11月19日
10時に起こしてといっていたのだが、10時半に妹の声がして起きだした。ずいぶん元気になったおふくろが、美味しいものを食べに行きたいと言っていたので、出かける事にしていたのだ。
食事に出掛ける前に、近くにあるがずいぶんとご無沙汰している水間寺に紅葉を見に出かける事にしていた。軽く朝ごはんを食べて、しばらくして11時半ごろ3人で出掛けた。
水間寺は、小学校の頃写生会に出掛けて以来ではないかと思うぐらい久しぶりだ。子供の頃には無かった立派な公園の駐車場に車を止めて、足の悪いおふくろのペースに合わせてゆっくりと公園を散歩。コスモス畑が在ったらしいが、花は咲き終えてその残骸だけが残っていた。
そんな中を歩いていて、出てくるおふくろの話はほとんどが親父との思い出話ばかりだ、親不孝ものの僕が、新しい思い出を作ってあげるほど家に帰っていないからだと思うと申し訳ないような気がする。
紅葉も色づきがあまり良くは無かったが、妹とおふくろと3人で歩けば、そこが何処でもどんなに景色が良くても悪くても、幸せな気分だ。
水間寺の本堂のある境内に二人を残して、僕は車を公園の駐車場から境内の駐車場へと移動させた。寺の高台にある駐車場まで息を切らせながら上った。子供の頃は、このぐらいの坂道、なんとも無かったのにと重いながら。そして車を回して、駐車場に入れて、陶器市をやっている水間寺の境内に入った。本堂も三重塔も、もっと大きく思っていたが、それは僕が子供だったからだろうな。意外と狭い境内に焼き物屋さんが店を並べていた。お父ちゃんが居たら、ぜったい値切ってなにか買うてたやろな、とここでも親父の事が話題になった。高橋家の中でやはりおやじの存在は偉大なのだ。
寺を出て、近くにあったコジャレタ、ケーキ屋さんでケーキを買って、さて何処に食べに行こうかという話になった。だれも、行き先を考えていなかった。おやじが死んだ後、登記のことで相談に行った事務所の前にあった、小さなフランス料理店のことが僕は気になっていた。そんな話をしたら、そこに行こうということになった。
車を市役所の駐車場に置いて、小さな小さなフランス料理店に入った。テーブルが4っつ、8人しか座れないほんとに小さなお店だった。小さな店内は、飾り気は無いが暖かい感じがして、その雰囲気に満足。メニューはランチが3種類だけ。一番安いAランチを頼んで待った。お急ぎですかと聞かれ急いでいませんと答えた。その心遣いが嬉しかった。
最初に、かぼちゃの温スープ。一口、口に含んだだけで甘さと香ばしさが口の中一杯に広がって、心まであったかにしてくれそうな味だった。妹もおふくろも、自然と微笑んでいた。このスープだけでもう満足。
壁に飾ってあるシェフの写真は2枚、フランスの三ツ星レストランで修行していたものだ。この店を開業して20年らしい。この味ならもっと大きな店を出しても充分やっていけると思うのだが、そこはシェフのこだわりなのだろう。小さな店で、こんなに美味しいものを出してもらえたら、リピート客だけで充分やっていけるからなのだろう。まだ、スープしか飲んでないのに、もう高橋家族は次に来たらと言う話をしていたのだから。
昼のランチだから、すぐにメインディッシュ。小ぶりなステーキを小さく切って口に含んだ瞬間、又僕は笑ってしまった。なんでこんなに美味しいの、表面はカリカリ言うぐらいしっかり焼きあがっているのに中はレア。カリカリ感とやわらかさを歯で感じたその跡に、ジューシーな肉汁が程よい塩加減の味付けと共に口の中に広がっていった。ん~ん絶品。
食に、まったくといって欲の無い僕が(だからといっていつも安いものばかり食べているわけではない)ここまで書くのだから、それはそれは美味しいのだ。
デザートのケーキと紅茶。ここでも又、大感動。ケーキの上品な甘さに喜んでいて、紅茶を口に含んだとたん、なんともいえない絶妙なバランスで紅茶の渋みとケーキの甘みが一体になって、又なんともいえないとろけるような味が口の中に広がった。こんな美味しい紅茶を僕は初めて飲んだ。妹も感動しっぱなし。
何気なく気になっていた小さな小さなフランス料理店。実家に帰る楽しみが増えた。
大満足で店を出て、最近出来たと言う大型スーパーマーケットに出掛けて買い物を済ませ、取引先の病院に荷物を運んで、家に戻った。久しぶりの、実家での親孝行。いい一日だった。
これで今日が終わったわけではない。4時過ぎに、実家を出て滋賀県に向かった。今夜のライブは滋賀県守山市の小津神社。藤木君が設定してくれている。8時からだと言うので7時着を目指して走った。7時ちょっと過ぎに小津神社に到着。真っ暗な境内に藤木君の車だけが止まっていた。僕がやってきた気配を感じて藤木君が出て来てくれた。今日は、元青年団の結婚式があってみんな来られないという。それでも、何人かには声をかけてあるからと言う事だった。神社のホールにはストーブがたかれてあった。今夜も寒い、そんな中、機材を車から降ろし、セッティング。準備が整って、ギターを弾いていると、お客さん達が集まってきた。玉津小学校の校長や、守山市の教育長などが顔を見せてくれた。そこにもう一人驚く人が居た。以前、大学の授業の中で僕のライブを行ってくれた、鹿児島大学教授の平ちゃんの顔が。10人そこそこの人数だったが、温められた部屋のように僕の心もあったかく、素敵なライブを1時間半。校長や教育長がCDを買ってくれた。平ちゃんも構成が良かったと言って、特に「ほたる」を絶賛してくれていた。
これで今日が終わりではまだ無い。機材を片付けたらすぐに、春野町に向かって出発だ。明日の1時には春野町でのライブが始まるのだ。10時過ぎに小津神社を出発。高速に乗り込んで、極寒の勝坂に着いたのは1時半だった。ものすごーい長い一日を終えて、寝酒を飲んで、冷え切った布団に身体をくるんだ。
10時に起こしてといっていたのだが、10時半に妹の声がして起きだした。ずいぶん元気になったおふくろが、美味しいものを食べに行きたいと言っていたので、出かける事にしていたのだ。
食事に出掛ける前に、近くにあるがずいぶんとご無沙汰している水間寺に紅葉を見に出かける事にしていた。軽く朝ごはんを食べて、しばらくして11時半ごろ3人で出掛けた。
水間寺は、小学校の頃写生会に出掛けて以来ではないかと思うぐらい久しぶりだ。子供の頃には無かった立派な公園の駐車場に車を止めて、足の悪いおふくろのペースに合わせてゆっくりと公園を散歩。コスモス畑が在ったらしいが、花は咲き終えてその残骸だけが残っていた。
そんな中を歩いていて、出てくるおふくろの話はほとんどが親父との思い出話ばかりだ、親不孝ものの僕が、新しい思い出を作ってあげるほど家に帰っていないからだと思うと申し訳ないような気がする。
紅葉も色づきがあまり良くは無かったが、妹とおふくろと3人で歩けば、そこが何処でもどんなに景色が良くても悪くても、幸せな気分だ。
水間寺の本堂のある境内に二人を残して、僕は車を公園の駐車場から境内の駐車場へと移動させた。寺の高台にある駐車場まで息を切らせながら上った。子供の頃は、このぐらいの坂道、なんとも無かったのにと重いながら。そして車を回して、駐車場に入れて、陶器市をやっている水間寺の境内に入った。本堂も三重塔も、もっと大きく思っていたが、それは僕が子供だったからだろうな。意外と狭い境内に焼き物屋さんが店を並べていた。お父ちゃんが居たら、ぜったい値切ってなにか買うてたやろな、とここでも親父の事が話題になった。高橋家の中でやはりおやじの存在は偉大なのだ。
寺を出て、近くにあったコジャレタ、ケーキ屋さんでケーキを買って、さて何処に食べに行こうかという話になった。だれも、行き先を考えていなかった。おやじが死んだ後、登記のことで相談に行った事務所の前にあった、小さなフランス料理店のことが僕は気になっていた。そんな話をしたら、そこに行こうということになった。
車を市役所の駐車場に置いて、小さな小さなフランス料理店に入った。テーブルが4っつ、8人しか座れないほんとに小さなお店だった。小さな店内は、飾り気は無いが暖かい感じがして、その雰囲気に満足。メニューはランチが3種類だけ。一番安いAランチを頼んで待った。お急ぎですかと聞かれ急いでいませんと答えた。その心遣いが嬉しかった。
最初に、かぼちゃの温スープ。一口、口に含んだだけで甘さと香ばしさが口の中一杯に広がって、心まであったかにしてくれそうな味だった。妹もおふくろも、自然と微笑んでいた。このスープだけでもう満足。
壁に飾ってあるシェフの写真は2枚、フランスの三ツ星レストランで修行していたものだ。この店を開業して20年らしい。この味ならもっと大きな店を出しても充分やっていけると思うのだが、そこはシェフのこだわりなのだろう。小さな店で、こんなに美味しいものを出してもらえたら、リピート客だけで充分やっていけるからなのだろう。まだ、スープしか飲んでないのに、もう高橋家族は次に来たらと言う話をしていたのだから。
昼のランチだから、すぐにメインディッシュ。小ぶりなステーキを小さく切って口に含んだ瞬間、又僕は笑ってしまった。なんでこんなに美味しいの、表面はカリカリ言うぐらいしっかり焼きあがっているのに中はレア。カリカリ感とやわらかさを歯で感じたその跡に、ジューシーな肉汁が程よい塩加減の味付けと共に口の中に広がっていった。ん~ん絶品。
食に、まったくといって欲の無い僕が(だからといっていつも安いものばかり食べているわけではない)ここまで書くのだから、それはそれは美味しいのだ。
デザートのケーキと紅茶。ここでも又、大感動。ケーキの上品な甘さに喜んでいて、紅茶を口に含んだとたん、なんともいえない絶妙なバランスで紅茶の渋みとケーキの甘みが一体になって、又なんともいえないとろけるような味が口の中に広がった。こんな美味しい紅茶を僕は初めて飲んだ。妹も感動しっぱなし。
何気なく気になっていた小さな小さなフランス料理店。実家に帰る楽しみが増えた。
大満足で店を出て、最近出来たと言う大型スーパーマーケットに出掛けて買い物を済ませ、取引先の病院に荷物を運んで、家に戻った。久しぶりの、実家での親孝行。いい一日だった。
これで今日が終わったわけではない。4時過ぎに、実家を出て滋賀県に向かった。今夜のライブは滋賀県守山市の小津神社。藤木君が設定してくれている。8時からだと言うので7時着を目指して走った。7時ちょっと過ぎに小津神社に到着。真っ暗な境内に藤木君の車だけが止まっていた。僕がやってきた気配を感じて藤木君が出て来てくれた。今日は、元青年団の結婚式があってみんな来られないという。それでも、何人かには声をかけてあるからと言う事だった。神社のホールにはストーブがたかれてあった。今夜も寒い、そんな中、機材を車から降ろし、セッティング。準備が整って、ギターを弾いていると、お客さん達が集まってきた。玉津小学校の校長や、守山市の教育長などが顔を見せてくれた。そこにもう一人驚く人が居た。以前、大学の授業の中で僕のライブを行ってくれた、鹿児島大学教授の平ちゃんの顔が。10人そこそこの人数だったが、温められた部屋のように僕の心もあったかく、素敵なライブを1時間半。校長や教育長がCDを買ってくれた。平ちゃんも構成が良かったと言って、特に「ほたる」を絶賛してくれていた。
これで今日が終わりではまだ無い。機材を片付けたらすぐに、春野町に向かって出発だ。明日の1時には春野町でのライブが始まるのだ。10時過ぎに小津神社を出発。高速に乗り込んで、極寒の勝坂に着いたのは1時半だった。ものすごーい長い一日を終えて、寝酒を飲んで、冷え切った布団に身体をくるんだ。