで終わり

 この2箇所がだめなら厳しい。

 一度や二度の釣行だけでは何とも言えないが、やや暗い予感。

 秋にまたもう一度!
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アジも手ごわし

2011年08月22日 | 
8月20日夕刻、串本着。
 夜はひまになり、釣りに。

 7~8年前の12月頃、同僚に初めてメバル釣りに連れてもらった。
 肝心のメバルはなかなか釣れず、外道のアジばかり。「またかヨ」というくらい釣れた。このとき、アジがソフトルアーで釣れることに感心。

 で、ぼくも今夜は久々のアジング。

 桟橋に着くと、二人がサビキ。
「どうです?」と尋ねると「釣れん、全然。今日は悪いわ」。
 ぼくもその横でキャストしたが反応なし。
 向こうの正面の防波堤で人影。そちらへ。


 
 常夜灯の下で二人がアジング。
 「どうです?」と尋ねると「昨日の夜はかなり釣れたけど、今は満潮で潮が止まって・・・」と調子が悪そう。

 ぼくもキャスト。
 1投目からコンコン。「オッ、おるがな!」
 3投目でヒット。
 小さいが金色に光るアジ。なつかしい。



 しかし、その後が続かない。

 隣の爺さんにヒット。かなり竿が曲がっている。
「大きそうですねえ」と言うと「これはエエ型かも・・・」
 銀色の魚体が見えてきた。大きい!というより長い。
「カマスや!」と爺さん。
「上がるかなあ、切れるかも知れん・・・ムッ」と引き抜く。
30センチほどのカマス。立派なもの。 
「夜、ここでカマスが釣れるんですか?」と尋ねると「いいや、めったにない」とのこと。

 その後、あたりは少なくなり。1匹を追加しただけで終了。



 なかなか手ごわい。奥が深そう。
 専門家の指南を仰がなければ。
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電車のマナー 東京からみた関西

2011年08月18日 | 日々
 17日から東京出張。いつも思うのは東京と関西のちがい。

 ぼくの通う大阪の事務所。ここではほとんどが東京の人。
 事務所では常に東京言葉が飛び交う。
 あるとき、東京生まれで東京育ちの馬場さん(仮名)。
「東京と大阪では電車のマナーが違いますねえ」と話してくれた。馬場さんが言うにはこうだ。

 到着した電車への乗り込み方
「関西では、電車への乗り込みが早い。まだ降りる人がいるのにもう乗り込んでくる!」という。
 なるほど、確かに、関西では電車が到着すると、一応は入り口を開けて待ってはいる。けど、降りる人が少なくなるともう入り始める。

 東京出張のとき、実際、東京ではどうなのだろうかとみてみた。



 確かに整然としている。これが東京の作法なのかと感心。
 もっとも、電車は昼間でも客が多く、「あわてて乗り込んでもどうせ座れない」という状況も関係するのかも知れない。

 一方、電車の外側から車内をみて、空席があるときはフライングする人もいる。(やっぱり!)


 
 電車での座り方
 「関西では足を組んで座る人が多く、車内通路を歩きにくいんです。また、足を大きく開いて座る人も多いです。それに立っている人がいるのに座席に荷物を平然と置いて知らん顔の人も!」と。

 確かにぼくが見たかぎりでは、東京ではあまり見ない光景だ。
 座る客がお互いに詰めたり、空けたりし、無駄なスペースつくらないようにしているように見える。

 

 電車内での会話
 「関西人は車内でよくしゃべるんですよ、しかも大声で!」
 ぼくとしてはなんとも言えない。確かに子どもや中高生たち、それに欧米人が大声で会話しているのは耳にするが、大人はどうかな?



 電車からの降り方
 関西で特徴的なのは、「降りる人がほぼ降り終わったころ、ギリギリまで座っていた乗客が走って出口に向かう」という光景なのだそうだ。
 「東京のように乗降客が多いところでこれをやられるとたまらんですよ!」という。

 関西人はぎりぎりまで座っておきたいということなのか。
 確かに見かける光景ではある。



 馬場さんに「なぜそうなのでしょうか?」と尋ねてみた。
 答えは「ぼくらは子どもの頃から親にしょっちゅう、そのようにしつけられてきたからかな?」ということだった。

 明確な白黒区分はできないが、電車の乗り降りひとつ、ところ変わると人の行動も違うというのがおもしろい。

 全体に、乗降客数では時刻を問わず、東京の方が圧倒的に多い。
 そんな状況だからこそ、しつけが重んじられ、ルールにはお互いに厳しいのかもしれない。
 謹聴


 

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久々の賀茂川水系上流

2011年08月14日 | トラウト
 世の中お盆。
 幹線道路は琵琶湖や日本海方面に向かう車で騒がしい。
 一方、近くの賀茂川水系。中州や川岸に家族連れや若者グループが泳いだり、飲んだりでにぎやか。

 今日は、近場の賀茂川水系上流へバイクで。

 かなりの減水。

 虫を覚悟して、両腕に虫除けスプレーをたっぷり。しかし目や耳のあたりにうるさくつきまとってくる。
「しもた、首筋や顔のまわりに塗るのを忘れてた!、ラフカディオ・ハーンの世界やなあ」と苦笑。

 アマゴの追う姿はまばら。やっと1匹。18cm。



 こんな小さなポイントにいた。



 今日はどうせ釣れない、と遊びのつもりでリュックにテンカラ。
 堰堤下でテンカラを取り出して振り込む。パシャッという反応。すかさず合わせる。が、のらず。『冷やかしかヨ』



 次のポイントでは反応なし。やっぱりテンカラは難しい、とリュックにしまう。これだから上達しない。

 あきらめて下流へ。
 ここでもう1匹。小さい。



 川原にズブ濡れの財布。「オッ」と拾い上げる。中身は会員カードばかり。自転車らしきキーも。現金はまったくない。どうも中身を抜かれて、川に投げ捨てられたみたい。気の毒に。

 さらにもう1匹。元気な18cm。



 ここで終了。

 財布は一応交番へ。

 もうツクツクボウシ。

 本日 アマゴ 3匹(13~18cm)
  
 
 
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大文字送り火の結末

2011年08月12日 | 日々
 二転三転した大文字の送り火。
 12日、放射性セシウム検出で、あっけなく陸前高田の松は燃やさないことに。

 やむをえまい。
 
 それにしても大文字保存会の松原会長は大変な心労だったろう。

 大文字山麓の45の会員から成る大文字保存会。

 当初、保存会が方針についてまとまらないと報じられていた。強引に決めた場合、後々の会運営に支障が出ては・・・と考えざるをえなかっただろう。中止の選択は苦渋に満ちたものだったはずだ。

 中止決定後の厳しい世論はさらに辛かったろう。

 セシウム検出で、関係者の間に落胆が広がっていると聞く。

 ひと区切りついた今、関係者、特に松原会長の労をねぎらいたい。
 
 
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大文字保存会 それでよかったのか

2011年08月10日 | 日々
 岩手県陸前高田市、高田松原の松でつくった薪。
 それを京都五山送り火で燃やす準備が進んでいた。が、8月4日、中止が決められたそうだ。
 大文字保存会に「放射能の心配はないのか」などの問い合わせや意見が多数寄せられたからだという。



 奇妙に感じるのは、これらの薪を検査し、「異常なし」を確認しながら保存会が中止としたことだ。

「やったらやったで批判が出るし、やらなければ苦情が出る。騒ぎは避けたい。」(ある保存会理事談・朝日新聞から)

 風評被害の連鎖・拡大はこうして起きていくのか。



 ぼくとしては「好きにようにやりなはれ」と捨て置きたい。が、やはり言わずにはいられない。

 いったんは決めておきながら、汚染がないことを確認したにもかかわらず、中止する。それが被災者たちに与える絶望感をどうとらえるのだろうか。

 「異常なし」と判定されても「騒ぎ」が消えることはなかろう。
 けれども、納得しない人に対しては堂々と説明はできるはずだ。

 風評の連鎖を断ち切る正確な知識と勇気。
 ここにしか、実態以上に広がる被害を食い止める手立てはないはずだ。


 (写真は大文字火床からの眺め) 
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笙の川にも赤とんぼ

2011年08月09日 | トラウト
 8月8日(月)笙の川へ
 久々に青空を見る。きれいな空だ。
 しかし、もう赤とんぼが飛び始めている。確実に移ろう季節。



 今日は、絶対釣れる・・・はずのエリアへ。



 かなり水が少なくなっている。
 キャスト開始。追うのはみんな小さい。昨年同期とは違う。深入りは禁物と移動。

 イワナの谷へ。



 ここはもっと減水が目立つ。全般に浅い。鬼ヤンマが水面に産卵行動。これも今年初めて見る。
 アマゴ!しかし13cm。
 イワナ、これも同じ。小さい。
 水の流れの曲がったところでイワナ 22cm。出る場所がいつもと違っている。

 やや深みのある狭いスペースながら水の流れ込みは豊富。ここにいた。
 おそらく眼前に現われたものはとりあえず食いつく、エサでなければ吐き出す、という反射食いなのだろう。 



 しかし、くもの巣は最高潮。釣りにならず。

 もっと広い谷へ移動。



 が、魚影はうすい。
 なんとか24cmのアマゴがヒット。ルアーを奥深くくわえこんでいる。緊急摘出手術。



 しかし午後の熱気はすさまじい。断念。
 まとまった雨がほしいところ。このままでは川が干上がる。

 本日 イワナ 3(13~22cm)
    アマゴ 4 (13~24cm) 合計7匹
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神戸にて

2011年08月07日 | 日々
 仕事の関係で、土日はレスキューロボットコンテスト(神戸市)へ。



 会場には予選を終えた20チーム。

 競技開始。
 チーム成員もさることながら、見物につめかけた人々の熱気もすごい。



 交わされている会話も、モーターがどうのこうの、○○の制御が・・・。さっぱりわからない。
 その容貌は、ぼくの先入観からか、みんなオタクっぽく見えてしまう。

 ぼくには正直なところ、あまり関心が起こらない。

 しかし世の中、いろんな趣味人がおり、それぞれがこうした集まりをもっているんやなあと感心。

 いや、ぼくの釣りも、他所からみれば、そのように映っているのかもしれない。
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